茂戸藤浩司 “The Metal Taikist” のブログ

ハードロック、メタル業界で生きるプロフェッショナルの太鼓打ちです。

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雑感(1)

■「夏・東京の太鼓」(於:東京文化会館大ホール)
 
先日このイベントを観て、思い感じたこと。
専門的な話かつ一部ちょっと(?)な内容なので、こちらへアップする。

まず、私の極めて勝手な独自の視点で、このイベントに出演された団体を系統分けしてみた。
 
1)「郷土芸能系」
…本当の意味での「伝統系」。郷土の祭り行事や儀式などの太鼓。
(「八丈太鼓」、「三宅太鼓」など)
 
2)「昭和伝統系」
…伝統芸能の技法を重んじながら、舞台芸術としての新たな太鼓文化の基盤を作った魁。
(「大江戸助六太鼓」、「助六太鼓」、「みやらび太鼓」など)
 
3)「ネオ伝統系」
…「昭和伝統系」の「江戸前」の美意識を尊重しつつ枝分かれ、新たに派生した流派。
(「天邪鬼」、「日本太鼓道場」など)
 
4)「平成太鼓文化系」
…新たな若い世代による新興勢力。柔軟な姿勢で様々な太鼓スタイルを取り入れているが、「和太鼓然」としたスタイルは崩さない。ただし流派や地域文化としての拘りは薄い。
(「大元組」など)
 
こんな風に分類すること自体あまり意味はないが、各グループや団体の「太鼓界での立ち位置」が近年徐々にハッキリとしてきたことは、個人的にとても良いことだと感じた。
 
ただ、派生した経緯や歴史などではこんな風にハッキリと分類出来るが、演奏内容、演奏スタイル、音楽性、表現方法での、本当の意味での「ジャンル分け」はまだまだ非常に難しい。
系統のバリエーションの多様化が、まだ足りていないのだ。
というか、その必要性すら感じていないのがほとんどではないだろうか。
つまり、あまりに太鼓界全体が、相変わらず「同じ方向」を向いているということだ。
 
上記2)および3)の方向性を作ったパイオニアの先輩方には、心からリスペクトする。
その考えをしっかりと受け継いで新たなスタイルを作ろうとしている4)のグループにも、まあエールを送る。
 
では、上記1)〜4)のどれにも属さない、今回出演しなかった私を含む「それ以外の太鼓打ち達」はというと。…
全くもって自由な身。
だったらもっと自由な発想でクリエイトしていこうよ。
この世界、せっかくバーリトゥード(何でもあり)なんだから。
 
でも何の資格も要らないこの世界でプロ(自称含め)が大量生産された近年。
「自称」さん達は、前例に則ったスタイルを踏襲しないと、なかなか仕事もらえないもんね。
それは仕方ないかもね。
結果、同じパイを食い合うことになってるんだけどね…
 
さてここでいきなりだが、下の質問に、「イエス」か「ノー」で答えてみて欲しい。
太鼓(いわゆる和太鼓)に関する、考え方に対しての質問だ。

一)和太鼓は、常に身体全体を用いて、気力、体力、集中力を以って全力で打ち鳴らすべきだ
 
二)まずは「大きな音」を出せて一人前
 
三)演奏する曲は「日本の伝統的なリズム」が基本であるべきだ
 
四)演奏時の衣装は、「日本的」で「伝統風」「和太鼓的」条件さえ満たしていれば、自由にデザイン・アレンジしてもよい
 
五)演目は「音」だけでなく「振り付け」「パフォーマンス」も必須だ
 
六)「振り付け」(桴回し、桴投げ、腕回し、ジャンプ、ターン、見栄切り、その他曲芸的なパフォーマンスなど)こそが他のジャンルにない太鼓の最大の魅力である
 
七)理屈ではなく、奏者が「困難に対して懸命にひたむきに打ち鳴らす姿勢」にこそ、真の感動がある
 
八)太鼓の歴史は… いや、もうこの辺にしときます(^_^;)
 
