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固定価格買取制度(FIT)とは

再生可能エネルギー普及のため、太陽光や風力、地熱などで発電した電力を国が定めた価格で一定期間、買い取るよう電力会社に義務付けた制度。買い取り費用は電気料金に上乗せされる。ドイツやスペインで太陽光発電が普及したのも同様の制度が背景とされる。

国内では9月24日に九州電力が接続申し込みに対する回答保留を発表したのを皮切りに、北海道、東北、四国、沖縄の各電力も同様の措置を取った。
九州本土の再生可能エネルギー発電設備に対する接続申込みの回答保留について(九州電力)

責任はどこに

制度そのものに欠陥

内在する課題に開始時から警鐘

再生可能エネ買い取り制度の仕組み

エネ庁が広報する再生可能エネルギーとは

過去の状況

固定価格買取制度は最初から破綻が見えていた

朝野賢司 (電力中央研究所社会経済研究所主任研究員)
 再生可能エネルギーの接続保留が発生し、唐突、不透明と批判が相次いでいる。しかし、再生可能エネルギー固定買取制度(FIT)はもともと持続性がない制度なのだ。再エネ特措法は、2011年8月、菅直人首相(当時)の退陣と引き換えに急ぎ立法されたが、モデルとなったドイツではFITが既に大問題になっていた。12年7月の制度開始時点で、FITに内在する課題を強く警鐘を鳴らしていた本稿を再掲する。(Wedge編集部)

http://ironna.jp/file/w480/h480/e5cf7a51cd2023ddf3afd95eefa4875e.jpg孫正義氏
 固定価格買取制度(Feed-in Tariff、以下FIT)とは、再生可能エネルギーによる電力供給を、20年間等の長期に「固定」した価格で、電力会社に買い取ることを政府が義務づけるものだ。その費用は賦課金として電気料金に上乗せされ、一般家庭を含めた電力需要家が負担する。

 買取価格は、「効率的な供給を行う場合に通常要する費用」に「適正な利潤」を加えて算出される(再生可能エネルギー特別措置法〔以下、FIT法〕3条2項)。買取価格は1年ごと(必要があれば半年ごと)に見直すことができるが(同3条1項)、翌年から価格を引き下げても、その価格が適用されるのは翌年以降に設置される設備で、過去の分は長期間固定される。

 FITは、再エネ事業をリスクのない投資に仕立てるため、普及拡大につながる。他方で、努力してコスト削減を行うと翌朝の買取価格切り下げに反映されてしまうため、事業者にコスト削減のインセンティブが働きにくい側面がある。換言すれば、国民負担を最小化することが難しい制度なのである。

 FITの先駆者であるドイツは、国民負担が想定以上に膨らみ、その運用に苦心している。太陽光発電の導入実績が目標を大幅に超過するバブルともいうべき導入ラッシュが発生し続けたからだ。導入ラッシュにドイツが投じた費用は驚くべき額で、FITの負担額は、11年だけで総額136億ユーロ(約1兆3600億円 ※原稿執筆時点2012年6月時点の為替1ユーロ=100円で計算、以下同)、1世帯あたりの月額負担額は10.3ユーロ(約1000円)と推計され、これは電気料金の2割近い。この負担額の半分以上が太陽光発電に費やされてきたが、その発電量は総発電量比3%に過ぎない。独シュピーゲル誌も「太陽光発電は、ドイツ環境政策の歴史で最も高価な誤りになりうる」と批判している。

 日本はドイツの教訓を真摯に学び、できるだけ少ない国民負担で、より多くの電力供給を得る、より効率的な再エネ供給のあり方について急ぎ検討を始めるべきだ。結論を先に言えば、FIT法の改正が必要である。

独の導入ラッシュ 2つの教訓


 ドイツは1991年にFITを導入し、2011年末において電力消費量の20%が再エネでまかなわれている。特に大きく普及したのが、風力発電と太陽光発電である。2011年末における累積導入量は、風力発電が約2900万kW(世界3位、全世界導入量の12%)、太陽光発電が約2500万kW(同1位、36%)である。

 ドイツFITの第1の教訓は、国内で市場が拡大しても、国内メーカーがその市場を獲得できるとは限らないことだ。欧州諸国のFITにより、全世界の累積生産量は2008年の約1900万kWから2011年の9200万kW以上へ4倍以上増加している。中国と台湾の世界生産シェアは、2008年約30%から、2011年は約74%に達している。

 この生産増加によって生じた大量の在庫により、太陽光発電価格は急落した。ドイツの太陽光発電システムの価格は、2009年の1kWあたり約4500ユーロから、2012年初めには同2000ユーロ以下と3年間で3分の1にまで下落した。日本では1kWあたり35万〜50万円なので、その内外価格差は2倍である。

