京都を感じる日々★マイナー観光名所、史跡案内Part1

写真容量の関係で、過去の記事をかなり削除していますが、よろしくお願いします。

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今回は、滋賀県大津市の逢坂山山麓にある小さなお寺、長安寺です。
このお寺自体はほとんど見所は無いのですが、境内に、次回に取り上げる宝塔があるので少し沿革を書いてみます。



古来、東国から京都へ入る際の関所として有名な「逢坂の関」付近には、創建年代は不明ですが、関寺または世喜寺と呼ばれた大寺院がありました。このお寺は平安時代には「日本三大仏」一つ「関寺大仏」があったことでも知られます。
平安時代に「日本三大仏」と呼ばれたのは、関寺の弥勒菩薩像、奈良・東大寺の盧遮那仏(大仏)、大阪河内・智識寺の盧遮那仏でした。もちろん、東大寺を除いて現存しません。
尚、智識寺についてですが、現在の大阪柏原市にあり、東大寺大仏のより大きく、東大寺の大仏の建立の契機となったと伝わる盧遮那仏がありました。しかし、智識寺は応徳三年(1086)に落雷により倒壊し廃滅しました。

さて、関寺(世喜寺)ですが、その後、天延四年(976)の大地震で、倒壊してしまいます。その後、恵心僧都源信と、弟子の延鏡法師が再建を志し、寛仁二年(1018)〜治安二年(1022)にかけて完成させました。修復再建中の大仏の様子は、当時旅の途中で、この地を通りかかった菅原孝標女(すがわらのたかすえのむすめ)が、「更級日記」の中に書いていることでも知られます。





鎌倉時代になると、一遍上人が関寺(世喜寺)に逗留し遊行念仏を奉納、その縁から遊行流念仏の道場となり、現在まで時宗寺院です。幕末の慶長年間(1596〜1615)に兵火に焼かれてほとんど焼失し、明治に寺号を長安寺と改め、僅かに一小庵を残すのみとなって今日に至ります。
境内には「一遍上人供養塔」や「小野小町供養塔」があります。

小野小町供養塔は、謡曲「関寺小町」にまつわる史跡です。
「関寺小町」は、老衰した小町が、老いてもなお優秀な歌人だったというお話です。
ある年の7月7日、関寺の住職が、稚児を連れて山陰に住む老女の許へ歌物語を聞きに行きます。老女は僧に請われるままに歌物語を語り始め、その言葉の端から彼女が小野小町であることがわかります。小町は自身の歌を引いて昔の栄華を偲び今の落剥を嘆きます。寺の七夕祭に案内された小町は稚児の舞に引かれて吾を忘れて舞うのでした・・。
他に境内には、元亀二年の織田信長の比叡山焼き討ちなどにより、比叡山山麓の坂本付近に埋もれていたものを、昭和三十五年に百体、境内に移し祀った「埋もれ百体地蔵」があります。





長安寺は、京阪電車の線路沿いの山際の寂しい住宅地にあり、付近には、京都市内ではあまり感じないわびしい雰囲気が漂っています。
現在の寺院には、かっての大寺院の面影はどこにもなく、境内に残る極大な礎石や、長安寺宝塔(「関寺の牛塔」)からわずかにその壮麗さが偲ばれるのみです。しかし日本一の石像宝塔と呼ばれる「関寺の牛塔」があるから人はここを訪れます。次回に続きます。

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滋賀県大津市、京阪電鉄坂本駅の北にあるのが生源寺です。
坂本観光で最初に出会うお寺でもあり、お寺の山門横の「開山伝教大師御生誕地」の碑に惹かれて境内を覗いてみられた方も多いでしょう。



生源寺は、伝教大師最澄の父、三津首百枝(みつのおびとももえ)の邸宅跡になり、神護景雲元年(767)に、幼名を広野と呼ばれた伝教大師最澄がここで誕生したと伝わります。三津首(みつのおびと)氏は、古代中国の後漢皇帝の末裔と称する渡来系氏族で、この坂本一帯を治めていました。
その後、伝教大師最澄が比叡山延暦寺を開いた後に、両親に対する恩に報いるために生源寺を建立したと言われます。本尊は、慈覚大師円仁作と伝える十一面観音菩薩像で、伝教大師の父三津首百枝と母藤原藤子の尊像も祀られています。また生源寺は、比叡山西塔の総里坊格として一山の事務を担当した重要な役割を担っていたようで、現在の本堂は文禄四年(1595)に詮瞬(せんしゅん)上人が再建し、宝永七年(1710)に改築されたものです。

境内には伝教大師の産湯と伝わる井戸があり、最澄の誕生日と伝わる毎年8月18日には盛大な誕生会が行われています。他には、元亀二年(1571)に織田信長が比叡山焼き討ちをした際に、犠牲となった人々を供養する「供養石仏」があります。
また、この時信長軍の襲来を知らせるために住民が必死で乱打したため、ひびが入ったという釣鐘「生源寺の破鐘」は、現在JR坂本駅の北にある「坂本石積みの郷」公園に置かれています。
生源寺は本堂へ自由に上がってお参りすることが出来ます。堂内には書道教室の習字が壁に飾られていたり、地域の人々に親しまれている様子が窺われました。

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