【9月4日号】 鍛冶俊樹の軍事ジャーナル政府は尖閣の地権者と国有化で合意したと発表した。しかし合意したと報道されながら、実際に契約に至らない事例は枚挙に暇がない。従って一般的に慎重な交渉担当者は契約成立まで沈黙しているものだし、政府も当然そうした慎重な姿勢を取るのが普通だ。ところが日本政府は、都知事が反発するのを知りながら月内にも契約すると断言した。一体政府は何を焦っているのか?この発表が「中国の習近平の主席就任が確実」とする報道と相前後したことに注目したい。つまり日本政府の発表と中国政府のこのリークは、何らかのバーター(条件交渉)を暗示する。もちろん、習近平の主席就任は一昨年から言われていたことだが、昨年末からこの就任を危ぶむ声が出始めた。 王立軍が逮捕され薄煕来失脚が噂され始めたからである。薄と習は軍部の支持を受けている。従って薄が失脚すれば、軍の発言権が弱まり習の主席就任も危うくなるという訳である。 ところが今年の始めから、北京発と思われる奇妙な噂が東京とワシントンに流された。「この10月の中国指導者の交代期は権力が空白となるから、中国軍は自由に行動できる。そこで尖閣に軍事侵攻する。」 これは明らかに軍部による中国政府つまり胡錦涛政権に対する脅迫である。つまり「習を主席に就けないというなら勝手に軍事行動を起こす」と脅しているのだ。これに対し温家宝首相が毛沢東主義の再来と批判し、権力闘争が本格化し薄は要職を解任され、それに反発するかのように尖閣侵攻の噂がワシントンで一層強く流布された。 都知事が尖閣購入をワシントンで発表したのもこの噂に触発されたものだ。結局中国政府は薄を逮捕せず、薄夫人は逮捕されたものの執行猶予となり事実上の無罪放免、そして今回の習主席就任確実のリーク報道である。つまり中国政府は軍部の圧力に屈したのだ。 ところが日本政府はこの動きが読めていなかったから、東京都による尖閣購入を阻止すれば中国軍は侵攻しない筈だと認識した。中国政府は習が軍部の要求通りに主席に就任すれば中国軍は尖閣侵攻しない筈だと認識した。中国軍が政府の制止も聞かず尖閣に侵攻することは一種の軍事クーデタであるから中国政府としても阻止したかったのである。 かくて日本政府と中国政府が同時に購入阻止と習就任という、ともに未確認情報を発表するという珍現象が現出した。つまりこの二つの情報はともに「中国軍が尖閣に侵攻しない」という保証として交換されたものだ。 だがもともと中国軍部が習近平の主席就任を要求したのは、軍の主張を通すためであり、軍の主張は常に軍事拡大主義に他ならない。そこには当然尖閣侵攻が含まれている筈で、尖閣侵攻を目論む軍部の要求に従って習近平を主席に就任させて、どうして尖閣侵攻を諦めさせることが出来ようか。 * 「日本の自衛隊は米軍の支援がなくとも中国軍を撃破できる実力を備えている」こんな情報が流れている。これは両軍の軍事力を客観的に分析すると必然的に出る結論で、軍事アナリストの間では常識である。 だがこの情報をこの時期に敢えて流しているのが、当の中国軍だという事実の方がもっと重要だ。というのも米国は「尖閣は日米安保の対象」と繰り返しているが、もし尖閣は自衛隊だけで十分守れるとなれば、「中国が尖閣に侵攻しても米軍をただちに介入させる必要はない」と考えるだろうからである。 これは中国にとって都合がいいだけでなく、米国にとっても大変都合のいい事態である。つまり中国軍が尖閣を占領し、自衛隊が奪還すべく動員され尖閣周辺で日中両軍が睨み合う事態において、米軍が日本を支援しないですめば、米国は日中の仲介役を果たせるのである。 おそらくこの緊迫した事態においては、日中両政府は米国の提示するどんな仲介条件も飲むだろう。まさに米国は一兵も傷付けることなく漁夫の利が得られるのである。尖閣諸島には魚釣り島という名があるが、なるほど米国にとっても格好の魚釣り場となりそうである。
|
大使公用車襲撃 「反日無罪」は看過できぬ
8.29 03:47 [主張]
北京市内の幹線道路で丹羽宇一郎駐中国大使が乗った公用車が2台の車に襲われ、日本国旗を奪われる事件が起きた。
北京市内の幹線道路で丹羽宇一郎駐中国大使が乗った公用車が2台の車に襲われ、日本国旗を奪われる事件が起きた。
日本国を侮辱する無法を許し、外交官保護を定めたウィーン条約をないがしろにした中国政府の重大な失態である。
日本大使館の厳重抗議に対し中国外務省は「遺憾」の意に加え、「事件の再発防止に全力を尽くす」「関係機関が真剣に調査を進めている」などと言明した。中国政府はこの約束を厳に守らなければならない。
