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京都知事選が告示され、2月9日の投開票日に向けて選挙戦が始動した。
有力な候補者は 舛添要一氏、 細川護煕(もりひろ)氏、 宇都宮健児氏 の3名である。 安倍政権与党の自公は舛添要一氏を応援する。 細川護煕氏は、「原発即時ゼロ」を最重要の目標に位置付けて出馬した。 宇都宮氏も原発ゼロ主張しているが、細川・宇都宮両陣営の連携は現段階で実 現していない。 私は、今回の都知事選の最大の争点として、 「原発ゼロの是非」 を位置付けることに賛成である。 そして、東京都民は、 「原発即時ゼロ」 を求める意思を明示するべきだと考える。 原発問題は、日本が直面するいくつかの重大問題のなかで、最重要のテーマで あると私は考える。 その最重要テーマについて、首都東京の主権者が選挙を通じて、明確な意志を 示すことは、極めて有意義であると思う。 都知事選では当選者が一人しか生まれない。 このことを肝に銘じておかないと、とんだ誤算が生じる。 与えられた条件下でのベストしか選べない。 そして、何よりも重要なことは、ただ一人の当選者が生まれ、落選した候補者 がいかに理想の政策を掲げていたとしても、ほとんど意味を持たないことであ る。 主権者にとってベストの結果を生み出すことが重要なのである。 細川護煕氏は1月22日の出馬記者会見で次のように述べた。 「なぜ決意をしたかということですが、今の国の目指している方向、進め方に 何かと危ういものを感じているからです。 憲法でも安全保障でも近隣諸国との関係でも、懸念していることがいくつかあ ります。 私が特に心配しているのは、成長のためには原発が不可欠と言って政府が再稼 働させようとしていることです。 改めて強い危機感を抱き、出馬を決意するきっかけとなりました。 原発リスクの深刻さは福島やチェルノブイリの例を見るまでもなく、ひとたび 事故が起きれば国の存亡に関わる大事故になる可能性をはらんでいます。 そのためには現在の原発依存型のエネルギー過消費型社会を180度方向転換し なければだめだと思います。 原発がなければ日本の経済が成り立たないという人がいますが、もう2年間原 発は止まったままではありませんか。 もちろんそのために火力発電の燃料費など相当なコストを海外に払っているわ けですが、今までの無責任態勢によって天文学的なコストがかかっている。 それが見えない形で税金として国民の負担にされて、原子力のコストが安いと いうごまかしとウソがまかり通ってきました。 原発の安全性の問題、核のゴミのことを考えたら、原発がいかに割に合わない かは明白です。」 「原発問題は都知事選の争点にふさわしくないという人がいますが、都知事の 第一の任務は生命と財産を守ることです。 東京から100〜200キロにある浜岡、東海第二、柏崎刈羽などで、もし事故が起 こったら都民の生命、財産は壊滅的な打撃を受けます。 オリンピックや消費税、TPPどころではないんです。 すべてのものが吹き飛んでしまうわけですから、原発問題こそ最重要テーマで あることは疑う余地がありません。」 http://image.with2.net/img/banner/banner_22.gif 正論である。 2014年の日本において、最重要の問題は原発再稼働問題である。 東京都民が原発即時ゼロの意思を明示したとしても、原発即時ゼロが実現する 保証はないとの反論も出てくる。 それはそうかも知れない。 しかし、都知事選で原発利用継続の候補者が勝利すれば、安倍政権は間違いな く原発再稼働の方向に突き進むだろう。 これが基準である。 首都東京の主権者による原発即時ゼロの意思が明確に示されれば、安倍政権が さらなる暴走を繰り広げることは困難になってくる。 安倍政権の暴走にブレーキをかけて、主権者のための政治を取り戻す。 その第一歩を印すのが今回の東京都知事選の意義である。 