 ただしドイツメーカーの破綻は相次いでいる。2008年に生産量が世界一だったQセルズ社は、中国メーカーとの価格競争に敗れ、2012年4月に経営破綻した。

 第2の教訓は、買取価格の改定頻度を上げて費用抑制を目指したが、それでも導入ラッシュを防げていないことだ。2010年と2011年のドイツの年間導入量(各738万kWと749万kW)は、2020年までの導入目標から逆算した年間目標量の約2倍に至った。

http://ironna.jp/file/w640/h640/18805b1d4dfcf2365c7f590693a11abf.jpg
 興味深いのは、買取価格を切り下げる直前の1カ月間だけ、毎回約110万〜300万kWの極端な駆け込み導入が発生していることである(図表1)。

 ドイツのFITでは、コストデータを集め、事業者にとって過大な利潤が発生しないように、電源別・規模別に細かく買取価格を設定してきた。特にコスト低下が著しい太陽光発電については規模別に6区分に分けて、2009年1月以降、2012年1月の更新まで、半年〜1年ごとに繰り返し買取価格を切り下げてきた。他方で、前述したようにドイツでの太陽光発電システム価格が同時期約3分の1に低下した。したがって、この駆け込み導入は、急激な太陽光発電のコスト低下によって事業者の利益が増加する一方、それを反映した買取価格の改定ができなかったことを意味する。

 そこで2012年になって提案された買取価格案では、2012年5月以降は毎月1%価格を切り下げ、11月以降は、至近の導入実績に応じて、年間導入目標(250万〜350万kW)を超える場合に引き下げ幅を0.75〜1.5%で調整するとしている(ただし、この法案は本稿執筆の6月初め時点で成立していない)。世界初となる1カ月ごとの価格改定は、価格調整に苦心したドイツがたどりついた結論である。その成否はこれから問われることになる。

価格更新の短縮と導入量からの設定を


 日本のFITへの提案は、まず太陽光発電買取価格の更新頻度をドイツに倣い1〜2カ月程度にすることだ。実はドイツの太陽光発電は、約8割が屋根設置型で、その大半が非住宅用、つまり商業施設・集合住宅・工場等の屋根に設置されている。屋根設置型のリードタイムは2カ月程度と、メガソーラーの約1年と比べて短いため、導入ラッシュの最大の原因になっている。しかし、日本のFIT法では太陽光発電の買取区分が住宅用(10kW未満)と主にメガソーラーを念頭においた非住宅用(10kW以上)のみであり、非住宅用屋根型(10kW以上)という新しい区分が必要だ。
http://ironna.jp/file/w640/h640/1a9138bd2a61212f5972e016fd365e0a.jpg注)非住宅用屋根設置の太陽光発電に対する買取価格。括弧内の幅は、供給曲線の弾性に関するパラメーターを±50%変動させたときの値。
(出所)杉山昌・朝野(2012)「FITにおける太陽光発電の機動的な買い取り価格改定の必要性」電中研ディスカッションペーパー(SERC 12004)
 筆者らは、非住宅用屋根設置型太陽光発電について、2013年度の1年間でコストがドイツ並みにまで低減すると想定した上で、現行法に基づいて1年間は1kW時あたり40円で価格改定を行わないケースと、2カ月ごとの価格改定で、1kW時あたり40円から23円に切り下げるケースを比較した(図表2)。

 導入量を比較すると、前者は約116万kWと、後者の約30万kWより大きい。しかし、導入量あたりの支払額をみると、前者が1kWhあたり40円であるのに対して、後者は31.5円と費用対効果に優れていることが分かる。また、住宅用とメガソーラーの導入量は確保されるので、非住宅用屋根設置型が30万kWでも20年段階での導入目標(2800万kW)は達成可能である。

 ただし、1〜2カ月ごとの価格改定のために買取価格を検討する経産省・調達価格等算定委員会を招集するのは行政コストがかさむ。そこで、ドイツのように至近の導入実績と年間導入目標を比較して自動的に買取価格の増減を設定することが考えられるだろう。

 日本のFITは、繰り返しになるが、費用に適正な利潤を加えて買取価格を設定するよう法に規定されている。しかし、本来、導入目標から価格設定を考えた方が合理的だ。

 例えば、2012年5月末に総合資源エネルギー調査会基本問題委員会が示した2030年時点の電源構成の選択肢(図表3)に基づいて、買取価格を設定する方法もあるだろう。ここでは再エネの発電比率はそれぞれ35%、30%、25〜30%であり、2010年実績値の11%と比べると、2.5倍以上の増加を想定している。

http://ironna.jp/file/w640/h640/b6369af2c1d8d94a28c5bc0ec1ee2ed4.jpg(注)GDPの増減は全て、省エネ対策等しない参照ケース(電源構成は2010年ほぼ横ばい)における2030年時点の試算値との比較
(出所)経済産業省・総合エネルギー調査会基本問題委員会資料をもとに筆者作成
 これは簡単な目標ではなく、後述するように経済への悪影響を真剣に検討すべきだが、仮にこの数値を用いて、入札制度に近い形式で安価な再エネから順番に導入することを想定する(ポテンシャル試算をもとにした再エネ供給曲線を用いてもよい)。複数の買取価格や30年までの導入想定を示し、費用負担と導入量の関係を示すことで、費用対効果に基づく経済性の視点から、冷静な議論ができるだろう。

