昨日、原発で作業員が、高濃度の放射能水たまりにつかり、被曝しました。
高濃度の水たまりは、どうやら、運転中の原子炉でしか生成されない放射性物質が
含まれていたということで、心配です。もし、3号の原子炉の故障なら、冷却ポンプが作動しても、
完全に安全にはならないことになります。
なんだか、毎日少しずつヤバイ話が出てきます。
情報統制をされているのではないかと・・・・疑ってしまいます。
さて、我が国の原子力行政は、地震国であるという厳然たる事実に、真摯な姿勢で向き合って
きたのでしょうか??
平成17年に内閣府の原子力委員会が策定した「原子力政策大綱」をあります。
今年から、また、新大綱の策定作業がはじまっていますが、いまのところ17年の大綱が
有効であり、少なくともこれが現下における日本の原子力行政の基本的な考え方と言えます。
驚かされるのは、219ページにおよぶ文書のなかで、「地震」という言葉が出てきた箇所を
検索してみると、わずか2か所しかないということです。
http://graphics8.nytimes.com/images/2011/03/21/world/asia/20110321_JAPAN-slide-YEAH/20110321_JAPAN-slide-YEAH-jumbo.jpg
最初に登場するのは9ページです。そして、こう書かれています。
「原子力施設の設計・建設・運転に当たっては、地震等の自然現象に対する対策はもとより、
設備の故障や誤操作に起因して、内在する放射性物質が国民の健康に悪影響を及ぼす
潜在的危険性(リスク)を抑制する安全対策と、妨害破壊行為のリスクを抑制する防護対策を
確実に整備・維持する必要がある」
「地震など自然現象に対する対策」と、通りいっぺんの記述があるだけで、具体的な対策の中身は
まったく示されていません。
次に25ページの部分を見てみましょう。
「なお、国は、国内外において大きな地震が相次いだこと等から、原子力施設の地震リスクに
ついて国民の関心が高まっていることに留意するべきである」
・・・国は留意すべきである、というわけです。大きな地震が相次いでいると言いながら、それを
たとえば地球規模で何らかの変動が起きているのではないか、などと敷衍して考察することもなく、
あくまでも、無責任なまま、「地震と原発」という重大な課題を通り過ぎていく。
原子力委は初めに原発推進ありきの議論でOK、地震対策は、その分野の専門家が取り組めば
いいという、霞が関的な、タテ割り発想が、26名の有識者をそろえたはずの会議に見てとれます。
国の原子力行政の基本において、地震への万全の備えという、国民の命を守る姿勢そのものが
抜け落ちているのです。
http://graphics8.nytimes.com/images/2011/03/13/world/asia/20110313_JAPAN-slide-MHRY/20110313_JAPAN-slide-MHRY-jumbo.jpg
では、昨年6月にまとめられた資源エネルギー庁の「エネルギー基本計画」を見てみましょう。
さて、「地震」という言葉が何回出てくるでしょうか??
これも「総合資源エネルギー調査会」なる有識者の審議を経ています。
まず3ページ。「テロや地震などのリスクは減じておらず、エネルギーの輸送・供給や原子力
などについては一層の安全確保が求められていく」
次に31ページ。
「安全規制を取り巻く近年の大きな環境変化を踏まえた上で、必要な取組を実施してくことが
重要である。具体的には、安全審査制度における品質保証の考え方の取り入れや検査制度における
品質保証の取り入れの拡充、大きな地震動を受けたプラントの点検方法の標準化・マニュアル化、
トピカルレポート制度28の対象分野の拡充、リスク情報の活用方策等について検討する」
原子力政策大綱と同様、「地震」という言葉が出てくるのは、わずか、この2か所だけです。
どんなにコストがかかっても地震への備えを万全にしておくのだという姿勢は、残念ながら
微塵もうかがえません。
原子力の平和利用を唱える以上、なによりも「地震対策」やつ「台風・津波対策」という
項目を掲げ、原発の是非論も含め、議論するべきではなかったのではないでしょうか。
大地震を想定しておかねばならないはずのこの国で、原子力行政に携わる官僚や民間の有識者が、
ほとんど本気でその重要な問題に立ち向かおうとしていないことは、驚愕すべき事実です。
もとより下記のような霞ヶ関作成の原発増設プランを前提にし、アリバイ的に御用学者や
評論家、ジャーナリスト、財界人を集めて審議しているのですから、いまさら嘆いても仕方が
ないことかもしれません。
東京電力も国の原子力政策に従って、原子力発電所を作り続けただけということになります。
「2020 年までに、9基の原子力発電所の新増設を行うとともに、設備利用率約85%を目指す。
