茂戸藤浩司 “The Metal Taikist” のブログ

ハードロック、メタル業界で生きるプロフェッショナルの太鼓打ちです。

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大江戸助六太鼓のこれまでの歴史の中で、一体だれがこんなことを予想しただろうか?
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大江戸助六太鼓の稽古場に、コレ。

今、正面からコレに取り組んでいる。


昨年はオレがプロメンバー2名に手ほどきをし、これまでのライブで2度、その成果を披露している。

もちろん、大江戸助六太鼓のトップクラス2名なので打法技術も呑込みが早いし、オレのほとんどの要求に応えるだけの対応力は十分に備えている。
しかしながら、「大江戸助六太鼓が取り組むかつぎ桶太鼓のスタイル」がコレだ!というところまでは到達していないのが正直なところ。

まさに今「過渡期」であることは、まったくもって否定のしようがない。…

だからこそ、可能性の伸びシロが無限にあるように思えて、オレはワクワクしながら毎回の「現在進行形」の稽古にお付き合いさせてもらっている。



かつぎ桶太鼓。

楽器としては、今や太鼓業界ではすっかりメジャーな立ち位置を獲得している。

打法や表現のしかたについては、やはりレオさん(レナード衛藤氏)在籍時代の鼓童が創世記なのだろうか?

その後、「かつぎ桶太鼓」という楽器が鼓童によって世の中に出始め、またたく間に元ネタも知らずに形だけ模倣する奏者が増殖の一途をたどるわけだ。


そのため、
「大江戸助六太鼓がやるには、後追いのようで抵抗ある」とのご意見も頂いた。


…だけどね。

オレだって、ただ指咥えて見てたわけじゃなくて。

そもそもオレはこの打法スタイルには、1983年に国立劇場で行なわれた「日本の太鼓」にて特別出演した韓国の農楽チームによる「風物(プンムル)」を観た時から着目していた。

最初に見た時の衝撃は、今も忘れない。
まさに脳天に電撃が走った!!
「この打法&リズム形態は、日本の太鼓に取り入れるべき!!」と直感し、すぐに実際に韓国の杖鼓(チャンゴ)という楽器を、師匠に就いて3年間学んだのだ。

韓国打楽器のトップ集団・サムルノリのキム・ドクス先生やチェ・ジョンシル先生、イ・グヮンス先生達からもご指導頂いた。

その時代のオレが、韓国打楽器で学んだリズム構成のノウハウを太鼓に取り入れて作った曲が、当時の大江戸助六太鼓のコンサートやイベント、海外ツアーに於いて欠かせなかった組曲「闘魂華(とうこんのはな)」なのだ。
(この曲を発表した時点では、残念ながらかつぎ桶は使用していなかったが…)


…それでも。

やはり批判的な見方をする人はいるもので、「今さら大江戸助六太鼓がかつぎ桶なんて…」という声は、未だオレの耳までも届く。

オレと同輩の、同じ時代を大江戸助六太鼓で過ごした仲間も、このかつぎ桶への取り組みには否定的な意見だ。

「そんなこと教えるより、『助六流の何たるか』『粋で鯔背な太鼓』を伝授して欲しい。」と言われたこともある。

確かにそうかも。


…でもね。

かつて助六流に於いて「大太鼓」と言えば、二尺前後のサイズの太鼓を使った、お家芸の「横打ち」だった。

なのに、サイズのもっと大きな3尺前後の太鼓に正面から構えて、桧のぶっとい桴握って「拝み打ち」するスタイル(所謂、世の中の誰もが知ってる林英哲さんの「大太鼓」の打法)に取り組んだ時は、助六流のレジェンド達からは、それこそ批判の嵐だったのだ。

「あんなの、助六じゃない。」

「助六、オワッタ。」

「助六がオンデコになっちゃった。」

「金が余ってるからあんな太鼓買ったんだ。」

…等々、散々な毒舌を浴びせられたものだ。


…しかし、だ。

大太鼓に取り組んだことによって仕事の幅は格段に増えたし、大きな会場のライブコンサートやイベントに於いては、欠かせない演目となったではないか。

ざまぁみろ、だ。

今や、当時批判していた大先輩が教えるグループも…(おっと…以下、自粛。)



…担ぎ桶太鼓の話に戻そう。

近年は太鼓の仕事のオファーを頂く際に、「かつぎ桶でお願いできますか?」というような具体的な指定が、実際増えてきているのだ。
それこそが、かつぎ桶太鼓というスタイルが業界に浸透してきているという何よりの証拠ではないだろうか。

オレも実際数年前から、そんなオファーをいくつも受けている(早乙女太一君の公演など)。


もちろん大江戸助六太鼓事務所も例外ではなく、具体的にこれまでいくつか「かつぎ桶で…」というオファーが来ているのだ。


こうなりゃもう、避けて通れない。

昔の職人気質の時代なら「ウチではそんなのやらねぇ。よそ行ってくんな。てやんでえ、べらんめえ。」

で話は通ったが、今やそんなこと言うもんならその日から仕事が無くなるご時世。
(まったく、嫌な時代になったもんだ…)


…だからさ。

新しいものに取り組んだ時の世間の反応というのは、どの時代でも同じでしょ?

かつて六三四を立ち上げた時もそうだったし、武<TA-KE-RU>なんてもっと酷かったもんね。


かつぎ桶を打つ大江戸助六太鼓。
この現状を良しとするか、批判するかは、観る人・聴く人の自由。

好き勝手、大いに議論してもらってかまわない。


でも、現役で太鼓打ってお金頂いてメシ食ってる同士の同業者が、オレ達のやることにとやかく言うのなら、それなりのモノ見せてくれよな。

いつでも受けて立つよ。


オレの愛する大江戸助六太鼓の後輩達よ!

負けずに頑張ろう!!
一緒に頑張ろう!!


オレがついてるぞ。

「忝い。」
茂戸藤浩司

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