この目的を達成するには、「小異を残して大同につく」英断を、すべての主権 者が下す必要がある。 脱原発の候補者2名の得票合計が、第一位得票者の得票数を上回っても、都知 事選に勝利しなければ意味はない。 当選し得る候補者に候補を絞り、主権者はこの候補者に投票を集中させねばな らない。 http://image.with2.net/img/banner/banner_22.gif 都知事選は候補者のためのものではない。 都知事選は主権者のためのものである。 細川氏を支持する人物の一人が小泉純一郎氏である。 私を含めて多くの主権者が反小泉の考えを有している。 それでも、今回の都知事選において、安倍政権の暴走にブレーキをかけて、原 発ゼロ社会の実現に一歩でも日本を近づけるためには、呉越同舟はあり得るの である。 都知事選は細川氏のためのものでもなく、小泉氏のためのものでもない。 都知事選は東京都民のためのものであり、主権者のためのものである。 この基本を忘れてはならない。 そして、現在、存在する選択肢のなかで、主権者にとってベストな結果を生み 出すこと。 ここに明確に目標を定めることが必要である。 http://image.with2.net/img/banner/banner_22.gif 中国国民党と共産党は抗日統一戦線を構築するために国共合作に進んだ。 これによって日本軍は撃退されたのである。 日本政治はいま危機に直面している。 安倍政権によって、日本が思いもかけぬ方向に引きずられてしまう可能性が浮 上している。 これを私は「アベノリスク」と名付けて警鐘を鳴らしてきた。 細川護煕氏が出馬会見で述べた 「今の国の目指している方向、進め方に何かと危ういものを感じている」 の言葉は正鵠を射たものである。 この危機を打破しなければならない。 そこに、降って湧いたように実施されるのが東京都知事選である。 そして、細川氏が原発ゼロをテーマに名乗りを挙げた。 この機会を逃す手はない。 細川氏と宇都宮氏の二名が原発即時ゼロを掲げて出馬したが、当選できるのは 一人である。 共倒れが最悪の選択である。 一本化が困難である場合、原発ゼロを求める主権者は、当選可能性の高い候補 者に投票を集中させることを呼びかけるだろう。 合理的な選択である。 今回の東京都知事選は呉越同舟選挙になる。 国共合作選挙であるとも言える。 主権者の目的はストップ安倍政権である。 そして、原発再稼働の阻止である。 その他の政策については、同床異夢の部分も大きくなるかも知れないが、それ はやむを得ない。 すべてを同時に満たす選択肢など、この世に多くは存在しないのだ。 宇都宮氏を支持する主権者でも、ストップ安倍政権の第一歩を踏み出すことが 大事だと考え、原発即時ゼロの主権者の意思を明確に示すことが最優先される べきと考える人は、細川氏に投票する選択を示すことになるのではないか。 メディアはどのような行動を展開するか。 三つのことが容易に想像される。 第一に、細川氏に対する攻撃を激化させる。 佐川からの資金を執拗に攻撃するだろう。 法的にも道義的にも的外れな批判である。 第二に、原発を争点とする選挙を批判し、原発ゼロの主張を可能な限り排除し ようとするだろう。 第三に、宇都宮氏の得票を増やすための情報工作が展開されるだろう。 目的は、舛添氏を当選させることである。 マスメディアは、すでに、原発だけではなく幅広く都政の問題を選挙の争点に するべきだとのキャンペーンを展開している。 読売、産経、日経に加えて、毎日もこのキャンペーンを展開している点が興味 深い。 しかし、東京新聞が実施した世論調査では、細川氏の立候補を批判する声も少 なく、原発ゼロを都知事選争点に掲げることへの批判も少ない。 呉越同舟選挙、国共合作選挙と表現したが、細川支持陣営に、これから、極め て多彩な顔ぶれが並ぶことになる。 「小異を残して大同につく」 団結、連帯、協力が独裁政治を打破する唯一の道である。 この連帯運動にどれだけの主権者勢力が参集するか。 