SF映画やアニメ映画が盛り上がって「こんなのは子供向け」と片付けられなくなった頃、ウルトラマンはダイジェスト映画を公開・TVアニメで復活、仮面ライダーも復活、次は何かと思ってるとこへ「ガメラが復活」ってニュースが飛び込んできて、すごく嬉しかった映画です。
映画館に行くまでは(苦笑)
公開当時は中学生でした。
その頃はウルトラマンが頻繁に再放送されてて話の深さを再認識、自分より少し年上のオタクたちの「ウルトラは1期だよね、2期もエース中盤までは認めようか」という言葉をそのまま使って得意になってました。
そんなときに鑑賞したこの映画、人間の映像とナレーションで昔のガメラの活躍をつなぎ合わせ、数少ない新撮映像は質感の悪い着ぐるみでパロディやアニメとのコラボなどなど、その合成映像の画質もかなり荒くて東映のTV番組みたい。
映画館を出て、併映のアトムともども「なんて子供騙しなんだ」と怒りながら帰宅した覚えがあります。ジグラのトキは俺も子供だったけど、それから約10年、もう中学生なんだぞ、こんなのTV特番と同じじゃないか、バカにするなよと。これじゃまた「怪獣映画は子供向け」って言われるじゃないかと。
たぶん、当時はマンガやアニメなんか早く卒業しろと言われ続けてて「子供向け」という言葉に非常に神経質になってたことから、この映画に自分の成長を押しつけていた(大人の鑑賞に耐える出来にして欲しかった)からだと思います。
…なんてコトを思い出すほど、当時と今とでは鑑賞した印象が違いました。おお、なんか色々と受け容れて楽しんでる自分がいる…いますごく大人になった気分です(笑)
では、ダラダラと長文いきます。
この大きさでも作り物に見えるガメラ (^^;
特撮好きが、純粋に特撮映画として映画館で鑑賞したら、きっと当時の私と同じ反応になると思います。ストーリーはともかく、映像・演出・ネタという面だけだと、正直クォリティの低いC級映画です。
だけどあれから35年、ひと回りふた回りして素直に鑑賞したら「これ、けっこう面白いじゃん」と感じます。
…かも知れないなと。
見方を変えたら、ただやりたい放題な映画です。けど基本的にマニア向けでなく、当時の子供や、あまりアニメなんかを知らない大人でも見たり聞いたりしたことがあるだろうネタが多いんですね。
合成映像は…東映の支援を受けての東通ecgシステムを使ってますが、これがまたTV番組みたいな画質でかなり荒い。けど、昔のガメラも…ね。自分でもけっこう脳内補完してたのは後年になって実感しましたし。
背景としては、おそらく極端な低予算で、旧作のダイジェスト映画になるのは最初から決まっていたんでしょう。シリーズの脚本をてがけてきた高橋二三さんが、どのシーンをどう使おうか、タイアップはどう生かそうか、新撮映像はどう予算配分しようかと湯浅監督たちと頭を絞った結果、万人向けのダイジェスト&パロディ映画ができあがった、という感じです。
以下、散文的にザクッと思い出すと…
オープニングで星雲や惑星を背景に暴れる海賊船のイラストに「宇宙海賊がやってきた」というナレーション。そこにスターデストロイヤーぽい宇宙船がスターウォーズのオープニングぽく登場…ああ、襲撃シーンとかを絵で見せてから飛んでるだけの実写を出すのって、東映さんがよくやるよね。
M78星雲…じゃなくてM88星人のマッハ文朱さんたちが、耳たぶを触って空手とパラパラを組み合わせたようなポーズでスーパーマン風コスチュームになると空を飛べる。でもその姿だと海賊母艦に即発見&ビーム攻撃されるので、基本は地球人と同じ姿で行動する…なるほど特殊撮影が減らせるよね。
変身したらすぐ撃たれる
ヤマハのエレクトーンにYAMAHAロゴの大写しにヤマハエレクトーン教室の文字、マツダの車でMAZDAロゴの服で登場するマツダの社員設定のM88仲間に関東マツダビルの駐車場、こち亀の両さんがカメを回してるコマやキン肉マンやリンかけが載ってる週刊少年ジャンプをこれ見よがしに持つ警官の前で少年たちが飛び上がったら「これが本当の少年ジャンプ」ってセリフ…かつて大映が「弱かった」と言われたタイアップがちゃんと生きてますね。
合成映像は、東映の支援を受けての東通ecgシステム。大きなスクリーンではその荒さが目立ちますし、車がUFOになるシーンも当時のバラエティレベルだし、ガメラと宇宙戦艦ヤマトがすれ違うとか銀河鉄道999なんか少年の夢とはいえ陳腐な宣伝としか…けど、周囲の座席で「ヤマトだ」って子供がざわついてたのは確かです。
展示用にカットした車を借りたそうです
このシーンは昭和ガメラならではですね
戦うガメラの姿が何度も出てくるし、タイアップ要素や小ネタなども色々と盛り込まれてるので、飽きることなく90分が過ぎていきます。1作目のガメラのモノクロ映像をTVの画面として使うなんてのもうまいアイディア。
ほんと、TV特番みたいとか思っててゴメンなさいって思いました。
あと、キャストもけっこういい感じで、みなさん違和感なくはまってます。主人公の少年・圭一(前田晃一くん)は、演技も歌もけっこう上手くて、しかも鼻につく感じが無い…まあさすがにエレクトーンの演奏は女性の手で吹き替えてましたけど、立派なもんです。
なんだかんだで子供に対して優しい笑顔するなと思ってた、敵の女兵士ギルゲ(工藤啓子さん)は美人じゃないけど可愛くて、マッハとの戦いに敗れた後の涙がちょっと愛おしくも思えます。ホントは優しいのに無理してたのかなと深読みしてみたり。
敵に助けられたうえ少年と一緒に寝るなんて、信頼されすぎw
最期はワンピースのままでいさせて欲しかったなと思いました
マッハ文朱さん……あ、ずっと役名の「キララ」を書いてませんね(苦笑)ちょっと硬質な感じはあるにせよ演技も身のこなしも上手、歌もうまい、鍛えられたモモ肉も魅力的(ここ個人的にポイント)。このとき現役を引退して数年ですが、ギルゲとの戦闘でもいい動き・いいポーズしてます。
キャプって発見、マッハさん表情も手を抜いてない
とはいえC級ノリには違いないので、高評価を付けなくちゃとか、再評価されなくちゃダメだとかまでは言えません。けどよく「トンデモ映画」っていう不名誉な言い方をされるのは違うなと思います。肩肘張らずに鑑賞したら楽しめるし、ガメラファンとしては「あれをこう使ったか」という楽しみ方もできますし。
あとそう言えば今回の新発見のひとつ。「ガメラマーチ」が一度も流れてないです。ジグラの背ビレで鳴らす曲もガメラマーチじゃなくなってます…なんだろ、版権の都合?
それとエンドロールの「劇画:開田裕治」って、やっぱ若かりし頃の怪獣絵師さんでしょうね。最初の惑星とかの絵を担当されたのかな?
と、グダグダで文章の構成もメチャクチャで申し訳ないです。
今回、35年ぶりに観賞していろいろ新発見が多かったです。
この映画は、昭和のガメラを楽しく鑑賞してた方にこそ、偏見無く楽しみながら鑑賞してもらいたい作品だなって思いました。お客さん=特に子供たちに楽しんで貰おうという、昭和ガメラの息づかいが確かにあります。
「良い映画」とは言えないけど、楽しい映画ですよ。