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2015/04/06 勝谷誠彦 ニッポン放送 ザ・ボイス ニュースピックアップセブン
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「主権侵害」全く理解できず 看過できない日本の政治家の国際感覚読了まで6分
袴田茂樹(新潟県立大学教授) 3月初めにロシアで、日露の専門家や政治家がウクライナ問題や日露関係をめぐる非公開の会議を行った。私の最大の関心は、本欄で先月私が書いた見解(編集部注:産経新聞『正論』2015.02.06)に対するロシア人の率直な意見を聴くことだった。「日露の歴史を修正しているのはロシア側」という論だが、以下が私の見解の要点である。
「歴史修正」認めたロシア高官 (1)プーチン大統領も含めロシア政府は、北方領土の帰属問題が未決と認めて領土交渉を続けてきたのに、2005年以来「第二次大戦の結果ロシア領と決まった」と主張し始めた(2)ロシアは軍国主義日本がナチスドイツと同盟を組んで、ソ連が被害者になったかの如(ごと)く非難するが、日本は独ソ戦の間も含め「日ソ中立条約」を最後まで守り、それが独ソ戦でのソ連勝利の一因だった。条約を破って日本を攻撃し大西洋憲章の精神に反して領土を拡大したのはソ連だ。
この私の見解に対しては、エリツィン時代にロシア政府高官として日本との領土交渉に直接携わり、交渉経緯を知悉(ちしつ)している人物が、私の見解に完全に同意すると述べた。私は、真実を知っている者は、ロシア人でも私の見解を否定できないと密(ひそ)かな確信を抱いていたので、彼の言葉に得心した。
3月10日にモスクワの国際大学で講演をした。その時もやはり、本欄で書いた見解に対するロシア人学生や教授たちの反応を知るのが私の主たる目的だった。
「日本は政治・経済的にあまり関係のないウクライナ問題で対露制裁に加わっているが、これは単にG7への同調、米国の圧力故ではないか。日本はもっと主体的な対露政策を遂行すべし」との対日批判をまず紹介すると、100人余りの聴衆の殆(ほとん)どがこの見解に賛成した。次いで私は、クリミアとスコットランドの住民投票が、ロシア軍の軍事介入がなかったとしても本質的に異なり、クリミアのロシアへの併合は国際法的に認められないことを、世界各地の「チャイナタウンでの住民投票」を例に出して説明した。その国の政府が認めない「自決権」は国際法的に無効という見解だ。ロシア軍介入下での併合はもちろん論外だ。
鳩山元首相への痛烈な質問 「日本とウクライナは今やロシアに主権、領土保全を侵されているという共通問題を抱えている。従ってG7の中では日本は他国以上にロシアの主権侵害を批判する権利と義務を有する」との私見を述べた。そして「領土問題ではロシアに別の見解があることは承知だが、日本の立場からするとロシアの対ウクライナ政策を厳しく批判せざるを得ない。それはG7への配慮故だけではない」として、緊張する尖閣問題も説明した。
この説明のあと聴衆の意見を求めた。驚いたことに、直前に紹介した対日批判に賛成した者の殆どが、今度は私の見解は理解できると挙手したのである。
私がモスクワの講演で最も強調したのは、21世紀のグローバル化の時代になっても世界の秩序は主権国家間の関係で辛うじて維持されており、国民国家とか主権・領土という観念は過去のものになるというポストモダニズムの政治論はあまりに楽観的で、安定した主権国家の存在と他国の主権尊重が最も重要、という点である。
この私の見解に対して、痛烈な質問が出された。聴衆の一人が、「日本がロシアによるクリミア併合をウクライナの主権侵害と批判するのは理解できた。では、鳩山由紀夫元首相が本日クリミアを訪問して住民投票によるロシアへの併合を認めたことをマスコミは広く報じている。これをどう理解すべきか」と質問したのだ。ロシア査証でクリミアを訪問した彼の行動は、私自身絶句する事態で心底から赤面した。あらかじめこの質問は予想していたのだが、次のように答えざるを得なかった。