安倍晋三独裁政権を支えているのは25%の民意である。 投票率5割、得票率5割の選挙結果は、全有権者の25%の支持を得て安倍政 権が樹立されたことを物語っている。 これを逆読みすれば、全有権者の25%の得票を束ねることができれば、形勢 を逆転し得るということになる。 100%の支持を集めるのは不可能だが、25%の支持を集めることなら、挑 戦可能である。 これが「25%運動」の意味である。 呉越同舟、国共合作で25%の連帯を実現させる。 このことによって、局面の転換が可能になる。 「小異を残して大同につく」 ことにより、主権者のための政治実現を目指す、新しい市民運動である 「主権者フォーラム」 の運動を全面展開するべき局面が到来している。 ※有料メルマガ版だい772号植草一秀の『知られざる真実』2014年1月23日より「転載」
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知られざる真実・街べん
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2014年のテーマは
ストップ安倍政権 である。 安倍政権は主権者の25%の支持しか得ていないのに、反対意見、少数意見に 耳を傾けず、暴走を繰り返している。 特定秘密保護法制定はその象徴であるが、日本国の基本法である日本国憲法の 規定まで無視する暴走は日本の主権者国民にとっては害悪である。 害悪は取り除かなくてはならない。 特定秘密保護法の制定強行で、メディアが実施する世論調査でも支持率が10 %ポイントも急落した。 メディアの世論調査などは信頼に値するものではないが、それでも、時系列で 見た数値の変化は政権の趨勢を示すデータとして参考になる。 この支持率が40%を割り込むと逓減傾向から抜け出すことが難しくなると言 われている。 安倍政権はそろそろこのボーダーラインに差し掛かりつつある。 安倍晋三氏の自画自賛の嵐のスピーチにも食傷気味の国民が増えている。 本当に力のある人は、小さな手柄をあまり誇示しない。 どっしりと構えて、謙譲の美徳を漂わす。 取るに足らない出来事を、針小棒大に大手柄のように強調する姿は、中身の希 薄さを浮き彫りにするものである。 この安倍政権にとって大きな試金石になるのが、2014年前半に実施される 各種選挙である。 1月19日に沖縄県名護市長選。 2月9日に東京都知事選。 2月23日に山口県知事選。 3月16日に石川県知事選。 そして、4月27日に衆院補選が実施される可能性がある。 安倍政権は米国の歓心を買うために、辺野古の基地建設に突き進んでいる。 沖縄の問題であるのだから、まずは沖縄の県民がどう考えるのかが重要であ る。 だが、安倍政権の姿勢は異なる。 沖縄県民の意思など考慮の中に入っていない。 ただ、米国に命令されるがまま、辺野古の海岸を破壊して巨大な軍事基地を建 設することに突き進んでいるだけだ。 この問題で最大の焦点が当てられるのが名護市長選である。 名護市長選は基地建設反対の現市長と、基地建設容認の自民支持候補者による 一騎打ちの選挙になる。 投開票日は1月19日。 極めて重要な意味を持つ市長選になる。 http://image.with2.net/img/banner/banner_22.gif もうひとつ、国政に与える影響が重大なのが東京都知事選である。 元首相の細川護煕(もりひろ)氏が出馬の意思を固めたとの報道がある。 安倍政権与党の自公は元厚労相の舛添要一氏の支持を固めた模様である。 また、宇都宮健児氏がすでに立候補の意思を表明している。 宇都宮氏は、脱原発・憲法改悪反対・反TPP・反消費税増税・反辺野古基地 建設の政策方針を明示しているから、主権者国民勢力の意向を完全に踏まえて いる。 統一候補になり得る候補者である。 しかし、本来は出馬表明の前に、広く連帯し得る勢力の支持を獲得するべきで あった。 立候補を表明してから支持を求めても支持が集まりにくい面がある。 