 
さて、如何だっただろうか?
ちなみに正解はない。
 
既にお気づきかと思うが、「イエス」が一つもなかった人が私と同類である。
その理由を解説しよう。
(特に悪意はないから、あまり深く考えないように。)
 
一)
たしかにそれも正論。
でもそれだけじゃない。
何も「全力」でなくても「打ち鳴らす」ことならいくらでも可能。
それよりも、単純な打楽器だからこそ、多彩な音色を奏でられるように「表現力(打法技術)」こそを磨くべき。
太鼓の音の種類は、決して「大きい」「小さい」だけではない。
 
二)
そんなことはない。
ならば女流太鼓打ちのほとんどが、男性に比べて音量が劣る。
それに大太鼓などは体重がある人の方が、そうじゃない人に比べて楽に大きな音が出やすい。
そんなハンディーの中で太鼓打ちの価値が決められたら、たまったものではない。
 
第一、「大きな音」とは、何を基準に言っているのだろうか?
本気でそう思う輩は、自分の音量を数値で計測して、力自慢の誰かと競い合ってればいい。
 
音量のコントロールが自在に出来る優れた奏者なら、相対的な「大きな音」を出すテクニックは可能。
そういう奏者こそ、優れた表現力を持つのだ。
 
三)
逆に、一体何を以って「日本の伝統的」と位置付けるのか?
もうこの辺になると、私はもはや付いていけない。基準が曖昧すぎる。
 
例えば日本の伝統音楽は、歌舞伎の「長唄」や「能」、各地の「祭り囃子」「神楽」など色々と存在する。
それらからのインスパイア系太鼓グループは既に多数存在し、しっかりと確立しているのだから、わざわざこれからそれを模倣する必要もないのではないか。
「昭和伝統系」や「ネオ伝統系」のみなさんに任せておけばいい。
それを受け継ぎたいのなら、その門下に入門すれば良い。
 
「伝統曲」と称して、シンプルにもほどがある、ただ単調なワンパターンのリズムを工夫もせずにリフレインするだけの退屈な曲を、あろうことかお金まで取ってお客さんの前で平然と演奏する神経が私には理解出来ない。…
 
四)
これはけっこう恥ずかしい。勘違いも甚だしい。
例の、中途半端にデザインされた「和風な衣装」ほどダサいものはない。
もちろん、日本の民俗文化をきちんと理解したセンスあるデザイナーが制作した物の中には素晴らしい衣装もあるが、多くは「よさこい何とか風」の今どきセンスを疑うような国籍不明の衣装だ(…あ、とうとう言っちゃった)。
酷い例になると、スパッツ履いたり、キラキラのラメラメでまるで学芸会…(もうこの辺にしとこうか)。

太鼓打ちたるもの、「半纏(はんてん)着るなら拘って着こなせ」である。
特に東京の「江戸前の太鼓打ち」を気取るなら、徹底的に「粋で鯔背(いなせ)」な着こなしに拘って欲しい。
同じ半纏でも、鉢巻の巻き方、帯の締め方、色の組み合わせ、素材のチョイスなどでガラリと変わる。
こういうこともきちんと勉強している奏者は、演奏にも説得力があるものだ。
 
そして「衣装は小奇麗にカッコよく着るべし」である。
浅草で売っているようなお祭り衣装をそのまま着るのはアマチュアならまだ許されるが、出来れば舞台用にもっと洗練して欲しいものだ。
 
五)
六)
振り付けも太鼓の魅力の一側面ではあるが、そればかりに頼ると、今に足元をすくわれる。
「打芸パフォーマンス系」の最高峰としては既に「大江戸助六太鼓」というスペシャリスト集団が存在する。
これを超えるパフォーマンス系集団が太鼓界に現れるのをとても楽しみにしているが、現状はまだほとんどが亜流。…残念!
 
