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【from Editor】首相の「政局音痴」に期待

2010.8.30 07:44
このニュースのトピックス:from Editor
 先日、日本経団連の幹部と雑談した。
 −−円高、株安に見るように日本経済はまたドン底になりそう
 幹部氏「民主党は代表選で頭がいっぱいで、雇用の悪化など国民の生活への問題意識はゼロ。国民不在、経済政策不在ですね」
 −−菅(直人)首相は経済についてけっこう現実派といわれる
 幹部氏「いま日本に首相はいないのでは…。今度の代表選は、いわゆる“政局”でしょうが、結果がどう出ても景気、経済にプラスなることはあまり考えられない」
 話は飛ぶが、いまから12年前、干支(えと)でいえば一回り昔。「金融国会」という国論の局面があった。昭和の時代も終わり、バブルがはじけて金融機関が不良債権を膨らまし、つぶれるはずもなかった大手銀行が極めて厳しい状況に置かれた。当時は自民党の小渕恵三内閣で、日本の金融危機をどう乗り越えていくか、金融システム全体をどう保全していくか、国家的な対処法をどうつくっていくか、そうした論議の国会だった。
 その時、大きな役割を果たしたのが野党時代の民主党・菅代表だった。結果、金融再生法というのを仕立て上げ、大手銀行の破綻(はたん)処理に道筋をつけた。対象になったのは日本長期信用銀行(新生銀行の前身)、日本債券信用銀行あおぞら銀行の前身)などだ。
 その再生法づくりをめぐって当時の菅代表は、国政的に追い詰められていた与党・自民党にこういった。
 「金融問題を政局にはしない」
 与党の失策を鋭く問い、総理辞任、内閣総辞職、自民党の支持率低下などを狙いに金融問題を利用しない。金融システムが崩壊すれば困るのは国民であり、民間企業だとの認識からだったという。
 しかし民主党内や、同じ野党・自由党小沢一郎氏から「菅は政局というものがわからんやつだ。こんな攻撃のチャンスはそうそうないのに」とあきれられた。
 「政局」は、権力および権力者の構図・構造の変化局面とでもいおうか。が、実際は生の政治感覚が左右する世界であり、菅氏はそこが鈍感だ、という批判だ。
 時は移り、いま国民は深刻なデフレ不況の波にのみ込まれている。失業率は高止まりし、先行き改善の方向性すら見えない。野党時代ならまだしも、政権与党として首相は「日本経済再生法」に全勢力を傾ける局面だろう。代表選など放っておくくらいの“政局音痴”の本領を期待したい。(編集委員 小林隆太郎)
 

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政府・日銀“通貨安”戦争に甘い認識 追加緩和、円高是正に力不足

2010.8.30 21:01
このニュースのトピックス:金融政策
 政府・日銀がやっと重い腰を上げた。世界経済の先行きに暗雲がたちこめる中、欧米各国が自国の輸出産業に有利となる“通貨安”戦争を仕掛けている。手をこまねいていると、企業がどんどん日本を脱出し経済が沈んでしまいかねない。小出しの金融緩和や寄せ集めの経済対策では、あまりにも力不足だ。
 「各国がゼロサムゲーム的に政策を考えているわけではない」
 日銀の白川方明総裁は30日の会見で、他国に不利益を押しつける通貨安政策とは一線を画す考えを示した。しかし、その認識はいかにも甘い。
 「追加緩和の用意がある」。米ワイオミング州で27日開かれたシンポジウムの講演で、連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長はこう言い放ち、出席していた白川総裁に“宣戦布告”を突き付けた。
 外国為替市場では、利息を生まない金利の低い通貨が売られるのが鉄則だ。米国が追加緩和に踏み切れば、金利が下がるドルが売られ、円高がさらに加速しかねない。白川総裁は急(きゅう)遽(きょ)、帰国を1日早め、30日に臨時の金融政策決定会合を招集した。
今回の円高は今月10日、日銀が追加緩和を見送る一方、FRBは踏み切り、その姿勢の違いが表面化したことが引き金となった。
 それでも、日銀は「景気が緩やかに回復している中では、大義名分が立たない」「円安誘導を目的とした政策は取らない」と正論を吐き、動かなかった。
 感度の鈍い日銀に対し企業は悲鳴を上げ始めた。経済産業省がまとめた緊急調査では、4割の企業が「拠点を海外に移す」と回答。「海外市場でウォン安を受け値下げ攻勢をかける韓国企業との競争に勝てない」(大手電機)と訴える。
 菅直人首相が「直接要請」を表明するという、中央銀行の独立性を無視するかのような異例の措置で、外堀を埋められ、やっと動いた日銀だが、中身は既存の資金供給策を拡充する予想の範囲にとどまった。
 「大量の資金」(白川総裁)を投入しても、企業や家計の借り入れ意欲は弱く、お金は行きわたらず直接的に景気を浮揚させる効果は限定的だ。金利を低下させ、円安に誘導する効果も、米国が追加緩和に踏み切れば、消えうせる。
 今度は躊(ちゅう)躇(ちょ)なく踏み込んだ緩和策を導入することが求められる。(山口暢彦)
 

