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映画と本と
とりあえず映画のある時代に生まれてよかった

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1993年、アメリカ、ウェイン・ワン監督
ミン・ナ、タムリン・トミタ、ロザリンド・チャオ、ローレン・トム、
キュウ・チン、ツァイ・チン、リサ・ルー

 138分の映画だが特に評判になることもなく、どのような映画賞を受けた
わけでもないが、私にとっては「知られざる傑作」と言えるものだった。
ワン監督はこの作品の後に名作「スモーク」を撮っている。
原作はエイミ・タンの同名小説。

私たちは父や母にどのような過去があったのか・・ほとんど知らない。父や母は
多くを語らないし私たちも真剣に聞くことがない。

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30年前に多くの苦しみを乗り越えて中国からアメリカに移民してきた4人の
女性とアメリカで産まれた4人の娘、その4組の母娘の葛藤の物語であり、娘が
幸せになるようにという母親の願いの物語。
4人の母親はジョイ・ラック・クラブをつくり、集まっては麻雀を楽しんでいた
が、4か月前にそのうちの一人が亡くなる。

実はその亡くなった母親は中国に赤ちゃんだった双子の娘を捨ててきた。当時、
彼女は死にかけていたが、双子のそばでは死ぬことはできないと思った。
幸運に見放され不吉な、そして母親の霊魂が後を追ってくるような赤ちゃんを誰
がひろってゆくものか。彼女は金目の物をすべて双子に与えて去ってゆく。
ところが不運なことに双子を捨てた後に彼女は奇跡的に命を救われる。

イメージ 2

物語の終わりにその母親の娘が双子の姉に会いに中国に向かう。母親の望みを
携えて白鳥の羽を持って海を越えてゆくのだった。しかし双子は母親が亡くなっ
たことを知らなかった。
 
オムニバス形式の作品で、それぞれの母と娘の葛藤が描かれる。
パーティで母親は自慢のカニ料理をだす。その娘は「他の娘たちと違って私に
生まれつきの才能もないし結婚もしていない、母親の望みにこたえていない」
泣きだす。
母親は「私には本当のお前の姿が見える・・味の落ちたカニを取ったのはお前
だけ。皆は良いカニをとっていた。そこがお前のいいところなの。お前の心が
美しいからよ。それは教わっても持てないもので生まれつきのものなのよ」と
抱きしめる。
またある母親はあまりにも卑屈になって自分を主張しない娘に「あなたは自分
価値に気付いていない・・・夫を失っても自分自身を取り戻せるわ」

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この映画を因習の中国と自由のアメリカという構図でとらえると大切なものを
見失ってしまう。辛い過去を背負った母が娘の幸せだけを願う物語なのだ。
娘に望みを託さない母親がどこにいる・・これは時代や国を越えた母と娘の物語
なのだ。

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    いつか時がきたら必ず観ます。

    [ - ]

    2015/11/7(土) 午後 4:50

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    見ていないのでよく分かりませんが、たまたま不味いカニ料理が割り当てられただけで、運命を悲観するというのも、なにか繊細過ぎる気もします。(笑)

    ギャラさん

    2015/11/7(土) 午後 5:22

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    > a.lotusさん
    こんばんは。観たい映画がたくさんあると思います。のんびりと気が向いた
    時にでもご覧になってくださいね。

    [ hisa24 ]

    2015/11/7(土) 午後 5:51

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    > ギャラさん
    こんばんは。どうも文章の書き方がまずかったようですね。カニ料理は
    割り当てられたものではなく自分から味の落ちたカニを選らんだのです。
    母親はそこが娘のいいところだと見抜いていたのです。けっして
    運命を悲観していたのではありません。もう少し丁寧にレビューすれば
    良かったのかもしれませんね。

    [ hisa24 ]

    2015/11/7(土) 午後 5:58

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    2世代の女性の生き様を描いた物語の中、最後の残された姉妹の再会シーンは印象的でしたね。
    ミン・ナは今アクション女優みたいになっていますが、この作品が映画初出演のようですね。
    TBお願いします。

    atts1964

    2015/11/9(月) 午前 8:42

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    > atts1964さん
    こんばんは。TBありがとうございます。attsさんのレビューをよんで
    タイトルを覚えていたのでレンタル屋で借りました。私好みの映画でした。
    ありがとうございました。
    ぜひこちらからもTBさせてくださいね。またいい映画を紹介してください。

    [ hisa24 ]

    2015/11/9(月) 午後 7:25

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    監督は香港出身の方なのですね。
    彼の「スモーク」は印象に残っています。
    ハーヴェイ・カイテルの様々な表情が記憶に残っています。

    本作はオムニバス作品なのですね。
    最後の写真がとても温かさを伝えています。

    alf s mom

    2015/11/15(日) 午後 2:52

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    > alf's momさん
    こんばんは。完全なオムニバスではありませんが、それぞれの母娘の
    葛藤が別々に描かれていました。「スモーク」もよかったですがこの
    ワン監督作品もよかったですよ。
    この監督は中国とアメリカ、どちらも知っている事が強みですね。
    お勧め出来る作品です。

    [ hisa24 ]

    2015/11/15(日) 午後 5:35

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    美しい心、自分を取り戻す、母の娘への願い。レビューを読んでいてまた涙が溢れてきました。いい映画です。TBしますね。

    シーラカンス

    2019/4/14(日) 午後 9:43

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    > シーラカンスさん
    こんばんは。「スモーク」の監督なので期待しながら観ました。
    期待通りいい映画でした。母と娘の写真に胸が熱くなります。
    TBありがとうございます。

    [ hisa24 ]

    2019/4/15(月) 午後 7:48

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