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『俳句からHAIKUへ』佐藤和夫
■二十年前に出版された本だから、現在は、ずいぶんと事情は、変わっているだろうけれど、世界がどう俳句を受け入れていったのかを知ることが出来る。
アメリカでは、ハイクを書く人が多く、小学校の教科書にいくつかの俳句が載っている。アメリカ人にとって外国の詩が掲載されているのは、俳句だけではないか。
テッド・レイノルズの「カープロップ」というSF小説がある。この題名になっているカープロップは、ポチャンという意味だが、これは「古池や、、、」の伏線であり、Bashoという宇宙防衛司令官がでてくる。
戦後のビート・ジェネレーションと呼ばれる詩人や作家たちも、俳句を論じ俳句を書いている。
西欧における禅の流行から俳句が広く受け入れられるようになった。禅が大好きなJ.D.サリンジャーは、短編集「テディ」に俳句を引用している。
エイゼンシュタインは、その著書にいくつかの俳句を取りあげ、俳句について「俳句は集中された印象派のスケッチである」と述べ、彼の映画のモンタージュ理論への影響がうかがえる。
ラフカディオ・ハーンの『怪談』につぎの蕪村の俳句が取り上げられている。
釣 鐘 に と ま り て 眠 る 胡 蝶 か な
外国人によく知られた俳句である。
その訳は、
Perched upon the temple bell,
the butterfly sleeps.
である。
この句は、鈴木大拙が『禅と日本文化』で、禅の立場から解釈をしており、そのことが欧米人によく知られている理由の一つである。
スペイン語では、詩人のオクタビオ・パスが俳句を日本人と共訳している。
現在は、いったいどこまで俳句が世界に広がっているのだろうか。
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