都知事選情勢を一変させたのは細川護煕氏の立候補以降浮上である。 細川氏は反原発の看板を掲げて都知事選に挑む可能性が高い。 都知事選の争点として原発を据えることは極めて意義深い。 原発・憲法・TPP・消費税・辺野古の五つの問題のうち、原発以外の四つの テーマは、基本的に国政の問題であるため、都知事選の直接の争点にはなりに くい面がある。 しかし、原発問題は、東京都が東京電力の大株主であるとの事情から、東電の 原発再稼働問題、東電の法的整理問題なので、十分に都知事選の争点になり得 る問題なのである。 そして、細川氏が幅広く支持を求め、多くの主権者団体が細川氏支持を決めれ ば、細川氏の当選は十分に可能性として浮上する。 この現実を踏まえるならば、細川氏が反原発の公約を明確化する場合、主権者 国民勢力が細川氏を統一候補として支持する選択を示す意味は十分にある。 都知事選で安倍政権が支持する候補が落選することは、ストップ安倍政権の流 れには、極めて大きな意義がある。 候補者調整はこれから本格化させればよい。 第一の目標を安倍政権支持候補者の落選実現において、この目的に沿う、もっ とも効果的な選挙戦術を選択するべきである。 主権者が主導して候補者調整に乗り出すことも必要だろう。 都知事選の前に沖縄県名護市長選がある。 マスメディアはまったく伝えないが、海外識者29名が、 「辺野古移設中止を」 求める声明を発表した。 1月8日、9日の琉球新報は1面でこの事実を大きく伝えた。 29人の識者には、 ノーム・チョムスキー氏、ジョン・ダワー氏、ノーマ・フィールド氏、ナオミ ・クライン氏、ピーター・カズニック氏、ガバン・マコーマック氏、マイケル ・ムーア氏、オリバー・ストーン氏などの 著名な学者、ジャーナリストが多数、名前を連ねている。 これらの識者の多くを、本ブログでもこれまで紹介してきた。 声明には、 沖縄県内の新基地建設に反対。普天間基地は即時返還すべきだ。 県民による平和と尊厳、人権、環境保護のための非暴力の闘いを支持 仲井真沖縄県知事の埋め立て承認は県民の民意を反映しておらず、裏切りだ。 などの内容が盛り込まれた。 29人の識者は世界の良心と言ってもよい存在だ。 マスメディアがこの重要事実をまったく伝えないことは、マスメディアの悪徳 を如実に示すものだ。 http://image.with2.net/img/banner/banner_22.gif 誰が見ても当たり前のこの内容を、海外の人々に指摘されることは、とても恥 ずかしいことである。 敗戦から68年の時間が経過しているのだ。 ポツダム宣言、および、サンフランシスコ講和条約で、占領軍は占領終了後に 日本から撤退することが定められている。 それなのに、米軍はいまなお日本を占領し続けている。 それを日本政府が容認している。 容認しているだけでなく、さらに日本国内に巨大な軍事基地を建設して米軍に 上納しようとしているのだ。 さらに、法律の運用においては、いまだに米軍に治外法権を許している。 米国にひれ伏し、米国に何も言えない安倍政権。 日本国民がこの現状を是正するべきと考えるのは当然であるが、それを海外の 識者に指摘されることは、甚だ残念なことでもある。 http://image.with2.net/img/banner/banner_22.gif 仲井真弘多氏は沖縄県人との約束を破棄して、辺野古海岸埋め立て申請を承認 した。 これで、100%仲井真氏の三選はなくなったと考えてよいだろう。 沖縄県民が仲井真氏を許すことは考えられない。 仲井真氏が安倍政権にどれほどの借りがあるのか知らないが、県民を裏切る行 為を示して、よく平然としていられるものだ。 いや、だからこそ緊急入院といった事態に追い込まれたのかも知れない。 この仲井真弘多知事に対して、沖縄県議会が辞職要求決議を可決した。 事実上のリコール宣言である。 1月19日の名護市長選では、基地建設の是非が最大の争点になる。 