映像翻訳のお仕事とは

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「崖の上のポニョ」公開前のお話ですが
NHKの「仕事の流儀」という番組で宮崎駿さんが特集されました。

彼のアニメ制作にかける情熱がひしひしと伝わってくる内容で
作り手というのはこれほどまでに身を削るものかと痛々しい思いで見ていましたが
その中で、ひよの心に深く突き刺さったエピソードがあったのでご紹介します。

「ポニョ」のアニメ制作に入り、スタジオジブリのアニメーターたちは
分業でセル画制作に当たっていたのですが、その途中で宮崎さんが
ベテランアニメーターを激しく叱責するシーンがありました。

主人公の少年の画をチェックする宮崎さんの目が厳しく光ります。
そして「これは宗介じゃない」と言うのです。
「どんどん絵が変わってきてる。こんなのは(自分が求める少年像と)違う。
なんでこうなっちゃったんですか。描き直して下さい。
描けないからと言って、作品を自分の方に引き寄せるんじゃない」

ガツンと頭を殴られた気分でした。
まるで自分に言われたみたいなショック。

そうだ。それはひよたち翻訳者にも当てはまることなんだ。

作品の本質を見抜こうとする努力が足りず、それ故、的確な日本語で表現できず
経験とテクニックでごまかして、作品を自分の方に引き寄せた翻訳をしていないだろうか。
本当にしていないと言えるだろうか。

映像翻訳にはある種のクリエイター的要素も必要です。
でもそれは原作の世界から飛び出るほど主張してはいけないもの。

作品の本質に寄り添い、できるだけ離れず、
ひたすら真摯に日本語に変換していくことが、基本中の基本なのです。
それは作品や作り手に対する最低限の礼儀でもあります。

その礼儀を無意識に欠いてはいないだろうか?
本当に欠いていないと言えるだろうか?

字幕も吹き替えもさまざまな制約の中で作らなくてはいけません。
だからこそ、この仕事を続ける限り永遠の課題として
常に念頭に置いておかなくてはいけないことだと思いました。

そして、宮崎さんがそのアニメーターに投げかけた
「まるでケンカを売られている気分です。非常に不愉快です。」
という言葉を、自分の肝に銘じて、楔としなくてはと強く思ったのでした。

映像翻訳者になるには

このテーマでお話したことはありませんでしたね。

今さらながら、書いてみようと思います。


映像翻訳者になるためには、当然ですがそれなりの勉強が必要です。


一番手っ取り早いのは、専門のスクールに通うこと。

ネット上で「スクールはぼったくり」とか「仕事にはつながらない」などといった

書き込みを目にすることもありますが、結局は本人次第です。

学校で学ぶ時間だけが、勉強のすべてではないと知っていれば

何をすべきかは明白なはず。

スクールで勉強した人が仕事をもらっているのもまた事実なのです。

スクール通いが不安な方や、物理的に不可能な方には通信講座という手もあります。

学校選びについては、それぞれに特色があるので、どこが良いとは言えません。

あくまで自分に合う学校を探すべき。

短期講座や体験入学を用意している学校もあるようです。


弟子入り、という話もちらほら聞きますが、実際はどうなのでしょうね。

劇場公開作品などで活躍されている翻訳者の方の中には

どなたかの弟子になり、勉強された方もおいでのようです。

戸田奈津子さんなどが有名ですね。

ですが、現在、学校に行かずに弟子入りして翻訳者となる人が

いらっしゃるかどうか、残念ながらひよは知りません。


独学で映像翻訳のノウハウを身に着けるのは、不可能ではないでしょうが

なかなか大変だと思います。

スクーリングや弟子入りと違って、業界情報や新しいルールの情報が

まったく入手できないわけですから、実務的にも支障が生じそうですね。


また、実績なしで映像翻訳のお仕事に従事することは不可能に近いと思います。

制作会社の中には翻訳者のトライアルを実施しているところもありますが

経験ゼロで依頼をもらうには相当優秀でないと厳しいのではないでしょうか。


本気でこの道に進みたいと考えている人にひよがお勧めしたいのは

やっぱり学校に通うことかな。

講師やカリキュラムがしっかりしている学校ならば

ノウハウをきちんと学ぶことができるでしょうし

制作会社とのパイプがある学校ならば、本人の実力次第で

比較的仕事につながりやすいと思うからです。


ただ、いずれにしても険しい道であることに変わりはありません。

以前、先輩翻訳者とお話をした時に、学校の同期の中で今でも継続的にお仕事をしているのは

その人だけだと聞いたことがあります。

もちろん実力があれば生き残っていけるのですが、逆に言えば

生き残っていけるだけの実力を持っていたのは、その先輩翻訳者だけだった、ということ。

ひよも身の引き締まる思いでお話を伺いました。

数年後、翻訳者として生き残っているかどうかは、ひよ次第。

そして、それはすべての駆け出し翻訳者さんに言えることだと思います。


翻訳だけでなく、どんな道に進むにしても王道はないし

楽な道も、近道もありません。

それに信用を得るのは難しく、失うのはたやすいのです。


眠りたくても眠れないし、納期が厳しい時もあるし

100%翻訳だけで食べていくのは相当難しいけれど

映画が好きで、本が好きで、外国語と日本語が得意で、調べ物が苦にならない

根性とMっ気のあるあなた。

おいでませ、映像翻訳者の世界へ。

一連のシュラバの途中で
『20分ぶんを翻訳するのに12時間ほどかかる』と書いたら
「そんなにかかるんですか!」という声をいただきました。

かかるんですよ〜。
ええ、まあ、ひよの場合、ってことなんですけど。

それは何故か。
このことについて今日はお話しましょう。

吹替え翻訳、と聞くと皆さんは
「外国語のセリフが日本語のセリフになっている」と想像されることでしょう。
それはそのとおり。
外国語を日本語にするのが吹替え翻訳です。
ですが、その作業過程は少しばかり複雑。

