|
従来竜山石と呼ばれていた岩石が、その大半が伊保山の石であることを
お話ししました。これまで竜山石とされていた石棺石材には伊保山ほど
比率は高くはないですが、他に何カ所かの石切場があります。
伊保山から北側になる加古川市の池尻です。灰白色の流紋岩礫が層理に
沿って並び、他の礫がなく、一見花崗岩と見間違う石です。石種は流紋
岩質火山礫凝灰岩質溶結凝灰岩です。
池尻からさらに北に加西市の長(おさ)の石切場があります。その西側
には、古法華の石切場もあります。古法華の石は、灰色がかった薄い青
色の基質に緑色の流紋岩角礫や白色の長石が特徴です(写真)。古法華
の石と考えられる石棺石材はありません。長の石は、古法華の石に淡桃
色・茶褐色・黒色の流紋岩礫が入る特徴的な石です。石種は、流紋岩質
凝灰角礫岩質溶結凝灰岩です。
長のさらに北側には、高室の石切場があります。垂直に切り通された面
には、いくつかの層状のものが見え、刳抜き式ではなく、板状の石材しか
取れないように見えます。高室の石は、火山礫が非常に細かく、一見砂岩
のように見えます。その粒状のものは、流紋岩、長石、石英が含まれ、ごく
まれに輝石があります。石種は、流紋岩質火山礫凝灰岩質溶結凝灰岩です。
このように、これまで「竜山石」と考古学で報告されていた石材でも、数カ
所の石材であることがわかっています。これからは、このような視点から、
石棺石材の時期・採石地などを厳密に特定していけば、各時期の流通とその
背後にある勢力関係などがつぶさに明らかになっていくと思われます。
|