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【正論】
安倍安定政権は焦るロシア待て 北海道大学名誉教授・木村汎

2013.7.29 03:22 正論
 ≪北方領土はいずれ日本有利に≫
 安倍晋三首相率いる自民党が参議院選で圧勝し、安倍政権が長期安定化する見通しが強まった。こうした事態の展開を見て、ロシアのプーチン政権はさまざまな手を打ってくるに違いない。だが、その多くは、日本を揺さぶるだけの「見せかけ」に過ぎないだろう。安倍政権は軽々にそれに乗る愚を犯してはならない。状況はいずれ日本側有利に転じるとの大局観に立ち、「お手並み拝見」といった余裕をもって、ロシア側が焦り始めるのを待つべきだろう。
 プーチン政権が今後、日本に対して採るのは、ほとんど「パカズーハ(見せかけ)」戦術と予想して間違いない。パカズーハとは、ロシア語の動詞「ポカザーチ(見せかける)」から派生した語で、本心を偽ったうわべ上の擬態もしくはジェスチャーを指す。
 例えば、中露関係が変わらず良好であるかのように見せかける。この3月、習近平・中国国家主席が訪露した際、プーチン大統領は確かに、これ以上ないほどの歓待ぶりを披露した。ところが、習主席の訪露中とその後の北京に対するモスクワの態度を注意深く観察すると、中露間には微妙な思惑や見解の食い違いが漣(さざなみ)のように立っていることに気づく。中国側が米国への対抗上、ロシア側に擦り寄る姿勢を示しているにもかかわらず、モスクワは北京の期待には必ずしも応えようとしない。
 日本に向けては、プーチン大統領は今こそ領土交渉妥結の絶好機が到来しつつあるかのごとく見せかけようと懸命である。だが、プーチン氏は現在、内政、外交とも難題に直面し、権力の座にとどまるのに汲々(きゅうきゅう)としている指導者なのである。対外的に思い切った決断などなし得るはずはない。
 ≪環境整備めぐる幻想を断て≫
 プーチン氏の日本相手の「見せかけ」戦術で、とりわけ日本側が細心の注意を払わねばならないのが、「環境整備」の勧めだ。日本側が環境整備に努め、日露関係全体の改善に努力すれば、あたかも領土返還が実現するかのような幻想を抱かせる手法である。
 では、果たして、日本がどの程度までロシア側に協力したら、モスクワが四島返還に踏み切る環境が整備されたということになるのか。この問いへの答えは定かでないどころか、その判断は一重にロシア側に委ねられている。となると、日本側は未来永劫(みらいえいごう)、ロシア側に経済、科学技術、医療、農業、その他の分野での協力を迫られる恐れなきにしもあらずだ。
 以上で、安倍首相が採るべき対露戦略は自(おの)ずと明らかだろう。
 まず、現時点ではまだ対露交渉の最良の機会が訪れていないと自覚すべきだ。プーチン氏が置かれている現状から判断する限り、日本側は決して今、勝負に出るべきではない。米国からシェールガスが入ってきて、わが国がロシアの石油やガスを必要としなくなるのも2017年以降である。
 次に大事なのは、政治と経済を完全に切り離してはならないことだ。端的にいえば、ロシアが欲しいのは日本の経済で、日本が欲しいのは領土である。己の欲しいものを得るために他が欲しいものを差し出す。それこそが取引成立のポイントであり、正常な交渉決着の姿である。キッシンジャー元米国務長官は、政治と経済のリンケージ(関連)は戦術でなく、むしろ現実と見なすべきだと言う。
 「スマートパワー」という概念の提唱者であるジョセフ・ナイ米ハーバード大教授は、ハードパワーに文化力などのソフトパワーを結合して用いるのが真にスマートなパワーの使用法だと、例え話で説く。ハードパワーであれ、ソフトパワーであれ、1つだけを用いるのでは、ボクサーが右手もしくは左手だけを用いるのに似て、勝利できるはずはない、と。
 ≪国際協力銀行資金は大切に≫
 戦後日本は、国際紛争を解決する手段として軍事力を使用することを自らに禁じている。したがって、引き算すれば、文化力と経済力しかないことになる。文化力というのは、もともと直接的な外交交渉力へは転換されにくいので、消去法でいけば、日本政府には経済力をフルに用いる以外の術は残されていないことになる。
 だが、日本は自由主義経済を建前としているから、北方領土問題を軸とする日露関係の成り行きいかんにかかわらず、民間企業がロシア市場へ進出したいと欲するなら、止める手立てはない。
 となると、対ソ交渉の切り札として日本政府に残される手段は、国際協力銀行の資金だけになる。この資金は日本国民の血税を集めたものにほかならない。それだけに、北方領土問題の解決−平和条約の締結をロシア側に迫るための環境整備に資する、という確信が持てる場合以外には、同銀行の資金を用いてはならない。
 さもなければ、ロシア人の間ですでに形成されかけている日本人観がさらに強化されることになろう。日本人による領土返還要求はあくまで建前にすぎない、本音は実はロシアからの資源の安定供給にある、という誤解である。(きむら ひろし)
 
