新ベンチャー革命

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新ベンチャー革命2009年11月22日 No.46

タイトル: 日本郵政役員にトヨタ奥田氏留任:レクサスが人質か

1.日本郵政の新役員に奥田元トヨタ会長留任の不思議

 2009年10月26日の報道によれば、日本郵政(JP)の社外取締役の新人事にて奥田碩トヨタ自動車元会長の留任が発表されました。ネットではこの人事に疑問をもつ人が非常に多いのです(注1)。なぜなら、奥田氏は小泉・竹中政権における郵政民営化推進(事実上の郵政米営化)の財界支援者だったからです。今回のJP人事は、民主党への政権交代によって、全国民支持の下、小泉・竹中流の欺瞞的郵政民営化(事実上の私物化)が否定され、JPから小泉・竹中人脈を一掃する狙いがあったはずなのに、なぜ確信犯の奥田氏が留任するのか、誰もが不審に思います。その問題提起の代表が、あの有名な経済アナリストの森永卓郎氏です。同氏は、今回のJP人事に関して、すでに詳細な分析を行っています(注2)。この分析レポートにて同氏は奥田氏留任に強い疑問を呈しておられますが、当然でしょう。

 筆者もこの人事に強い関心を抱きました。なぜ国民の信認を受けた小沢・亀井郵政民営化見直しコンビは奥田氏(小泉・竹中一派のはず)を留任させるのか、この人事は大いなる矛盾ではないか。この謎を解くために、ここで米国トヨタに着目してみます。

2.米国トヨタへのハラスメント再開か

 2009年9月30日の報道によれば、トヨタが米国にて販売した380万台のレクサスなどトヨタ車の運転席足元のマットがずれてアクセル・ブレーキ操作に支障が起こり、重大事故の危険があるとしてリコールの対象になる可能性が報道されています。

 このニュースで思い出されるのが1999年に起きた米国司法省主導によるトヨタ自動車への巨額訴訟事件です。同時期、東芝のパソコン・ダイナブック訴訟が起きており、和解が成立、東芝は1100億円を支払っています(注3)。訴訟社会の米国において、日本企業に言いがかりをつければ巨額の和解金がもぎとれるといううわさが立っていましたので、トヨタが狙われた可能性が高かったのです。上記、米国でのトヨタ車リコール沙汰再発は、まさに10年前の悪夢再来です。

3.2兆円巨額リコール訴訟を40億円で和解させたトヨタのマジック

 1999年当時、米国で売られたトヨタ車の燃料パイプからの気化ガス漏れ検知器が不備であるとカリフォルニア州の大気資源局から指摘を受け、さっそく米国司法省からワシントン連邦地裁にリコール訴訟(罰金185億ドル=2兆円)が起こされました。敗訴すると罰金支払いや全米のトヨタ車の部品交換費も含めて最大6〜7兆円もの大損害が発生すると見込まれました。

 本件、2003年に3400万ドル(40億円)にて和解が成立していますが、どうして2兆円訴訟がわずか40億円ですんだのか、大変疑問ですが、ネットのうわさではジェイRF民主党上院議員の助けを借りたということです。

4.ジェイ・ロックフェラー(RF)はトヨタの恩人

 トヨタとジェイRFのひとかたならぬ関係を示す状況証拠として、トヨタは2005年、ウェストバージニア州(ジェイRF上院議員の地元)に工場を建設しています。ちなみに2005年当時の同工場の初代社長は、筆者の東大駒場時代の同級生でした。同年、トヨタは中部国際空港竣工記念の愛知万博をトヨタ本拠地で開催していますが、ジェイRFが主賓として訪日しています(注4)。

 これ以来、トヨタとジェイRFの関係は極めて深いものになったと理解できます。

5.ジェイRF、トヨタ(奥田氏)、日本郵政を結ぶ線

 2005年9月11日、歴史に残る郵政民営化選挙の時代、トヨタ(奥田氏会長)の小泉政権応援に異常なものを感じたのは筆者だけではないでしょう。一民間企業が、特定の政権を全社挙げて応援するのは民主主義の原理に反すると、当時の筆者は強く思いました。トヨタはそれを承知で、小泉政権応援に血道を挙げたのです。とりわけ奥田会長の小泉氏へのヨイショ活動にはただならぬものを感じました(注5)。トヨタ応援の甲斐あって小泉・竹中一派の圧勝という選挙結果は、まさに国民だましそのものであり、日本一のブランド企業トヨタも結果的に、その国民だましに協力したということです。

