京都を感じる日々★マイナー観光名所、史跡案内Part1

写真容量の関係で、過去の記事をかなり削除していますが、よろしくお願いします。

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西京区御陵塚ノ越町にある「天皇の杜(てんのうのもり)古墳」は、京都市内に残る数少ない最大級の、また極めて保存状態の良い前方後円墳と言うことで、歴史的・学術的価値も高いことから、大正十一年(1922)に国の史跡に指定されています。
近年、周辺が公園として整備され、憩いのスポットとしてお勧め出来るので採りあげました。





この古墳が、「天皇の杜(もり)」と呼ばれている理由ですが、地元では昔から平安時代の「文徳天皇の御陵」という伝承があり、「御陵さん」という呼び名で畏敬と親しみをもって今日まで守られてきたと言うことに由来しています。

話は飛びますが、文徳天皇は、平安時代の天安二年(858)死去し、田邑(たむら)の真原岡(さねはらおか)に葬られたと伝わりますが、平安以降の相次ぐ戦乱の中で陵墓の場所は不明となってしまいました。・・・これは文徳天皇だけでなく、室町時代頃までの全ての天皇に共通することですが、現在の明治時代に定められた歴代天皇陵の大部分は、歴史的学術的には信憑性が無いと考えられています。

古い時代の歴史上の人物の墓と言うのは、相次ぐ戦乱や墓を管理してきた寺院の廃滅等によりほとんどが所在不明になってしまっているわけですが、天皇の墓もまったく同様です。
大規模な前方後円墳墓が造られた古墳時代の天皇陵は、実際は他の豪族の墓の可能性が高いものが大部分ですが、真偽はともかく一応墳丘という形で残っているために位置を推測できるものが多いのですが、それ以降の天皇の墓は、現在の一般的な墓と同様に、多宝塔や石塔という形で寺院内に造るようになったため、戦乱相次ぐ歴史の中で寺院が焼失したり廃寺となるとほとんど所在不明となってしまいました。

墓が小規模になった理由として、仏教伝来等の影響で火葬が主流となった事や、経済的理由から大規模な墳墓が造ることが出来なくなった等があるようですが、ようやく戦国乱世が終わった安土桃山・江戸時代以降から天皇陵は正確に所在確定できるようになります。現在よりも考古学や文献史学が発展していなかった明治時代に全天皇陵の位置を定めること自体が無謀だったとも言えるでしょう。

ともかく、現在、「文徳天皇陵」は京都市右京区太秦三尾町にあるのですが、この場所も有力な根拠があったわけでは無いようです。まして以前は、この「天皇の杜古墳」が最有力とされていたような状態だったようで、歴史に埋もれてしまった天皇陵の正確な位置を特定するということは、新発見でも無いと今となっては不可能に近いとも言えます。






さて、天皇の杜古墳は、古墳時代前期(4世紀)に築造されたと推定され、当時桂川右岸を支配していた豪族(首長)の墳墓と推定されています。
全長83メートル、後円部直径50.5m、墳丘高7.2m、総面積は10.234屐癖丘部2.908屐⊆濠部7.326屐砲竜都市内最大級の前方後円墳と言うことで、この地は古来より交通の要衡で、稲作が行われていた周辺の平野を見渡せる場所だったようです。

昭和六十三年(1988)から、保存整備の一環として京都市埋蔵文化財研究所による、墳丘部と周壕部の部分的な調査が行われ、その結果、周濠部と思われていた墳丘周囲の平坦部には堀の跡は発見できず、兆域(墳墓の区域)として他と区別した部分と言うことが判明しています。また墳丘は全体を2段築成で築造し、その平坦部には円筒埴輪が樹立し、斜面には葺石(ふきいし)が丁寧に葺かれていたと言うことです。ただ主体部(使者を埋葬した場所)の調査は実施されていないために、埋葬施設や副葬品の内容までは明らかでないようですが、桂川右岸では現存する古墳時代前期の古墳が少ないだけに貴重な古墳と考えられています。

天皇の杜古墳は、かっては田畑の中に残っていたのですが、京都市は古墳周辺の保存と活用を図るため、昭和五十六〜七年(1981〜2)周濠部を公有化して、国有地の墳丘部を併せて昭和六十三年(1988)から保存整備事業に着手しました。こうして、周辺整備と緑化工事を進めて平成六年(1994)に市民の古代史学習の場、文化財への関心を深める場として史跡公園となりました。






この古墳公園は、交通量の多い国道9号線近くにあるにもかかわらず、緑の広がる解放的な空間となっていて結構寛げる場所です。他からわざわざ来られる方は少ないと思いますが、近所の子供達の遊び場、母子で楽しめる公園として親しまれているようです。
この地域では、ほっこり出来る好きな場所のひとつです。

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