さらに、2030 年までに、少なくとも14 基以上の原子力発電所の新増設を行うとともに、
設備利用率 約90%を目指していく」(エネルギー基本計画)
原子力委にしても、総合資源エネルギー調査会にしても、議事録を読んでみると、いつも威勢
よくメディアで発言している評論家やジャーナリストが、委員として惨めなほどにズレた議論を
していることに気づくことがしばしばあります。
例に出して恐縮ですが、ことし1月31日に開かれた原子力委員会・新大綱策定会議における
青山繁晴氏の発言は次のようなものでした。
「原子力発電が集中立地している若狭湾では、雨が降ったとき、自然界の放射線量がどれぐらい
増えるかというと、大体170nGy/h(ナノグレイ・パーアワー)までいくんです。ところが、
原発が地震で揺らされたとして、使用済み核燃料棒のプールの水とかが仮に漏れたという被害で
あれば、170nGy/hまではとてもいかない。すなわち自然界の放射線量を超えることがない。
環境への影響はない。中越沖地震で柏崎刈羽原発の使用済み核燃料棒のプールから水が
漏れましたが、IAEAの調べでも環境への影響はなかったことが確認されている。しかし
社会的には、こうした事実がまったく知られていなくて、環境が汚染されたかのような
事実誤認がある。(中略)必ず巨大地震というのはやがて来るわけですから、そのときに何が
起きているかということを地元の方あるいは国民全体がフェアに、客観的に判断できるような
教育を今から積み上げることが大事ではないかと思っています」
この青山氏の発想からは、日本の原発がどうやって地震に備え、安全を確保すべきかという
視点は完全に欠落しています。
そればかりか、原発が巨大地震に見舞われたときに国民全体が「フェアに客観的に」判断
できるよう教育すべきであるという趣旨の発言は、つまるところ「地震国の国民として少々の
放射能で騒がない教育が必要」とも受け取ることができます。
自然と人間に対する恐るべき傲慢さといえないでしょうか??
ちなみに170nGy/時は、0.136マイクロシーベルト/時です。福島第一原発3号機北西0.5キロに
おける放射線量が一時、5000マイクロシーベルト/時を超えたのは周知のとおりです。
福島市の県北保健福祉事務所で3月22日11時に観測した数字が 6.53マイクロシーベルトで、
青山氏が持ち出した170nGyすなわち、0.136マイクロシーベルトの48倍という計算になることを
考えると、いかに原子力委員会で、いい加減な議論が行われていたかがわかります。
3月25日に開催される予定だった原子力委員会の会議は延期されましたが、次回会合でも
青山氏は同じ考えを貫けるのでしょうか?
http://graphics8.nytimes.com/images/2011/03/19/world/asia/20110319_JAPAN-slide-KMBQ/20110319_JAPAN-slide-KMBQ-jumbo.jpg
| 『 福島原発事故の影響で、東京は、食料品やトイレットペーパーなどの生活必需品の売り切れという現象が起こりました。』 |
かつて内橋克人氏は、行政や電力会社に支給されるデータ、紙に書かれた情報をマル呑み込み
する知識人たちの説く「原発推進論の無知蒙昧ぶり」(内橋克人「原発への警鐘」)を嘆きました。
財団法人「日本原子力文化振興財団」が1000人のジャーナリストを選び
「PA(パブリック・アクセプタンス)戦略」と呼ばれる原発推進洗脳作戦を繰り広げたことも、内橋氏は
厳しい視線で書いています。
「政府資金は、膨大な広告費として、新聞、雑誌、テレビなどのマスコミを汚染しました。
言論買収といってもまちがいありません。また、原発の信奉者は、これまで数多く輩出しました。
かつては大熊由紀子(朝日新聞)、最近は上坂冬子(作家)などが、宣伝に貢献しています。
上坂は電力会社の『助さん格さん』にともなわれてアジア各地の原発事情をみてまわり、原発賛美の
記事を書いています」
いまこそ、ジャーナリストや識者といわれる人々が目を覚ますべき時でしょう。経産省の幹部が
原発関連企業に天下りし、電力会社が地元にカネをばらまき、原発を「クリーンエネルギー」だと
うそぶいて推進してきた結果が、この惨状なのです。
国が一刻も早く脱原発にエネルギー政策を転換し、代替エネルギーの開発を強力に
進めるため、識者、ジャーナリストは霞ヶ関におもねる姿勢を改めねばなりません。もはや
世論をミスリードすることは許されないのです。
| 『 今、テレビに出演している原発の解説者のほとんどが、原子力委員会に所属し、原発の推進をしてきた人たちだということを忘れては、いけません!!』 |
転載元: 株式探偵コナン
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