主人公の男女、雄造と昌子。
お互い好意を持っているが日々の生活は苦しく、会えるのは日曜日のみ。
本日だって、せっかくの日曜日だって言うのに所持金もたった三十五円。
お金が無くたって、2人でいれば楽しめるはずとデートを重ねるが
どこに行っても思うように行かず・・・
いつの時代のカップルも男はバカで幼く、女性の方がしっかりしてる物ですね〜
始めて観たときは、巨匠黒澤明にも「こんな感覚があるのか」と驚かされました
幼なじみの植草圭之助の脚本のせいでしょうか、若者の気持ち・風俗描写が素晴らしい
とくに、雄造のアパートでもエピソードは秀逸です。
土砂降りの雨が印象的でこの頃から雨の降らし方が上手いな〜と感心しちゃいます。
野球をしている子どもたちの笑顔はどこまでも明るく
逆に昌子に握り飯を売ってくれと金を見せ、昌子がお金は要らないから食べなさいと
差し出すとむさぼるように食う少年の凄さ。
この時代、たしかに日本は貧しかった
でも明日、未来への夢や希望が持てる時代でもあった(そう願った)のでしょう。
コーヒーショップを夢見て空想する所からブランコまでの若者が明日への夢や希望を
再び取り戻すまでのシークエンスでエンドとなれば完璧でした。
三船と出会う前に、よくぞこんな素晴らしい小品を残してくれた・・・
というか出会う前だから出来た作品かもしれません
そして、次作でいよいよ、衝撃の三船敏郎登場です。
1947年 108分 東宝
脚本植草圭之助 撮影中井朝一 音楽服部正 出演沼崎勲 中北千枝子