|
妙心寺の塔頭・大心院は、宿坊として広く一般に開放されているお寺です。
また、本山妙心寺の他に通常一般公開されているのが、塔頭の退蔵院、桂春院、それとこの大心院しかないことを思えば、非常に貴重な存在です。退蔵院や桂春院のような名勝指定の名庭が無く、文化財的には3番手扱いのような気もしますが、親しみやすい雰囲気のお寺だと思います。
さて、大心院は、文明十一年(1479)、室町幕府の管領・細川政元が上京区大心院町(清蔵口 烏丸通と堀川通の間 一般に西陣と言われてる地域)に、妙心寺十世・景川宗隆(けいせんそうりゅう・本如実性禅師)を勧請し、その弟子の景堂玄訥(実相無相禅師)和尚を実際の開祖として創建したと伝わります。歴代住持は優れた人物が多く、第二世・明叔慶浚和尚も、甲斐の武田信玄に請われて恵林寺の住職にもなったことでも知られる名僧でした。
その後、戦乱の中で荒廃しますが、天正年間(1573〜91)、第五世・芳沢祖恩和尚の時、細川藤孝(幽斎)が、妙心寺山内の現在地に移し、妙心寺塔頭として復興、その後も藤孝(幽斎)の子の忠興(三斎)や蒲生氏郷をはじめとする蒲生家からも庇護を受けて発展します。
東京高輪の東禅寺(とうぜんじ)の開祖でもある第七世・嶺南崇六(れいなんすうろく)和尚(嶺南和尚の名に因んだのが、いつしか嶺が霊となった港区の霊南坂です。)も優れた人物ですが、現在の大心院の本堂は、寛永十一年(1634)、蒲生氏郷の孫の忠知が、この嶺南崇六に帰依して建立したものです。(尚、登場した住職の幾人かは、龍泉菴の時にも出てきました。大心院は龍泉派に属します。)
その後、幕末まで本山妙心寺の役寺を務めていたようですが時代を経るごとに衰退し現在に至ります。近年ようやく本堂、書院、霊屋、表門が京都府指定の登録文化財になりましたが、国の指定は無く、本堂修復のための国の補助金が無いため改修費用を自力で集めなければならず・・と案内板に書かれていました。それで宿坊などで頑張っておられるのかもしれません。
建物は、寛永年間に建てられた本堂と玄関、龍泉菴から移されたと伝えられる同時期の表門、明和五年(1768)建立の書院があり、また寛文六年(1666)に建立された祖堂は、その後まもなく本山妙心寺に売却されましたが、平成十五年(2003)に再び返却されたものということです。
寺宝として、鎌倉時代の李龍眠様(りりゅうみんよう。中国宋代の画家・李公麟による仏画様式)の「羅漢図」(重文)や友清の白衣観音、小栗宗丹の中国故事人物図等を所蔵しています。
大心院の庭園は、昭和四十年(1565)、昭和を代表する作庭家の中根金作が、前年の同じく妙心寺・退蔵院「余香苑」に引き続いて作庭したもので、山門を潜ると、開放的な前庭が広がります。(写真)本堂の前の方丈南庭も、土壁を背景に、祖堂に続く石畳と白砂、苔が並行して中々面白い庭です。(写真)また書院(旦過寮・宿坊)前の西側にも、一段高くなった白砂が広がる枯山水式庭園があります。
そして、一番有名なのは、書院(旦過寮・宿坊)の南にある方丈東庭で、「阿吽庭(あうんてい)」と呼ばれています。(写真)石で菩薩を象徴した第2の本堂ということです。
長方形の地割の中に、東南隅に築山を設け、苔と多くの木々が植えられています。築山の中心には三尊石組が置かれ、その周辺にも数個の石を配置し、築山の下部には白砂に州浜形の曲線を描いて波を表現しています。苔と白砂、また五色の色の違う全部で17個の岩との対比が美しい枯山水庭園です。
その他、方丈と書院との間にある坪庭には、立派なキリシマツツジが植えられて、4月下旬頃に赤い花を咲かせるそうで、お寺のパンフレットの表紙にも写真が掲載されています。
大心院といえば、京都らしい宿坊体験ができる場所としても知られます。
妙心寺では古くから、全国各地に流派を広げてきましたが、この全国の数多くの妙心寺派の寺院の僧侶が、本山妙心寺に出張・出仕の際は、塔頭寺院を宿舎とし、塔頭では宿泊する僧侶の世話をしていたそうです。
また行脚の雲水にも一夜の宿を提供していて、その部屋を「旦過寮(夕方に到着し明日に去るの意味)」と言ったそうです。これが妙心寺宿坊の原型のようですが、この形を留めているのは今では大心院のみになっています。大心院では、近世以降は檀家信徒のお参りにも使用されるようになり、現在では広く一般にも利用できるようになっていて、団体での座禅、法話、企業研修、ゼミ、同窓会、結婚式等でも利用されているということです。
私も滋賀と奈良、それと高野山でお寺に泊まった経験はあるのですが、地元京都では無いので、他の方の情報も参考にさせていただきました・・・大心院の宿坊ですが、まず、電話で空き部屋を確認した上で、往復ハガキで申し込むようです。一泊の朝食付きが基本ですが、夕食の精進料理についても要相談で可能ということです。部屋はきれいで風呂とトイレは共同、午後10時に消灯のようです。翌朝は午前6時から、清々しい空気と光の中で本堂で朝のお勤めがあります。形式はご住職のお話を聞く形で行われ、参加は自由のようですが、これを聞かないとせっかく宿坊に泊まった意味は無いような感じです。
大心院は、玉鳳院や微笑塔(開山堂)という妙心寺山内の最も重んじられ特別視される場所の一画にあるので、由緒ある場所に泊まる体験も良いかもしれませんね。
|
拝観経験はまりませんが、門は見たことがあります。妙心寺はあまり観光客に人気がないようですが私は金閣寺より好きです。
2007/2/17(土) 午前 8:30 [ ビリンギス ]
私も妙心寺は、今までそれ程行ったことが無かったですが、どちらかといえば、リピーターで京都通の方向きかもしれませんね。私はこのブログのために昨年から3回行ってきましたが、行けば行くほど落ち着いた雰囲気が好きになりますね。金閣寺とかは外国人だらけで初心者向き入門者向きでしょう。
2007/2/17(土) 午後 3:22 [ hir**i1600 ]
阿吽庭、大好きな庭園のひとつなんですよ。。大心院は宿坊なんですね。。知りませんでした。いつも静かで心落ち着く塔頭だと思っています。トラバさせてもらいました↓。
2007/2/18(日) 午後 8:43
阿吽庭は落ち着いた雰囲気の庭園ですね。こういう庭は、くせが無くて誰からも受け入れられる感じですね。
2007/2/18(日) 午後 9:04 [ hir**i1600 ]
妙心寺大心院に泊まってきました。トラックバックさせていただきました。<(_ _)>
2007/3/3(土) 午後 9:11
ここの宿坊には一度泊まってみたいです。妙心寺は落ち着いた雰囲気があって、最近特に好きになってきました。
2007/3/3(土) 午後 10:27 [ hir**i1600 ]
10年前に新入社員研修を妙心寺で受けました。当時はまだ学生気分が抜けてなかったので、お寺の方にはご迷惑をたくさん掛けてしまいました。
2008/1/15(火) 午後 5:17 [ chi*o_5**1 ]
学生の頃は、お寺で研修なんて・・という感じかもしれませんが、後になってみると、結構思い出になるのかもしれませんね。
2008/1/15(火) 午後 9:56 [ hir**i1600 ]