「打芸モノ」も、長いコンサートで表現の幅を広げる手段としては有効だし、観客もとても楽しめるから大いに取り入れて欲しいとは思う。
でも、目を瞑って聴けるような「音だけで成立する曲」が書けない言い訳なら、それは「ナシ」だよ。
 
お隣の朝鮮半島には、「サムルノリ」という音楽的にもパフォーマンス表現的にも人間業とは思えない「超絶テクニック」の民俗芸能がとっくの昔に存在するのだ。
 
七)
だからさ。…
だったらTVでマラソンの中継でも観た方が…(おっと失礼!)。

いや真面目な話、本当に血の滲む努力で困難を克服した「真の表現者」は、舞台上でその苦労をあからさまに見せないものだ。
これが許されるのは、アマチュア学生や子供の演奏だけにしとこう。
 

…さて、仮に全部「イエス」と思った人も、「イエス」が多かった人も「だったら何だ!」と堂々と胸を張って欲しい。
そうであってこそ、太鼓界が面白くなるのだから。
 
私の意見・提言などは、所詮「痩せ犬の遠吠え」だしね…

いずれにしろ、常に少しでも「一歩先」に進もうと努力している団体(奏者)に、私は心から敬意を表する。
 
先にも触れた私を含む「それ以外の太鼓打ち」達は、もういい加減「伝統ごっこ」に寄りかからず、勇気を持って「太鼓を用いて自分の音楽を表現すること」、「日本人にしか出来ない世界に誇れる音楽ジャンルを作り出すこと」を目指して行こうではないか。

(この話、次回に続く…)

モトフジの独り言

…さてと。
では今回も、言わなきゃいいのに言わないと気が済まない「モトフジ節」を。…

■「第26回 富士山太鼓まつり 全国高校生太鼓甲子園」について
 
まず、こんなに由緒も歴史もある大会の割に、制作や進行など舞台裏方の指示、仕切りに少々問題あり。
「全国高校生太鼓甲子園」と銘打っているのなら、せめて出場する学生達が少しでもベストの状態で挑めるような配慮や心遣いはないものなのか。
VIP扱いしろとは言わないが、出場チームあっての大会なのだから、もう少し最低限の心配りは欲しいところだ。

まず、決して交通の便が良いとは言えないこの会場で、朝の10:00からいきなり本番がスタートするというのは少々無茶苦茶ではないか。
しかも事前の書面連絡で「楽器の搬入を当日9:00までに終わらせて下さい」って、同じものを全出場校宛てに送っている。
出場順は未定とのこと。
もし出場順がトップバッターの10:00〜だとすると、ろくに着替える時間もないし、リハーサルなど当然出来ないし、ストレッチやウォームアップなど望むべくもない。
その大事なポイントである出場順は、あろうことか「当日の楽器搬入後にくじ引きで決定」って…(!)

一体何を意図して、何のメリットがあって出場順を当日まで伏せるかはこの際置いとくとして、順序未定ということは、搬入口に同時刻に各チームの搬入車が殺到することはアホでも予想できる(当然、その通りになったらしい)。
 
で、出演順が決まるまで太鼓の置き場が決まらないから、出場者控え室のテント(ステージから相当の距離がある)まですべての太鼓を手作業で運ぶ。
で、ようやく運び終えたと思ったところでスタッフから「今すぐステージ脇へ持って来るように」と指示。
もう既にバッタバタである。
 
運ぶのは当然、出場者である高校生本人達だ。
大会側の指示が不的確なせいで、本番前にこれだけでも相当な負担を強いられたわけだ。
 
しかも出演順のくじ引きはまさかの一番くじ。…
部員たちもコーチの先生も軽くパニック状態。
(そうなることを想定して朝から衣装をつけておいたのは大正解。)
 
そうこうしているうちにステージ脇へ楽器スタンバイ。
置き場の指示も特にされないので、自主的に場所を判断して置き場所を確保する。
が、十分な数のシートなどもろくに用意されていないので、自分らで用意したブルーシートや毛布などを敷き、そこに太鼓を置く(これも想定内か…)。

ところが開催場所は屋根付きではあるが屋外。地面は土と砂利。
前日に雨が降ったらしく、シート裏は高い気温でびっしょびしょ。
あっという間に担ぎ桶などは蒸れてしまい、とりあえず楽器コンディションは最悪だ。
 