安倍政権とは真逆の見解 鳩山氏はわが国でも国家主権や安全保障の問題が全く理解できない「宇宙人」と呼ばれている。しかし、そのような首相や政党を選んだのは日本国民であり、日本人の私自身、赤面している、と。
昨年9月には、自民党の森喜朗元首相が安倍晋三首相のプーチン大統領宛て親書を携えてモスクワを訪問し、「ノーベル平和賞を受けた欧州連合がウクライナを巻き込んでロシア叩(たた)きを考えている。それではノーベル平和賞が泣く。われわれはウクライナ問題に関わる資格はない」とまで述べた。安倍政権や欧米とは真逆の見解で、強い懸念を抱かざるを得ない。
ロシア政府の大使も務めたあるロシア人でさえウクライナ問題で「ロシアは最初から、国際法や自国の評判、さらには自らの良識さえも完全に無視して、力の論理に従って行動してきた」と自国政府を厳しく批判しているのである。
クリミア併合を批判してきた改革派ネムツォフ元副首相の暗殺に対して、モスクワでは数万人の抗議デモが行われた。日本の政治家の国際政治に対する音痴ぶりは、鳩山氏は民主党だから、とは言っておれない深刻な事態である。そして、これは日本国民自身の深刻な問題でもある。
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あえぐロシアを攻める「好機」だ読了まで6分
木村汎(北海道大学名誉教授) 昨年末、モスクワでひとつの小話が囁(ささや)かれていた。2015年に、もし3つの63が揃(そろ)ったら大変なことになる、と。プーチン大統領が63歳。原油の国際価格が1バレル当たり63ドル。ロシア通貨ルーブルの交換比率が1ドル=63ルーブル。1つ目は確実だが、後の2つがそうなると予想したものはいなかった。ところが、このジョーク(?)が、すでに14年12月にいとも簡単に現実のものになった。
継続する米欧との「ミニ冷戦」 このような原油安、ルーブル安がもし今年中続くならば、それはロシアの内外政に一体どのような影響を及ぼすのだろうか?
ロシア経済は今日、国内総生産(GDP)で世界第8位、国民1人当たりのGDPで52位。だが、ヒト、モノ、カネ、イノベーション(技術革新)、いずれの点でも急速かつ大幅な改善は期待できず、今後は衰退の道をたどる。
この一般的な予測に加えて、14年から三重(トリプル)苦が加わった。すなわち、ウクライナ介入に対して先進7カ国(G7)が科している経済制裁、原油価格の暴落、ルーブル安である。
これらの事態は、主として「外的要因」、より直截(ちょくせつ)に言うならば米欧諸国による「陰謀」によって引き起こされた結果。プーチン大統領はこう主張して、「最悪の場合でも2年」でこの危機から脱出すると国民向けに説明している。だが、2年後に果たしてロシア経済が上昇基調に転じるのか、楽観する者は少ない。
とはいいながら、ロシア人の忍耐力は強く、プーチン氏の支持率もいまだ高い。たとえインフレが高じても、ロシアの被治者が「レジーム・チェンジ(政体変更)」を要求して立ち上がることは、少なくとも当分は考えられない。
ただし外交分野では、変化が生まれるに違いない。「ウクライナ危機」は泥沼状態から脱出しえず、ロシアと米欧間の「ミニ冷戦」は続くだろう。ロシアは米欧諸国以外の諸地域、とりわけアジア方面での動きをますます活発化せざるをえなくなるに違いない。
外交の主要ターゲットは日本 プーチン氏がロシア外交の軸足を西から東へ移す場合、その主たる標的は中国になる。今年は、第二次世界大戦終結70周年の節目に当たる。ロシアは中国と協力して同祝典を盛大に祝い、露中連携をとりわけ誇示しようと試みるに違いない。