 FITの価格更新を1〜2カ月程度に短縮することも、導入目標から買取価格を設定することも、FIT法の改正を要する。もちろん現行法の枠内でも、買取価格の客観性と透明性を高める工夫によって、ある程度効率化につなげることはできる。例えば買取価格の設定で、トップランナーの設備を基準とする、あるいはコストデータの中で非効率(高コスト)なプロジェクトを上から2割を除外するといった手法だ。しかし、これでは不合理な導入ラッシュを防ぐのに十分ではない。

再エネの拡大は経済にプラスか?


 最後に、今後の論点として、FITによる再エネの普及と関連産業の拡大が、本当に日本経済の成長に寄与するのか再検証すべきだ。日本のFITの目的は、同法1条にあるように、健全な国民経済の発展である。確かにFITは現時点の再エネへの投資を喚起するので、関連企業の収益改善と雇用創出をもたらすと期待されている。 しかし、再エネの普及拡大によってGDPは参照ケースに比べてマイナスになることが、基本問題検討会における全てのモデルによって示されている (図表3)。これは、再エネは従来型電源と比べて現時点で割高であるので、その投資には当面、追加的なコストがかかるからだ。FITは割高な電源を長期に固定して買わせるので、その分、買いたかったモノが買えなくなるからGDPは下がるのである。

 実際にドイツでも「導入されすぎ」「費用負担の拡大」に困り、買取価格の低減を急いでいる。換言すれば、導入を抑えれば、費用負担、ひいては経済への悪影響を止められる。日本でFITによる追加的なコストが長期的に回収されるためには、日本企業が付加価値を生み、それを内部化することで、経済成長を促すことが不可欠である。しかし、結晶シリコン系の製造技術の汎用化によって中国勢が圧倒的な競争力を持つ太陽光パネルに代表されるように、それは相当に険しい道のりだ。いかにして健全な国民経済の発展を達成するのか、という観点から社会的に適正な利潤を示すことは喫緊の政策課題である。

 また、FITの買取価格は、高めれば導入が拡大し、低ければ導入量は小さくなるトレードオフの関係にある。したがって、導入量ばかりを優先するのではなく、できるだけ少ない国民負担で、より多くの電力供給を得るという効率化の観点から、買取価格を設定すべきである。

 現行法では、事業者に適正な利潤を保障する3条2項、そして施行後3年間は特に利潤に配慮する附則7条によって買取価格が設定されているが、ここに効率化の観点はない。日本が手本としたドイツでも、買取価格の調整を通じて、導入量(その裏返しとしての費用負担)をコントロールしている点を忘れるべきではない。
 

シェールガスで原発は不要と煽った反原発団体の“まやかし”

「見通しが甘かったといわれれば、そうだったかもしれません。ただ、(投資決定は)プロセスを含め慎重に進めたと考えております」

http://ironna.jp/file/w480/h480/a3ce277f5b97b8584b8b105d72556033.jpg巨額損失について説明する住友商事の中村邦晴社長=2014年9月29日
 9月29日。住友商事社長の中村邦晴は、集まった報道陣を前に、深々と頭を下げた。

 住友商事は今年度決算で、約2400億円の減損処理をすることになったからだ。これにより、最終利益は従来予想の2500億円から100億円へと、大幅に下方修正することになった。翌日の株価は急落した。

 減損処理とは、所有資産の収益性が低下し、投資額の回収が見込めなくなった場合、価値下落を反映させる手続きをいう。2400億円の大半を占めたのが、米テキサス州でのシェールオイル開発の失敗による1700億円の減損だった。

 シェールオイルとは、地下深く、頁岩(けつがん)(シェール)と呼ばれる固い岩盤に閉じ込められた石油を指す。同じ層から取り出した天然ガスが、シェールガスだ。

 住友商事は資源ビジネスの牽引(けんいん)役としてシェールオイル・ガスの資源開発に参画しており、テキサス州の事業では、2012年8月から採掘を試みていた。

 今回の失敗について、中村はこう語った。

 「調査段階では収益化の確度は高いと思っていたが、掘ってみると地下の形状が予想以上に複雑でした。このため採掘コストがかかることになり、可採埋蔵量の下振れも余儀なくされました」

 要するに、採掘コストが予想以上にかかり、この油田から生産できるシェールオイルやガスの量では、資金回収が見込めないと判断した。

 住友商事だけではない。同様の理由で伊藤忠は2014年3月期に290億円の損失を、大阪ガスもシェールガス開発に失敗したとして、同期に290億円の特別損失を計上した。

革命の行方


 2007年ごろ、米国で「シェール革命」という言葉が盛んに使われ始めた。

 固い岩盤層にあるシェールガス・オイルは存在は確認されていたが、商業生産は不可能だった。この岩盤層に流体を満たし、圧力をかけて亀裂を作り、ガス・オイルを採掘する技術が確立し、北米を中心に急ピッチで開発が進んだ。

