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ばいしくるそばやのぶろぐ
自転車好きのそば屋だから『ばいしくるそばや』です。ツーリング記事、時々マンガ、忘れたころにそば屋の、 ユルーイ構成です

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戌年に犬にまつわる場所を訪ねる 番外編 富山     2018,10,03


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富山山頂にて


 目的地は千葉県の富山(とみさん)349メートルです。なぜ富山が犬にまつわるのか、知っているあなたは文学通なのでしょう。




岩井駅まで
 内房線岩井駅までは自転車で走ると9〜10時間くらい(休憩含む)で着く見込みなのですが、仕事終わりに走りだすと、登山口に辿り着くのが午前9時くらいになりそうです。自転車をかついで山に登るスタイルの私は、登山者との摩擦を避けるため、日の出の時間には登山口に居たいのですが、今回は適いそうにありません。そこで、千葉駅までは自走し、そこから始発電車に乗車する事に。


 仕事終わりに1時間だけ仮眠をとり、10月3日午前12時50分、ペダルを漕ぎだします。数か月前までの私でしたら、1時間の仮眠で事足りたのですが、今は睡眠負債が蓄積しているので、眠たくてたまりません。生欠伸が影を潜めたのは錦糸町駅を過ぎたころです。


 京葉道路から国道14号(千葉街道)に入ると交通量も落ち着き、正面はるか上空に煌々とした月を眺めつつのんびり進みます。コンビニの駐車場で持参のオニギリを食しながら30分ほど寝落ちしていたのにはさすがに焦りました。


 千葉駅では、上り線に向かう通勤客で混雑していますが、内房線下り線ホームは閑散としたものです。コンビニで予定外の時間を消費してしまったので、当然ながら始発には間に合いませんでした。手持ちの文庫本をかなり読み進めてしまった頃、ようやく乗車となります。岩井駅まであとわずかというところで耐えがたい生理的欲求に屈し一時下車、また数十分ホームで読書に耽ります。


 岩井駅には午前8時53分に到着。名所案内には、岩井海水浴場、岩井の蘇鉄、房州枇杷の生産地などが並びます。見上げる空には灰色の雲が敷き詰められていますが、雨の心配はなさそうです。

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早朝の岩井駅にて

岩井駅〜富山山頂
 跨線橋からは山並みがよく視えます。目指すは双耳峰と聞いているので、きっとあの山が富山なのでしょう。今回の犬にまつわる旅は登山でもあるので、いつものフォーマットも載せておきましょう。

参考地図 地形図「保田」「金束」「那古」
標高  富山南峰342㍍、富山北峰349
コース 岩井駅 ― 岩婦温泉分岐 ― 伏姫籠窟 ― 鞍部 ― 富山南峰 ― 富山北峰
徒歩標準時間
    岩井駅 ― 岩婦温泉分岐 20分
    岩婦温泉分岐 ― 伏姫籠窟 45分
    伏姫籠窟 ― 鞍部 50分
    鞍部 ― 富山南峰 5分
    富山南峰 ― 鞍部 5分
    鞍部 ― 富山北峰 10分
             計 2時間15分
水場 岩井駅、あか井、
トイレ 岩井駅、伏姫籠窟山門前、富山北峰
食糧 岩井駅から富山に至る今回のルート上にコンビニなど無し
必要な技術 初級
必要な体力 初級
倒木 多 
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①岩井駅 ②岩婦温泉分岐の立て札 ③伏姫篭穴 ④富山鞍部 ⑤富山南峰 ⑥富山北峰 ⑦平群天神社 ⑧伊予ヶ岳南峰 ⑨伊予ヶ岳北峰 ⑩道の駅



 岩井駅改札を出たならすぐに左手に進みます。視えてきたのは、伏姫と八房の像。もうお解りかと思いますが、富山とは南総里見八犬伝において、八房の背中に乗せられた伏姫が辿りついた地であり、八犬士終焉の地でもあるのです。犬塚信乃と犬飼現八の決闘が行われた芳流閣の場面は手に汗・・・と、うんちくを解説する気満々なのですが、あの壮大な物語を2行程度に解り易く紹介する自信はないので、紙幅の都合もあり詳細は検索ででも調べてください。

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伏姫と八房の像

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滝沢馬琴

 踏切を渡ったなら、道なりにまっすぐ進みます。岩婦温泉分岐の立て札を過ぎたなら、伏姫籠穴への案内に従い左折します。緩い坂を登って往き、富山学園前の道標をたよりに登坂を続けます。道路に落ち葉が多いのは先日の大型台風24号の影響なのでしょう。せせらぎを聞きながら進み、いつしか伏姫籠穴の山門が視えてきました。
 物語は架空であるのに、こうして籠穴が実存するとはおもしろい事です。滝沢馬琴がこの洞窟の存在を知っていたのかどうか興味のあるところです。狭い石段を登りつめると洞窟がみえてきました。
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沿道では稲刈りが行われていました