他方、中国との関係を現在以上に緊密化することは、ロシアに数々のマイナスをもたらす危険が否めない。例えば、モスクワは今や北京のジュニア・パートナーに堕したとのイメージを全世界に広げるだろう。また、実にタフな交渉者の北京は、当然ロシア産資源の購入に際して国際水準を下まわるバーゲン価格を要求するだろう。
単純な引き算の結果、15年のロシア外交の主要ターゲットは日本になると見て、間違っていない。とりわけプーチン大統領の訪日を実現できれば、ロシアは一石三鳥の利益を入手可能。第1は、G7の分断。第2は、アジア地域で中国と日本を競わせる利益。第3は、日本に恩を売ること。あわよくば日本へ領土を返還することなく、ロシア極東開発に関する何がしかの協力の言質を取り付ける。
ところが冷静に考えてみると、安倍晋三首相のほうが、プーチン大統領に比べ強い立場に身をおいている。歴史上稀(まれ)な位に有利だと言ってよい。同首相は、まず有権者から政権継続のお墨付きを新たにしたばかりの強力・安定政権である。また、現ロシアは経済低迷一般にプラスして、冒頭にのべたような「三重苦」に喘(あえ)いでいる。
訪れた3度目のチャンス さらに、プーチン大統領は3月18日クリミア半島をロシアへ併合するに当たり、同半島が歴史的に「ロシアの固有領土」であるとの正当化理由を用いた。この言葉を逆手にとれば、北方四島は「日本の固有の領土」との日本側の主張は強化され、大統領が二重基準をとることを許さなくする。首相は歴史問題談話でこのことに触れ、70周年記念を機に連携行為に出ようとする中露両国に対し前もって理論的反撃を行うべきだろう。
日本側は、振り返るとこれまで2度ばかりチャンスに恵まれたことがあった。1つは1970年代初めに米中接近という国際政治の地殻変動が発生したとき。2つ目は、ソ連邦崩壊によってロシアが弱体化し、日本の経済支援その他を必要としたときだ。だがいずれの場合にも、せっかちな、もしくは弱体な指導者(田中角栄氏、細川護煕氏ら)が、その好機を十分生かそうとしなかった。
安倍首相は、日本側にとり3番目のチャンスを迎えようとしている。もとより、今年中に4島返還が実現できるというのではない。だが、滅多(めった)に訪れない好機に恵まれていることは間違いない。このことを十分自覚し、ゆめゆめ日本側がもつ有利なカードを安売りして、安易な妥協で満足する誘惑に駆られないよう心すべきである。 |
ロシアの極東ターゲットは北海道だ読了まで19分
日高義樹(ハドソン研究所首席研究員)日本は軍事演習に驚いたが… ウクライナの領土であるクリミア半島を、軍事力であっという間に制圧し占領したロシア陸軍の機動部隊の威力は、世界の国々にとって新たな軍事的脅威になっているが、日本はいまだにその脅威に気がついていないようである。
2014年8月、ロシア海軍はこれまでにない大規模な訓練を実施し、日本周辺の極東太平洋地域で敵前上陸作戦を含む軍事訓練を展開した。ロシアがこのような大規模な軍事行動を行うことは、この数年来、中国についで軍事費を増やし軍事力を強化していることから予想されたことであった。
「日本政府は日本の北方領土の周辺で突然、ロシアが大がかりな軍事行動を展開したことに驚いているようだが、ロシアが軍事力を強化し続けていることにまったく気がつかなかったのだろうか」
アメリカ海軍の首脳がこう述べているが、ソビエトつまり現在のロシアというのは非常に分かりにくいだけでなく、時にはあっという間に変化してしまう国なのである。
「ソビエトはあと少なくとも50年は続くだろうと考えていた。これほど早くしかも突然、崩壊するとは思ってもみなかった」
世界的な戦略家であるヘンリー・キッシンジャー博士が私の番組に出演してこう述べたことがあるが、冷戦で敗れたソビエトがロシアとして大きく甦っていることに、アメリカのオバマ大統領とその側近も注意をはらってこなかった。
