新ベンチャー革命

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新ベンチャー革命201148日 No.336
 
タイトル:東電福島原発事故機:早くも廃炉化ビジネスのターゲットにされる
 
1.東電福島原発破局事故は早くも廃炉化ビジネスのターゲットに
 
 東電福島第一原発の事故機4(1号機〜4号機)について、東電勝俣会長から“廃炉”という発言がでていますので、廃炉化プロジェクト受注を目論んで、早速、東芝、日立が米国企業を巻き込んで売り込み合戦の火ぶたが切って落とされました。
 
これら危機に瀕している老朽機は70年代、GE、東芝、日立のつくった原子炉です。当時、東芝と日立はともにGEBWR(沸騰水型原子炉)設計図に従って、GEライセンシーとして原発建設に携わっていました。
 
 なお、2006年、東芝は原発事業パートナーをGEからWH(ウェスティング・ハウス)に変えています。
 
 以上の背景から、東芝・WHグループと日立・GE・ベクテルグループの競り合いになっています。
 
2.事故原子炉の廃炉化ノウハウはベクテルにあり
 
 原子炉の廃炉化には、寿命の尽きた老朽機の廃炉化と事故機の廃炉化がありますが、東電福島は後者の事故機廃炉化となります。
 
 さて事故原子炉の廃炉化プロジェクトとなれば、断然、ベクテルの独壇場です、なぜなら、同社は1979年スリーマイル原発事故機の廃炉化プロジェクトを手掛けています。この原発事故機はパブコック&ウィルコックス(B&W)社製ですが、廃炉化プロジェクトはベクテルが請け負っています。なおパブコックは日立と親しく、パブコック日立が今も健在です。
 
 スリーマイル廃炉化の実績から、ベクテルはチェルノブイリ事故機の廃炉化プロジェクトのリーダーでした。
 
 チェルノブイリ廃炉化プロジェクトにはベクテルの他、バッテル(SRIのライバル)とEDF(仏電力公社)がかかわっています。なお、EDFは東電とは昔から親しい関係です。
 
 このような背景から、ベクテルが福島廃炉化プロジェクトのリーダーとなる可能性が高いでしょう。
 
3.廃炉化プロジェクト・リーダーのベクテルとは
 
 さて、俄然、注目を浴びているベクテルに関して、ネットの評判はよくないのです、なぜなら、1995年の阪神淡路大地震(兵庫県南部地震)に関する陰謀論に登場する企業だからです。
 
 1986年から1996年にかけて明石海峡大橋が建設されましたが、その脚柱ボーリング工事を行ったのがベクテルだったと言われています。阪神淡路大地震の震源は明石海峡大橋の直下16kmであり、このボーリング工事が地震を誘発したのではないかと疑われているのです。工事時期と地震発生時期は確かにリンクしています。
 
 明石海峡大橋のボーリング工事が、地震を誘発した可能性はありますが、ベクテルが意図的に地震を起こすよう何らかの細工をしたかどうかは、まったくわかりません。
 
 ところで、筆者の記憶によれば、ベクテルが関西地域の工事を手掛けているのは、元々、関西国際空港プロジェクト受注を狙って80年代から日本で営業活動をやっており、その延長で明石大橋工事を受注したのではないでしょうか、当時、ベクテルは大成建設と組んでいたと記憶しています。一方、米国の空港建設プロジェクトに強いパーソンズ(ベクテルのライバル)は清水建設と組んでいました。
 
 80年代後半は日米構造協議の真っただ中であり、米国政府が日本市場開放要求圧力を強めていた時代でした。その流れに乗って、ベクテルが日本のゼネコン市場に参入しようとしていました。日本側も公共工事に関して、米国勢への政治的配慮をせざるを得なかったのです。
 
 ちなみに、東電福島事故機の1号機はGEが主契約者ですから、その建設請負はベクテルだったはずです。
 
4.SRIインターナショナルの設立に出資したのはベクテルだった
 
 筆者は1986年から2003年まで米国シンクタンク・SRIインターナショナルの東アジア本部(東京)に所属していましたが、1946年にスタンフォード研究所(SRIの前身)の設立に出資したのが、上記ベクテルなどサンフランシスコ企業だったのです。
 
