京都を感じる日々★マイナー観光名所、史跡案内Part1

写真容量の関係で、過去の記事をかなり削除していますが、よろしくお願いします。

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京都市北区衣笠街道町にある法音寺(ほうおんじ)は、京都の夏の一大行事「大文字五山の送り火」の「左大文字」と深い係わりのあるお寺です。
「五山の送り火」では、東山の「大文字送り火」、松ケ崎の「妙・法送り火」、西賀茂の「船形万燈籠送り火」、衣笠の「左大文字送り火」、嵯峨の「鳥居形松明」の五ヶ所六つの送り火行事が行われますが、「鳥居形」を除けば、各山の麓にある寺院の宗教行事が大きく関わっています。


「大文字」は、銀閣寺の隣にある浄土宗寺院の浄土院(大文字寺)が関係しています。
「大文字」送り火の起源が弘法大師空海によるという伝承もあることから、元々天台宗寺院だった浄土院(大文字寺)は、弘法大師像を送り火の本尊として祀っています。門前で護摩木の受け付けを行い、大文字の点火の際は、大の字の中心部の火床「金尾(かなわ)」の傍にある「弘法大師堂」の中で、住職が灯明を灯し読経が行われます。

「妙法」は、日蓮宗寺院、涌泉寺(ゆうせんじ)が深く関係しています。
「妙法」は、「南無妙法蓮華経」という日蓮宗の題目に由来しているように、日蓮宗との関わりの深い送り火で、「妙」のある西山で、点火の際に涌泉寺の住職が読経を行い、さらに送り火の後に涌泉寺境内で京都市の無形民俗文化財に指定されている「題目踊り」と「さし踊り」が行われます。
特に「題目踊」は、日本最古の盆踊りとも呼ばれ、その起源には以下の伝承があります。鎌倉時代末期に日蓮上人の孫弟子・日像上人が松ヶ崎村で布教を行い、この地にあった天台宗寺院・歓喜寺住職の実眼和尚も法華宗に改宗します。そして、徳治二年(1307)、全村民が日蓮宗に帰依したことを喜んだ実眼が、歓喜のあまり太鼓を打ちながら法華題目を唱え、村人も次々と「南無妙法蓮華経」と唱えながら踊ったというのが「題目踊」の始まりと伝えられます。

「船形」は、麓にある浄土宗寺院、西方寺(さいほうじ)が行事を行います。
「船形」は、西方寺開山の慈覚大師円仁が、承和六年(839)、唐からの帰路に暴風雨に遭い、南無阿弥陀仏と名号を唱えたところ無事帰還できたという逸話に由来すると伝えられています。西方寺では護摩木の受け付けを行い、送り火の後は、境内のかがり火を囲んで西方寺六斎念仏保存会による六斎念仏(国の重要無形民俗文化財)が行われます。

尚、愛宕神社との関わりを起源とするという説もある「鳥居形」は、特定寺院との関わりは無いですが、化野念仏寺の駐車場で護摩木の受け付けを行い、当日夜には、地元住民でつくる嵯峨仏徒連盟が「嵐山灯ろう流し」を行います。地元の女性がご詠歌を唱え、僧侶の読経と拍子木を合図に、先祖の戒名などを記した灯篭を桂川に流します。




さて、法音寺ですが、山号を菩提樹山といい、元々は天台宗寺院でしたが、現在は浄土宗西山派に属しています。平安時代に慈覚大師円仁が創建したと伝えられ、当時の史書にはその名がしばしば表されているということです。応仁の乱の兵火で焼失しますが、その後復興し、花山院(花山上皇)の勅願所、西国三十三所霊場の復興所の本山となったと伝えられ、山門横には勅願所を示す石標が立てられています。

法音寺と「左大文字送り火」の関わりですが、「左大文字送り火」の起源は、他の送り火同様に諸説ありますが、江戸時代初期頃、他の送り火よりは遅れて開始されたと考えられています。法音寺は、左大文字の発祥地、旧大北山村の菩提寺でもあったため、寺院を中心とした旧大北山村の人々が代々行事を受け継いできたのでしょう。

護摩木の受け付けは、金閣寺境内で行われていますが、送り火の当日の朝、法音寺本堂で、施餓鬼会(せがきえ)が行われ、灯明の火によって親火台への点火が行われます。そして、夕方には法音寺住職の読経があり、親火から長さ三メートル、直径二十センチもの大松明に火が移されます。大松明の火は、さらに左大文字保存会の会員五十人の手松明に移されます。他の送り火と違う「左大文字送り火」の特徴は、法音寺から約五百メートル離れた大北山(大文字山)まで松明行列が行われることです。