「アメリカがウクライナから、ロシア寄りの指導者を追放しようとした時、オバマ大統領はプーチン大統領が力で反抗してくるとは、予想もしていなかった」
チェイニー前副大統領がワシントンの記者団にこう言ってオバマ大統領を批判したが、たしかにロシアの変わり身の早さに気がついていないのは、日本だけではなかった。
こうしたロシアの軍事的な復活を目にして私が思い出すのは、ハドソン研究所で一緒に軍事問題を研究したアメリカのウイリアム・オドム陸軍中将のことである。オドム中将はカーター大統領の軍事顧問や、アメリカのスパイ組織の大元締めであるNSA国家安全保障局の長官をつとめ、陸軍士官学校、コロンビア大学、イエール大学でも教鞭をとった軍事問題の権威だった。冷戦時代にはソビエトとのタンク戦争の戦術的研究者として世界にその名を知られていた。
「ロシアは強力な軍事力を持ち軍事的に強い。これに比べて中国は軍事的に弱い。もっと言えば軍事的に強いロシアは経済が弱く、軍事的に弱い中国は経済が強い」
これはオドム中将がハドソン研究所の研究会の席上で言った言葉だが、軍事的に強いというロシアの基本的な性格を考えれば、プーチン大統領が軍事費を増やし軍事訓練を強化している今の状況は、ロシアの隣に位置する日本にとって脅威そのものと言える。
大国として甦るロシア プーチン大統領は、冷戦後の混乱のなか、議会にたてこもった共産主義者たちや、酔いどれで汚職まみれの大統領エリツインに代わって新しいロシアを建設するために、ロシアのエリートが将来の繁栄を託して擁立した政治家である。
ロシアのエリート、そして国民の期待を担ってプーチン大統領が登場した2000年以来、ロシア経済は順調に拡大して来た。2000年のロシアの国民1人当たりの生産高は1771ドルだったが現在は1万4千ドル、およそ8倍になった。プーチン大統領は、日本はじめアメリカ、ヨーロッパ諸国との関係を良好に保って資本の流入に力を入れ、石油と天然ガスの生産高をサウジアラビア並みに増やしてロシアを資源大国にしたのである。
しかしながら2012年頃からプーチン大統領の弾圧的な国内政治姿勢を嫌って資本がロシアの外に流失し始めた。ちなみに2014年には、前半の6ヶ月だけで750億ドルの資本が逃げ出している。資本の流失はロシア経済の停滞をまねき、プーチン大統領の政治的な危機が、大統領の側近の間からも囁かれるようになった。
「プーチン大統領が軍事力強化に乗り出し、力でロシアの存在を世界に示そうと決意した理由は、国内経済の停滞からロシア国民の目をそらすことにあった」
ハドソン研究所のロシア問題専門家がこう言っているが、プーチン大統領はロシアの国営通信社であるイタルタスの記者に次のように述べている。
「ロシアはこれから北極石油の開発に力を入れ、世界の資源国家としての立場を確立することによって、アメリカ、中国、日本に次ぐ経済大国の立場を確立するつもりである」
プーチン大統領はロシア国営のインターネット放送でも「ロシアの経済的立場を確立するために軍事力強化政策をとる」と述べているが、プーチン大統領が、日本やアメリカ、ヨーロッパ諸国との対立をいとわず軍事力を強化し続けているのは、これまでのやり方ではロシア経済の拡大が先細りになるだけでなく、自らの政権の維持が困難になると懸念しているからである。
プーチン大統領は2000年に就任した当時は、外国から資本を取り入れるためにいわゆる微笑外交政策をとり、日本に対しても北方領土を返すという姿勢をちらつかせながら、森総理など歴代の首相を操って来た。だがロシアは、日本政府が気づかない間に変化をとげ、ついに日本周辺で敵前上陸をふくむ訓練というキナ臭い行動をとるところまで来た。
隣の大国ロシアは、昔から日本にとって脅威だったが、ソビエトが冷戦に敗れてその脅威は一時的に消滅した。ところがオドム中将が言う軍事的に強いロシアが大国として甦り、日本の脅威になりつつある。何よりも日本にとって危険なのは、外務省はじめ日本政府がその脅威についてまったく気がついていないことである。