 米大統領のオバマは2012年の年頭教書演説で、シェールガスと既存のガス田の合計で、米国には消費量の100年分の天然ガスの埋蔵量があると述べた。

 シェールガス・オイル発掘に、投資ファンドなどから多額の資金が流入し、特にガスの生産量は激増した。米国内の天然ガス生産量は1991年の5千億立方メートルから、2011年は6500億立方メートルに増加した。

 米エネルギー情報局の推計によると、2022年ごろに、米国は天然ガスの輸入国から輸出国へ転換するという。

 日本企業も手をこまねいてはいなかった。

 2009年〜2010年にかけ、住友商事や三井物産が米国内のシェールガス鉱区の権益を相次いで取得した。2010年8月には、三菱商事がカナダ・ブリティッシュコロンビア州の鉱区の権益を取得し、この開発に東京ガスや大阪ガス、中部電力などが出資したことから話題になった。

 そして日本を東日本大震災が襲う。東京電力・福島第1原発事故の影響で、国内の全原発が停止する中、シェールガスへの注目はますます高まった。

 反原発団体などは、シェールガスを、全ての原発を代替できる“切り札”のようにもてはやした。

 シェールガス普及に伴い、ガス調達価格は下落する。従って、天然ガス発電によって全ての原発を代替できるはずだ-。

 シェールガスは「脱原発」を成し遂げる救世主に浮上した。

先行きに暗雲


 だが、2013年2月、科学雑誌ネイチャーにシェールガス・オイルの先行きに疑問を投げかける「シェールガス革命の真偽」と題する論文が載った。

 「1つのガス井に注目すると、生産開始からガス産出量は短期間で減少している。減少率は1年でおよそ半分、3年後には掘削開始時のわずか5〜20%しか産出できない」「シェールガスは需要の100年分以上有るという推計は、このような急激な生産量の減少を考慮していない」「シェールガス生産量を維持しようと思ったら、次々に新しいガス井を掘り続けていくしかない」

 岩盤層に染みこむように存在するガスやオイルを、水圧をかけて取り出す手法だ。大量のガス溜まりに井戸を掘る従来の採取法に比べれば、井戸1本あたりの効率は低く、多くの井戸が必要となる。

 この効率が想定よりさらに低ければ、井戸を掘るだけ赤字という事態にも成りかねない。シェール革命でガス生産量が増加しているのは確かだか、ネイチャーの論文が懸念するように、採掘に失敗した企業も出ている。住商もその一つだ。

 さらに、日本にとっては、米国で予定通りに掘削できたとしても、シェールガスを、直ちに輸入することはできない。

 日本は海外とつながるパイプラインを持たないため、天然ガスは全て液化天然ガス(LNG)にして輸入している。ところがガス輸入国だった米国には、天然ガスを液化する設備がないのだ。

 現在、急ピッチで輸出設備の建設が進められているが、日本向けに輸出許可が下りている施設の稼働は2017年ごろまで待たなければならない。

 全ての事業が順調に進んだ場合、日本向けLNG輸出は2019年に1690万トンと推測される。これは2013年の日本の年間輸入量の2割近くに相当するが、先の理由によって、この数値を下回る恐れは十分にある。

 シェールガスに、脱原発の旗手となるような過度な期待はできない。やはり、資源小国・日本にとって原発は欠かせないのだ。

多様性の一手段


 ただ、シェールガスは、日本のエネルギー安全保障にとって、役に立たないわけではない。米国からのシェールガス輸入は、他のガス産出国との駆け引きの材料に使える。

 11月6日、LNGの生産・消費国の政府関係者や企業の関係者が東京に集い、「LNG産消会議」が開かれた。日本政府主催の会議には、50以上の国や企業から1千人が集まり、経産相の宮沢洋一はじめ、カタールやオーストラリアなどの閣僚5人も顔をそろえた。

 日本の目的は価格交渉力の強化だ。

http://ironna.jp/file/w480/h480/a840ebe6e5fedbabcd8ad84cc103117b.jpg
 日本は天然ガスの輸入大国だ。世界全体のLNG貿易量の4割近くを輸入している。しかも、世界一高い価格で。BP社によると、100万Btu(英国熱量単位)当たりの天然ガス価格(2012年)は、米国の2・7ドル、ドイツの11ドルに比べ、日本は16・7ドルに上る。

 米国はシェールバブルに沸いている。ドイツをはじめ欧州はパイプラインでロシアから輸入している。

 これに対し、日本が輸入するLNGは、パイプラインよりコストがかかる。原油の代替燃料だった歴史的背景から、価格が原油価格に連動していることも価格を押し上げている。

 さらに、原発が停止する中で、電力会社が「価格はいくらでもいいから急いで買う」という姿勢を取らざるを得ず、価格はつり上がった。

 安価で安定したLNG輸入は不可欠だ。経産省の担当者は「受け入れ先を多様化できる意味で、米国産シェールガスに期待している」と語る。

 ただ、こうした資源外交の前提には、原発の再稼働が欠かせない。原発が停止したままで、火力発電に頼ってばかりの現状では、資源外交を展開しようにも、足元を見られ続けてしまう。

