福島原発事故は既に世界中に少なからぬ影響を及ぼしているのは周知の事実だが、政府や東電の瞞着的発表に素直に従っている日本人とは異なり外国ではそうした姿勢に対して疑心暗鬼が膨らむ一方のようだ。
風評被害を心配する日本政府は、汚染レベルは「健康被害を心配する必要がない」と繰り返し、国民に冷静な対応を求めている。確かに日本では、一部の過剰反応はあるものの、国民の間にパニックが起きているわけではない。パニックは海外で起きている。
成田空港では外国人の日本脱出ラッシュがあった。筆者は先日、米国出張でワシントンから東京に戻ってきたが、同じ飛行機に西洋人は1人しか乗っていなかった。それも成田経由で上海にいくビジネスマンだった。
諸外国の中で、ヨーロッパ諸国は放射能汚染にもっともデリケートであるが、東京を離れれば問題が解決される。問題は、逃げ場がない隣国の中国と韓国である。事故後、中国と韓国のテレビはほぼ24時間体制で原発事故の推移を報道している。
「ジャパン・パニック」は、健康にいいとされる日本の食品が敬遠されるようになったことからも見て取れる。アジア諸国では、回転ずしのレストランから客がいなくなった。日本から輸出された貨物の受け取りが拒否されるケースも出ている。また、日本への観光ツアーはキャンセルが続出した。
(JBPRESS 3・31)
こうした疑念が海外で生じるのも当然だ。これまで当ブログだけでも引用してきたように海外メディアは既に悪質で膨大な東京電力の隠蔽原発マネージメントをよく知っているからだ。
こうした厳しい見解の中には東電社員自身による内部告発も当然参考にされていることだろう。実際過日ご紹介した元東電社員であり、かつ原発事故調査国民会議顧問・原発被曝労働者救済センター代表であった故平井憲夫氏は、日本の原発が通常な状態ですら、膨大な放射性廃棄物を海に垂れ流ししていることを告発しているのだ;
冬に定検工事をすることが多いのですが、定検が終わると、海に放射能を含んだ水が何十トンも流れてしまうのです。はっきり言って、今、日本列島で取れる魚で、安心して食べられる魚はほとんどありません。日本の海が放射能で汚染されてしまっているのです。
海に放射能で汚れた水をたれ流すのは、定検の時だけではありません。原発はすごい熱を出すので、日本では海水で冷やして、その水を海に捨てていますが、これが放射能を含んだ温排水で、一分間に何十トンにもなります。
原発の事故があっても、県などがあわてて安全宣言を出しますし、電力会社はそれ以上に隠そうとします。それに、国民もほとんど無関心ですから、日本の海は汚れっぱなしです。
原発の事故があっても、県などがあわてて安全宣言を出しますし、電力会社はそれ以上に隠そうとします。それに、国民もほとんど無関心ですから、日本の海は汚れっぱなしです。
防護服には放射性物質がいっぱいついていますから、それを最初は水洗いして、全部海に流しています。排水口で放射線の量を計ると、すごい量です。こういう所で魚の養殖をしています。安全な食べ物を求めている人たちは、こういうことも知って、原発にもっと関心をもって欲しいものです。このままでは、放射能に汚染されていないものを選べなくなると思いますよ。
平井憲夫 「原発がどんなものか知ってほしい」より転載
http://www.iam-t.jp/HIRAI/index.html#about
だがこうした日本の原発運営の杜撰さは未だに福島原発での事故処理でも健在のようだ;
東京電力は31日夜、東日本巨大地震で被災した福島第一原子力発電所で、放射線量を測る線量計が不足し、復旧作業に従事する各チームの責任者だけに線量計を装着させ、作業にあたらせていたことを明らかにした。
約180人が線量を測らずに作業していた日もあったという。東電は1日までに不足分を確保、作業工程に支障は出ないとしている。
東電によると、同発電所には約5000個の線量計が配備されていたが、津波に流されるなどし、320個しか使えなくなった。
被災後、同発電所では、多い日で約500人が作業していたため、東電では、全員に線量計を装着させるという従来の内規を変更。▽作業場所の線量が事前に把握できる▽1日あたりの総線量が10ミリ・シーベルト以下――などの条件を満たし、チームが同じ作業をするという前提で各チームの責任者の計測だけで、全員の線量を測ったことにしていた。
なぜ、原発復旧に携わる全作業員に線量計が行き渡らないのか。東京電力は31日夜、福島第1原発内に約5000台あった線量計が地震と津波で壊れて320台に激減し、チームで作業に当たる際に代表者1人だけに持たせていることを明らかにしたが、実際には震災当日の混乱で線量計が持ち出されたり、捨てられるケースも少なくなかった。
原発では作業員が放射線管理区域から出る際、線量計を返却しなければならないが、3月11日の地震発生時はパニック状態となり多くの作業員が線量計を着けたまま逃げた。タービン建屋にいた作業員の男性は「線量計は東電の用意したかごに入れて外に出るが、そんなことはしなかった」と証言。東電関連会社の男性社員(40)も「そのまま帰宅した人が多かった。ゴミ箱に捨てられていた線量計もあったので回収したが、少ししか集まらなかった」と話す。
(読売新聞 4.2)
かくも杜撰で無責任極まりない日本の原発行政をあたかも皮肉ったかのような歌がかつてあった。これは80年代イギリスで大活躍したロックグループ「レインボー」のヒット曲であり、もちろん日本の官僚政府や原発を揶揄しているわけではない。だがこの歌を聞いているとまるで今の日本の原発専門家達の言い分と、現実を直視して恐怖におののいている国民の関係を如実にあらわしているかのように聞こえるから不思議極まりない。
Can't Happen Here (ここで起こるわけがないだろ)
曲;ブラックモア&ターナー
汚染された魚とマイクロ・チップ
アラビア航海上の超大型タンカー
政治指導者の口から出るのは口のうまいプロパガンダで
みんな遠い将来のことだけだ
自分達の分け前を奪うためには見境なく
将来を考えている
(中略)
我々には平和に必要なものはみんな揃っている。
ほしいものを持っていきなさい。でも私のはだめだが。
みんなジークフリート線の上で生活しているんだ。※
将来を心配しながら。
俺達はみんな虐げられてる。そして困惑してる。
誰かが導火線に火をつけるだろうってことを信じることは簡単だが
ここじゃ起こりっこないさ。
みんながおまえに言ってること お前が恐れてることはみな
ここじゃ起こりっこないさ。
その動画
ギター リッチーブラックモア ボーカル ジョー・リン・ターナー
※ジークフリート線
第二次世界大戦中、ドイツとフランス国境地帯に築かれた要塞線
転載元: バンクーバー風車小屋便り
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