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佐藤優が分析 ロシアの核恫喝外交は北方領土交渉にも影響する読了まで4分
佐藤優(作家、元外務省主任分析官) ロシアが外交の手段として核兵器を使い始めた。これは危険な挑発だ。デンマークのコペンハーゲン発のロイター通信は22日、こう伝えた。<駐デンマークのワニン・ロシア大使は、デンマークが北大西洋条約機構(NATO)のミサイル防衛(MD)計画に参加すればロシアの核ミサイルの標的になると述べた。デンマーク紙ユランズ・ポステンがインタビューを掲載した。
デンマークは昨年8月、ミサイル防衛計画に高性能なレーダーを搭載した艦船を派遣する方針を明らかにした。ロシア政府はMD構想に反対していた。
ワニン大使は計画への参加がもたらす結果をデンマーク側が完全に理解していないと指摘。「参加すれば、デンマーク艦船がロシアの核ミサイルの標的になる」と述べた。
これに対してデンマークのリデゴー外相は受け入れられない発言だと強く反発、「NATOのMD構想がロシアを標的とするものではないことをロシア側は十分承知しているはず」と述べた。一方、NATOは平和に貢献しないと批判した>
デンマーク艦船を「標的」に ワニン大使の発言は、大使の独断ではなく、ロシア本国の訓令に基づくものと見るのが常識だ。しかし、ロシア当局は常識に反する情報操作工作を展開している。<大使の発言はデンマーク政府の反発を呼んでいるが、ロシアのラジオ局「モスクワのこだま」は「大使はこうした大きな声明を行う権利を付与されていない」とする政権幹部の声を紹介。この幹部は、大事には至らず、大使の独断的な見解だとの見方を示した>(3月22日「産経ニュース」)
ワニン大使の寄稿に対して、デンマーク政府の反発が予想を超える激しさだったので、ロシアとしては、とりあえず「現場の暴走」ということで、事態を沈静化したいのであろう。しかし、このような手法自体がシニカル(冷笑的)で不誠実だ。
15日にロシア全土で放映されたテレビ番組「クリミア、祖国への道」で、プーチン大統領が「ロシアはクリミア情勢が思わしくない方向に推移した場合に備えており、核戦力に臨戦体制を取らせることも検討していた。しかし、それは起こらないだろう、とは考えていた」(3月15日露国営ラジオ「ロシアの声」)と述べた。
ワニン大使の寄稿は、プーチン大統領の発言がロシアの新しい核戦略に基づいていることを裏書きするものだ。すなわち、ロシアが自国にとって死活的に重要と考える事項に関しては、核カードを用いてでもロシアの国益を実現するという方針だ。恫喝外交そのものである。
対露外交戦略の見直し必要 日本にとって米国は唯一の同盟国だ。中国、北朝鮮からの弾道ミサイル攻撃の脅威に対抗するために米国のMD計画に日本が参加する可能性がある。米国のMD計画に日本が参加する場合、ロシアが「海上自衛隊のイージス艦と在日米軍基地を核攻撃の対象とする」と言い出しかねない。もちろんロシアがそのようなことを言ってきても、日本ははね付ける。そうなると北方領土交渉のハードルをロシアは上げてくるだろう。ビザ(査証)なし交流を一方的に取りやめ、北方領土への日本人の入域に際して日本のパスポートとロシアのビザを要求するようになるかもしれない。
ロシアの核戦略の変更が日本外交にどのような影響を与えるかについて、外務省ロシア課とモスクワの日本大使館はどのような分析をしているのだろうか。ロシアが一方的に外交のゲームのルールを変更している状況で、年内にプーチン大統領の公式訪日を実現することが、日本の国益と国際社会の利益にかなうのであろうか。北方領土交渉の方法を含め、日本政府は対露外交戦略の全面的な見直しをする時期に至っていると筆者は考える。 |