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学校前を通過

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山門に到着

階段を登ること数分で

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伏姫篭穴が見えてきます



 山門まで戻りいよいよ登山の開始です。とは言え、登山道に入るまでには舗装路をあと5分進む必要があるのですが。傍らには、猪用の罠が多数仕掛けられていますので、でくわすかもしれない気構えだけはしておきます。大量の落ち葉と共に、落石も多数見掛けます。山中では、地肌が脆くなっている可能性も考慮しておきましょう。

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 予想通り、往く手には倒木が随所に現れます。跨げるものは問題ないのですが、潜らねばならないものは一仕事です。しばらく進むとあか井という水場が現れます。あか井とは、仏に供える水を汲む場なのだとか。
 丸太階段の多い登山道からは、時折富山山頂が視えます。しばらく歩みを進めると、倒木に起因する難所があらわれました。写真では分かりづらいと思いますが、道が完全に塞がれています。戻ろうかと逡巡しましたが、進むべき方向を正確に割り出し、自転車を担いだまま藪こぎの開始です。蜘蛛の巣が顔に張り付くくらいなら我慢して前へ進みます。実は、強引に分け入っていくのは好きだったりします。別の方面のことですが
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登山道がはじまりました

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これくらいの倒木なら問題ないのですが・・・

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最大難所となった倒木を越えました

 今回の旅の準備段階から、富山の後は八犬伝に縁の地を訪ねまわるか、伊予ケ岳に挑戦するか決心がつかなかったので、両方の地図を用意しておいたのですが、広葉樹の茂る気持ちの良い路を進むうち伊予ケ岳へ向う決心が固まりました。最後の丸太階段を登り切ると鞍部にあたります。
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 持参した案内図によると、鞍部から伊予ケ岳へ向う道が記されているのですが、スズメバチによる被害を防ぐため閉ざされています。長年人が踏み入った形跡もないので、このルートは断念です。またあの藪こぎはしたくないので、富山南峰から福満寺方向に降りてから遠回りで伊予ケ岳へ向う道しかルートはないのだろうか。とりあえず、南峰へ向います。5分も進むと、ベンチが視えてきました。ここから石段を登れば観音堂です。観音堂左手の草むらに踏み跡があるので辿ってみると、南峰の山頂に出ました。ベンチのない東屋が設置されており、樹木に遮られて展望も得られないので早々に鞍部まで戻ります。

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富山鞍部にて

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南峰の阿弥陀堂

 北峰に向けて進むと、最初に現れたのは愛の鐘、独身の私が鳴り響かせたら、虚しさだけがこだましました。次に現れたのがトイレの設置された展望台。里見八犬士終焉の地の案内板もあります。眼下に広がるのは岩井海水浴場、その先に天気さえ良ければ伊東や熱海も視えたことでしょう。

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眼下に広がるのは岩井海水浴場

 金毘羅宮を通過すると展望台の在る広場が視えてきます。右手の電波塔方向へ進むと、北峰の頂上に到達です。展望台に戻り目を凝らしますと、かろうじて東京湾観音は視えます。向きを変えると、南峰がよく視えます。北峰と南峰のアンテナの形は違うので、覚えておくと良いでしょう。
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北峰の展望台

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南峰もよく見えます

 お待ちかねの食事なのですが、寝落ちしたコンビニで慌てていたので積み残してきてしまいました。それでも、常に2日分の行動食は携行しているので、今回の旅を完遂するカロリーに不足は無いのですが、モチベーションがねぇ〜
 後続の登山者に挨拶をしたら、伊予ケ岳へ向けて北峰を降りてゆきます。


富山〜伊予ケ岳
 トイレの在る展望台まで戻ってくると、伊予ケ岳へ誘う道標が有ります。手持ちの地図には全く記載が無いけど、新しい道なのかな?脳内で地図補正を働かせながら、自転車で舗装路を下ります。農道としか思えない道ですが、前方の伊予ケ岳が段々近づいてきているので、間違いないのでしょう。忘れた頃に伊予ケ岳への道標を視つけるとホッとします。
 25分ほどで伊予ケ岳の玄関口、平群天神社に到着です。