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【正論】拓殖大学大学院教授・遠藤浩一 国民に信を問うのが誠実な選択

2010.8.30 03:23
このニュースのトピックス:大学教育
 「政権交代」から1年が経(た)った。
 1年前、民主党も、その後押しをする一部のメディアやジャーナリストも、ようやく有権者の判断で政権交代が実現すると騒ぎ立てた。このアナウンス効果は小さくなかった。少なからぬ有権者が、戦後初めての政権交代が実現すると思い込んだかもしれない。
 しかし戦後の日本政治は、これ以前に5回の政権交代(単なる内閣の交代ではなく政権を担当する党派が入れ替わること)を経験している。(1)第1次吉田内閣→片山内閣(昭和22年)、(2)芦田内閣→第2次吉田内閣(同23年)、(3)第5次吉田内閣→第1次鳩山内閣(同29年)、(4)宮沢内閣→細川内閣(平成5年)、(5)羽田内閣→村山内閣(同6年)である。
 ≪政権交代はたびたびあった≫
 このうち(1)(4)と、昨年の麻生内閣から鳩山内閣への交代は総選挙の結果を受けてのものである。(2)も交代直後の昭和24年1月の総選挙で吉田茂率いる民自党が大勝しているから、民意の信認(しんにん)を得たといっていい。わが国は選挙による政権交代を、すでにたびたび経験してきたのである。
 ただし(1)(4)は野党が政権を勝ち取ったというより、選挙後の合従連衡によって政権が交代してしまったもので、発足当初から不安定要因を抱えていた。片山・芦田内閣は1年5カ月で、細川・羽田政権も11カ月で瓦解した。
 民主党政権はこの2つとは異なり、「政権交代」を争点として総選挙に臨み、圧勝して政権をもぎ取った。むしろ政権交代後に選挙で大勝した第3次吉田内閣同様、政権基盤は安定し、長期政権になるかに見えた。
 ≪「政権構想」こそ求められる≫
 しかし1年弱政権を担当させてみて、有権者は民主党に圧倒的多数を与えたことを後悔した。それが参院選結果にはっきりとあらわれた。かくて、ねじれ国会の下、民主党は野党の協力なしには法案を成立させることが困難になった。政権基盤は一気に不安定になってしまった。
 そしていま、民主党では奇妙な現象が起こっている。昨年衆院選のマニフェストの取り扱いをめぐる対立だ。小沢一郎前幹事長・鳩山由紀夫前首相を中心とするマニフェスト原理主義派と菅直人総理などマニフェスト修正主義派が鍔(つば)迫り合いをしているそうな。
 しかし、そもそもこうした対立構図が成立するものだろうか? 参議院で民主党が多数派を形成していない以上、何が何でもマニフェストを実現しようとしても、土台無理な話である。にもかかわらずマニフェストの完全実現を訴えるのは空論でしかない。
 他方菅総理は、衆参1年生議員を集めた会合で「3年間腰をすえてやりたい。3年後にダブル選挙でやればいい」と述べたという(23日)。このまま3年間「ねじれ国会」を続けるという宣言だが、これも政治家として不誠実ではないか。本気で腰をすえて政権を運営しようというのならば、連立の組み替えが求められる。
 党代表選で菅、小沢両派が対決するが、問われているのは、実は政策論争などではなく、政権構想なのである。麻生内閣がねじれ国会における政権構想を示せぬまま政権から追われたことを思いだすがいい。マニフェストを実現するためにも、あるいは今後3年間政権を担い続けるためにも、まずは政策をいかに実現するかという政権構想を示さなければならない。
 民主党内の2派は、いずれも根拠のない論点を打ち出して、対立しているかのように見せかけているだけである。「次の総理大臣」を選ぶ代表選としては、あまりにお粗末な実態ではないか。
 ≪大連立は自民など保守に危険≫
 ところで、ねじれ国会を打開するための方途の一つとして「大連立」が取り沙汰(ざた)されている。政権を握っている民主党にすれば利点は小さくないが、自民党側に立つと、懸念すべき点がある。
 第1に、仮に大連立が小沢氏に主導されるものになるとするならば、政界再編も同氏がイニシアチブを握ることになる。それでいいのか。第2に、現状で大連立が成ったところで左翼などノイジー・マイノリティーが分不相応に自己主張を通す構造は温存される。第3に、自民党が真に反省せぬまま政権復帰することで、保守政党再建の芽が摘まれてしまいかねない。自民党ないし保守勢力全体にとって、これは危険な選択といわなければならない。
 要するに民主党にとっても自民党にとっても、早期に解散して国民の信を問い直すのが、最も誠実な選択である。その際、民主党は理不尽な再分配重視主義や空疎な国防・安全保障政策など見直すべきは見直さなければならない。他方自民党には分散した保守勢力を糾合して、民主党に対抗しうる受け皿を構築する責任がある。そのとき「自民党」という看板に拘(こだわ)るべきかどうか、今一度真剣に問い直すべきだろう。
 有権者も、昨年の政権交代の意味について自ら真剣に問い直さなければならない。(えんどう こういち)
 

