京都を感じる日々★マイナー観光名所、史跡案内Part1

写真容量の関係で、過去の記事をかなり削除していますが、よろしくお願いします。

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宝泉院

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京都の大学で史跡研究サークルに参加していた頃、サークルの某リーダー(現在銀行員)が「京都で一番好きな寺は宝泉院だ」と言っていたことを思い出します。
大原勝林院町にある天台宗寺院の宝泉院は、歴史的な重要性や所蔵する文化財的には同じ大原の三千院や来迎院、勝林院よりも劣ると思われますが、見所の「額縁庭園」が幾つかのテレビCMに採り上げられたため、今では隠れた名所と言うより、メジャーな人気寺院になっています。



さて、この前に少し書きましたが、平安初期に比叡山延暦寺の慈覚大師円仁が中国からもたらした声明(しょうみょう)は、その後弟子達に受継がれ、やがてこの大原に多くの声明道場が建てられることになりました。平安中期の長和二年(1013)に慈覚大師の九代目の弟子・寂源上人が大原寺(勝林院)を、また天仁二年(1109)に良忍上人(聖応大師)が三尊院(来迎院)を声明道場として建立し、大原は上院(来迎院)と下院(勝林院)を中心として盛時には四十九もの坊(子院・塔頭)が建ち並んだ仏教聖地となりました。
宝泉院は、勝林院の塔頭として平安末期の長和二年(1013)頃に創建されたと考えられます。寺伝によれば、現在の本堂は室町時代の文亀二年(1502)の再建ということですが、建物の形式や書院の天井板(伏見城床板=いわゆる「血天井」)からも江戸初期に再建されていることがわかるようです。

この宝泉院の書院の天井板は「血天井」として知られ、これまで正伝寺、養源院、源光庵をブログで採り上げた時にも書きましたが、伏見城の遺構になります。慶長五年(1600)の関が原の戦いの前哨戦となった伏見城の戦いで、西軍の大軍と交戦し敗れた徳川家康の家臣・鳥居元忠ら380余人が切腹した際の血が生々しく残った伏見城の床板ですが、その後、元忠をはじめとする諸兵の菩提を弔うために幾つかのお寺に納められ、天井に掲げられ(もちろん、床板等に用いると罰当たりなため)祀られています。



さて、宝泉院といえば、客殿の西にある「額縁庭園」として有名な「盤桓園(ばんかんえん)」があります。
「盤桓園」とは「立ち去りがたい」との意味があるということで、庭から少し離れた座敷奥に座って、鴨居と左右の柱を額縁に見立てると、竹林の間から大原の里を借景にした絵画のような美しい光景が目の前に広がります。
また近江富士の形をした樹齢700年と言われる「五葉の松(京都指定天然記念物)」には圧倒されます。この松は、金閣寺の「陸舟松」、善峯寺の「遊龍松」と共に「京都三大松」と呼ばれていますが、この3つの松の中でも最も雄大な松だと感じます。また、秋には楓が美しく、まさに「立ち去りがたい」庭園の一つでしょう。

この額縁庭園を見たいがために多くの観光客が宝泉院を訪れますが、秋の観光シーズンは、周りの赤毛氈に人がぎっしり座るので、写真撮影はまったく期待できず、京都の多くの観光地の中でもストレス度の高い場所になってしまうのが何とも残念です。紅葉シーズンの写真撮影が目的であれば、開門前から並ぶ覚悟のいるお寺の一つでしょう。今回私は午前9時の開門一番乗りで眺めてみましたが、今の季節は少なくとも午前中なら人のほとんどいない静かな空間を楽しめそうです。
また、もうひとつの「鶴亀庭園」は江戸時代中期の作と伝えられ、部屋の中から格子ごしに鑑賞する庭園です。池の形が鶴、築山が亀、山茶花の古木を蓬莱山と見立てています。樹齢300年という沙羅双樹も植えられています。



さらに、宝泉院には平成十七年(2005)に新しい庭園「宝楽園」が完成しています。
この庭園は、「仏神岩組雲海流水回遊花庭」という壮大な別名を持ち、地球太古の創生期に溯って、その原初の海をイメージした庭園ということです。東北の念珠関から運んだ海石「念珠石」を用いて三尊石組とし、また亀甲石(長野県天狗山産)や銀石(群馬・埼玉県境三波峡産)等を用いて蓬莱山、座禅石、宝船石等や特徴的な石橋を造っています。庭の底地には白川砂(京都白川上流域産)が敷き詰められ、台付花桃、桜、楓を中心に四季を通じて様々な花が楽しめる庭になっているようですが、壮大な別名に対して、面積が狭いのが残念でもあり、まだ新しい庭のために落ち着いた風情が感じられないという印象で、好みの分かれる庭のようにも感じます。序でに境内北側にある茶室「竹風庵」は鴻池別邸の茶室を移築したものということです。

最後に、宝泉院といえば、仏教で慈悲と智恵の世界を意味する「理智不二(りちふに)」と命名された珍しい二連式の水琴窟や、明治時代に声明の大家であった住職・深達僧正が音律を調べるために愛用したという「サヌカイト」を用いた「石盤」も訪れる人に親しまれています。これら、親しみやすく優しげな小道具も含め、現代人の求める癒しの空間造りのうまいお寺です。



とにかく、小さなお寺にもかかわらず人気があるため、秋に紅葉の「額縁庭園」の写真に誘われて訪問したものの、観光客の多さに失望した方もあるでしょう。しかし、季節をずらせば静かな時間をすごせるお寺ではあり、囲炉裏のある部屋でゆっくり寛ぐこともできるかと思います。

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