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右京区宇多野福王子町には、五つの道路が交差する五叉路があります。
周山・高雄方面から花園・太秦方面へ走る国道162号線(周山街道)と、金閣寺・仁和寺方面から嵯峨方面へ抜ける衣笠宇多野線(きぬかけの路)が交差し、さらに市道が入り込んでいます。交通事故防止のために常に警察の交通整理が常駐するこの五叉路にあるのが福王子神社です。小さな神社ですが、この五叉路の交通事故除けの神様のような存在です。
さて、福王子神社の創建年代は不明ですが、平安時代の山城国延喜式社のひとつで、かっては深川神社と呼ばれていたようです。祭神は第五十八代光孝天皇の皇后・班子皇后で、班子皇后が仁和寺の開山・開祖の宇多天皇の母でもあることから古くより仁和寺の鎮守神として祀られてきました。また一説によれば、この地は元々、班子皇后の御陵墓だったとも言い伝えられています。
現在の神殿は、応仁の乱で焼失後、寛永二十一年(1644)、三代将軍徳川家光と仁和寺法王覚深親王が、仁和寺の伽藍再興の際に合わせて新造したものです。再建以来、福王子神社と称し、仁和寺の歴代親王の崇敬を受けて、現在も祭事の際は奉幣の儀が行われているようです。また古くから東紙屋川、西広沢・大沢池畔、嵯峨野、南三条辺りまでの産土神として信仰を集めてきたということです。
小さいですが整備された境内にある本殿(一間社春日造銅板葺)、拝殿(桁行三間梁間二間、一重入母屋造 銅板葺)、鳥居(石造明神鳥居)が国の重要文化財に指定されています。
また、境内末社の夫荒神社は、平安時代に洛北氷室より御所宮中へ氷を献上するために輸送中、役夫がこの辺りで疲労の為死んだために、その霊を祀り人々の安全を祈願したものということです。
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