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継体・乙訓の宮

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昨年9月以来、久しぶりの更新となります。

ずっと更新が途絶えていたにもかかわらず、たくさんのコメントやお気に入り登録をいただき、何のお返

事もせず、申し訳ございません。

昨年の10月に大きな手術をしまして、入院生活をしました。お陰様で無事退院をしまして、その後少し

ずつですが、活動を再開しようと思っております。

乙訓の宮の問題点

『日本書紀』によれば、継体12年春3月9日 継体は都を乙訓に遷したとあります。

越前に出自をもち、越前と近江に基盤をもつ継体は、突如畿内に侵出してきて、継体元年1月12日に樟

葉に拠点を置きます。樟葉の宮と呼ばれているものです。さらに5年10月には綴喜に移り、その後に乙

訓に移ります。

 いずれもが宮と書かれ、時には都と『日本書紀』には書かれていますので、どうしても壮麗な宮殿や都

城を思い浮かべますが、ことの成り行きから想像しますと、あくまでも軍事拠点であり、壮大な宮殿とは

ほど遠い施設であった、と私は考えています。 

 これまで述べてきましたように、候補地はありますが、樟葉の宮も綴喜の宮もわかっていませんし、乙

訓の宮も見つかっていません。ただ、樟葉、綴喜という地名は、『倭名類従抄』に、それぞれ河内国交野

郡葛葉(久須波)と山城国綴喜郡綴喜(豆豆木)と記されているので、所在地を限定することができま

す。その地域をみますと、樟葉は旧山陽道が綴喜には旧山陰道が通り、さらに樟葉には淀川、綴喜には木

津川という水上交通の幹線道があり、当時の水陸両方の大動脈の結節点であることがわかります。

このような視点に立ちますと、樟葉の宮も綴喜の宮の所在地もかなり狭い地点に絞り込むことができま

す。現在樟葉の宮とされている所や綴喜の宮とされている所とは違った場所にあった、と私は考えていま

す。

 一方、乙訓の宮については前の二つの宮とは違い、淀川・木津川というような大河川もなく、『倭名類

従抄』の乙訓郡にも地名がありません。

それで『日本書紀』の中にある乙訓という地名を探してみますと、継体紀以外に一箇所だけ、乙訓という

地名が書かれているところがあります。それは垂仁紀の垂仁15年にあります。垂仁15年2月10日、

丹波の道主王の子供である5人の姉妹を召し入れます。その姉妹の長女日葉酢媛を皇后として、残り3人

の妹たちは妃となりますが、五女の竹野媛だけは、容貌がまずいということで故郷の丹波に戻されること

になりました。竹野媛は帰り道の葛野(かずの)で、自ら輿から落ちて自害しました。それでその地を堕

国(おちくに)というようになり、現在弟国(乙訓)というのは、それが訛ったものだ、という部分で

す。

 その部分の読み下し文(読み下しー西)は、

唯竹野媛は、形姿醜いことに因りて、本土に返す。則ち其の返されることを羞じて、

葛野にて自ら輿より堕ちて、死す。故に其の地を号して、堕国という。今弟国というは、訛れるなり。


『古事記』の垂仁記でも、弟国の地名説話起源譚がありますが、4名の姉妹となっており、三女の歌凝比

賣と四女の圓野(まとの)比賣が故郷に戻されたことになっています。また自殺したのは圓野比賣で、そ

れも深い淵に堕ちてということで、いくつかの点で『日本書紀』とは違っています。

『日本書紀』の垂仁紀そのものがβ群ですので、かなり慎重な史料批判が必要ですし、『古事記』の記事

との齟齬もありますので、この説話そのものを史料として取り扱うには、多くの問題があるように思いま

す。
 ただ非常に興味深いことは、弟国の地名起源となった場所が垂仁紀では、葛野(かずの) という地名

であることです。葛野というのは、現在の京都市の西側の部分にあたり、まさに古山陰道が通っていたと

考えられるところであるということです。

このことから乙訓の宮も現在の長岡京市から向日市にかける地域の中で、古山陰道を管理するような場所

にあったのではないか、ということです。

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