12吸血部族物語。 + ミニバラ奮闘記。

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 「エリカさんって冷静そうだよね。」

 一緒に見ていたテレビドラマで女性が男性に裏切られてヒステリーを起こす場面を見ながらポツリと双葉が言った。

 「・・・・・・そうでもないぞ?」

 双葉の言葉にエナは先日のことを思い出しながら返事を返した。

 今見ているテレビドラマの女優のように物を投げたり、相手を叩いたりはしないがエリカだって何時も何時も、冷静なわけではない。

 エナ自身に何かあった時だって心配しているのがわかるし・・・それはどこかこそばゆいのだが・・・・・・怒りをあらわにする事だってある。

 「このあいだも。」







 「だぁーっ!」

 「・・・・・・!?・・・大丈夫か?」

 エリカがバタバタと足音を鳴らし2階から降りてきたのでエナは台所から顔をだして声をかけた。

 今日はずっと自室に篭ってパソコンを使って吸血種族関連の話し合いだかなんだかをするはずではなかっただろうかと考える。
色々込み入った話で長くなるし内容も内容だから部屋に近寄るなと言われていたのだ。
だからエナはパオラとリリアが部活で出かけ、家の中の作業を一通り終えた後、独りで台所で作業をしていた。
チーズケーキとパンを作っていたのだ。
チーズケーキはだいぶ冷えたので先ほど冷蔵庫に入れた。
夕食時間には良い感じに冷えて食べごろになっている予定だし、パンは今から準備して焼き立てを夕飯に出す予定だ。
そういう予定であったからエリカが下に降りてくると言うのは考慮していなかったのだ。
遅く朝ごはんを食べていて、昼ごはんはいらないと言っていたがお腹がすいたのだろうかと考える。
それならそれで何か・・・・・・と、エナが考えているとエナの横を突っ切ってエリカが冷蔵庫を開けて中身を物色し始めた。

 「エリカ?話し合いは終わったのか?」

 「まだだ!ずぇんぜぇんっ!すすんでいない!」

 「そ。そうか・・・・・・。それは大変だな・・・・・・。」

 そう言いながらエリカがチーズケーキを取り出したのでエナは慌てた。
夕食後のデザートにと思っていたのに、そもそもまだ冷えていないので微妙なはずだ。

 「エ、エリカそれは・・・・・・。」

 「あいつら・・・・・・。」

 エナが声をかけるとエリカはチーズケーキを手に、フォークを食器棚から取り出しながらぼそりと言った。

 「エリカ?」

 エナが恐る恐る声をかけるとエリカがケーキをテーブルの上におき椅子に腰掛けた。
そうして掛け声と共にフォークを高々と振り上げケーキを突き刺した。
それもど真ん中をである。
ダスンという鈍い音がする。
下にクッキーを引いているから案外硬いのである。

 「・・・・・・ふっ!」

 エリカはエナの前でケーキからフォークを抜き取ると、ホールケーキを真ん中から食べ始めた。

 「え、エリカ・・・・・・。」

 「あいつら!なんて言ってきたと思う?
態度が偉そうでムカつくとか言ってきた!
何様のつもりかだと!
こっちがどれだけ下手に出てやっていると思っているんだ!」

 「あ、ああ。」

 「だいたいだ!態度が偉そうなどと言ってくるやつはな!
そいつ自身の態度が偉そうなんだ!
自分が偉いと思っているからそういう事を言ってくるんだ!
自分の日頃の態度を見直してみろと言うんだ!
周りが言えないのを良いことに・・・・・・っ!
偉そうだと?
こっちが卑屈なくらい下手にでてやっているというのに!
あいつら……。
だいたい昔の事をぐだぐだぐたぐだと!しつこい!その時に言え!」

 「エリカ・・・・・・あのな・・・・・・。」

 「お前もそう思うだろう!?」

 「え。あ?」

 そう思うだろうと言われても、そもそも話の内容がわからないエナにはなんと答えれば良いかわからなかったし、エリカの態度が偉そうかと聞かれれば一般的な同年代に比べればかなり偉そうではあると言うのがエナの印象である。
もっとも今ここでそれをエナが言うことはないのだが。
それにその時に言えといっても言えない者とて大勢いるはずだし、そういう者の中にエナ自身も含まれている自覚はある。
だからどうしようもないのではないかエナとしては思うのだがエリカはそうではないらしい。
そうしてエナの声を無視して文句を言いながらケーキを食べ進めていく

 「あいつらときたら直接私に言わずに周りに言いふらすんだ!陰険極まりない!」

 「・・・・・・。」

 「ああ!情報戦だというのはわかっているさ!望む所だ!」

 「エリカ・・・・・・?」

 「そう!これは食うか食われるかの心理戦!ふふふふふふっ。」

 「・・・・・・。」

 「咽喉が渇くな。」

 「あ、ああ。紅茶でよいか?」

 エリカがこくりと頷いたのでエナは慌てて紅茶を入れる準備を始めた。
エリカを見れば黙々とケーキを食べ進めている。
エナはケーキを諦めた。

 紅茶を飲んで落ち着いたのか、エリカは時計を見て椅子からがたりと立ち上がり、休憩時間がどうのこうのといってまた部屋へと帰っていった。

 後に残されたのは綺麗に平らげられたケーキの入れ物だけだった。




 「と、言うことがあってだな。」

 「・・・・・・チーズケーキホールってどれくらい?!」

 「んー。これくらい・・・・・・だろうか。」

 エナが手でその大きさの丸を作れば双葉が感嘆の声を上げた。

 「すごいね!エリカさん!」

 「ああ、まあ、よく食べるな・・・・・・。」

 「違うよ!それだけ食べるのによくあの体系を維持できるよね!」

 「え?」

 「すごいねー。」

 「ん?あれ?」

 というよりエリカは吸血種族で、覚醒しているからほとんど成長しないのだがな・・・・・・。
それより驚く所はそこだろうか・・・・・・そもそも冷静さの話ではなかっただろうかとエナは考えたりもしたのだが、双葉が違う話題を振ってきたのでまあ良いかと思うことにした。







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閉じる コメント(4)

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まさかの番外編更新です・・・・・・。
すみません。

秋の空。はあれですよ。
かかっているんですよ・・・・・・。

2009/9/28(月) 午後 11:06 [ 南国 ]

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なつひこさん

誤字指摘ありがとうございます。
なおしてみたはいいのですが・・・これで使い方あってますかね???

エリカ可愛いと言うことで、嬉しい限りです。

2009/9/30(水) 午後 9:26 [ 南国 ]

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女心と…ですか?(^^;)
見た瞬間気付きました。

でも、回想の部分がちょっと分かりにくかったですねー。

スペースを空けたのはいいんですけど、他の方の小説を見てると意味深な『間』に思えて…(汗

2009/10/1(木) 午後 10:05 refrain

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リフレインさん

秋の空は色々にかかっていますね。
基本は『女心』ですが、元々『秋の空〜』は『男心』でしたのでそちらの意味にも取れます。
『秋の空〜』ということで現在の『天高く馬肥ゆる秋』とも、元々の『中国の攻めてくる』と言う風にも・・・・・・まあ、色々に取れるように『秋の空。』という感じに濁しています。
読み手さんの好きなように取ってもらって読んでいただけると幸いです。

スペースの間に意味深な間・・・・・・。
あれですね、行間を読むと言うやつですね。
最近は行間萌えとも言うらしいですね。

何か良い方法があれば・・・と言いいますか、上手にお話が書ければ良いんですが。
また考えてみます。

また色々感想聞かせてください。

2009/10/1(木) 午後 10:33 [ 南国 ]


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