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私が、日頃の稽古が行きづまったり、疑問を感じたり、指導したりするときに必ず目を通すのが、私の剣道の愛読書「近代剣道名著大系」です。
全十四巻で17万円しました。
この本は、20年ほど前に前職の自動車工学専門学校の教官だった当時、勤務先の学校に株式会社同朋舎出版のセールスの方が来られ、関西地区担当時代に、私の大学剣道部の恩師故範士八段中澤芳雄先生にお世話になった事があり、北海道の担当になった居り、私の事を中澤先生からの紹介で来られたとのことでこの本の紹介を受けました。値段が値段なので即答が出来ず次に来られた時に返事すると言うことでその日は帰られました。
次の日、空知管内の団体戦の大会があり私も、大会に出場するために会場に行ったら、その方が居られ、また中澤先生の話になり、たまたまチームは負けましたが、私は面二本を取り勝ちました。試合の後、その方が流石、中澤先生の教え子、見事な面ですねーと煽てるものですからついつい買ってしまいました。
支払いは、妻に内緒で積み立てていた貯金で払ったのですが、妻に本は見せられないので、父に預かってもらい、父が亡くなってから私の元に来ました。ですから妻は、まさか私が買った事は未だに知らないことですし、このことは墓場までもって行かねば成りません。
買った当初は、参ったなあーと思っていましたが、今は買って良かったと思っています。
この「近代名著大系」に収録されている名著の題目と著者の一覧を書いてみたいと思います。
その前に、この本を買うきっかけとなった、故範士八段中澤芳雄先生について書いてみます。
中澤先生は、私が大学の2回生の時剣道部の師範に成りました。師範に成ったきっかけは、当時我が大学の剣道部の師範は教授であり当時大阪で最上席の武専の二期生故範士九段佐々木季邦先生でしたが、高齢(81歳)の為、師範を退くに当たり、次の師範は現在大阪の若手の八段の中で一番正統派の中澤君がふさわしいとの佐々木先生の推薦で来られました。
私が中澤先生を尊敬するのは、基本打ちで正面打ちの手本を見せてくれた時です。その当時50代後半だったと思いますが、剣先が触れる程度の間合いからいとも簡単に一拍子の面を打たれたときです。それまであんな遠くから面を打った先生を見たことは有りませんでした。その場にいた監督のMT先生(28歳)他部員全員が唖然としていました。その時の事は今でも鮮明に覚えています。
中澤先生は、人柄もよくお酒がめっぽう強く、面白い話を色々してくれました。合宿の前に先生の防具を預かりにご自宅に行くと必ずごちそうしてくれましたので、4回生で主将になったときも通常だと後輩が防具を取りに行くのですが、私と一番の親友のKG君と行きました。目当ては解りますね。・・・・
先生が、私に授けて下さった剣道の指標は、もし君が剣道を続けるなら30代で六段、40代で七段、50代で八段に挑戦するように稽古をすれば剣道は楽しくなるよといってくれましたし、剣道を続けるなら就職を紹介しようかとも言ってくれましたが剣道を続ける気がなかったので断りました。後で同期の者にこの事を話したら、誰一人先生からそんなことは言われなかったよと言っていました。
今考えると、先生は試合に勝つ剣道は教えることは出来るが(先生は第一回全日本選手権ベスト8、50年国体優勝など輝かしい戦績が有ります。)そんなのは役に立たないから、基本稽古をしなさいといわれ私は4年間切り返しと打ち込み懸かり稽古を休み無しで1時間以上やらされました。そのため試合には弱く、私だけ4回生の大阪学生選手権で予選トーナメントの決勝(ベスト8)に行ったのが最高でした。その時は先生も頑張ったあーと言って下さいました。もしかしたら剣道を私が続けるかもしれないので言って下さったのかもしれません。その後先生には結婚祝いも戴いたし、36歳で六段を取ったときも非常に喜んでくれました。私にとって剣道人生においては父と同じくらい以上に最高の先生でした。
「近代剣道の歩み」(今村嘉雄)、「撃剣指南」(根岸信五郎)、「武道剣法手引草」(清水国虎)
「剣法遺伝」(坂 似水)、「武道教範抄」(隈元実道)、「至誠忠愛抄」(望月馬太郎)
「撃剣之極意」(原 耕作)、「練胆操術」(星野仙蔵)、「剣道要覧」(小関教政)
「千葉周作先生直伝・剣術名人法」(高坂昌孝)、「剣道秘要」(宮本武蔵)
「剣道教範」(柳多元治郎)、「千葉周作遺稿・剣法秘訣」(千葉勝太郎)、「剣道」(高野佐三郎)
「国民剣道教範」(千葉長作)、「剣道修業乃栞」(牧野 秀)、「剣道講話」(根岸信五郎)
「剣法至極詳伝」(木下寿徳)、「剣道の術理」(児玉市蔵)、「剣道極意」(香川 輝)
「剣術落葉集」(上田頼三)、「剣道の極意」(堀田祐弘)、「剣客禅話」(加藤口出堂)
「剣道講話」(堀田捨次郎)、「青年教育・剣道大観」(大川義行)、「体育的学校剣道」(多胡 全)
「剣道手引草」(中山博道)、「剣道の真諦」(堀 正平)
「最も実際的な学生剣道の粋」(富永堅吾)、「日本剣道教範」(高野佐三郎)
「剣道の発達」(下川 潮)、「剣 道」(佐藤卯吉)、「新制剣道教科書」(斎村五郎・金子近次)
「帝国剣道教本」(小川金之助)、「大日本剣道史」(堀 正平)、「剣道の理論と実際」(縄田忠雄)
「一刀正伝・無刀流剣道教典」(峯 房一)、「剣道読本」(野間 恒)
「剣道解説」(剣道教育研究会)、「剣禅一如」(結城令聞)、「鉄舟随感録」(安部正人)
「伝記聚芳抄」(玉林晴朗)、「剣道に於ける道」(富永半次郎)、「日本剣道形解説書」
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