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「『空気』の研究」などで知られる山本七平に『帝王学』という本がある。これは唐の時代の中国に『貞観政要』(じょうがんせいよう)という本があり、これは日本ではリーダー学のような内容で、日本の権力者はここから帝王学を学んできた。簡単にいえば、組織を創業することとその組織を維持するのは、どちらが難しいのかという問いにたいしての答えを示している。この本を学んだもっとも有名な権力者は徳川家康。勘がいい人は推測できたとおもうけれど、徳川家康は、この本を学びながら、彼以前の権力者の失敗、つまり権力をにぎりながらその維持ができなかったことをふまえて徳川幕府を築いていった。
山本七平は、現代でいえば、創業の苦労は陽性であり、その目標が見えているから、努力すれば目標が近づいてくるのがわかる。山登りのように達成感もある。問題はそこからである。創業する能力がるものが、維持する能力があるとは限らない。ここからが『貞観政要』のポイントになるけれど、それは別のところで。
で、フラメンコの新人公演である。フラメンコをやっている人間にとっては一つの大きな目標になっている。ここに参加するためには、大変な努力をしてきたことだろう。日本のフラメンコな人にとって大きな目標になっているだけでも意味がある。プロになるための一つの登竜門でもある。でも、本当にプロとしてやっていくためには『貞観政要』がいうような創業と維持のレベルの違いを、無意識的にでも意識的にでも理解している人なんなんだろうな、とおもったのである。
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