わが国の周辺のロシア軍
1 全般

 極東地域のロシア軍の戦力は、ピーク時に比べ大幅に削減された状態にあるが、依然として核戦力を含む相当規模の戦力が存在している。わが国周辺におけるロシア軍の活動は、演習・訓練を含め、活発化の傾向がみられる。
 同地域では、近年ほぼ隔年で、テロ対策などを目的とした大規模演習「ボストーク」が実施されているほか、常時即応部隊によるロシア西方から極東地域への機動展開演習である「モビリノスチ2004」などの演習が行われている。また、10(同22)年に行われた大規模演習「ボストーク2010」は、指揮機構の改編による軍改革の成果の検証などを目的として極東地域以外の部隊なども多数参加して実施された1
 ロシア全土およびロシア軍全般に関わるものとして、08(同20)年には、大陸間弾道ミサイルの発射を含む大規模共同演習「スタビリノスチ2008」が行われたほか、09(同21)年に行われたベラルーシとの大規模共同演習「ザパド2009」では「軍の新たな姿」に示された新たな指揮組織の検証も行ったとされている2
 ロシア軍全般が戦略核部隊の即応態勢を維持し、常時即応部隊の戦域間機動による紛争対処を運用の基本としていること3を踏まえると、極東地域のロシア軍については、他の地域の部隊の動向も念頭に置いた上で、その位置付けや動向につき引き続き注目していく必要がある。
(図表I-2-4-2 参照)
 

(1)核戦力
 極東地域における戦略核戦力については、シベリア鉄道沿線を中心に、SS-25などのICBMや約30機の長距離爆撃機Tu-95MSが配備されている。さらに、SLBMを搭載したデルタIII級SSBNなどがオホーツク海を中心とした海域に配備されている。これら戦略核部隊については、即応態勢がおおむね維持されている模様である。
 非戦略核戦力については、中距離爆撃機Tu-22M「バックファイア」、海上(水中)・空中発射巡航ミサイルなど多様な装備が配備されている。Tu-22Mは、バイカル湖西方、サハリン対岸地域および沿海地域に約80機配備されている。

(2)陸上戦力
 極東地域における地上軍については、その兵力は縮小傾向にあり、軍改革の一環として師団中心から旅団中心の指揮機構への改編とすべての戦闘部隊の常時即応部隊への改編を推進しているとみられ、15個師団・旅団約9万人4となっている。また、海軍歩兵師団を擁しており、水陸両用作戦能力を有している。
(図表I-2-4-3 参照)
 

(3)海上戦力
 海上戦力については、太平洋艦隊がウラジオストクやペトロパブロフスクを主要拠点として配備・展開されており、主要水上艦艇約20隻と潜水艦約20隻(うち原子力潜水艦約15隻)、約28万トンを含む艦艇約240隻、合計約55万トンで、その規模は縮小傾向にある。
(図表I-2-4-4 参照)
 

(4)航空戦力
 極東地域における航空戦力については、空軍、海軍を合わせて約570機の作戦機が配備されている。その作戦機数は、縮小傾向にあるが、既存機種の改修による能力向上が図られている。
(図表I-2-4-5 参照)
 
 
 