さて、出番。
トップなので、急いでセッティングしなければ!私も手伝うためにステージへ。
 
…ところが。
ここでもまた、バッタバタ。 というか、もう、ぐっだぐだ。
 
舞台上の楽器配置図などをステージスタッフ(もしかしてボランティア?)がまるで把握してないから、何も考えずにステージ上にわらわらと無造作に太鼓を運ぶものだから。

 
載せる台もでたらめ。…
 
太鼓の向きもでたらめ。…
 
しかも、太鼓の扱いも雑。…
 
何と、太鼓の台の乗せ方すらも知らないのだ。 
なので、並べ替えや入れ替えで部員達はかえって手間取ってしまい、あたふた。

これから「大一番」だというのに。…ここでも軽くパニック状態。
 
その上、大会オープニングで使用したこの大会の「象徴」である自慢の超・大太鼓「富士山」の向きを変えてもらう様に事前に指示を出しているのに、太鼓を運びこむのと同じタイミングでその大掛かりな作業を行うものだから、ステージ上は人がそれをよけてあっちへわらわら、こっちへわらわら。…
 
作業員(もしかしてボランティア?)が太鼓ゴツゴツぶつけるし。
一歩間違えたらケガ人が出る。このイベント、舞台監督はいないのか?

しかも。
「演奏の途中で一人が大太鼓に移動する」って、立ち位置の指示も出してるのに、大太鼓を打つための立ち台の設置位置が逆。これじゃ演奏中に台上に乗れない。
「すぐ直してくれ」って言っても「もう時間がない」って、…誰のせいで時間がなくなった?
手際も仕切りも悪すぎる。その結果こうなったのは明白である。
 
ただでさえ緊張してる大太鼓担当のY君に「立ち位置が逆になった。演奏内容に問題はないから、大丈夫だよね?」って、ステージ上(お客さんの前)で私が説得する。
何で彼らがこんな思いをさせられるんだ!?

これで「普段の練習の成果を十分に発揮して」って、出来るかー!

例えば高校野球の甲子園って(私は全く知らないが)、早朝に選手が会場入りして、着替えてすぐウォームアップもせずに試合開始させたりするものなのか?
関係者各位の皆さんは、その辺のところをもう少し配慮して下さい。

以上は、すべて私の個人的意見。
ご意見・反論・苦情などは私個人へ。
 
ここをクリック→茂戸藤浩司WEB SITE メールBOX
 
 
茂戸藤浩司
「さつき祭2011 大江戸助六太鼓&茂戸藤浩司」
(2011.5.29 渋谷La.mama)
 
〜今回のセットリスト&解説〜
 
◇第一部
 
1.闘魂華(とうこんのはな)…作曲:茂戸藤浩司
 
…私の約20年前の作品。
当時、コンサートのための強化合宿中、新曲のアイデアが出ずにメンバー一同煮詰まる空気の中、突然ひらめいたのを覚えている。
その後しばらくの間は、この時代の大江戸助六太鼓コンサートやイベント、海外公演の定番曲となった。
ゆったりしたハネ系3拍子〜3連符シャッフル〜ドンドコ系〜と3種類のリズムの移り変わりに韓国打楽器の手法を用いた。
これにドラムや尺八を入れたアレンジver.「闘-ikusa-」は、六三四のアルバム「Fer East Groove」にも収録されている。
もちろん、このメンバーで演奏するのは今回が初めて。
 

2.山車(だし)…作曲:小林正道
 
…前曲から曲続きで、宗家が大太鼓で登場。
「闘魂華」には当初、「最終章」として大太鼓のセクションがあった。
今回は、後年宗家によって作曲されたこの曲とメドレーにすることで、より重厚さを増した壮大な組曲とすることが出来た。
 

3.鋼鉄556…作曲:茂戸藤浩司

…桶胴&締太鼓セット3人による、ハイ・スピートなロック・ビート曲。
つまりは「ツーバス・ドゴタゴドゴタゴ」系(笑)!
打究人-Da.K.T.-時代に作ったバトルのアイデアを、最近の作品「5−5−6」のモチーフを使って紡ぎ直した。
「太鼓セットvs太鼓セット」のバトルをやるにはもってこいのナンバー。
若年層のファンから支持が多い。
 