 シンクタンク「日本エネルギー経済研究所」ガスグループ研究主幹の橋本裕は「原発が長期停止していることも、日本向けLNG価格が高止まりしている要因であり、ガス以外の選択肢を持つ事が重要だ。九州電力の川内原発だけでなく、国内各地で原発が動くことが、長期的な天然ガス購入価格の安定につながる」と指摘した。(敬称略)

 

なぜ環境保護派が原子力を支持するのか

 
――福島の事故をどう見ていますか。

 「パンドラの約束」の製作中、私は福島の避難指示区域を訪れ、自分自身の目で、そこで何が起きたのかを確認しました。気候崩壊を防ぐ取り組みに必須なエレメントとして、原子力エネルギーを支持する立場のひとりとして、福島を訪ねることは、ひどく心がかき乱される思いでした。端的に言って、福島原発事故は決して起こってはならないことでした。また、事故を引き起こした人為ミス、すなわち不十分な防波堤と海抜の低い位置に非常用の発電機を設置していたことに対する説明や謝罪はみられません。

http://ironna.jp/file/w480/h480/125df4f829d8840205e0cb245deedb0a.jpgロバート・ストーン監督 ((c)フィルムヴォイス、以下同)
 日本各地の原子炉は、千年に一度という最強レベルの地震の中でも特段問題ありませんでした。一歩前に進み、このことが思い出されなければなりません。

 福島の発電所だけが唯一、津波によって破壊された後に、惨事に見舞われました。WHO(世界保健機構)とUNSCEAR(原子放射線の影響に関する国連科学委員会)は原爆が投下された広島と長崎で生き残った人々の健康状態を、およそ70年に亘り調査し、福島での放射線放出による被曝によって健康上の悪影響を受けた人はおらず、また今後についても、何らかの健康被害が認められることは非常に考えにくいと結論付けました。

 反核グループは、当然これらの見識に異議を唱えるでしょう。なぜなら、彼らがこれまで40年間作り上げてきた、「核関連の事故がもし起きれば、この世の終わりのような大惨事となる」という説を否定することになるからです。

 この主張こそ、彼らが原子力エネルギーに反対する所以であり、彼らは決してその主張と矛盾する科学的な証拠を受け入れません。彼らは、その政治目的を達成するため、民衆が原子力エネルギーを恐れるよう仕向ける必要があります。日本国民の多くは、ほんの少しであっても放射線量が上がることを恐れており、それは彼らの思うつぼです。

 私は、避難指示区域のすぐ外にある街を訪れましたが、そこの親たちは子供たちが屋外で遊ぶことを許しませんでした。断じて、です。放射線量は、世界の多くの地域の元々の放射線量より低い数値でした。しかし親たちは、反核の人々やメディアから得た情報で子供たちの健康を慮り、放射線を恐れていました。

 苦しんでいるのは誰でしょうか? 二度と外で遊べないかわいそうな子供たちや、(多くの場合、必要以上に)ふるさとに戻ることを恐れている家族たちです。

 反核グループは、チェルノブイリについても同様の主張を展開しました。100万人以上の人々が悲劇的な災害のために命を奪われた、と言い募ったのです。国連によって行われた最高レベルの疫学的研究が、チェルノブイリ原発事故が直接の原因で亡くなったのは、長い年月を経た後の今日でさえも、たった56人であったと指摘しているにもかかわらずです! これは異常なことですが、真実として起きていることでもあるのです。

 放射線は、極めて弱い発がん物質であることが分かっています。身体へのダメージを与えるには、かなり高い線量─福島の避難指示区域内で認められる線量よりはるかに高い─を要します。我々は、福島の避難指示区域内とその周辺で測定しました。そこの放射線量が、基準より高めであることは疑う余地のないことです。私は、持ってきた線量計で、自分自身の目で確認しました。信じがたいことかもしれませんが、わずかな数のホットスポットを除けば、その線量は人が身をさらしても健康を脅やかすレベルにはありません。放射線量のレベルは、重要な論点です。リンゴにさえもシアン化物が含まれていますが、含有量は低く、人体には無害です。

 メディアは、恐怖心を煽ることで人々の注目を集め、視聴率をたたき出し、繁盛しています。何かが、「実はそれほど危険でない」と伝えることは、ニュースではないのです。悲しいことに、日本の原子力発電の所管当局は国民の信頼を失っており、人々が最悪の事態を信じる傾向にあることが見て取れます。これは2011年3月の、日本の難局における、特に東京電力のリーダーシップの大いなる失敗だといえます。