2 北方領土におけるロシア軍

 わが国固有の領土である北方領土のうち国後(くなしり)島、択捉(えとろふ)島と色丹(しこたん)島に、旧ソ連時代の78(昭和53)年以来、ロシアは、地上軍部隊を再配備してきたが、現在は、ピーク時に比べ大幅に縮小した状態にあると考えられる。しかし、この地域には、依然として戦車、装甲車、各種火砲、対空ミサイルなどが配備されている。
 北方領土の兵員数については、91(平成3)年には約9,500人が配備されていたとされているが、97(同9)年の日露防衛相会談において、ロジオノフ国防相(当時)は、北方領土の部隊が95(同7)年までに3,500人に削減されたことを明らかにした。しかし、05(同17)年7月、北方領土を訪問したイワノフ国防相(当時)は、四島に駐留する部隊の増強も削減も行わないと発言し、現状を維持する意思を明確にした。
 このように、わが国固有の領土である北方領土へのロシア軍の駐留は依然として継続しており、早期の北方領土問題の解決が望まれる。
 
 
3 わが国の周辺における活動

 地上軍については、わが国に近接した地域における演習はピーク時に比べ大幅に減少しているが、一部に活動活発化の傾向もみられる5
 艦艇については、近年、太平洋艦隊配備艦艇による長期航海を伴う共同訓練や海賊対処活動が行われ、原子力潜水艦のパトロールが行われるなど、活動に活発化の傾向がみられる6
 航空機については、07(同19)年における戦略航空部隊による哨戒活動の再開以来、長距離爆撃機による飛行が活発化し、空中給油を受けた長距離爆撃機Tu-95MSやTu-160の飛行も行われている。また、燃料事情の好転などから、パイロットの訓練時間も増加傾向にあり、わが国への近接飛行や演習・訓練などの活動に活発化の傾向がみられる7
(図表I-2-4-6 参照)
 
 
 
4 アジア諸国との関係

 ロシアは、多方面にわたる対外政策の中で、アジア太平洋地域の意義が増大していると認識し、シベリアおよび極東の経済開発や対テロ、安全保障の観点からも重要としている17。現在、シベリアの石油を極東方面に運ぶパイプラインの事業化計画やサハリンの天然ガス開発などを進めている。
 ロシアにとっては、これらの地下資源の開発や地域の経済・社会基盤活性化のためにも、わが国や中国などのアジア太平洋地域の国々との経済関係の強化が重要である。このため、ロシアは、対外政策においてもアジア太平洋地域の国々との関係を重視し、アジア太平洋経済協力(APEC:Asia-Pacific Economic Cooperation)18、ARF、SCO(3節3参照)などの地域的な枠組へ参加してきているほか19、04(同16)年、東南アジア友好協力条約(TAC:Treaty of Amity and Cooperation in Southeast Asia)に加入した。

転載元転載元: アジア・太平洋貿易振興・環境保全・環境産業振興・歴史認識

ロシアの軍改革
 
 ロシアは、97(同9)年以降、「コンパクト化」、「近代化」、「プロフェッショナル化」という3つの改革の柱を掲げて軍改革を本格化させてきた。
 さらに、08(同20)年9月にメドヴェージェフ大統領(当時)により承認された「ロシア連邦軍の将来の姿(軍の新たな姿)」に基づき、兵員の削減と機構面の改革(これまでの師団を中心とした指揮機構から旅団を中心とした指揮機構への改編4)、即応態勢の強化(すべての戦闘部隊の常時即応部隊への移行)、新型装備の開発・導入を含む軍の近代化などが進められている。
 軍の「コンパクト化」については、100万人を適正水準とする兵員削減を16(同28)年までに達成するとしている5。また、10(同22)年12月以降は、従来の6個軍管区を西部、南部、中央および東部の4個軍管区に改編した上で、各軍管区に対応した統合戦略コマンドを設置し、軍管区司令官のもと、地上軍、海軍、空軍などすべての兵力の統合的な運用を行っている。
 軍の「近代化」については、10(同22)年末までに大統領により承認されたとみられる「2011年から2020年までの装備国家綱領」に基づき、20(同32)年までに約20兆ルーブル(約55兆円)を投じて新型装備の比率を70%にまで高めるなど装備の近代化をさらに推進するとしている6
 軍の「プロフェッショナル化」については、常時即応部隊の即応態勢を実効性あるものとするため、徴集された軍人の中から契約で勤務する者を選抜する契約勤務制度の導入が進められているが、定着の悪さや財政上の理由から、人員の確保が困難であるとして、さらなる検討が行われている7
 これらの通常戦力の能力向上のための取組は、核兵器による戦略抑止能力を維持するための努力とともに、近年の国防予算の増加傾向を背景として、今後も継続されていくと考えられる。
(図表I-1-4-1参照)


 
 
