星谷 仁のブログ

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深度合成写真(被写体を層状に何枚も撮影しピントの合った部分のみをコンピュータで合成する)という特殊な技術で撮影された美しいツノゼミの写真がふんだんに使われたツノゼミ図鑑といった本。
画像はこの本(カバー)の表紙と裏表紙だが、これを見ただけで内容のスゴさが想像できるだろう。これは本文で紹介されているツノゼミのごく一部。
ハチやアリに擬態したもの、植物のトゲやキノコ、コケ、カビ、イモムシの糞に似せたものから、なんだかワケがわからない造型まで、とにかく奇抜な姿はバリエーションが豊富。
人の想像を超えた造型は、自然の不思議さを実感させてくれる。
眺めるだけで楽しいツノゼミのデザインカタログのような本だ。

僕は虫屋ではないが、ツノゼミがいったいどうしてこんな容姿が実現できたのだろうと不思議に思っていた。
この本によると、ツノゼミの前胸の付属物(ツノ)は翅の遺伝子が働いてできたもの(3対目の翅にあたる?)だという最新の学説があるそうだ。
なぜそのような形になったのか学者の間でも解明されていないことも多いらしい。

学者ですら解き明かせずにいるツノゼミのツノの謎。生物を学んだ事も無いド素人の僕が解けるはずもないのだが、写真を見ていると、「どうしてこんな造型が実現したのだろう?」と思わずにいられない。この虫には想像力を刺激する不思議な魅力がある。

ということでド素人が想像(妄想)するツノの秘密!?

表紙に一番大きく紹介されているヨツコブツノゼミを初めて知った時はインパクトがあった。他の種類ではツノがハチやアリに見えるツノゼミもいるが、ヨツコブツノゼミの場合、ツノは発達しているわりに、何かに擬態しているようには見えない。
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こんなにかさばるデコレーションをしょっているのには、きっと生存率を高める何らかの理由(役割)があるからに違いない。その用途はいったい何なのか?
僕の思い描いた「ツノの役割」について記してみる。ここから先は、ド素人の根拠の無い、たあいない想像(妄想)遊びとして読んでいただきたい。
(1)体表面積が広いことに意味があるのかもしれない?
   →放熱あるいは集熱器官としての役割?

(2)コブと柄の部分が共鳴機的な役割を果たすのではないか?
   (固有の振動をひろったり増幅する共振装置?)
   →同じ枝にとまった仲間との振動コミニュケーションに使われる?
ツノの謎については「どんな役割を持っているのか?」という機能としての興味ととは別に「どのようにしてこんな形が形成されたのか?」という形成プロセスへの興味もある。
これについては、ヨツコブツノゼミのツノはなんとなくフラクタルに増殖中な印象を受け、イメージが広がった。

体の形成される過程で、体表面を形作るための細胞分裂が本来ならストップすべきところで停止せず、増殖を余分にくり返したことでフラクタルな形で余剰分が形成されたのではないだろうか──というイメージ。
昆虫の体がどのように形成されるのかは知らないので、そんな解釈は成り立つのかどうかはわからない。あくまでも素人の想像(妄想)ということで。

ヨツコブツノゼミのツノを見て、人間の脳のイメージが重なった。
人間の脳は大脳新皮質の表面積が異常に(?)増えてしまい、それを狭い頭蓋骨の中に納めるためにあのような複雑な折りたたみ皺ができたそうな。
ヨツコブツノゼミのツノを見ていて、体の外側に体表面の余剰分が形成されたら、こんな形になり得ないだろうか……などと漠然と思ってしまった。
余剰表皮──広い体表面積を少ない体積で処理しようとしたら、こんな形もあってよさそうな!?

そもそも、昆虫のツノはどのようにして出来たのだろう?──そんな疑問はずいぶん昔から漠然とあったような気がする。僕が子どもの時には夏にはカブトムシをとりに行ったし、オスにはツノがあること、そのツノは他のオスやクワガタなどとの闘争で使われることは知っていた。
しかし、あれば便利なツノも最初からあったわけではないだろう。ツノはどのようにして誕生したのだろう……という漠然とした疑問である。

昆虫学はおろか生物学も学んだことがないので、僕にこの謎は解けるはずもないのだが、最近、ツノのある虫の話題に触れることで、この謎が再び浮上してきた。
そして、漠然と浮かんだツノ誕生のイメージがあるので、おそらく的外れであろうけれど「思いつき」として記しておく。

この思いつきのきっかけになったのは、たぶん20年以上前にテレビで見たゴキブリの脚の再生実験だった。
その実験を図に再現してみたのだが……ゴキブリの脚だと気持ちが悪いという人もいるかと思い、人間の足に形を変えて描いてみた(この方が気味悪い!?)。
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再生は、ギャップがあると連続性のある隣接パーツで埋めるように起こるらしい──ということから広がったイメージである。
アルファベットは連続性を示す便宜上の記号ということで……、
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ツノゼミの場合、連続性が完結できる接合部を模索して余剰形成があのような複雑な形をとったのではないか……というイメージが頭の中に展開した。

あくまでもド素人の思考シミュレーション遊び。

無知なド素人の妄想に過ぎないが、色々と想像をたくましくしてくれるのが、自然の造型物の極み・昆虫であり、その最たるものの1つがツノゼミではないかと思う。

ということで、『ツノゼミ ありえない虫』(丸山宗利/幻冬舎)は、虫屋から一般の人まで楽しめるオススメの1冊である。

※昆虫ネタですが書評なのでカテゴリーは【エッセイ・雑記】ということに
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図鑑の写真がキレイでわかりやすいのは、
そういう合成加工がほどこされてあるからなんですか!
納得。

先日、久々に開いた小学生向きの昆虫図鑑にもツノゼミが載っていました。
変わった形のセミもいるものだと思っただけで通りすぎてしまいましたが、
いろいろ考えてみると面白いですね。^^

何か意味が有るんですよね。人間には理解できなくても。

2011/9/3(土) 午前 10:28 よっこ 返信する

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ツノゼミのような小さくて立体的な昆虫は、通常の撮影方法では一点にピントを合わせると他がぼけてしまい……すみずみまでシャープに撮るのは困難でしょうね。
それで、手間のかかかる深度合成写真の技術を採用したのでしょうが……ホントに美しいカタログ集(?)になってます。

撮影にも手間がかかっていますが、小さな虫なので肉眼では気づかないようなホコリとりが、また大変だそうで、撮影用の標本を1匹準備するのに数時間を要することもあるそうな。
虫屋さんの執念と愛情がつまった一冊──という感じがします。

ツノゼミのユニークすぎるツノは、意味が無ければジャマで生存率の妨げになりそうな感じがしますから……何か意味があるんでしょうね。

ところで、ツノゼミ──見た目はセミのミニチュア版といった感じですが、本書には『ツノゼミは名前にセミとつくけれど、セミとは異なるグループの昆虫だ。』と説明があります。ツノゼミもセミもカメムシ目なので、大きなグループでは一緒なのでしょうが。

2011/9/3(土) 午後 0:10 [ 星谷 仁 ] 返信する

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