新ベンチャー革命

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新ベンチャー革命2010523日 No.130
 
タイトル: 韓国哨戒艦艇の完全剪断破壊:米原潜コロンビアの関与確認できず
 
1.話題の米原潜コロンビアはパールハーバーに帰還している?
 
 2010326日に勃発した韓国哨戒艦艇「天安」撃沈事件(天安事件)に関して、ネットジャーナリストの田中宇氏の米原潜との相撃ち説(注1)が57日、発表され、本ブログも本件を取り上げました(注2)。
 
筆者の愛読する日刊ゲンダイも田中説と同様の米原潜関与説を512日号で報道しています。またネットでは天安と相撃ちになった米原潜はコロンビアではないかとうわさされていました。
 
 それを裏付けるように、ネットでは、韓国捜査船が航行している現場海域に、潜水艦と思われる物体が半没水状態で浮いている画像が存在します。
 
 ところが、45日付け琉球新報にて、沖縄ホワイトビーチに、米原潜3隻の入港が報じられていました(注3)。その報道によれば、原潜コロンブスが接岸、ヒューストンとコロンビアが沖合停泊とのこと。時期的に、3隻とも米韓合同演習の帰途だと考えられます。ただし、ヒューストンの演習参加は未確認です。
 
 この琉球新報報道により、コロンビアが演習海域(北朝鮮国境近くの黄海)に沈没しているという仮説が崩壊したとネットで言われはじめました。しかしながら、コロンビアが沈没していないからといって、田中説(天安vs米原潜相撃ち)は依然、否定されません。米原潜はコロンビアだけではないからです。
 
2.コロンビアは確かに帰還したのか?
 
 米海軍サイト(注4)によれば、黄海に沈没しているとうわさされたコロンビアは米韓合同演習後、53日、ハワイ・パールハーバーに無事、帰還したことになっています。
 
 そこで、筆者は、この海軍サイトを再度、調べてみました。米韓合同演習に参加したと思われる米原潜の動きは以下のとおりです。
 
(1)20091014日、ジェファーソン・シティ(LA級原潜)が極東に向けて出港、2010414日、帰還、6カ月任務完了。
 
(2)2010426日、ルイスビル(LA級原潜)が極東向け出港、20105月19日現在まで、帰還報道なし。ジェファーソン・シティと交代。
 
(3)201023日、アッシュビル(LA級原潜)が極東向け出港、20105月19日現在まで、帰還報道なし。ただし同艦は201051日、沖縄ホワイトビーチの沖合停泊確認済み(注5)。
 
(4)2009113日、コロンビア(LA級原潜)が極東向け出港、201053日、帰還、6カ月任務完了。
 
(5)20091125日、コロンブス(LA級原潜)が極東向け出港、2010519日現在まで、帰還報道なし。ただし、45日、沖縄ホワイトビーチ接岸確認済み(注3)。
 
以上より、2010519日現在、LA級原潜に関して、ルイスビル、アッシュビル、コロンブスの3隻がパールハーバーに戻っていないことになりますが、いずれも326日に沈没していないと確認済みの原潜です。
 
 蛇足ですが、ジェファーソン・シティとコロンビアの例から、LA級原潜における定常任務はピッタリ6カ月であることがわかります。この例で行くと、コロンブスは525日に帰還するはずです。
 
さてネット情報によれば、53日に帰還したのがコロンブスと当初、報じられたのが、翌日、コロンビアに変更されたとのこと。韓国のマスコミは米海軍サイトを逐次、チェックしているはずで、これはほんとうでしょう。
 
しかし上記の話は海軍サイト情報入力者の単純ミスの可能性があります。なぜなら、LA級原潜の定常任務が6カ月のようなので、コロンブスの帰還予定は525日となるからです。
 
3.米原潜コロンビア乗組員の家族はなぜ騒がないのか
 
 いずれにしても、53日に帰還したのが、実はコロンビアではなく、コロンブスであれば、コロンビアの乗組員の家族が騒ぎだすはずです。米国の軍人の家族というものは、軍の命令に忠実なのかどうか、定かではありませんが・・・。
 
 それにしても、誰でも観られる海軍サイトにウソの情報を載せるのは米国政府にとって、あまりにリスキーです。したがって、コロンビアは45日、沖縄ホワイトビーチ沖合停泊(確認済み)の後、53日、パールハーバーに帰還したと考えてよいでしょう。
 