軍事態勢
ロシアの軍事力は、連邦軍および連邦保安庁国境局国境軍、内務省国内軍などから構成される。連邦軍は3軍種3独立兵科制をとり、地上軍、海軍、空軍と戦略ロケット部隊、航空宇宙防衛部隊1、空挺部隊からなる。
(図表I-1-4-2参照)
 
1 核戦力
 ロシアは、国際的地位の確保と米国との核戦力のバランスをとる必要があることに加え、通常戦力の劣勢を補う意味でも核戦力を重視しており、核戦力部隊の即応態勢の維持に努めていると考えられる。
 戦略核戦力については、ロシアは、依然として米国に次ぐ規模の大陸間弾道ミサイル(ICBM:Intercontinental Ballistic Missile)、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM:Submarine-Launched Ballistic Missile)と長距離爆撃機(Tu-95MS「ベア」、Tu-160「ブラックジャック」)を保有している。
 ロシアは米国との間で締結した新戦略兵器削減条約で定められた戦略核兵器の削減義務を負っており2、この枠内で、ロシアは、「装備国家綱領」に基づく核戦力の近代化を優先させる方針に従い、引き続き新規装備の開発・導入の加速化に努めている。

 05(同17)年にはICBM「トーポリM」(SS-27)の部隊配備を開始し、また、「トーポリM」の多弾頭型とみられているRS-24も11(同23)年3月から部隊配備を開始した3。13(同25)年1月には、新型のSLBM「ブラヴァ」が搭載されるとみられるボレイ級弾道ミサイル搭載原子力潜水艦(SSBN:Ballistic Missile Submarine Nuclear-Powered)の1番艦「ユリー・ドルゴルキー」が海軍に引き渡された4
 12(同24)年10月にはプーチン大統領の統裁のもと、ICBMおよびSLBM各1基、ならびに、長距離爆撃機から発射する空中発射巡航ミサイル(ALCM:Air-Launched Cruise Missile)4基の実射をともなう、近年では最大規模とされる戦略核部隊の演習が行われた5
 非戦略核戦力については、ロシアは、射程500km以上、5,500km以下の地上発射型短距離および中距離ミサイルを米国との中距離核戦力(INF:Intermediate-Range Nuclear Forces)条約に基づき91(同3)年までに廃棄し、翌年に艦艇配備の戦術核も各艦隊から撤去して陸上に保管したが、その他の多岐にわたる核戦力を依然として保有している。

転載元転載元: アジア・太平洋貿易振興・環境保全・環境産業振興・歴史認識

 7年前から定期的に行われている中露合同海軍演習が、4月22日に黄海の青島付近で始まった。27日までの予定である。中国側は青島に司令部を置く北海艦隊を主力とし、ロシア側はウラジオストックの太平洋艦隊に北極海から回航された少数の艦が編入されているものが参加しているらしい。演習項目には攻撃防御のほか、救難、補給や海賊対処まで含まれているようだ。水上艦艇が23隻、潜水艦が2隻、で航空機やヘリも参加している。
 中国は尖閣諸島などで日本と対立し、南海でフィリピン、ベトナム、インドネシア、台湾とも対立している。どうみてもフィリピンのすぐ近くでフィリピンに領有権があると思われる黄岩島と呼ばれている島の領有権を主張するなど、目に余る行動をしているのが中国である。やはりフィリピン寄りに位置する南沙諸島第2の大きさの島にフィリピンが滑走路を建設し実効支配しているのにも抗議をしている。自分たちが岩礁の上に兵舎を建設して支配を始めたところがあることについては正当な権利だと主張し、東沙、中沙、南沙、西沙の岩礁や小島がすべて、中国のものだとする姿勢を示している。中国としては尖閣諸島よりも、資源量が豊富と見られているこの海域への関心が深いようであり、海南島の海軍基地に司令部がある南海艦隊を拡充し、航空機の管制圏も拡充して、南シナ海を完全に支配しようとしている。
 その中国が警戒しているのが、日本とアメリカの海軍がフィリピンやベトナムを後押して中国海軍の行動に歯止めをかけようとすることである。それを避けるためには、中国海軍が沖縄の列島線を自由に通過してフィリピンや台湾の東側に出ることができる態勢を整えることである。ロシア海軍との今回の演習にも、その伏線が隠されているように思われる。ウラジオストックのロシア海軍が対馬海峡をとおりぬけて台湾の東で中国海軍と合流できれば、中国にとって強力な支援勢力になる。今のところウラジオストックの艦隊は、海上自衛隊の艦隊に対抗することは容易ではない主力艦10隻程度、潜水艦もそれ以下のものでしかないが、中国艦隊を補給の面で支援してくれれば中国にとってはありがたい。ロシア側も、その見返りとしての太平洋への自由通行への期待がある。
 このようなこれから先の中露海軍の動向をにらみながら、沖縄の防衛態勢や米軍の日本への展開態勢について検討していくことが、日本政府に求められている。 (註: 抑止力とは何かという論説がNHKで流されていたが、彼我の戦闘能力や兵器の性能がほぼ同じ時は、ランカスターの定理などにより、相手のほぼ7割と証明されている。これは地理地形、環境条件、連合関係などによりある地域に集中できると見積もられた兵力を計算の基礎とする。私の見積もりでは、沖縄から米軍が撤退すると、現時点で危険な状態になる。)

