彼岸と此岸

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少々暗い話になりますので、ご注意を。
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ワンプライド。

命は、愛されなくてはいけないというプライドを持って生まれてくる。

最初は歓喜に埋もれ、愛を理解する。
そして段々と欲を出し、段々と深い愛を求めるようになる。
しかし、それが何よりも重い感情なのだと理解できるようになるのは、生命が尽きる瞬間でさえわからないままだろう。
その内、愛は与えれば返ってくるものだと理解する。
深い愛を与えれば与えるほど、より多くの愛が返ってくると錯覚するようになる。

けれど、それが錯覚だと気付かないまま、感情は狂気へと変貌してゆく。

私はあなたを愛しているのに、あなたは何故私を愛してくれないのか。
これほど、愛しているのに。


命は皆、貪欲だ。
自分では気付かないまま、多くのものを求めている。
酸素を求めなければ生きてゆけないように。
水を求めなければ、生を保てないように。

・・・ほんの少しでいい。
愛を無償で与えられるように。
気付くだけでいい。
自分自身に。


それが何よりも自身を救う、鍵になる。

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愛憎の故、ていう事件をよく耳にするようになったと思う。
だから「ワンプライド」を書いてみたわけなんですけれども。
まあ、私も愛情について理解しているとは思っていません。と言うより、もともと説明なんて付けられやしないんじゃないかと。
だけど、本当に少しの事に気が付くだけで人って変われると思う。
捨てられて行き場を失くした上に、殺処分を待っている多くのペット達。
段々と失くなっていく自然。小さな命。
戦火の中にいる人たちだってそうだし、大がかりな戦争じゃなくても身の周りでは何かと小さな火種が燃えていると思う。
何もかも押し売りじゃなくて、与えるだけなのも悪くない、と私はそう思います。

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おじいちゃん。

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目に入れても痛くない。
それが初孫の特権だ。

私はおじいちゃんにとって初孫で、本当に、本当によく可愛がってくれた。
妹が生まれても、おじいちゃんはずっと私の名前を呼んでくれた。
おばあちゃんに怒られても。
私の母に怒られても。
私は当然、それが「おじいちゃん」なのだと認識していた。
何でも買ってくれる。
おこずかいだってたくさんくれる。
私はおじいちゃんが大好きだった。

小学生の頃は母に連れられて、毎週日曜日、おじいちゃんの家へ遊びに行っていた。
でも中学生になって、行く回数が減った。
母も忙しくなり、段々と行けなくなっていたし、私もなんだか常に私の名前を呼んでいるおじいちゃんの事が気恥ずかしくて、無理に行こうとはせがまなくなっていた。
高校生になってからは、ただの一度も行かなかった。
友人との遊びとアルバイトに夢中で、おじいちゃんの顔も忘れかけてた。
そんな折、降って湧いてきたのは、両親の離婚。
当時は同時に辛い事が起きすぎていて、高校生だった私の身には耐え難く、私は両親の離婚後に高校を中退した。

中退してから、髪を染めた。
きれいに脱色された白髪に憧れていて、半日かけてクリーム色になるまで脱色した。
そして、バイクの免許を取った。
主に友人と遊ぶために取った免許だったが、たった一度だけ、幾年かぶりにおじいちゃんの家を訪ねた。
・・・おじいちゃんは留守だった。
留守を守っていたおばあちゃんから、おじいちゃんは今外出しているから、また来なさいと見送られたが、「出来れば車の免許を取ってから」と付け足され、それからは行く事がなかった。

その後、ひいおばあちゃんと、父方のおばあちゃんが亡くなった。
葬儀に参列していたおじいちゃんと少し会話は交わしたけれど、どちらも「また遊びに行くね」と別れてそのままだった。

それから、おじいちゃんが倒れて病院に運ばれたという悲報を聞いたのは、翌年の事だった。
前述の葬儀の時は母にきつく言われ、髪を黒く染めていたが、私は初めておじいちゃんにクリーム色の頭を見せた。
お見舞いの時は(黒く染めなくても)構わないだろうという母の言葉に従ったのだが、私はすぐに後悔した。

久方ぶりに見るおじいちゃんはすごくやせ細っていて、私が知っているおじいちゃんではなかった。
だけど、穏やかな目元や、白髪混じりの短髪は紛れもなくおじいちゃんで。
「おじいちゃん。」
久しぶりに呼んだ。
・・・私の名前が、返ってくると思ってた。
いつもみたいに、笑顔で綻んだしわしわの顔で。
だけど。
おじいちゃんは、首を傾げていた。
隣に居たおばあちゃんが、私が来たよ、と伝えてくれたけれど。
「・・・わからない。」

掠れた声で、おじいちゃんはそう言った。



・・・私は、何をしてたんだろう。
すぐさま、そう思った。

高校を中退した。
・・・私の他にも、中退した人はたくさん居た。

髪を染めた。
・・・私の他にも、色んな色の髪の人が居る。

バイクに乗った。
・・・好きだったから。乗りたいと思ったから、免許を取った。

思えば、昔から何も変わっていない自分を自分の中で構築したまま、私は何もかも昔のままじゃないんだ。
・・・おじいちゃんの知っている私は、もっと昔の姿だったんだ。


『わからない。』
その言葉を最後に、おじいちゃんは亡くなった。
私がおじいちゃんの笑顔を見たのは、おばあちゃんの葬儀の時。
・・・あの笑顔を思い出すと、胸が押し潰されそうだった。
おじいちゃんが眠る棺の前で、何を言ったらいいのかわからなくて、何も言えなかった。
ただ、歯を食いしばって、泣かないようにしていた。
・・・泣きたいのはおじいちゃんの方かもしれないと思うと、悔しくて・・・。
安らかに眠るおじいちゃんの棺の前で泣いてはいけないと思った。


本当に、本当によく可愛がってくれたおじいちゃん。
病床でも、私の名前をずっと呼んでくれていた。
・・・数年前と変わっていなかった、私に甘いおじいちゃん。

今でも大好きだよ。
ありがとう、おじいちゃん。

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