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今回は、京都府向日市(むこうし)からです・・・
京都府向日市(むこうし)は、北東西の三方を京都市に、南を長岡京市に接するたいへん小さな市です(全国で四番目に小さい市ということです)そのため、観光名所も少なく、一般の観光ガイドでは、向日市を無視するか、僅かに向日神社(むこうじんじゃ)が掲載される程度と思われます。
一方、向日市に接する北の京都市西京区には、有名な善峰寺を筆頭に、金蔵寺、十輪寺(業平寺)、三鈷寺(眺望絶佳の寺)、勝持寺(花の寺)、宝菩提院願徳寺(国宝如意輪観音)、大原野神社、正法寺(鳥獣の石庭)、洛西竹林公園というバラエティに富んだ観光名所が揃っています。
また、南の長岡京市には、光明寺(念仏発祥の地にして紅葉の名所)、乙訓寺(ボタンの寺)、長岡天満宮(キリシマツツジで有名)、楊谷寺(柳谷観音)という観光名所の四天王ともいうべき社寺があります。これに対し、向日神社と長岡京遺跡で対抗しているのが向日市で、明らかに観光客誘致では分が悪いといった印象です。
しかし、現在の行政区域の範囲はさておいて、歴史を遡ってみると、現在の向日市のある地は、平安遷都前の一時期、長岡京の大極殿が聳え立つ、日本の政治の中心地でした。また、鎌倉時代末期には法華宗の「帝都弘通(京都での布教)」に生涯をささげた日像上人の教えを関西で最も早く受け入れた地域でもあります。農業も栄え、京都の後背地として歴史的に重要な役割を持った地域といえるでしょう。
今後、有名観光名所は少なくても、小さな味のある史跡が点在している向日市の史跡も採り上げたいと思います。
さて、今回は、向日市の桜の名所の一つ、「桜の径」です。
向日市は、京都や大阪のベッドタウンとして早くから開発され、現在も多くの新興住宅地が周辺に広がっています。阪急電鉄の西向日駅の南東周辺にも、昭和初期という早い次期に開発された閑静な住宅街がありますが、約三百本のソメイヨシノが開発時点から住宅街のほとんどの通りに植えられていて、春には美しい「桜の径」になり、地元の人々の散歩道として親しまれています。
そして、これら桜並木の道は、四方から集まって「噴水公園」という円形の小公園(ベンチが少し並んだ休憩所程度ですが)を取り囲んでいます。桜並木が家々とマッチして、どこか、桜の花に囲まれて生活することを選んだ地元住民の誇りや喜びといったものも感じます。
また、発掘調査によって、この地域から、「春宮」と墨書された土器が出土していて、長岡京時代には皇太子の住居がこの付近にあったのではないかと考えられているということです。
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