 
4.正邪(せいじゃ)…作曲:糸原昌史
 
…前曲から曲続き、ハイテンポでハネたスウィング・ロック曲。
先日の早乙女太一クンの公演の第二部「歌舞伎ショー」の場面に作った曲の、スリリングな感じをライブで表現したかったので、ソロまわし後のシカケとしてアレンジしてみた。
「4拍12連を2打ずつ掛け合う」というウルトラ難易度の技に挑戦してみたが、早すぎて伝わって無いだろうな…
昌史、GJ!
 

5.海…作曲:小林正道
 
…宗家(まさ かの締・桶セット?!)と私(かつぎ桶)のデュオ。
私のイメージは思い切り「日本海」だったのだが、作曲者の宗家曰く、「南国の海」だそうだ。
前回までの「鼓の語らい」シリーズと同じく、ほぼ書き譜通り(といっても譜面は存在しないが)の宗家の真摯な演奏に、やるたびに変わる気まぐれな私のアプローチ。
何回やっても、物凄く楽しい!!
 

◇第二部
 
6.太極-taiji-…作曲:茂戸藤浩司
 
…たまにはパフォーマンス性を排除し、純粋に「打つ」ことに特化した曲をプレイしたかったため、締太鼓のみで座って演奏する曲を作った。 これまた打究人-Da.K.T.-時代の作品。 曲の大半がアドリブ。
そう言えば今回、私がソロ中に気まぐれでアフリカン・リズムに移行したが、両脇の2人(糸原昌史、座古瑞穂)は瞬時に付いて来て反応した!(思わず「さすが!」と口走ってしまった。)
中盤とラストの、アクセントを一拍ずつずらして噛み合わせる「スーパー皮違い」は最大の見せ場。
但し、3人の誰かが一瞬でも油断して気を抜くと、大失敗する。 難易度高し。成功率低し(笑)。
今回は大成功!! → 大爆笑!!
 

7.雫-shizuku-…作曲:茂戸藤浩司
 
…ゆったり、淡々としたリフが3小節続き、4小節目で突然、時計仕掛けの精密機械のようなギア(歯車)が噛み合い、刻み合うような…そんなイメージで作ったメイン・モチーフ。
作った当初の打究人-Da.K.T.-時代は、この曲の後半で「十二単-juuni hitoe-」のメイン・モチーフに繋げていた。
現在は、後半にラテンっぽいアップ・ビート部分を書き加え、ちょっとした「おアソビ」でサンタナのパロっぽいフレーズも…
この曲での、大江戸助六太鼓メンバー・座古瑞穂のソロは、妖艶にして絶品。
 

8.纏(てん)…作曲:糸原昌史
 
…中太鼓3人(+締太鼓)の、テンポの緩急が激しい曲。
今回私は不参加なので多くを語らないが、とても謎の多い曲である。
どういう風に拍とテンポを取っているのか、非常に興味深い。
 

9.乱れ打ち…作曲:大江戸助六太鼓創始者
 
…盆太鼓の妙技を競い合う曲。今回私は、チャンチキのみで参加。
以前、このシリーズの第1回目の時は、私がサプライズのつもりで早着替えで大江戸助六太鼓の正衣装を纏いこの曲に参加したが、その意図がお客さんにまったく判ってもらえず… (T_T)
(鉢巻きするために、髪まで短く切ったのに…)
 

10.十二単-juuni hitoe-…作曲:茂戸藤浩司
 
…現在の私の代表曲。
ある日「十二」という数字がとても神秘的で魅力的であることに気づいた。
例えば、日常生活や身の回りは「十二」という数字に囲まれている。
時を刻むのも十二。一年を区切るのも十二。星座も十二。干支も十二。西洋音階も十二音階。
…と、枚挙に遑が無い。
で、ある日突然「何か」が降りて来て(たしか、練習の合間にハワイアン・リズムで遊んだリハーサルの帰りの車の中)、この曲のリズム・トラップのアイデアが出来上がり、家に帰って夢中で譜面を書いた。
「サンシ、じゅうに。シサン、じゅうに。…ああ!コレだ!!」
私のポリリズムの講義「キムタクとキムラタクヤの法則」を聞いたことがある人は、この曲のシカケの仕組みが判るはず。
因みに「太極-taiji-」のアドリブ中にも、十二拍子をベースにしたトラップが満載。
 

