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神泉苑の続きです・・・
神泉苑は、弘法大師空海との旧縁で現在は真言宗寺院ですが、総本山東寺との関わりを物語るものとして、神泉苑の御水取りがあります。
真言宗総本山の東寺では毎年正月八日から七日間、世界平和と国家安泰、五穀豊穣等を祈って後七日御修法(ごしちにちみしゅほう)が灌頂院で勅使参向の上で行われます。後七日御修法は、宗祖弘法大師が宮中真言院で奉修して以来千二百年続く真言宗最高の厳粛な大法ですが、かつては神泉苑で修法のための御水取りが行われていました。
御水取りは、御修法の中日(十一日)未明に、東寺から御修法の供僧が徒歩で神泉苑に参詣し、池中の善女竜王社の閼伽井(あかい)の水を柄杓で七杯汲んで、これを東寺へ持ち帰って御香水として加持していましたが、現在は神泉苑の池に通じるという灌頂院の井戸が用いられています。
さらに神泉苑といえば、神泉苑狂言(大念仏)も有名です。
神泉苑狂言は、壬生狂言の流れを汲むもので、毎年五月の神泉苑祭の行事として五月一〜四日まで池の東端にある狂言堂で行われ一般公開されています。
今から約七百年前に、融通念仏の円覚上人が一般の人々に布教する際、集まった大衆に声が届かない事から、身振りで親しみやすく手まねで説法をしたのが「壬生狂言」の起源であると伝えられています。
以来、念仏狂言の宗家に代々伝承されて、京都の年中行事のひとつとして知られ、京都市の無形文化財に指定されています。
さて、境内の様子です。
境内中心には、かつての大池の一部に当る「法成就池」と呼ばれる池があり、小さな中嶋があります。
池に突き出して善女竜王社があり、「法成橋(ほうじょうはし)」という池に架かる朱塗りの橋で池の西岸とつながっています。この西岸には、南から神泉苑の方丈、本堂、平安殿が並んでいます。(その北には京料理の店「祇園平八神泉苑」さんがあり、平八の屋形船「竜王丸」が池に浮かんでいます。)
本堂には、本尊・聖観音菩薩像(重文)を中心に、脇座には不動明王像、弘法大師像と神泉苑の中興の祖となった快我上人(覚雅上人)像を安置しています。朱塗りの「法成橋(ほうじょうはし)」は、心に一つだけ願いを念じながら渡ると叶えられるといわれていて、平成十五年(2003)に境内南側の玉垣(石垣)と共に修復されました。
境内の中心となるのが、弘法大師空海が勧請した龍神「善女龍王」が祀られている「善女竜王社(ぜんにょりゅうおうしゃ)」です。また、手前には、小さな「恵方社(えほうしゃ)」の祠があります。
この恵方社は、日本で唯一の回転する社で、歳徳神(としとくじん)が祀られています。円形の石の基壇に載せられた木造のお社が、毎年の恵方(幸運な方角)にしたがって、その方角に社殿を回転させる仕組みになっていて、恵方社に向かって礼拝することで、その年の恵方を向いて参拝することになります。
池の東南には、安芸の宮島、繁昌神社(ブログに採り上げました)の弁財天と同体で日本三体という弁財天を祀る弁天堂、その東には鎮守稲荷社があり、さらに一番東側には狂言堂があります。(尚、鐘楼のある境内の東北区域は通行止めになっています。)その他池の西には亀塚・鯉塚等もあります。(くーちゃん、あーちゃんと名付けられた二羽のアヒルも人気があります。)
また、年中行事としては、二月の節分祭、、毎年五月の神泉苑祭、十一月の鎮守社の稲荷社と弁天堂の祭りとして行われる御火焚祭等が行われます。
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