午後七時、大松明を中心にした松明行列が法音寺を出発して火床を目指します。そして、午後八時十五分の点火の際は、「大文字」の一斉点火に対し、「大」の文字の筆順通りに火を付けるというのも特徴です。「大文字」に比べてやや地味と思われている「左大文字」ですが、松明行列もあって、近くで見物しても中々面白い送り火行事といえます。

その後、送り火がほぼ消える午後九時二十分頃からは、法音寺本堂で「大文字御詠歌」奉納と名づけられた行事が行われます。左大文字保存会の手によって大文字の残り火が法音寺へ持ち帰られると、その残り火を本尊に供え、「北山金閣寺不動明王」、「愛宕権現地蔵菩薩」、「鞍馬山魔王」、「千本えんま堂えんま大王」の四仏に、先祖の霊を無事に送り出せるようにと祈り、「北山尼講」と呼ばれる法音寺の檀家女性が炎が消えるまで御詠歌を唱えます。

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嵯峨鳥居本という地名はこの付近で「鳥居形」送り火が行われているからなのですね。
今まで愛宕神社の一の鳥居(といっても愛宕神社は遥か、遥か先にあるわけですけども・・)があるから鳥居本と言うのだなぁと思っていました。

2008/10/18(土) 午前 0:15 [ hig*_p*ste2*00 ]

嵯峨鳥居本の地名の由来は、一般的には、この地が愛宕神社への参詣道であり、一ノ鳥居があることから地名となったという説が知られていますね。鳥居形の送り火から地名となったという説もあるようですが、送り火がいつ頃始まったか、また送り火が愛宕神社の鳥居に由来しているのかどうか等の問題も合わせて考える必要があるのかもしれませんね。

2008/10/18(土) 午前 3:01 [ hir**i1600 ]

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そうでうすか、どちらの説も可能性があるのですね。

ところで、
私は一度愛宕神社に登拝したことがあるのですが、神社までの道程、往路も復路も本当にきつかった事を覚えています。
明智光秀はどんな気持ちで愛宕山を登山したのかなあと考えつつ、白雪の降り積もった社殿に参拝しました。
さて、お聞きしたいのですが、
京都の台所という台所には、必ずと言ってよいほど愛宕社の火付せ札が貼られていると聞きますが、
ということは京都の方は皆神社までわざわざ登攀してお札を手に入れているのでしょうか・・?

2008/10/19(日) 午後 11:08 [ hig*_p*ste2*00 ]

そうですね。愛宕神社もブログに採り上げたいと思いつつ、私も最近は山道を歩く元気も無くて、やや敬遠気味です。いつか採り上げたいと思っています。
ご存知かも知れませんが、毎年7月31日の夜〜8月1日の朝にかけて、愛宕神社の千日詣(千日参り)という行事があり、この日に参拝すると千日分の火伏(防火)の御利益があると云われています。
毎年、この日ばかりは数万人もの参拝者が、朝までライトで照らされる山道を歩いて参拝するという一大イベントなのですが、火を使う旅館とか飲食業等の商売をされている方などは、この日に火伏のお札を得るために山を登られる方が多いようですよ。

2008/10/20(月) 午前 8:54 [ hir**i1600 ]

「千日詣で」というものがある事は存じておりましたが、実際相当たくさんの方が登られるようですね。強かと言わざるを得ないです。
愛宕社や同じく愛宕山に鎮座する月輪寺 あるいは上醍醐などは、どれも歴史が古く一見の価値はあるのでしょうが、数ある京都の観光名所の中でも目的地までの到達が最も困難な部類に入るのでしょう。
私も体が元気に動く間にできるだけ観ておきたいと感じます。体が悪くなってからでは、これらの寺社に参詣するのはまず不可能でしょうし。

2008/10/21(火) 午後 11:51 [ hig*_p*ste2*00 ]

そうですね。自動車で行けないこういった場所は、元気なときに行ってしまった方が良いのかもしれませんね。札所巡礼とかも出来れば、歩いて回りたいですね。達成感もあって印象が違う気もします。

2008/10/22(水) 午後 10:16 [ hir**i1600 ]

古い記事にコメントしてごめんなさい。
左大文字の宗教的側面や縁起を調べていると、こちらの記事が検索されました。
解り易い文章と、写真付で、参考になりました。
ありがとうございます。

2016/3/3(木) 午後 3:56 みぃにゃん

ご訪問ありがとうございます。
かなり前になりますが、京都の知られざる史跡を調べてみました。何らかの情報のある史跡はかなり網羅してると思いますので、ご活用くださればありがたいです。

2016/3/4(金) 午前 2:59 [ hir**i1600 ]


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