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『愛をみつけたうさぎ 〜 エドワード・テュレインの奇跡の旅』 (児童書)
Kate DiCamillo (原著), Bagram Ibatoulline (絵),子安 亜弥 (翻訳)
ポプラ社 (2006/10)
立ち読みするような本ではなく、205ページの小説だが、座って読めるコーナーで、読み始めたらやめるタイミングを逃し、読みきってしまった。
最後の方では、涙と鼻水が出てきて、何度か鼻をかんだ。
お店の人、買わなくて、ごめんなさい。この日は、別の本を買いたかったので・・・。でも、この著者の別の本は、買うかもしれませんから、許して。
概要(ネタバレ注意):
少女にかわいがられている、陶器製のうさぎ“エドワード”。少女は、学校へ行くときも、「○時に帰ってくるからね。」と言って、懐中時計を持たせて、道の見える窓の見えるところに座らせてあげる。服も着せ替えてあげて、いつも立派な紳士のエドワードだ。
しかし、エドワードの方は、かわいがられたり、愛される喜びなどには一切興味がない。当然、少女のことも愛してなどいない。それを危惧した少女の祖母(エドワードを少女にプレゼントした人)は、エドワードと少女にある話しをした。それは、愛され、愛する喜びを知らない美しいお姫様が、イボイノシシに変えられてしまったという話だった。
そんなエドワードだが、少女の家族がロンドンに引っ越しに伴い、一緒に船に乗ることになった。家に残る祖母は、別れる前、「あなたにはがっかりした」と告げる。
船中、甲板で、乗客の少年たちにからかわれて、少女は必死で抵抗するが、エドワードは船から落ちてしまう。そこで、初めて不安を覚えた。
月日が経ち、偶然にも漁船に拾われて、漁夫の老夫婦にかわいがられるうちに、愛されることの幸せを覚え始める。しかし、夫婦の娘(熟年)がやってきて、捨てられてしまう。
ゴミ山に埋もれ、月日が経ち、諦めていたが、今度は犬にくわえ出される。今度は、流れ者の男とその犬にかわいがられながら、一緒に旅をする。ほかの流れ者の、誰にも言えないけれど、口にしたい言葉(自分の子供の名前など)を聞かされたりするうちに、優しさを覚え始める。ところがまた、無賃乗車していた貨物列車で、車掌に見つかり、一人放り出されてしまう。
人気のない原っぱに放りだされたが、農家の婦人に拾われる。今度は、かわいがるためではなく、カラス除けかかしとしての道具として。屈辱的だが、もう、以前のように腹は立てなかったエドワード。そこへ、雇われ少年がやってきて、助け出してくれる。重い病気で寝ている少年の妹のために。少年の家にやってきたエドワードは、妹に強くだきしめられた。軽くだっこしてもらうだけではなく、抱きしめられたのは初めてだった。少年は、エドワードの手足に紐を付け、マリオネットにして、ハーモニカを吹きながら躍らせる。妹はとても喜んだ。しかし、妹の病気は悪化しとうとう死んでしまう。
少年はエドワードと家を出て都会へ行く。エドワードのマリオネットでお駄賃を貰って稼いだお金でレストランで食事をするが、お金が少し足りない。エドワードのマリオネットを見せるから、それで不足分としてくれないかと店主に頼むが、店主は聞き入れるどころか激怒し、エドワードをカウンターに叩きつけて壊してしまう(エドワードは陶器製)。
エドワードは夢を見た。
自分をかわいがってくれた少女。漁師の夫婦。流れ者の男と犬。少年と病気の少女。自分に羽が生えていたら、船から落ちることもなかったし、ゴミ山から漁師夫婦の家に帰ることも出来たし、死んだ少女に会いに天国にも行けるのに・・・。(登場人物の名前を忘れてしまったので、ここで列挙できないのがとても残念だが、エドワードはちゃんと名前を言っている。)
少年は、人形製造&修理店に行って、直して欲しいと頼むと、店主の人形職人は、二つの選択肢を示した。一つは、「請け負えない。」というもの。もう一つは、「タダで請け負うが、少年は二度と人形(エドワード)と会うことはできない。」というもの。少年は、後者を選んだ。直った頃、少年は店にやってきたが、店主に会わない約束だと、拒絶された。エドワードはまた、愛した人を失くしてしまった。
人形店の棚に並べられて、幾年月が経った。エドワードを買ってくれる人はなかなか現れなかったので。
ある雨の日、小さな少女が店に入ってきた。エドワードを見て、抱き上げるが、店主は高価な人形を子供に触られて心配がる。母親は、店の外で傘をたたむのに苦労してなかなか店に入ってこない。店主に子供一人で触らせないでと頼まれて、やっと入ってきた母親は、エドワードを見て・・・。
ようやく再会できた二人だった。今度は、エドワードも、愛を知っていた。嬉しくて仕方がなかった。
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