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つまり、日露首脳会談の直前に、南シナ海における中露合同演習実施、北方領土における軍事力強化を進めるプーチンのロシアの曖昧な態度は、日露首脳会談を壊したいようだ、と受け止めざるを得ない。

米国の韓国サード配備に不満があっても、我が国との良好な関係を維持したいのであれば、中国に肩入れするような合同演習という行動を起こさないことだ。


しかし、我々には、どんな裏話交渉があるか、不明である。

ロシアの潜在的脅威はシベリア進出中の陸続き中国であり、また欧米との関係は現在最悪だ。

中国は、経済破綻が拡大し、ロシアが中国から経済協力を受けるのは無理だろう。
ロシアは中国を頼りにできないどころか今後ロシアのお荷物になりかねない。

よって、今のところ経済協力、技術支援を頼るのは我が国しかないように思える。

したがって

対露裏話交渉で「中国をやっつける話」や「我が国へのお土産」が無い限り、日露首脳会談は進展が無くても良く、現状維持で良いのではないか。
困るのはルーブル破綻、資源輸出国ロシアである。

さて、ロシアのお土産が楽しみだ。

わが国の資源は東南アジア、南アメリカ、アフリカに求めれば十分である。
そして、原子力発電全面解禁が急務である。
またメタンハイドレート保有などの海洋資源国でもある。

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あえぐロシアを攻める「好機」だ

読了まで6分
木村汎(北海道大学名誉教授)

 昨年末、モスクワでひとつの小話が囁(ささや)かれていた。2015年に、もし3つの63が揃(そろ)ったら大変なことになる、と。プーチン大統領が63歳。原油の国際価格が1バレル当たり63ドル。ロシア通貨ルーブルの交換比率が1ドル=63ルーブル。1つ目は確実だが、後の2つがそうなると予想したものはいなかった。ところが、このジョーク(?)が、すでに14年12月にいとも簡単に現実のものになった。

継続する米欧との「ミニ冷戦」


http://ironna.jp/file/w480/h480/221b4fa37eebd1f4bf741c02ae0c4e7b.jpg
 このような原油安、ルーブル安がもし今年中続くならば、それはロシアの内外政に一体どのような影響を及ぼすのだろうか?

 ロシア経済は今日、国内総生産(GDP)で世界第8位、国民1人当たりのGDPで52位。だが、ヒト、モノ、カネ、イノベーション(技術革新)、いずれの点でも急速かつ大幅な改善は期待できず、今後は衰退の道をたどる。

 この一般的な予測に加えて、14年から三重(トリプル)苦が加わった。すなわち、ウクライナ介入に対して先進7カ国(G7)が科している経済制裁、原油価格の暴落、ルーブル安である。

 これらの事態は、主として「外的要因」、より直截(ちょくせつ)に言うならば米欧諸国による「陰謀」によって引き起こされた結果。プーチン大統領はこう主張して、「最悪の場合でも2年」でこの危機から脱出すると国民向けに説明している。だが、2年後に果たしてロシア経済が上昇基調に転じるのか、楽観する者は少ない。

 とはいいながら、ロシア人の忍耐力は強く、プーチン氏の支持率もいまだ高い。たとえインフレが高じても、ロシアの被治者が「レジーム・チェンジ(政体変更)」を要求して立ち上がることは、少なくとも当分は考えられない。

 ただし外交分野では、変化が生まれるに違いない。「ウクライナ危機」は泥沼状態から脱出しえず、ロシアと米欧間の「ミニ冷戦」は続くだろう。ロシアは米欧諸国以外の諸地域、とりわけアジア方面での動きをますます活発化せざるをえなくなるに違いない。

外交の主要ターゲットは日本


 プーチン氏がロシア外交の軸足を西から東へ移す場合、その主たる標的は中国になる。今年は、第二次世界大戦終結70周年の節目に当たる。ロシアは中国と協力して同祝典を盛大に祝い、露中連携をとりわけ誇示しようと試みるに違いない。

 他方、中国との関係を現在以上に緊密化することは、ロシアに数々のマイナスをもたらす危険が否めない。例えば、モスクワは今や北京のジュニア・パートナーに堕したとのイメージを全世界に広げるだろう。また、実にタフな交渉者の北京は、当然ロシア産資源の購入に際して国際水準を下まわるバーゲン価格を要求するだろう。

