2008年2月3日 年間第4主日 A年
心の清い人々は、幸いである、その人たちは神を見る(マタイ5・8)
キリスト(デイシスの部分)モザイクイスタンブール ハギア・ソフィア 1260年頃
ハギア・ソフィア大聖堂の階上南廊に位置する、「デイシス」と呼ばれる図の中央のキリスト像である。デイシスとは、審判者である救い主キリストに対して、向かって左に聖母マリアが、右に洗礼者ヨハネが人類の救いのためのとりなしを祈るところを描く図のことである。最後の審判の意味をこの三者に象徴させて簡潔に表現する図と解されている。ハギア・ソフィア大聖堂のデイシスは、マリアが相当部分、洗礼者ヨハネとキリストも下のほうが失われているが、キリストの姿は、威厳とともに深い慈悲を印象づける。その祝福のしぐさには荘厳な力が備わり、見る者に迫ってくる。
“幸いなるかな”と力強い祝福を告げるきょうの福音を重ね合わせて味わってみたい。この福音は、敬虔な信者や弱く苦しんでいる人々への慰めに尽きるものではなく、イエスとともに実現しつつある神の国についての教えであり、そこへの招きにほかならない。キリスト者が社会の中にあってこうむる迫害についても目を向けさせているところから、その祝福のこもった呼びかけの背景にある展望は、非常に現実的である。生活の中からの回心と具体的な行動を呼び起こす力をもっているのである。
(『聖書と典礼』編集長 石井祥裕)
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