Enc.二段打ち…原案: 小林正道、作曲:大江戸助六太鼓創始者
…言わずと知れた“伝家の宝刀”、“不朽の名作”。
ちょっと頑張ってみました。
まだまだ錆ついちゃいない(不敵な笑み)…
 

「忝い。」
HIROSHI.xx

はじめに断っておくが今回のコラムは、Q&Aでも紹介した「左を右と同じようにコントロールして打つ」ことがある程度のレベルまでクリアした「上級者」を対象に書いている。

まず、いきなり核心を突いた話をしてしまうと、左手(利き手で無い方)を右手(利き手)と同じ様にする必要はない、というのが私の意見。
Q&Aの内容とは多少矛盾するかも知れないが、最後まで聞いて欲しい。

利き腕で無い方を利き腕と同じようにコントロール出来るようにするには、気の遠くなるような年月と努力、集中力、忍耐力が必要である。
日常生活ですべてのことを「左右両利き」で出来てしまう器用な方なら話は別だが、私を含めほとんどの方が通常は利き手で歯を磨き、利き手で箸を持ち、利き手でペンを持って字を書く。…
それらすべてのことを、利き手で無い方で、尚且つ利き手と同じ様に完璧に行なうことを想像すれば…どれだけ大変なことなのかは想像に難しくない。

さらに、これが太鼓の場合「筋力」や「フォーム」、場合によっては「振付」なども関わってくるため、もうそれはまさに「試練」である。
(某有名太鼓集団では、それらの日常行動をすべて左(利き腕でない方)で行なうよう訓練するらしいが…まあ目的によってはそういう訓練もアリとは思う。)

私はというと、未だ左腕を右腕と全く同じように寸分違わず完璧にコントロールするには至っていない。
例えばすべてのレパートリー曲を、左右逆にして、通常のプレイと遜色なく完璧に打つことなど絶対無理だし、やろうとも思わない。
その「必要性」をあまり感じてないからだ。

私は、リズムに「表・裏」が存在することを意識し始めた頃から、手ごと(=フレーズ)のすべてを左右逆で打つようなナンセンスな訓練を減らした。
「減らした」というのは、完全にやめたわけではないということ。
スキルアップのためのメソッドとしてはそれなりの効果はあるし、感性を掌る「右脳」の刺激にも良い。
今は、気が向いた時に「別の目的」で行なっている程度だという事。

私の太鼓セットは、口径の小さい(音の高い)締太鼓を左側、口径の大きい(音の低い)桶胴太鼓を右側に配置している。
それは「パワー系を担う右」と「繊細さを担う左」とに役割を分けているため、この配置が私にとって最も合理的なためだ。
右腕には右腕の、左腕には左腕のそれぞれの役割がちゃんとあるような気がする。
「右は右、左は左の音を出す」ことを追求した方がいいのではないか?
太鼓から紡ぎ出される「音像」やグルーヴに神経を研ぎ澄ませてみると、右と左の打順って実はとても重要な気がするのだ。

例えば、セットを逆の配置にすることなど考えたこともないし、それこそ時間の無駄。
太鼓歴35年を迎えた今もなお、もっと他に練習すべきことは山ほどあるのだ…。


但し…
正面打ち(拝み打ち)の大太鼓など、真後ろから観客に観られる視点では「左右対称」の方が見た目も当然美しいし、音にも大きく影響する。
この奏法に関しては「左が右のように利く」と、ものすごく重宝するのだ。

この話はまた別の機会にでも…。


茂戸藤浩司

「ドンツク」

茂戸藤流太鼓術(2)
 