安倍政権は札束で名護市民のほおを叩く行動を示しているが、これで名護市民 が基地建設容認に傾くようでは興ざめである。 経済振興と基地問題とを明確に区別して、毅然として基地建設にNOの意思を 示すべきである。 名護市長選と東京都知事選でストップ安倍政権の示威に成功すれば、その影響 は計り知れない。 安倍政権は予想以上に早い段階で退出を迫られることになるかも知れない。 都知事選で大事なことは、何よりもストップ安倍政権の第一歩を記すことであ る。 最大の目標は安倍政権支持候補者を落選させることだ。 そのためには、最有力の対立候補に投票を集中させることが重要である。 主権者勢力の主義主張に照らし、容認し得る候補者の中で最有力の候補者に一 本化することが有効である。 細川護煕(もりひろ)氏が反原発の方針を掲げて出馬する場合、ストップ安倍 政権を求め、脱原発を求める東京都民は細川氏に投票を集中させる可能性があ る。 主権者勢力は投票の分散を回避するために、候補者の一本化を検討するべきで あろう。 2014年の日本に明るい光が差し込み始めるかも知れない。 政治を変えるには、想いを共有する主権者が小さな相違を乗り越えて連帯する ことが何よりも大事である。 都知事選はこの意味で主権者勢力にとっても大きな試金石になる。 ※有料メルマガ版762号植草一秀の『知られざる真実』2014年1月11日より「転載」
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12月18日、都内のホテルで小沢一郎政経フォーラムが開催された。
勉強会では小沢一郎議員が講師を務め、1時間の講演を行った。 会場いっぱいの支持者が詰めかけ、小沢一郎支持者の思いの強さが改めて確認 された。 小沢一郎氏は講演で、現在の安倍政権の危うさを的確に指摘するとともに、日 本の行く末に間違いのないよう、2016年にも予想される衆参同日選での政 権交代を可能にするべく、政治的な受け皿づくりにまい進する決意を示した。 東京都では猪瀬直樹知事が徳洲会からの不明朗な5000万円受領問題が発覚 し、引責辞任に追い込まれた。 刑事責任の追及はこれから始まるが、このような事案にこそ、検察審査会の機 能が発揮されなくてはならない。 東京都知事選は2月9日の投開票が有力視されるが、都知事選の最大の争点は 「ストップ安倍政権」 である。 安倍政権反対陣営は、候補者の一本化を実現するべきである。 他方、みんなの党が分裂して、離党組が「結いの党」を発足させた。 党名にセンスのなさがくっきりと表れているが、民みん維新新党創設に向けた キックオフである。 江田憲司氏は政権交代を担いうる野党勢力の結集と言っているが、しょせんは 自公補完政党でしかない。 新党の基本には「対米従属」が明確に置かれている。 「細い松の枝(江田)」政党(命名は鳩山友紀夫元首相)で、簡単にポキッと 折れてしまう新勢力である。 日本政治は、いまもっとも重大な局面を迎えている。 安倍晋三・皇国・軍国・独裁政治によって、暗黒社会へと坂を転げ落ちてゆく のか。 それとも、民主主義勢力がレジスタンスによって、この悪政・圧政・暴政に歯 止めをかけてゆくのか。 カギを握るのは主権者勢力、民主主義勢力の動向である。 小沢一郎氏を含む主権者勢力、民主主義勢力が大きな連帯を形成できるのかど うか。すべては、ここにかかっている。 http://image.with2.net/img/banner/banner_22.gif 小沢一郎氏は12月18日の講演で次のように述べた。 1.政治は国民のためのものであるべきだが、安倍政権の下で、この基本が破 壊されている。 1)原発の推進 安倍政権は原発再稼働に突き進んでいる。さらに、原発輸出にまで向かってい る。 ところが、いまなお、日本では福島原発の事故で高線量の放射線が確認され、 高濃度の汚染水が発見されている。 最近も、新たに、水蒸気爆発が発生する危険性が確認された。 しかし、日本のメディアはこうした重大事実をほとんど報道しない。 