 文部科学省や資源エネルギー庁は、国民の信頼を回復する必要があります。彼らは、調査結果の科学的な裏づけを国民に説明するとともに、良いニュースと悪いニュースの双方を、誠実に開示していく必要があります。それによってのみ、彼らは信頼を取り戻し、恐怖心を煽る輩を駆逐することができるのです。

――日本では、環境保護派、リベラル派の多くは原子力反対です。なぜ監督は原子力推進に転換されたのですか?

http://ironna.jp/file/w240/h240/2adae81192e0fb0996aa6e5b3d7671f7.jpg燃料再利用型の原子炉を推奨する
チャールズ・ティル氏
 再生可能エネルギーが、それ単独では決して化石燃料に代わることができず、化石燃料を燃やし続けることが我々を恐ろしいスピードで気候崩壊へと向かわせていることに気づいたとき、私は原子力エネルギーについて考えを変えました。

 この気づきは、私たちに、これまでと異なる視点をもたらしました。私たちは、気づかされた危機感の本質を、環境的な見地から調査することにしました。

 もし、本当に正確な視点から、精査され公表された科学的事実を見るならば、生産効率の点で原子力が風力の次に安全なエネルギー生産方式であることに気がつくはずです。また、放射性廃棄物の問題についても、むしろ単純な技術的解決方法があり、我々が既に、構造上、物理的にメルトダウンが不可能な、先進的な原子炉の設計手法を知っていることもわかるでしょう。

 私は日本の人々に、世界最高の、最新鋭の原子炉─ゆるぎない安全性を備え、モジュール式の原子炉を有し、排出した廃棄物を自ら処理することができるような─を開発するために、その特筆すべき技術力を発揮することを勧めたい。

 それこそが、福島で起きてしまった悲劇の遺産を正面から受け止め、日本経済を蘇らせるために、また気候変動を抑止する取り組みにおいて日本が国際的なリーダーシップを発揮していくために最善の方法なのではないかと思うのです。

――日本の反原発派は、福島の事故による汚染、そして高レベル廃棄物のことを考えれば、原子力はクリーンでもなく、安価でもない。経済発展のために、そんな危険なものを子孫に残してはならない、と言います。どう思いますか?

http://ironna.jp/file/w240/h240/0dc5b6f4fe294540dea106c4f00d6725.jpg環境保護主義者のマークライナス氏(右)も
原子力推進へ「転向」した
 世界中では、およそ440の原子力発電所が稼動しています。我々はおよそ50年の間、商業用の原子力を保持してきました。その間に、世界では3回の原子力事故が起こりました。スリーマイル島、チェルノブイリと福島です。国連の最も信頼できる科学的見識によると、人の死や放射能による発病が起こったとされている唯一の事故はチェルノブイリです。設計が不完全なソビエト連邦時代のプルトニウム施設で、正気の沙汰とは思えない判断によって突然引き起こされた奇妙な事故です。つまり、概して原子力には、稼動から30年以上が経過した原子炉においてさえも、むしろ注目に値するほどの安全な稼動実績があるのです。

 放射性廃棄物の問題は、重大なものではありません。放射性廃棄物の量は少なく、そして、化石燃料の排出物とは異なり、それは全て貯蔵され、所在が確認できます(管理できます)。この放射性廃棄物が数千年の間も放射性を保持する間、それらは次世代原子炉の燃料としてリサイクルされ、再利用することができます。この再利用のプロセスが完全に終わった後に残される廃棄物は、たった200〜300年の間放射性を有するだけです。

 つまり、これはまったく技術的な課題でも、道徳上の問題でもありません。単に政治の問題なのです。もし、あなたが将来の世代の幸福や健康を気にかけるならば、あなたの一番の懸案は、可及的速やかに二酸化炭素の排出を減らすことでなくてはなりません。二酸化炭素は、我々が子孫へ残している有害な遺産です。それに比べ、放射性廃棄物はとるに足らず、簡単に処理できるのです。

――ビル・ゲイツ氏が資金を出している次世代原子炉など、イノベーションで原子力はより安全になるでしょう。しかし、反原発派は必ず事故は起こる、人類は核エネルギーを制御できないと言います。

http://ironna.jp/file/w240/h240/46fbdbd30847a8ee601ab4e427f11a35.jpg人生のほとんどを環境保護運動に費やしてきた
スチュアートブランド氏も「転向」組
 我々は、激動する技術革新の中を生きていますが、それは核テクノロジーにも影響を与えてきました。しかし、核反対を謳う活動家たちは、1960年代(福島原発が作られた時代)に開発された原子炉技術のみに言及し、それ以降に築き上げられてきた相当な進化については無視します。確かに、それら進化した技術は、今日ようやく商業化(実用化)されはじめたばかりではありますが…。

 事故が絶対に起こらないと言うことはできません。しかし、仮に事故が起こり、もしその事故が福島第一原発のような、古い60年代の原子炉で起こったものだとしても、その結果が、反核活動家たちが声高に叫ぶ大惨劇ではないことははっきりしています。身の安全を確保するためにふるさとを離れた人々にとっては、事故はとても恐ろしい状況です。

