滝ニ居リマス

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ゆる系火渡りウォーク ケータイ投稿記事

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11月6日の入谷秋葉原神社の火渡りについて、もう少しだけくわしく書いておきたい。その前にちょっと別の話から。

あなたの周囲の東京育ちで中流以上の人間がいたら、普段口にしないその人の階級意識やどういう家風の家庭で育ったかをうまく探り出す方法知りたい?

帝国ホテルについて話させることだ。

それというのも東京の人間の大半がマナーをわきまえたり、きちんとしたいでたちをしなくてはならないと思う場所を十あげさせたら、必ずその中に帝国ホテルが入っており、子どもを初めて帝国ホテルに連れていく親はしかるべき場所に行ったら人はどう振る舞うべきか、かなり本音に近い所で言い聞かせていることが多いからだ。

世のすべての権威というものに一番冷ややかであるべきあきんどの家の私が父から言われたことはこうだ。

「やっこ、世の中には普段は背中丸めたりポケットに手をつっこんでぞろぞろ歩いてるのに、帝国ホテルのロビーに行くといきなり、さあ、ここは帝国ホテルだからってそっくりかえったりしゃちこばったりする奴がいるけど、そういうのはだめ。どんな場所を歩く時も帝国ホテルのロビーを歩くのと同じように歩くのはいいけど、いつもと違う歩き方しようとするとこけるからね」

なぜこんなことを長々と書いているかといえば秋葉神社の火渡りの行者の歩き方、身のこなし、たちふるまいは衝撃的なまでに普段通りの動き方だったからだ。「いや、よく見ていれば普通の人の歩き方とはどこかちがうはずだ」という人がいるかもしれない。けれど二人の白髪の行者がこの後普段の服装に着替えて神社の駐車場まで行く歩き方を後ろから見たら、神事の最中とほとんど変わりないのではないか。

この火渡りを行なっているのは秋葉神社の神官ではなく、神習教という教派神道の行者だと言っていた人がいたが(この情報を確かめようと世田谷の桜神宮に電話をしたところ確認できた。家業を継ぐ前は東芝に就職してからもラグビーをやっていたという宮司さんがやっているサイトは一生懸命やっているのが伝わってくる感じのいいものだった)今回青いビニールシートの覆いをはずすところから、最後の見物客が渡るところまで結界の縄がめぐらせてある間近のところでつぶさに神事を見ることができた。

「夜から雨と言っていましたが、お天気持つといいですね」と待機している時に話しかけると「去年もおととしも雨ふったんだ。ここは火伏せの神さまだから雨降るのかな」

白い100円ライターでおもむろに火をつけ、火を一度全体に燃え上がらせた後、人の渡る真ん中だけを三メートルくらいの竹棒でぱんぱん叩き固めて温度を下げる(ビニールシートのすぐ下に置いてあったはしごは、どこかに持っていかれてそのままだったが何のためにあったのだろう)。セメント袋と見間違う大きさの塩の袋から渡り始めの場所に塩の小山を作り、それを踏んでから五歩で熱い炭の上の道を向こうまで渡る。炭と足の裏の間に分厚い灰があると熱くないからなるべくたくさん燃え殻があるといいな、と思いながら二枚目の写真の驚異的に薄い鉋屑を見ていた。あんな鉋屑を削れるのはどんな大工なのだろう。誰でもできるのか。

恐ろしいくらい神社の神殿に近いところで火を燃やしているのが三枚目の写真でよくわかると思うが、そのまわりをまわりながら行者は火打ち石、扇子、しゃくなどで四隅を祓っていく。「ええいっ」という声を出すが本当に満身の力をこめた大声ではない。扇子などを振る時も風をおこすというよりは決められた場所にしゃくや扇子を当てる感じだ。料理というのはかなり腕力体力を使う作業だが、そのなかでただ力まかせに行なう作業というのはほとんどないだろう。調理の時の力のこめ方に似ているような気がした。

きびきびと動いているが、ひとつひとつの手間にたっぷりと時間はとっている。料理をする時いくら急いでいても一定のリズムを刻むように作業を進行していくのと同じだ。料理人によってそのリズムの取り方がちがうから、たとえば中華なべにおたまが当たるカンカンという音やリズムで誰がコンロの前に立っているか同じ調理場のスタッフだったらわかるように、あの場に火の神さまがいても祓い方のリズムや空気の動きだけで「あ、今年もだれだれが祓っているな」とわかるのだろう。