最近になって小泉なにがしとかいう人が原発ゼロと言いだしたようで、それは それで間違っていないから結構なことだが、原発問題は、日本の将来の生存に 関わる最重要の問題である。その認識がしっかり共有されているのかどうか。 ここがもっとも重要な点である。 2)憲法 安倍政権は憲法改定を前面に掲げてきたが、96条改正などに対する国民の反 発は強く、憲法改正がやや後ろに引かれるなかで、特定秘密保護法制定や、集 団的自衛権行使に関する憲法解釈変更などの問題が浮上している。 3)TPP TPPは農業、漁業だけの問題でない。TPPは過去数十年間に及ぶ、米国に よる対日構造協議の一環としての問題であり、単なる関税問題ではない。 その本質は、日本社会を米国化=Americanizationするというものであり、日 本社会を変質させるものである。 とりわけ、公的医療保険制度の破壊と、雇用規制の破壊の影響は深刻に広がる ことが予想される。 すでに日本では非正規労働者が全体の40%に達しようとしている。 これをさらに進めて、正規労働者をゼロにしてゆく方向が示されている。 これは社会の不安定化をもたらすものでしかない。 また、混合診療が拡張されて、実質的に国民皆保険が崩壊する方向も見えてい る。 4)消費税 安倍政権は大企業が潤えば、それが末端の労働者にまで波及するのだとしてい るが、実際にはそのような波及は生じず、格差が拡大する方向に事態は進行し ている。 これらを通して浮かび上がる安倍政権の基本姿勢は、「強い者の論理」であ る。 安倍政権に確固たる思想・哲学があるようには見えないが、基本的な政治のス タンスは、自由放任=強い者だけが生き残ればよい=弱肉強食容認である。 これは政治ではない。 自由放任の延長上に生じる歪みを是正するために、セーフティネットの構築が 重要視されてきたのが政治の歴史であり、いまのやり方は、経済、社会、外交 のすべての面で危うさをかかえるものである。 多くの人が日本の先行きに不安を強めている。 民主党が政権を樹立しながら、このような危うい政権の誕生を許したことに対 する責任は重いが、その責任を踏まえて、次の国政選挙での政権交代を可能に するための政治的基盤の構築に向けて力を注ぐ覚悟である。 小沢氏の現状認識は極めて的確であり、政権奪還に向けての具体的な戦略の明 示とその実践が求められている。 小沢一郎氏は上記の総論を述べたあと、最近の話題について、きめ細かな解説 を提示した。 1)特定秘密保護法 この法制の最大の問題は、すべてが曖昧で不透明な点にある。 数十万件におよぶ「特定秘密」を指定するのは、結局のところ、官僚機構にな る。 官僚機構の裁量で、ありとあらゆるものが、「特定秘密」とされて、主権者に 知らされぬものになる。 とりわけ重大なのは、その漏えいおよび、入手へのアプローチに対して、重い 刑事罰が科せされることである。 その取扱いは、警察・検察に委ねられる。 つまり、警察・検察に人権を侵害するフリーハンドが与えられることになるわ けだ。 これほど恐ろしいことはなく、次の政権で制度を改正しなければならない。 http://image.with2.net/img/banner/banner_22.gif 2)集団的自衛権 この問題については、メディアの論議が歪められ、錯綜している。 基本を明らかにして、論点を整理すれば、結論は極めて明快になる。 その対応が必要不可欠だ。 主権国家には自衛権が認められている。 これは国連憲章第51条を見れば明らかである。 国連憲章第51条には次の規定がある。 「国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が必 要な措置をとるまでの間、加盟国は個別的・集団的自衛権を行使できる。」 人間の正当防衛の権利と同じように、主権国家には自衛権が認められている。 しかし、日本の場合には、自衛権の行使について、日本国憲法第9条で制約が 与えられている。 