 しかし、我々はリスクに対して現実的な見方をする必要があります。現代文明の利器(=原子力発電)を推進することには、リスクがついて回ります。しかし、化石燃料を使うことのリスクは、先進の原子力エネルギーに頼ることで生じるリスクをはるかに上回ります。化石燃料による汚染によって、毎年300万人が亡くなっていると推定されます。毎年です。それに比べ、商業用の原子力による死者として確認されているのはたった56人のみであり、そしてその全ては(設計に欠陥のある施設で異常な判断ミスのあった)チェルノブイリで起きたものです。

――米国ではシェールガス革命が起きていますね。原子力より化石燃料に風が吹いているように見えますが。

 私には日本の状況は分かりません。しかし、気候変動の問題については、世界中の大変多くの若者たちが高い関心を寄せています。気候変動の結果は、年を追うごとにより明確にあらわれてきています。アメリカにおいて、ガスが潤沢にある安い燃料であろうことは確かですし、それが原子力を含むエネルギー源のあらゆる選択肢に、とって変わろうとしつつあることも事実です。

 私は、それほど遠くない将来、アメリカは中国から先進のモジュール型原子炉を購入するのではないかと思っています。そして日本もまた、同じことをするのではないでしょうか。

――太陽光や風力など再生可能エネルギーに頼ることはできませんか。

 風力と太陽光は、エネルギーミックスに重要な役割を果たしており、場所によっては他の技術より、これらの発電方法に適している地域もあります。しかし、問題の鍵は、それらが化石燃料に代わることができる地点まで来ているかどうか、単純には測ることができないという点です。原子力とは異なり、再生可能エネルギーを使用するために電気システムをネットワーク化するとなると、化石燃料に置き換えて使えるレベルで実用化し、運用していくためには、エネルギーインフラ全体の完全な再構築が必要になります。これは莫大な投資であり、実際に実行に踏み切った国はまだありません。

 また、再生可能エネルギー源(風や日光など)の確保が確実でない時のためのバックアップとして、我々は旧来の化石燃料インフラを引き続き維持していく必要もあります。これらは、再生可能エネルギーが実際に化石燃料にとって代わるのを妨げている深刻な問題であり、すぐには解決しそうもありません。他の国にも増して風力と太陽光に多く投資(20年間、数千億)したドイツでさえも、今日の電力供給源の割合は太陽光が5%、風力が7%という状況です。彼らはまだ石炭の生産能力も拡大させており、原子力発電所を廃炉にするという判断のおかげで、彼らの二酸化炭素排出量は実際に増えています(日本もそうであるように)。

 風力と太陽光は、かつては大規模に発展しましたが、相当な数の反対意見にも直面しています。風力と太陽光で、全ての電力を供給できるため、原子力は必要ないという議論は危険な絵空事です。もしその説が真実ならば、数多くの良識ある人々が原子力発電を発展させ、支持しようとする必要はまったくないはずです。

 私は、個人的な利益関心のために、原子力推進を唱えているわけではありませんし、原子力それ自体には関心がありません。私が原子力を推進しようと思うのは、それが、死や疾病を引き起こし、海の水を酸性に傾かせ、気候が制御できないほど乱れ始めている原因である、化石燃料の使用を締め出す唯一の手段であると気づいたからに他なりません。

 この数十年に亘り、反核の活動家たちによって提示されてきたあらゆる定説や神話にかかわらず、原子力ははるかに優れた選択肢です。60年代に作られた原子炉が、未曾有の規模の津波によって流されたことで起きた、今回の恐ろしい(そして、防ぐことができたはずの)一回の事故を理由に、完全に原子力エネルギーを断念してしまうのはナンセンスです。

 日本は、地球上で最も洗練された最新技術でもって、現在の原子力施設を取り替えることに投資するべきです。このことは、日本のエネルギー供給の自活を維持し、全く新しい輸出産業を発展させ、世界中の羨望を日本に集めるでしょう。

 今日の状況のように、化石燃料に立ち返る一方で、エネルギーの自活を決してもたらさない再生可能エネルギー施策に浪費し続けるのはとんでもない大間違いである。私はそう考えています。(Wedge編集部)

■ロバート・ストーン監督
1958年イギリス生まれ、ニューヨーク在住。初監督作『ラジオ・ビキニ』(1987年)がアカデミー賞長編記録映画賞にノミネートされ高い評価を得る。その後、ディレクター、作家、編集者、カメラマンと幅広く活躍する傍ら、アメリカ史、大衆文化、マスメディアや環境問題などのテーマを独自の視点で鋭く切り取る作品を意欲的に制作。最新作『パンドラの約束』は2013年のサンダンス映画祭で上映され注目を集めた。6月12日より全米で公開。人生のほとんどを反核に捧げてきたにもかかわらず、考えを180度変え、原子力推進を訴え始めた著名な科学者や環境保護運動家、ジャーナリストらに主張の機会を与えている。
映画『パンドラの約束』
ロバート・ストーン監督
問い合わせ先:フィルムヴォイス(株)
03−5226−0168 担当:山森
 

