フラメンコなどつれづれ日記

フラメンコは、自分の限界を感じるところからはじまるものだとおもう。

フラメンコ

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 語源は難しい。ジプシーという民族名も、もともと「エジプトからきた」という誤解からきている。自分達にとって異文化である民族の場合、客観的であることより、とりあえず名前をつけることで、納得しておきたいという力が働くものだ。そのことが極端になれば、異文化の民族をたとえば鬼と呼んだりする。その意味でフラメンコという名前も、客観的な語源はたぶんこれからも発見されないだろう。
 
 ロマ。映画評論家の四方田犬彦は、セルビアの首都ベオグラードでロマの楽団に出会う。ジャズとも西洋音楽とも異なり、素早い旋律と複雑なリズム。陽気で祝祭的なようでいて奇妙にくぐもった印象をもったらしい。
 
 四方田は、ベオグラードの大学生にロマについて尋ねる。小学生の頃には、たいていし三、四人のロマの子供がいたという。たとえばリンゴと桃はどこが似ているか、という質問に、セルビアの子供だと、果物だとか植物だと、問題を抽象的に答える。ロマの子供たちは、どちらも蔕(へた)があるとか、自分の観察に基づいて答える。もし家から煙がでていたらどうする?という質問に、セルビアの子供なら消防署に電話するとか大人を呼ぶと答えるが、ロマの子供たちは、火事を防ぐために煙突を掃除し、薪は決められた場所に置かなければならない、と答える。つまりその発想は徹底的に具体的であり、現実の生活体験から獲得されたものなのである。

 このことはフラメンコでも同じだということがわかる。新しいフラメンコになじめない人たちは、音楽という抽象的なレベルから構成されるフラメンコに納得できないわけだ。といっても徹底的に現実的なフラメンコの人たちは、逆に音楽的なものを取り入れていくだろうけど。カンテからでなく、ギターのリズムからフラメンコを発想すると音楽的になるのは必然だろう。考えてみれがヒターノたちの生活が激変しているのだから、フラメンコも変容するのも当然だけど。

Rocio Molinaロシオ・モリーナについて考えてみる。といってもユーチューブで観ることができた踊り限定。

 細かいサパテアード。まるでステージをキャンバスのように使い、まるでスーラの点描画のように合理的な規則性をもって細かく描きわけていくような音。それらの音は聴くものによって豊かな一つの作品として生まれていく。ブラソも細かく、音によって段階的な変化がくわえられていく。ロシオ・モリーナのレッスンは、ブラソだけでも、新しい音、古い音などを流しながら40分もおこなうらしい。いかにブラソを細かく分析的に捉えようとしていることがわかる。サパテアードとブラソの関係を一瞬のうちに調和をもたらすのがブエルタ。このブエルタも様々な形をもっている。あたかも背中自体が物語るかのような曲線。サルバドール・ダリの歪んだ時計のような固さとやわらかさを同時にそなえているようなライン。不安を誘うような動きは幻想的でもあり、郷愁をさそう。フラメンコ・フラメンコで踊ったガロティン。タバコの煙は、ロシオ・モリーナの呼吸が様々な変化することを見せている。身体をいったん複数の部分として分解して統合する行為は、フラメンコ的というよりダンサーの感性だろう。そこにカンテが入るとその動きにはフラメンコとしての身体が登場する。複数の身体を同時に生きる、それがロシオ・モリーナのイメージ。

最高のフラメンコ

 トニー・ガトリフの『EXILS』(邦題 愛より強い旅)フランス青年が恋人とともにスペイン、モロッコを経て両親の故郷のアルジェリアへヒッチハイクする。途中でフラメンコに出会うということで、さっそくフラメンコのシーンをチェック。カンテはマカニータ、バイレはファルーコという最強のコンビ。映画評をいくつかチェックしてみても一番感動したシーンがフラメンコの歌と踊りだったという評が多いようだ。そうであろう、そうであろう。難点をいえば映画用にく短縮されていたところだけど、それでも感動的なシーン。ヒッチハイクでこんなフラメンコに出会えたら最高だろうな。

 パセオの記事。松丸百合さんが忘れられない舞台の一つに田中 泯の踊りをあげている。場所は中野のプランB。わ〜っ、懐かしい。プランBで田中 泯の踊りを観たのは、僕がフラメンコをやる前だから、ずいぶんと昔だ。その田中 泯が主催していた身体気象研究所の公演など観によく足を運んだ。そういえば『生命潮流』のライアル・ワトソンの講義も聞きにいった。サヴァン症候群の天才的な絵を描く子供に、苦労してやっと少しの言葉を話せるようにしたとき、その子供は絵を描かなくなった、という。その子供にとって言語とは何か?という問いだった。そういえば伝説のバンド「すきすきスウィッチ」の追っかでもプランBにはよく行ったっけ。そんなプランBの情報をフラメンコの雑誌で知るなんて。恐るべし「パセオ」!

楽しいフラメンコ

 フラメンコの「vengo」インド起源のロマの音楽をおった「latcho dorom」などの監督トニー・ガトリフの「トランシルバニア」いい雰囲気だな。ハンガリーのブダペストには、一度行ってみたいけど、いったらトランシルバニアにも行ってみたいな。トランシルバニア。不思議な懐かしさを感じるのはなぜだろう。なんだか、遠くこの日本でフラメンコで人生のエネルギーを燃焼していることと関係があるのかもしれない、なんていう妄想をしてみたり。

 で、ロマの音楽。フラメンコの複雑なリズムは、このロマたちの、自分達も観客も心の底から楽しむために生まれたんだということを、あらためて感じました。

 日本でいいえば、能。昔はもっとはやくて楽しかったという人もいるけど、速度の問題もあるのかな。

 それにしても、それだけあれば人生を楽しめることができる音楽の、なんと貴重なことか!


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