日本国憲法第9条には、 「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決 する手段としては、永久にこれを放棄する。」 との記述が置かれている。 日本には自衛権があるが、自衛権の行使について、憲法が制約を与えているの である。 日本は「急迫不正の侵害があったとき」には自衛権の行使ができるが、 「国際紛争を解決する手段としては」戦争および武力の行使を永久に放棄する のであるから、米国が攻撃を受けて、日本の軍隊が地球の裏側にまで行って戦 争に加担することはできないのである。 日本が保持する自衛権と、その制約条項としての日本国憲法第9条の条文を適 正に読めば、この問題に対する回答は自明である。 3)中国・韓国・北朝鮮 野田佳彦氏は中国の胡錦濤主席から尖閣の国有化をしないでもらいたいと直接 要請された際に、曖昧な言葉を述べて、直後に尖閣を国有化した。 この「あいまいな言い方」がすべての元凶なのである。 中国は中国で、民衆の不満がいろいろな形で蓄積しており、政権は対外的に強 硬姿勢を維持しなければならない状況にある。 これに対して、安倍政権がいけいけどんどんの強硬姿勢を貫けば、極めて危う い事態が生じうる。 何よりも大事なことは、どんな状況でも、首脳同士が会話できる信頼関係を構 築しておくことだ。 安倍政権はこれが出来ていない。 安倍政権の政治的スタンス、心情的思いが、極めて危うく、その危うさがい ま、いろいろな形で表出している。 この現状を何とか打破してゆかなければならない。 以上が小沢一郎氏の講演概要である。 言い回しは私の理解をまとめたものであるので、発言そのままではないことを 付記しておく。 極めてまっとうな、そして、理路整然とした講話であった。 安倍政権が発足して1年の時間が経過しようとしているが、その危うさは日増 しに色濃くなりつつある。 http://image.with2.net/img/banner/banner_22.gif 2016年夏に衆参ダブル選があるとすると、残された時間は2年半になって いる。 直ちに行動を起こしてゆかなければ手遅れになる。 江田憲司氏は政治基盤の弱い者ばかりを引き連れて新党を立ち上げたが、「結 いの党」ではイメージが限りなく弱い。 そして、最大の問題は、この新党が目指す野党勢力の結集が、しょせんは、対 米従属勢力の結集でしかないことだ。 細い松の枝は簡単に折れる。 細野、松野、江田の3氏による新党は、簡単に折れてしまうことになるだろ う。 この勢力の基本には対米従属があり、 TPP推進、辺野古基地建設容認なのだ。 自公勢力の補完勢力にしかなりようがない。 米国は日本に、米国の共和・民主二大政党体制に類似した二大政党体制を構築 しようとしていると思われる。 その目的に沿うのが、民みん維新新党=「細い松の枝」である。 しかし、この勢力に、主権者国民の声を反映させることはできない。 主権者にとって必要な勢力は、 対米自立・官僚支配根絶・大企業支配排除 の基本を据える政治勢力なのである。 対米自立は反米ではない。 米国と戦う必要はないが、米国にひれ伏す外交からは脱却しなければならな い。 だからこそ、基本方針は、 脱原発・反憲法改悪・反TPP参加・反消費税増税・反辺野古基地建設 になる。 そして、政治理念の基本は、 奪い合う社会=弱肉強食を排し、分かち合う社会=共生を確立することであ る。 この自主独立・主権者勢力が大同団結し、有権者の25%の支持を集めれば、 政権奪還が可能になる。 都知事選挙でも、主権者勢力は、候補者の一本化を目指すべきである。 ※有料メルマガ版第745号植草一秀の『知られざる真実』2013年12月20日より「転載」
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ウソをつき、騙し、主権者の利益を踏みにじる政治「ウソをつく政治」、「国民をだます政治」が横行している。