ドラマや映画はセリフとセリフをしゃべっている役者だけで成り立つものではありません。
そこには背景があり、音楽があり、主要登場人物以外の人間がいるのです。
一方、映像翻訳者はいわば日本語台本を作る人。
つまり、この場面で何が起きているかを台本上で再現しなくてはいけません。
そこで翻訳者は原語のセリフの長さに合うように日本語のセリフを考えるだけでなく
その場面がどんな場所で、どんな時間帯のものかを場面ごとに書き込み
音楽が入るタイミングまたは消えるタイミング、
人物の動きのきっかけになるような音、例えばドアの閉まる音やガラスの割れる音、などを
時系列ごとに必要な分だけ書き込まなくてはならないのです。
さらに主要な人物がしゃべっている後ろで流れているTVニュースのキャスターのセリフ、
スポーツ中継の解説者のセリフ、またはパーティー会場での会話などが
必要になる時もあります。
場合によっては歌の歌詞を考えることもあります。
(ラップだと苦労は倍増)

まずは主要な人物のセリフを考え、自分でしゃべってみて原語と長さが合うように調節し
そのセリフを何分何秒にしゃべり始めるかを書き込み、
さらに関連する音を書き出したり、原語の台本にはないバックのセリフを考えたりします。
こうして作業をしていくと、あっという間に時間は過ぎてしまいます。
ビデオデッキが壊れるくらい再生と一時停止を繰り返し、
同じシーンを何度も観て、ようやく一場面が出来上がり、となるわけです。

ひよより数段早く作業を進める翻訳者もいらっしゃると思いますが
今回分かったひよの翻訳スピードは、吹替えだと10分=6時間。
1日の作業量としては20分ぶん、つまり12時間の作業が
継続的に仕事をしていける限度のように感じています。
もちろん、〆切前ともなるとそうは言ってられませんけど…。

字幕とは翻訳の仕方が全く異なる吹替え翻訳。
同じ作品を訳すのに、その方法が全然異なるとはおもしろいことです。

だけど、どちらも同じくらい上手にできるようになるのがひよの理想。がんばらなくちゃ。

…吹替え翻訳のこと、少しはお分かりいただけたでしょうか?
もし疑問や質問があれば、何なりとお尋ねください。
できる限りお答えしてまいります♪

映像翻訳のお仕事とは? 第2弾は大まかな作業の流れをご説明します。

1.受注
取引先の担当者の方から、ある日連絡をいただきます。
「もちもちぃ。お仕事あるだけど、予定あいてるぅ?」。
ひよはペーペーの駆け出しの生まれたてのひよこなので、
「はぃぃ!!もちろんですぅぅ!!」o(・∇・o)(o・∇・)o ウレチイ!
いつでも大喜びでお受けします。
どんなに忙しくても「今忙しいので」なんて言いません。

2.素材の到着
原語(ひよの場合、英語)の台本と映像の入ったビデオテープが届きます。
ここで映像と台本を照らし合わせながら台本に抜けてる部分がないかチェックします。

3.翻訳作業開始
種類によって作業方法が違うので、詳しくは別の機会にお話します。
ここは時間との戦い、修羅場タイムです。

4.納品
ひよの現在の取引先にはすべてメールで納品します。
「今後ともよろしくお願いいたします」のひとことは忘れません。
「またすぐ仕事こい!」と念じながら送信ボタンをポチッとします。

ホント、ざっくりですね〜(笑)
次からは字幕・吹替・ボイスオーバーごとに作業内容をご説明しまぁす(⌒∇⌒)ノ""マタネー!!

ひよのお仕事について、「一体どんな感じで仕事してるの?」って
ご質問をいただいたので、映像翻訳者…っていうか、ひよこの映像翻訳者の
お仕事の流れについてシリーズにして説明してみます。

まずは映像翻訳の種類について。ひよのできる種類は3つ。

1.字幕翻訳
映画館でおなじみですね。画面の横や下にセリフが出てくるあれです。
セリフの長さに応じて字幕の長さも変わります。
基本はセリフ1秒に日本語4文字。
字幕1行につき約12文字なので、つまり3秒分が1行になっているわけです。
字幕翻訳者といえば有名なあの方がいらっしゃいますね〜。

2.吹替翻訳
声優さんにしゃべってもらうために翻訳して日本語台本を作る作業です。
声優さんに原音と同じタイミングで話してもらうために
翻訳者はセリフを自分で言いながら(一人芝居をしながら)長さを調節しつつ
一言ずつ翻訳していきます。

3.ボイスオーバー翻訳
よくドキュメンタリーやインタビューで使われる手法です。
原語を最初と最後だけちょびっと聞かせて、残りの部分に日本語をかぶせます。
日本語の下で原音がすこぉぉし聞こえてるあれです。

この3つが大きな柱となると思います。
ちなみにひよは今まで字幕のお仕事が多かったのだけど
最近はボイスオーバーもいただくようになりました。
得手不得手なくオールマイティーにこなせるのが一番なのでとてもありがたく思っています。

では次は大まかな作業の流れについてご説明しまぁす。

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