ザ・ビートルズ 完全日本盤レコード・ガイド

THE BEATLES PERFECT JAPANESE RECORD GUIDE(BPJRG)を目指して、研究しています。

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「ノルウェーの森」特集の第2弾です。前回は、「ノーウェジアン・ウッド」の邦題である「ノルウェーの森」登場について考察しました。今回は、ビートルズのレコードにおける、「ノーウェジアン・ウッド」の曲名表示の変遷について報告します。
 

まず、すでにご存じのように、663月発売の初回盤LP「ラバー・ソウル」(OP-7450)では「ノーウェジアン・ウッド」表記で、「ノルウェーの森」の表記はどこにもありません。このレコードで、ビートルズのLPでは初めて歌詞カードに訳詞が掲載されました。訳詩は高橋淳一氏です。歌詞には「NorwegianWood」が2回出てきますが、2回とも「ノルウェー・スタイル」と訳されています。

(半円青帯)
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(半円青帯歌詞)
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その後LPではレコード番号及び価格が改訂となり、帯もオデオン矢印帯に変更となった再発盤(OP-8156)、レーベルがアップルに変更となったアップル矢印帯再発盤(AP-8156)、レコード番号はそのままで帯がフォーエヴァー帯に変更となった再発盤(AP-8156:東芝音エ2000円盤、東芝EMI2200円盤)まで、すべて初回盤と同様に曲名は「ノーウェジアン・ウッド」表記のみで、歌詞カードも高橋氏の訳詩を使用していますので、「ノルウェー・スタイル」表記のままです。一方、前回報告しましたように、6612月発売の4曲入りコンパクト盤(OP-4198)では、早くも曲名が「ノルウェーの森」と表記されています。しかし、こちらには対訳は付属していません。
(オデオン矢印帯)
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(フォーエヴァー帯)
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(コンパクト盤)
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73年にベスト2枚組LP「ザ・ビートルズ1962-1966年」(EAP-9032B)、通称赤盤が発売され、この曲が収録されました。タイトルは「ノーウェジアン・ウッド」のままですが、この時点で歌詞の対訳が落流鳥氏に変更となりました。これまでの既発のレコードには歌詞対訳がない曲もあり、赤盤・青盤発売時に改めて収録曲の対訳を作成し直したようです。対訳者変更に伴い、対訳が「ノルウェー・スタイル」から「ノルウェー風」へと変更となりました。
(赤盤帯)
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(赤盤歌詞)
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初めてLPに邦題が使用されたのは、EPへの使用から遅れること約10年後の76年発売の国旗帯LP「ラバー・ソウル」(EAS-80555)です。副題での使用ですが、「ノーウェジアン・ウッド(ノールウェイの森)」と表記されました。これまでEPや対訳に使用された「ノルウェー」表記とは異なる「ノールウェイ」表記となっており、現在使用されている邦題「ノルウェーの森」とは国名表記は異なるものの、ここで「森」という表現がLPで初めて登場しました。国旗帯シリーズでは再度、対訳も一新され、この曲の対訳者は3人目の山本安見氏に変更となっています。山本氏は、対訳では副題と同じ表記の「ノールウェイの森」と訳しています。
(「ラバー・ソウル」国旗帯)
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(「ラバー・ソウル」国旗帯歌詞)
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一方、同じ国旗帯で再発された「ザ・ビートルズ1962-1966年」(EAS-77003-4)では、曲のタイトルが「ノーウェジアン・ウッド」のままで副題は付いておらず、落流氏の対訳(「ノルウェー風」)が採用されています。「ラバー・ソウル」、「1962-1966年」とも発売日は76620日と全く同じですが、ここで表現の仕方が分かれました。「ラバー・ソウル」など、UKオリジナルLPの対訳は一新したものの、赤盤・青盤の編集盤はLP初回盤の記載内容をそのまま踏襲したようです。歌詞については、以前、曲の最後の方の歌詞「this bird had flown」が、「had」となった正しいタイプと「has」となった間違ったタイプの2タイプの歌詞があることを指摘しましたが、「ラバー・ソウル」初回盤で誤った「has」表記は「ラバー・ソウル」国旗帯まで(それ以降も)引きずられ、インナー・スリーヴに正確な歌詞が印刷された赤盤では国旗帯でも「had」と正しく表記されています。
(赤盤国旗帯)
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国旗帯以降90年初頭のアナログ時代末期までに、LPでは「ラヴ・ソングス」、「バラード・ベスト20」、「ビートルズ・ボックス」、「ラバー・ソウル」モノラル2種類、「1962-1966年」カラー盤2種類にこの曲が収録されましたが、タイトルはすべて「ノーウェジアン・ウッド」表記です。すなわち、タイトルに邦題「ノールウェイの森」が表記されたのは76年発売の国旗帯のみであり、現状表記の「ノルウェーの森」とタイトルに表記されたLP1枚も存在しません。
 
対訳に関しては、国旗帯以降発売されたレコードではほとんどが国旗帯LP「ラバー・ソウル」と同じ山本氏の対訳を使用していますが、78年と82年の2回、カラー盤で再発された赤盤では、ここでも初回盤及び国旗帯の赤盤と同様に、落流氏の対訳を使用しています。対訳も完全に「ラバー・ソウル」系列の「ノールウェイの森」と赤盤系列の「ノルウェー風」に分かれています。
 
ここで、対訳に若干ですが変化が生じています。82年と86年に2回発売されたモノラル・シリーズLP「ラバー・ソウル」の対訳についてです。2枚とも対訳は山本氏であり、82年盤は国旗帯盤と同様に歌詞は「ノールウェイの森」と訳されているのですが、86年の再発盤では「ノルウェーの森」と、現状表記の「ノルウェー」に変更となっているのです。その他の曲や、この曲の他の部分の対訳は82年盤、86年盤とも全く同じなのですが、この曲に2回出てくる「Norwegian Wood」の部分のみ2箇所とも国名の表記をわざわざ変更し、この部分の文章も若干変更しているのです。この約4年の間に一体何があったのでしょうか? 日本語の国名表記に関する一般的な表記方法が発表されたのでしょうか? 真相は不明です。
(モノラル細帯歌詞)
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(モノラル太帯歌詞)
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次回は、コンパクト盤以外で70年代に唯一、この曲のタイトルが「ノルウェーの森」と表記されたビートルズのソフトについて報告します(さて、何でしょうか?)。

■ビートルズ・レコードの「ノーウェジアン・ウッド」タイトル変遷
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こうして変遷を見ると、コンパクト盤の表記だけが異質というか浮いてますね。
不思議ですね。

村上春樹氏の本のタイトルに使用されたのは1987年ですから全く無関係でしょうが、こっちの印象が強すぎて「ノルウェーの森」が定訳のような感じがしてます。

2015/9/10(木) 午後 10:15 [ hallelujah sam ] 返信する

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LPに「ノルウェーの森」というタイトルが全く使用されていないことは、私も調べてみるまで知りませんでした。
反面、ビートルズ以外のレコードには結構多く、「ノルウェーの森」タイトルが使用されています。何故でしょうか?

記事に書きましたように、モノラルLPの1回目と2回目の対訳が変更になっいる件は、当初、小説「ノルウェイの森」の影響か、と思いましたが、2回目が86年発売ですのでLP発売のほうが1年早かったです。

2015/9/11(金) 午後 10:55 [ BP_JRG ] 返信する

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