【主張】政権交代1年 未熟さが作り出した惨状

2010.8.30 03:20
このニュースのトピックス:主張
 昨年8月30日の衆院選で民主党が308議席を獲得し、政権交代を実現してから1年が経過した。政権が交代することに意味はあるが、今の日本の惨状の多くは、政権担当能力が欠如している政党が国政を担ったことによるといえる。
 ばらまきによるポピュリズム政治、急激な円高に何ら有効策を打てないでいる対応のまずさ、米軍普天間飛行場移設問題の迷走と日米同盟の空洞化などをみれば、政権交代に裏切られた思いを抱く国民も少なくないだろう。
 外交・安全保障の基軸を共有してこなかった、この国の二大政党制が、いかに問題をはらんでいたか。自民党政治を踏襲しないとした民主党は未熟さを直視し、国益と国民の利益を実現する現実路線に大きく転換することが求められている。
 だが、その民主党の代表選は、不毛な選択ともいえる様相を見せている。
 ばらまき政治の張本人であり、政治とカネの問題で開き直っている小沢一郎前幹事長と、参院選大敗の責任を取らずに政治空白をつくり上げている菅直人首相との一騎打ちの構図は、日本を再生する道をふさいでいる。
 なぜ候補は、この2人だけなのか。とくに、検察審査会で刑事責任の有無が検討されている小沢氏は、候補者としての適格性が疑われる。それぞれの支持勢力は、何の疑問も抱かずに代表選へ臨む愚かさに気付くべきだ。「恩返し」などの発言には耳を疑う。
 多くの失政の一方、予算執行のあり方に迫った事業仕分けは注目を集めた。不十分な知識による独断的な結論や、パフォーマンス先行の印象を与えた点は問題だが、予算の使い方を公開の場で議論する手法は、国民と政治の距離を近づけたともいえる。
しかし、どのような国家戦略に基づいて予算を配分するかという根本は定まっていない。「政治主導」の象徴ともいえる国家戦略室を、菅首相は提言機関に格下げした。国をどうするかを明確にしない限り、この政権の政治主導は空回りを続けるだろう。
 参院選で勝利した自民党も、政権復帰が近づいたとは言い難い。受け皿となるよう信頼回復に全力を挙げるしかない。健全な保守勢力を再結集する核となることに強く期待する。

関連ニュース

■ 入管民間委託で外人入りまくり?賄賂横行? http://www.nikaidou.com/wp-content/themes/nikaidou/images/bookmarks/hatena.gif

入管の作業を民間委託するって本当ですか?
というメールが来ました。なんでも民間って・・・外国に関与している企業だったらそこの国には甘くなるとか絶対あるよね。NHKだって、トップが民間だから外国には何も言えない(出身母体が攻撃されたら困るし、攻撃されなくても下が勝手に気を使う)という話もあるみたいだし。
というわけで、ここをクリックすると入管民間委託のパブリックコメントが見られます。もしそんなことをするなら絶対反対だ。
 
 

http://www.nikaidou.com/archives/5173転載

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