さらに、放射能雲、
死の灰の雲が、まあ御前崎の場合は
南西の風が吹いていることが多いんですけれども、
その場合には、清水、静岡、沼津、三島、そういうところを通って
箱根の山を越えて神奈川県、首都圏にも流れてくる。
これは気象条件によります、
風の早さなんかによりますけども、
まあ12時間くらいすると首都圏にもやってくる。
で、それで雨が降ったりしますと、
放射能がその雨粒に付いて、降ってくる訳です。
私が原発震災といいますのは、決して地震による原発の事故
と言う単純な意味ではありませんで、仮に東海地震によってですね、
新幹線が脱線転覆するとか、まあ建物がいっぱい倒れる、
燃える、そういうことで1万人の方が亡くなるとします。
で、地震ではない時に、平常時に仮に万一、
浜岡で大事故が起こった時に、近隣住民が1000人死ぬとします。
放射能で。
で、それが同時に起こったら、
じゃあ死者は11000人かというと、決してそうではない訳ですね。
放射能から避難しようと思っても、
地震の被害で、津波や液状化で道路、橋はずたずた、
建物はたくさん倒れて道路はふさいでいる、
ということで、逃げようにも逃げられない。
浜岡のその原発事故に対処しようと思っても、対処できない。
一方、新幹線が脱線転覆して閉じこめられている、
あるいはもう無数の家屋が倒壊して
その中にまだ生きているけども閉じこめられている。
そういう人たちを、普段であれば、まさに神戸の時のように、
まああの時はちょっと時間が遅れてしまった訳ですけども、
それこそ自衛隊やボランティアが駆けつけて救出する
ということができるわけですけれども、
非常に強い放射能がある訳です。
襲ってくる訳ですから
おそらくそれは非常にやりにくい、
できないんでは、まあどうなるか分かりません、
決死隊が行くのか何か分かりませんけども。
さらには、
通常の震災による生き埋めの人、
救出できる人が見殺しになるんではないか。
そうすると死者が数万人にも十万人にも及ぶわけです。
ということが東海地方で起こりかねない。
さらに東京に目を移しますと、
そのやや長周期の振動で超高層ビルや何かが被害を受けてですね、
大勢の人がブルーテントで地面に避難しているというような、
そこへその放射能雲がやってくる訳です。
かなり気象条件によっては
東京でも放射能レベルが高いものがやってきます。
で、そういう場合、
本来、人々は密閉された建物の中に避難すべきでなんでありますが、
怖くて避難できないですし、
避難してても水がなんにも無いから暮らせない。
ということでこれは大変なことになります。
で、だいたい東京あたり、もっと遠くまでですね、
長期避難しなければなりません。
急性死亡はしませんけれども、
そこにとどまっておりますと、対外被爆、体内被爆というものを受けて、
長年のうちにはがんで死ぬ恐れがある。
また、子孫に遺伝的な影響を与える。
ということで避難しなければいけません。
このしかし、膨大な首都圏の人間がどうやって避難するのか、
それは大変なことであります。
で、そういう首都圏をですね、例えば翌年、
今度東京直下地震が襲うと、そうするとその放射能のために
修理、本格的な修理もできないでいた、壊れた、損傷した超高層ビル
なんていうのが非常なダメージを受けて弱くなっていますから、
これがもう轟音を建てて崩れるということが起こるかもしれない。
というわけでさらにその災害が増幅される。
で、そもそも東京は放棄せざるを得ない。
首都を喪失する訳です。
そこに至るまでの
静岡県や神奈川県という国土ももう長年人が住めない、
土地が喪失、国土が喪失される。
そもそも水源が汚染されますから水が飲めない、
人が暮らせないということになります。
で、まあ、これは日本の衰亡に至るであろう。
だいだい東海地震が起こった途端に
世界のその国際市場、
日本の国債が暴落するとか、
で、世界経済は混乱しますし、
大変なことだと思いますが、
この原発震災が
起これば
これはもう
本当に
物理的にも
社会的にも
日本の衰亡に
至りかねないと思う訳です。
で、こういうことがすべて同時に起こりますと、
本当に大変な訳で、これにどう対処したらいいか。
これはですね、もうあの地震防災対策ということでは凌ぎきれない。
中央防災会議が平成15年の5月に
東海地震対策大綱というものをたてまして、
例えば事前に自衛隊がどこへどこの部隊を投入する
というような計画をきちんとたてておいて、
それに従って、発災した場合の対応をする
ということを決めるというのをやりましたけども、
この浜岡原発震災が起これば
そういうものは吹き飛んでしまうわけです。
結局私は、現在の日本の国土とか社会の情勢、
非常に地震に弱くなっていて、
例えば地方の小さな山村とか地方都市もですね、
地震に襲われた時、
本来はそこが自立して、完結して、
震災後の対応をしなければいけないんですけども、
そういうことができないような状況になっている。
■地震と共存する文明を
ということで、私たちの暮らし方の
根本的な変革が必要ではないかと考えています。
これは決して地震とか自然災害に対して受け身、消極的にやむを得ずやるのではなくて、これ以外のあらゆる問題に通じると思います。
現在、まあ日本でも世界でも
二十一世紀の非常に大きな問題でありますエネルギー、
食糧あるいは廃棄物、環境、そういった問題にすべて通じることである。
で、あの私の前の話の地方分権にも通じることだと思います。
そもそも日本列島に居る限り、
地震と共存する文化というものを確立しなければならない。
つまり、従来は自然と対決する文明で、
それに対して最新技術でもってバックアップしよう
という考え方でしたけれども、
自然の摂理に逆らわない文明というものを
我々は作っていかなければならないと思います。
要するに開発の論理、
あるいは効率、集積、利便性の論理、
それから東京一極集中、
都市集中の論理、
そういう物をやはり見直してですね、
保全とか小規模、多極分散、
安全と落ち着き、地方自立、国土の自然力と農村漁村の回復、
といったようなことをキーワードにして、
根本的な変革が必要であると、
まあその地震災害を考えると、私は強く思います。
なお、原子力発電所に関してはですね、
これはまあいろんな他の問題もあるわけですけども、
本当に危険でありまして、浜岡だけではありません。
例えば若狭湾に十三機の商業用原発がありますけれども、
ここも地震の危険性が高いところであります。
で、そういうことからして、
全国の原子力発電所の原発震災のリスクというものを
きちんと評価してですね、
その危険度の高い物から順に段階的に縮小する、
必然的に古い物から縮小されるということになる
と思いますので、そういうことを考えない限り、
大変なことが起こって、
まあ世界が一斉に救援に来て、同情してくれるでしょうけども、
逆に世界中から厳しい非難を浴びる
ということにも成りかねないわけで、
こういうことを急いでやることは
日本の責務だろうと思います。