 ベクテルがどのような企業かは、広瀬隆(訳)・レイトン・マッカートニー著『ベクテルの秘密ファイル』(注1)に書かれています。
 
 ちなみに、広瀬氏は日本を代表する反原発派のひとりとして有名です。
 
 80年代のベクテルは勢いがありましたが、その後、ブッシュ・ファミリーに近いハリバートンやゼー・サービシズ(Xe、元ブラック・ウォーター)などが台頭してきて、かつての勢いを失っています。
 
5.米国戦争屋系企業の内部抗争
 
 筆者は90年代、米国の電力規制緩和の調査を行っていましたが、もっとも印象に残っているのは、エンロンによるカリフォルニア産業への攻略的挑戦でした。サンフランシスコの名門電力会社パシフィック・ガス&エレクトリック(PG&E)を破綻に追い込んだ元凶がこのエンロンでした。エンロンは言うまでもなく、ブッシュ系企業で米国戦争屋の一派だったのです。
 
さて本ブログのテーマは米国戦争屋およびそのロボット・悪徳ペンタゴン日本人です。なお、上記、米国戦争屋およびそのロボット・悪徳ペンタゴン日本人の定義は、本ブログのNo.225の注記をご覧ください。
 
 上記、ベクテルとPG&Eはサンフランシスコでは本社が互いにお隣さんの仲ですから、ブッシュ・ファミリーとベクテル・ファミリーは米戦争屋派閥としてライバル関係だと思われます。
 
 ベクテルは政治色の強い共和党系企業であり、伝統的に米戦争屋系企業の典型です。
 
ところで、今、米戦争屋ボスであるデビッドRFが権力をつけてきたのは、兄ジョンRF3世とネルソンRF死後の80年代以降ですが、デビッドの戦争屋覇権が確立するにつれて、ベクテルのプレゼンスは落ちています。
 
 しかしながら、米戦争屋に属するCIAや国防総省や軍産複合体に属する企業群の闇は深く、計り知れないのは事実です。
 
 彼らの常套手段は、世界中の覇権争いに係わり、戦争を仕掛けてもうけ、戦後復興でまたもうけるというものです。したがって、何かを造ってもうけ、それを壊してまたもうけるマッチポンプ商売はお手の物であるのは確かです。
 
 そこでベクテルにとって、原発建設でもうけ、廃炉でまたもうけるという二度おいしい商売はまさにお手の物です。
 
6.10年がかりの廃炉化コストのツケはまたも国民に
 
 201048日の報道によれば、東芝・WHグループは東電福島事故機4基の廃炉化プロジェクトの10ヵ年計画プロポーザルを東電と経産省に提出したそうです。
 
 最終的には、日立・GE・ベクテルグループとコンソーシアムを組むのでしょう、なぜなら、GEWHは水面下でつながっていますから。というのは、SRIと関係のあったRCA(元・米国テレビ・メーカー)GEWHの合弁企業でした。
 
彼らに10年がかりの廃炉化プロジェクトをやらせたらそれこそ、天文学的コストが発生します。とても東電だけでは負担できません。
 
今、菅政権により“東電の国営化”案が国民に示唆されています。もし、そうなれば、東電福島原発廃炉化プロジェクトのコストは、結局、われわれの血税で支払われることになります。
 
 今後10年、福島原発墓場から発生する放射能が線香の煙のごとく国民にまとわりつき、国民を苦しめ、挙句の果て、原発墓場始末の請求書が国民に回されることを意味します。
 
 国民はまさに踏んだり蹴ったり、どこに、その憤懣やるかたない思いをぶつければよいのでしょうか。
 
注1:L・マッカートニー著・広瀬隆訳[1988]『ベクテルの秘密ファイル、CIA・原子力・ホワイトハウス』ダイヤモンド社
 
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http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/melma.htm

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