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忘れたころに道しるべをみかけます

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平群天神社に到着です



参考地図 地形図「保田」
標高  伊予ケ岳北峰336
コース 富山展望台 ― (県道89号線) ― 平群天神社 ― 富山分岐 ― 展望台 ― 伊予ケ岳南峰 ― 伊予ケ岳北峰 ― 伊予ヶ岳南峰 ― 展望台 ― 平群天神社 ― (県道89号線) ― 道の駅 ― 岩井駅
徒歩標準時間
    平群天神社 ― 富山分岐 40分
    富山分岐 ― 展望台 15分
    展望台 ― 伊予ケ岳南峰 10分
    伊予ケ岳南峰 ― 伊予ケ岳北峰 10分
    伊予ケ岳北峰 ― 伊予ケ岳南峰 10分
    伊予ケ岳南峰 ― 平群天神社 60分
             計 2時間25分
水場 平群天神社、道の駅、コンビニ
トイレ 平群天神社、道の駅、コンビニ
必要な技術 岩場を登る技術中級
必要な体力 初級
羽アリ 多 
 
 平群天神社で登山の安全を願ったら出発です。境内のぎんなんをうっかり踏んでしまったので、しばらくは秋の香には不自由しないで済みそうです。本殿左手の登山道入り口には、蛇出没の立て看板があります。ヤマカガシかマムシでしょうか。
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ヤマカガシかマムシかな

 針葉樹林に囲まれた緩い登りを経て、広くはないがよく整備された路をひたすら進みます。展望台までは、会話しながらでも登れるファミリー向けのイージーなコースが続きます。
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 展望台の東屋には、頂上までは険しい道のりであると、警告が掲げられています。気を引き締めて進みましょう。丸太階段を30段ほど登ると、さっそく岩場が現れます。雨の日は滑りそうです。両手両足を自由に使えて、そこそこの登山技術を有する人なら、ロープや鎖を頼りに難なく登ってしまえる代物ですが、私の様に自転車を担ぎながらだと話は違ってきます。自由に動かせるのは片手と両足のみですので、逆にロープを掴んでしまうと動きが制限されてしまいます。絶妙な体重移動で少しづつよじ登ってゆきます。
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東屋がみえてきました

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東屋に貼られた注意書き

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そっそく現れた岩場

しばらく自撮りの余裕なし

 ふと景色を眺めると、双耳峰が視えます。あのアンテナの形は富山で間違いないでしょう。頂上にベンチはありますが、猫の額ほどしかないので、記念撮影が終わったら次々と場所を譲り移動した方が良いでしょう。それにしても、羽アリがわんさか飛んでいたのには辟易でした。
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岩場でひといき

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もう一息

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着いた〜

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伊予ヶ岳から富山を眺める

 羽アリから逃げるように北峰を目指します。少し路は荒れ気味ですが10分と経たずに到着です。しかしこちらにも羽アリが・・・。富山や南峰への展望が有り、三角点も有りますが、記念撮影向きの頂上を示す標識は無いので、あまり人は来ないのかもしれません。北峰からの下山ルートがあったら利用しようかと思っていたのですが、存在しないので、またあの岩場を通らねばなりません。登山者1人と交代するように北峰を後にし、南峰へ戻ってきました。少しリスクを下げるべく、車輪はバックに括りつけることに。一度通った路ですので、どこに足がかりが有り、どのような路面状況なのかは克明に記憶していますが、大変なのには変わりありません。富山分岐も過ぎ、まもなく平群天神社が視えてきました。

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伊予ヶ岳北峰にて

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先ほどは南峰の先端(右端)に居たのでした

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車輪はバックに括りつけることに



 
平群天神社〜岩井駅 
 さて、岩井駅へはバスの路線を辿って戻るつもりでしたが、自転車を平群天神社から走り出すと県道89号線が岩井へ通じている模様。しばらくは岩の露出が特徴的な南峰を眺めながらの走行が続きます。しばらく走ると、富山分岐に通じる登山口も視えてきました。なるほど、ここに出ると分っていれば、使ったのになぁ。
 左手に富山を眺めていましたが、それも遠くに過ぎ、富津館山道路を潜ると道の駅が在ります。レストランのほか、枇杷を使ったお菓子や、美味しそうな干物が並びます。でも、今一番口にしたい安上がりな炭水化物はないもよう。跨線橋を渡れば、内房線に沿ってのびる国道127号線です。岩井駅まであと僅かというところでコンビニを見掛けました。
 都内へ向う内房線各駅停車の中で、先ほど購入した蛸の珍味とお酒で、静かに独り宴会を始めるのでした。 
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しばらくは南峰を眺めながら走ります


犬にまつわる ① →こちら
犬にまつわる ② →こちら
犬にまつわる ③ →こちら
犬にまつわる番外編 →こちら
おしまい






  • 昔、岩井海岸へ海水浴へいったことがあります。
    そして里見八犬伝の里!! これも昔映画でみましたが、
    千葉県が舞台でしたね。

    miniko

    2018/12/10(月) 午後 4:39

  • 顔アイコン

    > minikoさんナイスありがとうございます
    ご覧になった映画とは薬師丸ひろこさん主演の里見八犬伝でしょうか

    ばいしくるそばや

    2018/12/11(火) 午後 4:26

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