長胴太鼓の斜め打ちに於ける基本リズム「ドンツク」の練習法について、解説します。
 
<用法>
■地打ち、下打ちなど(ベースリズム)
 
■曲中のテーマ・リフの一フレーズとして
 
■打法またはフレーズ習得のためのトレーニングとして

<ポイント>
■「ドン」は強く、「ツク」は出来る限り弱く打つ。
 但しあくまでも「弱く打つ」のであって、桴を置きに行くのではない。
 聴感上、口唱歌の通りに「ドンツク」と聞こえるように。
■はじめて練習する場合、テンポ♩=130くらいで「ドン」を4分音符とし「ツク」は8分音符2つとしてとらえ、ゆっくり正 確に練習する。
 慣れてくるに従い徐々にテンポを上げていき、「ドンツク」を1拍としてとらえて打てるようにする。
 (「ドン」を8分音符「ツク」を16分音符としてとらえる)
■歯切れの良いシャキッとした音形をイメージしつつ、同時にリズムにうねりが出るよう体の中で音が転がるよう  にイメージする。
■他流派との最大の違いは、左桴を絶対に振り上げない点。
 右の「ドン」を打ったタイミングで左を振り上げてしまいがちだが、それは絶対にNG。
 
<打法手順>
■基本手順は「右・右左」
・まず両方の桴を打面に揃えてかまえ、右桴を、腕が弧を描くように振り上げ、打ち下し、「ドン」。
・右桴は、「ドン」を打った後に即座に握りをコントロールし、リバウンドに任せずに打面のギリギリ近くにキープ。
 (最初の、両桴を揃えた「かまえ」の状態に戻す)
・その状態から桴先を一切振り上げることなく(打面から2〜3cmの地点から)「ツク」を打つ。
 因って、「ドン」と「ツク」にはかなりの音量差が生まれる。
 (※北陸地方などに伝わる「三ツ打ち」とは全くの別物。)
・打点は「ドン」も「ツク」もすべて太鼓のほぼ真ん中を狙い、打点を変えないのが基本。

☆速いテンポで連打する場合のコツ
速いテンポで打つ場合、「ツク」を打ってから次の「ドン(右)」を打つために振り上げる右桴が忙しくなり、リズムも乱れる。
そこで、「ドン」を打った後、肘を引きながら同時に「ツ」を打つテクニックを使う。
振り上げの動作の時に「ツ」の音を打ってしまうわけだ。
これにより、一往復の腕の上げ下ろし動作で、「ドン」と「ツ」二つの音が出せる。
練習法としては右手だけで、
     『振り下ろして「ドン」→上げながら「ツ」』
を繰り返すとコツが掴みやすい。
注意点として、桴を振り上げる時は桴先を打面側へ向け、肘から引くように弧を描くことを忘れずに。
まずはゆっくりからはじめ、テンポ♩=150くらいまで打てるように目指しましょう。

<バリエーション>
「ドンツク」系リズムには多数のバリエーションがあるが、ここでは代表的なものを紹介する。
 
 ◇「ドンツクツッドン」
東京の下町や関東地方の一部に代表される「盆太鼓」の基本リズム。
ほとんどの民謡曲に合わせて打つことが出来る。
「盆太鼓」とは夏の風物詩「盆踊り」の櫓の上で打ち鳴らされる太鼓。
フットワークを最大限に使い、体全体をうねるように大きく揺らしながら打つのが特徴。
「ドンツクドンドン」と呼ばれることもある。
 
 ◇「ドンツクドンツクドンツクドンドン」
助六流代表リズムの一つ。
これ一つが1小節(4拍)のフレーズ。
三回の「ドンツク」それぞれにに意識的に音量差を持たせることにより、様々なグルーヴを生み出すことが出来る。
私が同流派に所属時代は、いつもこれを余裕でテンポ♩=170以上で演奏していた。
 
 
上記について不明な点や質問などは、いつでもコメントを。
 
またはこちら↓へ直接お問い合わせ下さい。
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(※TOPページ内「CONTACT」からお入り下さい。)
 
ケータイ版はこちら↓
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(※「メールBOX」からどうぞ。)
 
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