政治が著しく劣化している。 政治を外から見つめ、批評精神をもって政治の誤りを正すべきメディアが、権力に迎合して政治権力の太鼓持ちに堕している。 これがメディアの劣化だ。 両者があいまって政治の劣化が加速し、これを正す動きがなくなれば、国自体が滅びゆくことになる。 いま、日本の政治はその危機に直面している。 2009年の総選挙で野田佳彦氏は「天下りとわたりの根絶」を訴えた。
同時に、「天下りとわたりの根絶」を実現せずに消費税を増税しないことを明言した。 その野田佳彦氏が「シロアリ退治なき消費税増税」を強硬に推進して、対立政党である自民党・公明党と手を組んで消費税増税の法律を成立させた。 明らかな国民に対する背信行為である。 野田氏は「衆院任期4年間の消費税増税はやらないと言ったが、衆院任期後の増税までは否定していない」と述べて、公約違反ではないと言い張った。 しかし、「シロアリを退治しないで消費税をあげるのはおかしい」と明言したことについての説明は示していない。 このような「詐欺師的な」政治を主権者である国民が容認してしまうことが政治の劣化をさらに加速させる結果を生み出す。 この意味では主権者である国民も、日本政治の劣化に責任を負っている。 安倍晋三氏は選挙の際に、TPPに対する慎重姿勢を明示した。
自民党の選挙ポスターには、 「うそつかない! TPP断固反対! ぶれない! 自民党」 と明記された。 (1)「聖域なき関税撤廃」を前提にする限り交渉参加に反対。 (2)自由貿易の理念に反する自動車等の工業製品の数値目標は受け入れない。 (3)国民皆保険制度を守る。 (4)食の安全安心の基準を守る。 (5)国の主権を損なうようなISD条項は合意しない。 (6)政府調達・金融サービス等は、わが国の特性を踏まえる。 (1)の公約事項は、 「例外品目を設定し、「聖域」を設けることができなければTPPには参加しない」 という意味だ。 主権者国民にとっては、「前提とするとかしないとか」などの、言葉の綾などはどうでもよいこと。最終的に結果として、例外品目を聖域とできるかどうかが問題になる。 特定の品目を聖域とするのは農家を守るための方策ではない。日本の国のあり方を守るための方策だ。この点も勘違いしてはいけない。 前提うんぬんの話は、交渉プロセスの話であって、主権者国民にとって影響が生じるのは、あくまでも結果として、どのような決着になるのかである。
したがって、安倍氏が責任を持つべきことは、あくまでも最終的な結果である。 ところが、安倍氏の姿勢はまったく異なる。 自民党の政権公約の一字一句の言葉の綾をかいくぐって、交渉に入るときにすべての関税を撤廃するとしないなら、交渉の結果として、すべての関税を撤廃することになっても公約違反にはならないとする姿勢が示されている。 この姿勢が、「詐欺師まがい」であることが問題なのだ。 政治が「かけひき」だけのものになることが「政治の劣化」なのだ。
政治にとって何よりも大事なことは「信頼」である。 「信なくば立たず」こそ政治の真髄を示す言葉だ。 日本の政治である以上、また、日本が国民主権を根本原理に位置付けている以上、政治は日本国民の意思を反映するものでなければならない。
沖縄の基地問題が論じられているが、安倍晋三氏の軸足がどこに置かれているか。 ここが問題である。 沖縄県民が総意として、普天間の辺野古移設に反対している。 沖縄県選出の国会議員もすべて、普天間の辺野古移設に反対している。 そして、沖縄県民だけでなく、日本の国民全体においても、普天間の辺野古移設に反対する人は間違いなく過半数を超えているだろう。 そうであるなら、日本の主権者を代表する政治、政府は、普天間の辺野古移設に反対するべきである。 ところが、安倍晋三氏は、いま強引に辺野古への移設を強行しようとしている。 その理由はただひとつ。米国が命令しているからだ。
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