太陽光買い取り「29円」でも高すぎる

大江紀洋(月刊「Wedge」編集長)

 4月からの再生可能エネルギーの買取価格が決まろうとしている。

 2月24日、経済産業省の有識者会議「調達価格等算定委員会」が示した2015年度の買取価格案(委員長案)によると、太陽光発電(10kW以上、通称メガソーラー)は1kWhあたり29円(税抜き)。これまで3年間、委員長案のとおり決定しており、この価格で決まることは濃厚だ。

 29円は高すぎる。

 固定価格買取制度(FIT)が始まった2012年度は40円。その後、36円(13年度)、32円(14年度)と切り下げられてきて今回29円だから、順調に切り下げられてきたようにも見えるが、まったくもって切り込みが甘い。

安直な価格切り下げ


http://ironna.jp/file/w480/h480/c7014496def33967316a14c87247821e.jpg
 直近のドイツの価格は9ユーロセント(1ユーロ=135円で計算して約12円)、スペインやイタリアに至っては買取を停止したままだ。他のFIT導入国で高いところを探しても15ユーロセント(同20円)程度。なぜ日本の電力消費者だけが世界標準の2倍も負担しなければならないのか。太陽電池パネルやパワーコンディショナーなど、機器類は世界的に流通している。日本の国民だけが高掴みさせられているようなものだ。

 29円は6月までで、7月からは27円となる。これはFIT法制定時に、国会での“改悪”により、制度開始から3年間(12年7月〜15年6月)は特に事業者の利益に配慮するという附則が追加されたからだ。40円から毎年4円ずつ切り下げてきた流れから言えば15年度は28円。ちょうど28円を挟むように29円と27円にしたのだろう。なんと安直なことか。27円でも世界標準から見れば高すぎる。

 業界からは「日本は欧州と違う。高コストだから仕方がない」といった声も聞こえてくる。しかし、世界中で日本だけなのだ。3年間も異常な買取価格で制度運用してきてコストが下がらないなら、もはや太陽光をこれ以上普及させる意味がないのではないか。

膨大な金額が国民から事業者や地主に移転


 さらに恐ろしいのは、「すでに手形は振り出されてしまっている」ことだ。40円や36円の価格が認定されたまま、運転開始していない太陽光が山のようにあるからだ。運開率はなんと約2割に過ぎない。いまさら29円や27円に切り下げても遅いのだ。これから残り8割の設備が「高い買取価格」という権利を掲げて登場してきてしまう。

 電力中央研究所社会経済研究所の朝野賢司主任研究員によれば、FITの設備認定が14年度、つまりこの3月で終了するという極端な仮定を置いた「FIT廃止ケース(注1)」でも、年間賦課金額のピークは2.6兆円、累計賦課金額は53兆円に及ぶという。これだけの膨大な金額が、すべての国民(電力消費者)から、再エネ事業者や、太陽光パネルを敷き詰めた土地の地主に移転されることに合理性はあるのだろうか。

 ではこのままFITを続ければどうなるのか。これについても朝野氏が試算している。

 2月3日に開催された、経済産業省の総合資源エネルギー調査会新エネルギー小委員会では、現行の導入ペースが継続する場合、2030年時点の累積導入設備容量は、太陽光が1億4000万kW、風力が1140万kWに達することが示された(これはそれぞれ、14年10月末時点の認定実績の、それぞれ8倍、3倍にあたる)。この「最大ケース(注2)」では、年間賦課金額のピークは4.1兆円、累計賦課金額は84.8兆円にも及ぶ。

 朝野賢司氏によれば、「既に太陽光発電の設備認定は莫大であるため、賦課金を抑制する方策は限られるが、上限や入札等の実施などやれることはある。より少ない費用で、出来るだけ多くの再エネ供給を得る、効率性の観点に立ち返ることが重要」だという。私たちはすでに振り出してしまった手形(将来へのツケ)をよく認識すべきであろう。

 朝野賢司主任研究員の試算の詳細はこちら>

(注1)「FIT廃止ケース」詳しくは次のような仮定を置いている。太陽光発電の接続可能量が設定された電力各社では、これを超過した導入は行われない。接続可能量が未設定の東京電力、中部電力、関西電力では、13年度に各社エリアで認定されたのと同じ量が14年度にも認定される。その他の再エネは14年10月末時点の認定実績まで導入。
(注2)「最大ケース」は詳しくは次のような仮定を置いている。太陽光発電は2030年時点で累積導入量1億4000万kWに、風力は同1140万kWに到達する。14年度と15年度におけるその他再エネは、13年度実績と同量が導入。買取価格は既認定分については実績値を、15年度以降、住宅用太陽光発電は毎年2円、事業用太陽光発電は同4円切り下げて、その他再エネは14年度と同等とした。

 

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