 単純な引き算の結果、15年のロシア外交の主要ターゲットは日本になると見て、間違っていない。とりわけプーチン大統領の訪日を実現できれば、ロシアは一石三鳥の利益を入手可能。第1は、G7の分断。第2は、アジア地域で中国と日本を競わせる利益。第3は、日本に恩を売ること。あわよくば日本へ領土を返還することなく、ロシア極東開発に関する何がしかの協力の言質を取り付ける。

 ところが冷静に考えてみると、安倍晋三首相のほうが、プーチン大統領に比べ強い立場に身をおいている。歴史上稀(まれ)な位に有利だと言ってよい。同首相は、まず有権者から政権継続のお墨付きを新たにしたばかりの強力・安定政権である。また、現ロシアは経済低迷一般にプラスして、冒頭にのべたような「三重苦」に喘(あえ)いでいる。

訪れた3度目のチャンス


 さらに、プーチン大統領は3月18日クリミア半島をロシアへ併合するに当たり、同半島が歴史的に「ロシアの固有領土」であるとの正当化理由を用いた。この言葉を逆手にとれば、北方四島は「日本の固有の領土」との日本側の主張は強化され、大統領が二重基準をとることを許さなくする。首相は歴史問題談話でこのことに触れ、70周年記念を機に連携行為に出ようとする中露両国に対し前もって理論的反撃を行うべきだろう。

 日本側は、振り返るとこれまで2度ばかりチャンスに恵まれたことがあった。1つは1970年代初めに米中接近という国際政治の地殻変動が発生したとき。2つ目は、ソ連邦崩壊によってロシアが弱体化し、日本の経済支援その他を必要としたときだ。だがいずれの場合にも、せっかちな、もしくは弱体な指導者(田中角栄氏、細川護煕氏ら)が、その好機を十分生かそうとしなかった。

 安倍首相は、日本側にとり3番目のチャンスを迎えようとしている。もとより、今年中に4島返還が実現できるというのではない。だが、滅多(めった)に訪れない好機に恵まれていることは間違いない。このことを十分自覚し、ゆめゆめ日本側がもつ有利なカードを安売りして、安易な妥協で満足する誘惑に駆られないよう心すべきである。

 
 

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ロシアの極東ターゲットは北海道だ

読了まで19分
日高義樹(ハドソン研究所首席研究員)

日本は軍事演習に驚いたが…


 ウクライナの領土であるクリミア半島を、軍事力であっという間に制圧し占領したロシア陸軍の機動部隊の威力は、世界の国々にとって新たな軍事的脅威になっているが、日本はいまだにその脅威に気がついていないようである。

 2014年8月、ロシア海軍はこれまでにない大規模な訓練を実施し、日本周辺の極東太平洋地域で敵前上陸作戦を含む軍事訓練を展開した。ロシアがこのような大規模な軍事行動を行うことは、この数年来、中国についで軍事費を増やし軍事力を強化していることから予想されたことであった。

 「日本政府は日本の北方領土の周辺で突然、ロシアが大がかりな軍事行動を展開したことに驚いているようだが、ロシアが軍事力を強化し続けていることにまったく気がつかなかったのだろうか」

 アメリカ海軍の首脳がこう述べているが、ソビエトつまり現在のロシアというのは非常に分かりにくいだけでなく、時にはあっという間に変化してしまう国なのである。

http://ironna.jp/file/w480/h480/78012fb6007fd7d127b32a487b38f628.jpg ロシア極東ウラジオストクの沖合に浮かぶルースキー島の山腹に設置された砲台。日本が仮想敵国だった。いまは博物館となり開放されている
 「ソビエトはあと少なくとも50年は続くだろうと考えていた。これほど早くしかも突然、崩壊するとは思ってもみなかった」

 世界的な戦略家であるヘンリー・キッシンジャー博士が私の番組に出演してこう述べたことがあるが、冷戦で敗れたソビエトがロシアとして大きく甦っていることに、アメリカのオバマ大統領とその側近も注意をはらってこなかった。

