京都を感じる日々★マイナー観光名所、史跡案内Part1

写真容量の関係で、過去の記事をかなり削除していますが、よろしくお願いします。

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JR京都駅の西にある下京区梅小路一帯は、陰陽道の大家として知られた土御門家(つちみかどけ)の邸宅があった地域です。
土御門家は、平安時代の陰陽師として知られる安倍晴明の子孫で、梅小路東中町の梅林寺、梅小路東西中町の円光寺、梅小路石橋町の稲住神社等がゆかりの史跡として残っています。今回は土御門家の菩提寺として知られる梅林寺(ばいりんじ)を採り上げます。(尚、これまで観光とは縁の無かったこれらの史跡ですが、陰陽師ブーム以降は、無断で境内に入る観光客が増えて困っているということで、予約して訪問することをお勧めします。今回私も予約していないため、写真は外観のみ)



さて、土御門家は、室町時代初期に活躍した安倍晴明の十四代目の子孫・安倍有世(あべのありよ 1327〜1405)の流れを汲む陰陽師の名門です。
安倍有世は、将軍足利義満から重用されて、陰陽師としては初めて刑部卿という公卿に昇進しました。以後、有世の子孫も公卿に任じられ、その曾孫・有宣(ありのぶ 1433〜1514)の頃、朝廷より土御門家の称号を許されて、これを家名としました。しかし、その後この有宣から、有春、有脩の三代にわたって歴代土御門家は、応仁の乱後の都の戦乱を避け、先祖・有世の時代以来の所領のあった若狭名田庄村(福井県おおい町)に移り住んで、若狭の守護大名・武田氏の庇護を受けることになりました。

その後、ようやく戦乱が収まり、有脩の子・土御門久脩(つちみかどひさなが 1560〜1625)は都へ戻りますが、関白秀次事件に連座して蟄居の身となります。しかし、慶長五年(1600)の関ヶ原の戦いの後、久脩は徳川家康に見いだされて復権し、京都の梅小路の邸宅に居住します。その後、土御門泰重、泰広を経て、土御門泰福(やすとみ 1655〜1717)の時代の天和三年(1683)、霊元天皇の勅許によって、土御門家は全国の陰陽師の統括と暦作成の権利を得ます。こうして、土御門家は全国の陰陽師を支配下に置いて全権を握ることになりました。

しかし、貞享元年(1684)に、渋川春海(しぶかわはるみ しぶかわしゅんかい)が、初の日本独自の暦「貞享暦」を作成し、それまで約八百年間使われてきた中国唐伝来の「宣明暦」から切り替えると、江戸幕府は天文方を設置して渋川春海を初代天文方に任命します。こうして、編暦業務は、朝廷の陰陽寮(土御門家を陰陽頭とする)の所轄から幕府天文方に移ることになりました。
しかし、権限を奪われることに抵抗した泰福の子・土御門泰邦(1711〜84)は、宝暦五年(1755)に「宝暦暦」の作成に成功して、改暦権限は再び土御門家が取り戻しました。しかし、この「宝暦暦」は、精度で劣り問題が多かったことから、その後、寛政九年(1797)の「寛政暦」、天保十五年(1844)の「天保暦」と、幕府天文方が精度の高い暦を作成して主導権を奪回することになります・・・既に伝統ある陰陽師の名門土御門家の時代は終わりつつあったのでしょう。

最後の抵抗を試みたのは、幕末の土御門晴雄(つちみかどはるお 1827〜69)でした。
晴雄は、明治維新の混乱に乗じて、新政府に旧幕府の天文方を廃止させ、再び天文観測や暦の権限を土御門家が手中に収めます。さらに晴雄は西洋の太陽暦(グレゴリオ暦)導入に強く反対し、太陰太陽暦の継続を提案しますが、明治二年(1869)に病死してしまいました。こうして、安倍晴明の流れを汲む陰陽道の名門・土御門家の時代は終わりました。明治三年(1870)に明治政府は、陰陽寮を廃止し、天文・暦学は大学や天文台、海軍等など移管されることになりました。


さて、梅林寺は、土御門家を檀越として、江戸の元禄年間(1688〜1703)頃に創建されたと考えられています。境内墓地には歴代の安倍家(土御門家)の墓があり、「宝暦暦」作成した正二位・土御門家泰邦の墓もあります。また、皇女和宮付上臈だった安倍邦子の墓などもあり、安倍家(土御門家)歴代の位牌も安置しています。
土御門家はその広大な屋敷内に、天文観測を行った星台を設けられていましたが、現在の梅林寺の前庭にも天体観測で用いられた天球儀「渾天儀」が置かれたという東西南北を現す十字が刻まれた台石が残っていて、石には土御門泰邦の名前が彫られています。
また、山門横には、平安時代中期の作といわれる大日如来像が祀られていて、これは平安時代初期に創建され、東寺と並ぶ官寺だった西寺の旧仏と伝えられているということです。


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