 つまり、当初、沈没したのはコロンビアではないかという情報を流した韓国マスコミの情報は、単に、海軍サイト情報変更(単純ミス?)からの類推に過ぎませんでした。
 
 なお、上記、田中氏は第三ブイ沈没物体がコロンビアだと特定していません。
コロンビアは318日から22日、韓国のチンハエ港に入港しており、少なくとも、ピョンヤンへの最短距離安全海域・ペンニョン島沖合で、韓国海軍に知らせず隠密行動している原潜ではありません。
 
4.黄海第三ブイ地点に沈没している物体が米原潜だとは確認できない
 
 以上のように筆者のネット情報調査の範囲では、黄海第三ブイ地点(注1)に沈没している物体は、少なくとも、米原潜コロンビアではなさそうです。といって、米韓合同演習に参加したと思われる他の原潜にも、該当しそうなものは確認できませんでした。もし、62隻もあるLA級米原潜のどれかが北朝鮮隣接海域で隠密行動していたなら、北朝鮮にも覗ける米海軍サイトに公開するはずもありません。
 
5.天安の完全分離破断の謎、いっそう深まる
 
 天安事件に関して、本ブログでは過去4回(注2、注6、注7、注8)取り上げていますが、この事件の最大の特徴は、天安(1200トン)の完全分離破断現象(完全剪断(せん断)破壊)にあります。
 
 世界中の人々が、確実に確認できているのは、天安が真っ二つに破断した事実です。通常の魚雷攻撃、大型潜水艦体当たり、座礁のいずれも、天安が外板の曲げ応力破壊により浸水沈没しても、中央部完全分離破断(曲げ応力破壊ではなく、シャープな剪断応力破壊)までには至らないでしょう。天安は民間船“えひめ丸”(2001年、米原潜グリービルの体当たり攻撃により沈没)と違って軍用艦艇なので、一般船よりはるかに剛構造のはずです。完全分離破断が起きうる唯一の可能性、それは、天安船底の中央部に集中的にかつ上向きに強大な剪断力と縦方向曲げモーメントが同時作用したケースです。
 
船体中央部にて、荒天時、偶然発生する数10m級の巨大な三角波(遭遇確率は極めて低い)の突き上げがあれば、このように完全分離破断し得ます。元船舶設計技師であった筆者がかつて勤務したIHI建造のボリバー丸は1970年、荒天航行時、大波直撃により不運にも完全分離破断を起こしました。
 
もし筆者が、あらゆる技術を駆使してもよいから1200トンの艦艇を真っ二つに引き裂けと命令されても、まったく自信はありません。これだけの剛構造物(ずんぐりむっくりで細長くない)を真っ二つにするとは、攻撃犯はものすごい技術をもっています。江戸時代、切腹介添え人(切腹者を苦しませず、一瞬に首を切り落とす、剪断の達人)の剣術の腕前に等しい。
 
天安の場合、荒天航行ではありませんから、このような完全剪断破壊現象を人為的に起こすには、高性能爆発物の高度な制御爆発技術が必要です。まさに、9.11事件におけるWTCビルの見事な(?)制御爆発技術に匹敵します。このような制御爆発には、高度の爆発型兵器技術が必要です。この技術(豊富な爆発実験の裏付けデータ必要)を持っているのは、世界一の軍事技術大国・米国しかないと断定してよいでしょう。
 
 このように、純技術的観点から、筆者には天安事件の犯人が北朝鮮であることは、まったくの想像外です。
 
 北朝鮮犯人説が、筆者の想像外であるもう一つの理由、それは、軍事偵察衛星を独占して軍事監視技術世界一の米国が、天安攻撃犯を2カ月近くも特定できなかったというのは、まったくあり得ないからです。つまり米国(主に戦争屋)は絶対に何か隠しています、これだけは間違いありません!
 
蛇足ですが、筆者は北朝鮮を弁護しているのではありません、念のため。
 
注1:田中宇の国際ニュース解説『韓国軍艦「天安」沈没の深層』201057
 
注2:本ブログNo.123韓国哨戒艇「天安」撃沈:米原潜との誤射相撃ち?201058
 
注3:琉球新報、201045
 
注4:Submarine Force U.S. Pacific Fleet
 
注5:D-Navi、201058日、1558
 
注6:本ブログNo.125素人だまし日本のマスコミ:韓国哨戒艦艇撃沈が北朝鮮の仕業?2010515
 
注7:本ブログNo.128韓国哨戒艦艇撃沈事件:信じられない!今頃、北朝鮮犯人説とは2010520
 
注8:本ブログNo.129韓国天安事件でわかった日韓両国民の北朝鮮観の危うさ2010521
 
ベンチャー革命投稿の過去ログ
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/melma.htm


テックベンチャー投稿の過去ログ
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-PaloAlto/8285/column-top.html
 

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