転載元転載元: 軍事評論家熊谷直の社会評論


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1945年8月27日に満洲国吉林省敦化(現吉林省延辺朝鮮族自治州敦化市)でソ連軍によって連日に渡り集団強姦され続けていた日満パルプ製造(王子製紙子会社)敦化工場の女性社員や家族が集団自決した事件。「日満パルプ事件」とも呼称されます。


事件の現場となった日満パルプ製造敦化工場は、1934年に王子製紙が敦化県城南門外牡丹江左岸(敦化郊外5キロ)に設立した工場である。工場に隣接して設置された社宅地は、高さ4.5mの煉瓦壁でおおわれた2万坪の敷地内に壮麗な造りの社宅と福利厚生のためのクラブなどが設けられており、日本人職員とその家族260人が暮らしていた。また、敦化市内には2,000人の関東軍守備隊の駐屯地があり、終戦当時には敦化北部の山地に築城しソ連軍の侵攻を食い止めようと備えていた。


1945年8月9日未明に突如としてソビエト連邦が満洲国に侵攻し、敦化に近い東部国境付近では関東軍・満洲国軍がソ連軍と交戦していたが、工場や敦化市内では満人や朝鮮人の態度も変わることなく治安が保たれたままであった。8月15日に敗戦を迎えた後も工場の満人や朝鮮人従業員は変わることはなかったが、敦化市内では満人や朝鮮人の一部による略奪・放火・日本人女性への暴行が行われるようになった。8月17日、敦化郊外で陣地を築いていた敦化守備隊は工場に資材を取りに来て初めて終戦を知った。8月19日、ソ連軍が敦化市内に進駐してきたため、敦化守備隊は降伏し武装解除された。


「満洲国を占領したソ連軍兵士」
8月22日、ソ連軍は日満パルプ製造敦化工場に進駐した。ソ連軍は社宅に侵入すると1時間以内に社宅の一角を引き渡すよう要求した。ソ連兵はすぐにホテル・レストランを兼ねた壮麗な造りのクラブに惹きつけられていった。ソ連兵はクラブ従業員の女性2人を引きずり出すとジープで社宅から連れ去った。数時間後に拉致された女性がぼろぼろになって社宅に帰ってきたがもう一人の若い娘は強姦された後に牡丹江に流され行方不明となった。


8月25日、ソビエト軍は男性全員を集合させると10キロほど離れたところにある飛行場の近くの湿地に連行し、婦女子は独身寮に集められた。170人ほどの婦女子は15,6人ずつに分けられ監禁されることとなった。夜になると、ソ連兵300人あまりが独身寮に移ってくるとともに、短機関銃を乱射する頻度が夜が更けるにつれて増えていった。女性たちは夜が明けることを祈りながら一晩中恐怖と戦っていた。


集団自決
http://blog-imgs-60.fc2.com/z/a/i/zaitokuclub/20130518093932d18.jpg


8月26日夜明け、酒に酔ったソ連兵たちは短機関銃を空に乱射しながら女性たちが監禁されている各部屋に乱入すると、女性たちの顎をつかみ顔を確認しながら、気に入った女性たちを連れて行こうとした。女性たちは金品を渡したり、許しを懇願したが聞き入れられず、次々に引きずり出されていった。各部屋からは女性たちの悲痛な叫びが溢れたが、ソ連兵は構うことなく短機関銃を乱射し続けていた。このため、女性たちは頭を丸坊主にしたり、顔に墨を塗るなどしたが、ソ連兵による強姦は朝になっても収まることはなく、部屋に乱入すると女性たちの胸部をまさぐるなどして気に入った女性たちを何度も連行していった