 「アメリカがウクライナから、ロシア寄りの指導者を追放しようとした時、オバマ大統領はプーチン大統領が力で反抗してくるとは、予想もしていなかった」

 チェイニー前副大統領がワシントンの記者団にこう言ってオバマ大統領を批判したが、たしかにロシアの変わり身の早さに気がついていないのは、日本だけではなかった。

 こうしたロシアの軍事的な復活を目にして私が思い出すのは、ハドソン研究所で一緒に軍事問題を研究したアメリカのウイリアム・オドム陸軍中将のことである。オドム中将はカーター大統領の軍事顧問や、アメリカのスパイ組織の大元締めであるNSA国家安全保障局の長官をつとめ、陸軍士官学校、コロンビア大学、イエール大学でも教鞭をとった軍事問題の権威だった。冷戦時代にはソビエトとのタンク戦争の戦術的研究者として世界にその名を知られていた。

 「ロシアは強力な軍事力を持ち軍事的に強い。これに比べて中国は軍事的に弱い。もっと言えば軍事的に強いロシアは経済が弱く、軍事的に弱い中国は経済が強い」

 これはオドム中将がハドソン研究所の研究会の席上で言った言葉だが、軍事的に強いというロシアの基本的な性格を考えれば、プーチン大統領が軍事費を増やし軍事訓練を強化している今の状況は、ロシアの隣に位置する日本にとって脅威そのものと言える。

大国として甦るロシア


 プーチン大統領は、冷戦後の混乱のなか、議会にたてこもった共産主義者たちや、酔いどれで汚職まみれの大統領エリツインに代わって新しいロシアを建設するために、ロシアのエリートが将来の繁栄を託して擁立した政治家である。

 ロシアのエリート、そして国民の期待を担ってプーチン大統領が登場した2000年以来、ロシア経済は順調に拡大して来た。2000年のロシアの国民1人当たりの生産高は1771ドルだったが現在は1万4千ドル、およそ8倍になった。プーチン大統領は、日本はじめアメリカ、ヨーロッパ諸国との関係を良好に保って資本の流入に力を入れ、石油と天然ガスの生産高をサウジアラビア並みに増やしてロシアを資源大国にしたのである。

 しかしながら2012年頃からプーチン大統領の弾圧的な国内政治姿勢を嫌って資本がロシアの外に流失し始めた。ちなみに2014年には、前半の6ヶ月だけで750億ドルの資本が逃げ出している。資本の流失はロシア経済の停滞をまねき、プーチン大統領の政治的な危機が、大統領の側近の間からも囁かれるようになった。

 「プーチン大統領が軍事力強化に乗り出し、力でロシアの存在を世界に示そうと決意した理由は、国内経済の停滞からロシア国民の目をそらすことにあった」

 ハドソン研究所のロシア問題専門家がこう言っているが、プーチン大統領はロシアの国営通信社であるイタルタスの記者に次のように述べている。

「ロシアはこれから北極石油の開発に力を入れ、世界の資源国家としての立場を確立することによって、アメリカ、中国、日本に次ぐ経済大国の立場を確立するつもりである」

 プーチン大統領はロシア国営のインターネット放送でも「ロシアの経済的立場を確立するために軍事力強化政策をとる」と述べているが、プーチン大統領が、日本やアメリカ、ヨーロッパ諸国との対立をいとわず軍事力を強化し続けているのは、これまでのやり方ではロシア経済の拡大が先細りになるだけでなく、自らの政権の維持が困難になると懸念しているからである。

 プーチン大統領は2000年に就任した当時は、外国から資本を取り入れるためにいわゆる微笑外交政策をとり、日本に対しても北方領土を返すという姿勢をちらつかせながら、森総理など歴代の首相を操って来た。だがロシアは、日本政府が気づかない間に変化をとげ、ついに日本周辺で敵前上陸をふくむ訓練というキナ臭い行動をとるところまで来た。

 隣の大国ロシアは、昔から日本にとって脅威だったが、ソビエトが冷戦に敗れてその脅威は一時的に消滅した。ところがオドム中将が言う軍事的に強いロシアが大国として甦り、日本の脅威になりつつある。何よりも日本にとって危険なのは、外務省はじめ日本政府がその脅威についてまったく気がついていないことである。

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