 その後、経団連名誉会長でもあるトヨタ奥田氏は、2008年、マスコミの厚労省批判(杜撰な年金管理批判=ポスト小泉・竹中の郵政民営化推進自公政権に不利)にCM撤退の恫喝を行ったことも記憶に新しいところです。

 このような奥田氏の郵政民営化推進政権擁護行動は、トヨタの恩人ジェイRFへの配慮ではないでしょうか。なぜならジェイRFは銀行屋(欧米寡頭勢力・国際金融資本オーナー)の首魁として、JPの郵貯・簡保・不動産を狙っているのは周知のとおりだからです(注6)。

 以上のファクトをつなげると、ジェイRF、トヨタ(奥田氏)、民営化された日本郵政が見事に一線上に並びます。

6.ジェイRF、小沢氏、トヨタ(奥田氏)を結ぶ線

 小沢民主党幹事長が1993年に出版した『日本改造計画』は、ジェイRFが小沢事務所に送りこんだルイザ・ルービンファインという米国人の書いた“Blueprint for a New Japan”の和訳であるという説がありますが、英語原本は小沢氏著作として米国で出版され、ジェイRFが巻頭言を書いています (注7)。この本により小沢氏は世界のMr.Ozawaになれたのは確かです。このように小沢氏はジェイRFとひとかたならぬ関係であるということです。つまりジェイRFは小沢氏と奥田氏の両方と親しいことになります。この事実から類推して、小沢氏がJP役員人事にジェイRFの意向を考慮した結果、小泉・竹中一派であった奥田氏がJP役員のポストに留任するという摩訶不思議な人事が成立したと結論づけられます。

 このような事情を知らないと思われる既述の森永卓郎氏が小沢・亀井コンビのJP人事を怪訝に思うのは至極当然です(笑)。

7.米国トヨタへのハラスメント再開の狙い

 さてここで筆者の次なる疑問は、上記のように最近の米国トヨタに再び、ハラスメントが実行され始めたのはなぜか、というものです。

 その謎を解く鍵、それはレクサス・ブランドにあります。米国レクサス車には当初からトヨタ社名がすべて消されています。その表向きの理由は、レクサスをメルセデス・ベンツやBMWなどのラグジャリーカー・ブランドにカテゴライズすることでしょう。確かにレクサスを一般の米国トヨタ車(大衆車イメージ)と分離する必要性があったことは認めます。しかしながら筆者は、このことに前々から強い疑問をもっていました。なぜならレクサス・ブランドはいつでも容易に、トヨタから分離できるようになっているからです。つまりトヨタにとって、ドル箱レクサスは、いつ米国資本に奪われるかもしれないというリスクを内包しています。この弱点を背負うトヨタの象徴・奥田氏にJP役員を担わせるという発想が米国サイドに存在しているはずです。言い換えれば、トヨタ奥田氏のJP役員留任は、JP資産を虎視眈眈と狙う米国資本のエージェントとしての留任という疑惑が生じます。もし逆らうとどうなるか、ドル箱の米国レクサス事業はトヨタにとってまさに“人質”そのものに見えてきます。

注1:本ブログNo.45『オバマ東京宣言の成功は小沢流日本郵政人事にあり』2009年11月15日
http://blogs.yahoo.co.jp/hisa_yamamot/3431213.html

注2:森永卓郎『日本郵政の社長・副社長人事の隠された意図』2009年11月10日、日経BPオンライン
http://www.nikkeibp.co.jp/article/sj/20091109/194222/?P=1

注3:拙著[2003]『日米技術覇権戦争』光文社、p134

注4:ジャパン・ハンドラーと国際金融情報、2005年6月2日
http://amesei.exblog.jp/789011/

注5:ベンチャー革命No.230『小泉シンクタンク:トヨタのスモールギフト』2007年5月13日
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/mvr230.htm

注6:ベンチャー革命No.302『国民資産700兆円の対米債権:戦争屋より銀行屋に奪われたい!』2009年6月6日
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/mvr302.htm

注7:Ichiro Ozawa(1994) "Blueprint for a New Japan" アマゾンサイト参照

ベンチャー革命投稿の過去ログ
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/melma.htm

テックベンチャー投稿の過去ログ
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-PaloAlto/8285/column-top.html


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