社宅と塀を隔てた工場に残されていた男性社員たちは、社宅の異変を察知するとソ連兵の監視を掻い潜り塀を乗り越え社宅に潜入したが、厳重な警戒が布かれている独身寮には近づくことができなかった。ソ連兵たちは狼藉を続けるうちに女性たちの部屋の廊下に監視兵を置くようになったため、御不浄や食事もままならないようになった。女性たちは自身のおかれている状況や絶え間ない銃声から、すでに男性社員たちは皆殺しにあったのではないかと考えるようになった。


ソ連兵による女性たちへの昼夜に渡る暴行は8月27日の深夜になっても収まることはなかった。このため、28人の婦女子が集められていた部屋では自決をするべきか議論がなされるようになった。議論中にもソ連兵の乱入があり、隣室からも女性たちの悲鳴や「殺して下さい」などの叫び声が聞こえてきたため、自決することに議論が決した。隠し持っていた青酸カリが配られ全員が自決を図り、23人が死亡、5人が死に切れずに生き残った。他の部屋ではソ連兵に引きずり出されるときに剃刀で自殺を図った女性もいた。


8月27日早朝、ソ連兵が集団自決を発見し、将校に報告されると各部屋にはソ連兵の見張りが付けられ、女性たちは外を見ることを禁じられ、遺体はどこかへ運び去られた。責任を問われることを恐れたソ連軍将校によって、これ以上の暴行は中止されることとなった。






若槻泰雄著「戦後引揚の記録」より






昭和20年8月20日頃であったろうと思う。
鞍山から新京守備のために北上したので新京の街は北も南もよく解らないが、たしか終戦の日から数えて4、5日たっていたと思われる頃の出来事だった。

そんな日、病院の玄関で大声で騒ぐ声にびっくりして、私は板でくくりつけた足をひきずりながら玄関に出て見て驚いた。

12〜3の少女から20歳ぐらいの娘が、10名程タンカに乗せられて運ばれていた。それはまともに上から見ることの出来る姿ではなかった。

その全員が裸で、まだ恥毛もそろわない幼い子供の恥部は紫に腫れ上がって、その原形はなかった。大腿部は血がいっぱいついている。顔をゆがめつつ声を出しているようだが聞きとれない。

次の女性はモンペだけをはぎとられて、下の部分は前者と同じだが、下腹部を刺されて腸が切口から血と一緒にはみ出していた。

次の少女は乳房を切られて、片目を開けたままであったから死んでいるのかもしれない。次もその次も、ほとんど同じ姿である。

「ああ女とはこんな姿でいじめられるのか・・・」
次々と病室に運ばれて行く少女を目の当たりに見て、その非情なソ連兵の動物的行動に憤りを感じると同時に、道徳も教養も平和の中にのみあるのであって、ひとつ歯車が狂ってしまったら、そんなものは何の役にもたたないのだ・・・・。

一週間私はこの病院にいて毎日毎日この光景を見て、その無惨、残酷さに敗戦のみじめさを知った。
銃で撃たれて死ぬのは、苦痛が一瞬であるが、自分の体重の三倍以上もある毛むくじゃらの男数名になぶられた少女や娘たちは、どんな苦しみであったであろうか。


医師の話では「10名に2〜3名は舌を噛んで死んでいるんです」
新京でさえこのような惨状であったわけだが、ソ連軍占領下の治安は、一般的に小都会、田舎にいくほど悪かった。
毎夜、婦女子の一定数の割当供出が強要されたところもすくなくない。



この事件については不明な部分が多いのも事実です。当時の軍部は満州に住む一般人を見捨てて帰還した為、事が発覚すれば、軍部叩きが起こるのを恐れたため、隠ぺいしたの説もあります。


敗戦国であるが為に大きく報道されることもなく、話題になることもない事件です。自決された女性のご家族、そして被害に遭われながらも生き残ったご本人にとっては思い出したくもない事件でしょう。。
この事件に関し賠償を請求するなど耐えがたいことだと思います。
それが日本人です。。。





同じ日本人女性として言葉もありませんが

この歴史の真実を

お一人でも多くのみなさまに知っていただくために

ここに記載致しました



転載元転載元: 幸福メンタルクリニック

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