背景には、沖縄県・尖閣諸島をめぐる日中対立がある。15日に尖閣に不法上陸した香港の活動家らを沖縄県警などが現行犯逮捕して強制送還した後、中国各地で反日デモが2週連続で起きた。
満州事変の発端となった1931年の柳条湖事件から81年にあたる9月18日に反日デモを呼びかけるネットの書き込みもある。
問題は中国で日本を攻撃する行為は何でも許されるという「反日無罪」の風潮が目立つことだ。
今回の襲撃事件直後、中国版ツイッターには、襲撃した男らを英雄視する意見が相次いだ。既に日本車が破壊されたり、日本料理店や日系企業が標的になり、在留邦人の安全も脅かされている。こうした風潮は到底看過できない。
尖閣に不法上陸した活動家らの反日団体は昨年、黒竜江省の県政府が建立した日本の旧満蒙開拓団員のための慰霊碑にペンキをかけ、ハンマーで破壊した。にもかかわらず実行犯5人は警察の事情聴取後、釈放された。
暴挙を批判した中国国営中央テレビの著名キャスターは、ネット上で総攻撃を受けている。
中国政府は共産党大会という秋の重要行事を前に国内安定を最優先し、「格差是正」などを標榜(ひょうぼう)するデモは絶対許さない方針だ。
今回の襲撃には、米国務省報道官も異例の懸念を表明した。国内治安を優先する一方で、民衆の不満の「はけ口」として反日デモの暴走を黙認するというのなら、北京五輪や上海万博を開催した大国の実績が泣く。
海上保安庁がやっと公開した反日活動家の尖閣不法上陸のビデオ映像には、海保の巡視船にれんがを投げつける暴走ぶりが映し出されている。日本政府は尖閣領有の正当性とともに、こうした証拠をもっと積極的に発信し、国際世論の支持を高めるべきだ。
丹羽宇一郎駐中国大使の公用車が襲撃された事件で、中国人とみられる男が最初から公用車の日の丸を奪おうとしていたことが分かった。
関係者の話を総合すると、丹羽大使の車は27日夕、北京市内の環状道路を走行中、ドイツ製高級車に追尾された。渋滞に巻き込まれて停車した際、30代の中国人とみられる男が降りてきて、公用車の前方に備え付けられた日の丸の小旗を奪おうとしたという。
しかし車が流れ出したため、男は再びドイツ車に乗ってクラクションを鳴らしたりしながら公用車を約3キロにわたり追尾。最後は、別のドイツ製高級車とともに、公用車の前方に割り込んで強制停車させ、先ほどの男が日の丸を引きちぎるように奪っていったという。
丹羽大使は28日、事件について「極めて遺憾だ」とした上で、「中国外務省から厳正な捜査の確約があった。在留邦人や日本企業関係者が安心して生活できる環境の確保が重要だ」などとする談話を発表した。
日本側は同日、北京市公安局に再度、犯行に使われた車両のナンバーと写真を提供し徹底捜査を要求。同局は器物損壊容疑などで捜査に着手したとされる。
しかし昨年来、中国の愛国主義者の間には「反日無罪」との空気が蔓延(まんえん)しており、一部で英雄視されている男の摘発は当局批判に転化しかねない。
米国務省のヌランド報道官は27日、「事実なら非常に懸念される」と事件に言及した。
関連情報
http://sankei.jp.msn.com/images/news/120816/crm12081612040007-s1.jpg
http://sankei.jp.msn.com/images/news/120816/chn12081611190005-s1.jpg
http://photo.sankei.jp.msn.com/~/media/essay/2011/10/1023senkaku/G20111017TTT0700394G3000000.jpg?mh=90&mw=90
「国家の体をなしてないね」
つば飛ばし「中国の領土だ」
8・15尖閣上陸
- 香港の団体の活動家が魚釣島上陸 5人逮捕(18:52)
- 「あと1メートル」「飛び込め」 上陸の様子をネットで“実況”(19:29)
- 「予想外」だった尖閣上陸 海保「まさか突っ込んでくるとは…」(19:32)
国内の反応
- 「法令にのっとり厳正に対処する」と野田首相(20:16)
- 「最後まで司法手続きを」と識者ら 水際で逮捕も可能と指摘(19:28)
- 「歴史的な証拠で論破を」下條正男拓殖大教授(20:04)
購入計画は?
- 購入計画に「影響なし」と都幹部(20:19)
- 「不法入国で確信犯」「粛々と裁判を」石原知事 都購入計画に「影響まったくなし」(20:51)
小泉純一郎氏は政治判断で刑事手続き断念
- 尖閣など不法侵入 「領海侵入で逮捕可能」(8月14日)
知っておきたい尖閣諸島