しかし神事のなかでも一番荒事にあたる火渡りの儀式が、横で子どもが寝ていても起きないようなこんな静かなものだとは私は想像できなかった。私がここ以外で見たことがあるのは「アビラウンケン!」とか「ウンタラタカンマン!」とかキングギドラも裸足で逃げて巨大白猿ハヌマーンを通訳に呼んできそうな言葉が飛びかう修験道(真言系)の火渡りだったので、なおさらそう思うのかもしれない。あちらでは場を祓うのも貞子も井戸に逃げ戻りそうなぶっそうな刀、斧、弓、あと機関銃・・・はなかったが、郵便局に強盗に行くには充分な装備だった。ここの神式の道具では強盗はできない。実際に聞いたことはないが、機関銃の「タカタカタカ・・・」という音はお祓い向きの音のような気がする。好戦的な修験道の儀式にいつかガトリング銃や大砲の音も使うようになるかもしれない。とても長く生きていればそんな火渡りも見ることができるだろうか。

ブログ「唱門師の庵」の庵主、経凛々さんによれば秋葉系の火伏せでは瓢箪を水をたたえるもののシンボルと見立てて使う、という。ここでは実際に動かしたりはせず、ただ置いてあっただけだが、私を含めて本物の瓢箪を見たことのない者にとってはジャキー・チェンの「酔拳」の師匠がいつも酒(中国の仙人はみな瓢箪に酒を入れているが、いったい何酒を入れているのだろう。紹興酒?)を入れていたような立派な瓢箪を実際に見られるのもここくらいだろう。一生のうち一度くらいは瓢箪に自分の好きな日本酒を入れて桜か紅葉のきれいな低い山に飲みにいってみたい(お弁当も持って。タコの桜煮か玉子焼きはかならず入れて)。修験道の開祖、役の小角も瓢箪に酒を入れて山歩きをしたこともあるはずだ。あるいは酒は一切口にしなかった? いかがでしょうか、役の小角さま。龍樹菩薩さまは瓢箪に酒など入れて山に行くのはご法度とおっしゃいましたか?

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ところで火渡りの行というのは何のためにするのでしょうか。やはり「心頭滅却すれば火もまた涼し」の境地を得るためなんでしょうか。

2006/11/23(木) 午前 9:43 [ - ]

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帝国ホテル、、平民の私は名前だけは聞いたことがありましたが、、、実在するんですね。。そんなところのロビーに行ったら私などはアイボ君よりぎこちない挙動をしてしまいそうです。お風呂から上がってリラックスして読んだのですが、ラストから2段落目の描写、バカ受けしました。八つ墓村の要蔵を連想しましたよ、頭に懐中電灯2本ぶっ刺せば完璧かと思います(^^;

2006/11/23(木) 午後 6:22 [ yoi*o_*0480 ]

いしやまさん、行者さんが見物人から「あの、歩いて熱くないですか」ときかれ「熱いと思えば熱い。熱くないと思えば熱くない」とおっしゃっていましたが、やはり熱いものは熱いと思います。火渡りは熱くても渡るものなのでは。

2006/11/23(木) 午後 7:16 [ hiy*y*kko_t*ki*a ]

よいこさん、何でも高い料金の帝国ホテルで唯一私が楽しみにしていたパンケーキを出すコーヒーショップ「ユリーカ」(本館1F)が来年一月四日に閉店してしまいます。もうあのパンケーキ食べられなくなるのか。あと中二階の「オールドインペリアルバー」にビールとサンドイッチのランチを食べに行こうと父にずっと言っているのですが腰が重い人なので。でもそんな軽いランチでも3000円はかかります(汗。

2006/11/23(木) 午後 7:36 [ hiy*y*kko_t*ki*a ]

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Eureka検索してみました。パンケーキが非常に有名なようですね、閉店してもこういった伝統の品はなんらかの形で継続させるのではと思いました。オールドインペリアル、、、万が一にも私の知人がここに行くようなことがあったらここのドギーバックをお土産に持って帰ってもらおうと思いました(苦笑)

2006/11/26(日) 午後 1:46 [ yoi*o_*0480 ]

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よし!!一歩目!!(^_^)/

2006/12/2(土) 午後 7:32 Rev.Ren'oh


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