星谷 仁のブログ

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以前mixiの日記に記した「ら抜き言葉」について思うところを再掲載。

発端は、Ohrwurmさんのブログ記事──、

「ら抜き言葉」(2011年11月2日):自然観察者の日常

http://ohrwurm.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/2011112-9621.html

と、そこに紹介されていたweb記事【自作を語る『知らなかった! 日本語の歴史』浅川哲也さん】(*/現在は閲覧できない)を読んで感じたことだった(後述の文章)。

問題の本『知らなかった! 日本語の歴史』(浅川哲也・著)の中では「ら抜き言葉」を擁護する意見が批判されている──ということを、最新のOhrwurmさんのブログで知ったので、

浅川哲也著『知らなかった!日本語の歴史』:自然観察者の日常

http://ohrwurm.cocolog-nifty.com/blog/2012/07/post-db48.html

浅川氏の批判に対し「こういう意見もある」ということで擁護派(?)の思うところをYahoo!ブログの方でもあらためて記しておくことにした。

■「ら抜き言葉」について
僕の周辺では「食べる」ことが可能なことを「食べられる」と言う。それが当然だと思っていたので「食べれる」という言い方を聞いた時には違和感があった。
だから「ら抜き言葉」が言葉の乱れとして報じられるようになった当初は解説通り「誤用」だと認識し、アナウンサーが「ら抜き言葉」を使うなど、もってのほか──と思っていた。

ところが「ら抜き言葉」は地域によっては昔から常用されてきたという。
爆笑コミックエッセイ『日本人の知らない日本語2』(蛇蔵&海野凪子/メディアファクトリー)の中には「ら抜き言葉はなぜ生まれたか」という項目があって、「ら抜き言葉」の利便性について書かれてある。
これを読んでなるほどと思った。

Ohrwurmさんも指摘されているが、「食べる」の場合、可能形/受身・尊敬形がともに「食べられる」となって前後の文章を読まなければ区別がつかない。可能形→「食べれる」/受身・尊敬形→「食べられる」とすれば判りやすい。
現行の文法学(?)的な観点からみれば「誤用」ということになるのかもしれないが、「ら抜き言葉」にも合理的な側面があると知って「なるほど」と納得した。

地域によっては常用されていること、「ら抜き言葉」を使ったところで意味が間違って伝わる危険はないこと。むしろ「可能形」と「受身・尊敬形」を明確に識別できるという利点があることを考えると、「誤用」と決めつけ、だから使用すべきでない──とする考えは見直さなければならないと思った。

「自分たちの常識や感覚と異なる」という理由で他者を「間違いと決めつけ排除しようとする」──こうした感情論的短絡思考には、僕も以前から抵抗を感じてきた。
「ら抜き言葉」が拡散し、それには合理的な理由があるのだとしたら、現行文法に照らして「誤用」だからといって規制(排除)すべしというのは、感情論的ではないだろうか?

「ら抜き言葉」を「誤用」と断ずる浅川氏も問題の著書のなかで「言葉」はこれまでもずいぶん変わってきたことを紹介しているという。歴史の中での変化は認めてきたのに、今おこっている変化については「誤用」と断じ認めようとせず、現行文法を遵守すべきだというのは、ちょっとおかしな気がする。
《東京語を基盤として成立した全国共通語の規範的な運用という観点からみると「ら抜き言葉」は明らかに誤用なのです(*記事より)》という浅川氏の主張には権威主義的なニオイを感じる。不当な原理主義のような気がしないでもない。

僕自身は自分が「食べれる」を使うことには正直なところまだ抵抗がある……しかし、自分が使わない表現だからといって他者にも使うな──という気にはならない。
どの言葉が馴染むのかは育った地域、人によってそれぞれだろう。正しい意味が伝わらないとすれば問題だが、コミュニケーションに支障がなければ、「現行文法に照らして誤用だから」と目くじらを立てて言葉を規制する必要はないのではないか。

僕は文法のことはよく知らないが、「言葉」というのは文法を知らなくても話せるもの、伝わるものだ──と考えている。
もともと文法的な規則があって、それにそって言葉が生まれてきたわけではない。
意思疎通のツールとしての「言葉」が生まれ、脳が理解しやすいように運用されているだけだ。これをルールとして明文化しようとしたのが文法だろう。言ってみれば後付けの理屈にすぎない。

そんなことを考えていて、ふと「文法」というのは「(生物などの)分類(学)」と似ているのではないかと思った。
自然発生したものを理解するために人が後付けで考えた「基準」という意味では同じだろう。
「基準」が明確化されれば、それに照らして正しいか誤りか、白か黒かを客観的に判断する事ができるようになる。しかしその結果「実態に則していない」不都合がでてくるようなら後付けの「基準」の方が見直されるべきであろう。

じっさい生物の「分類」は絶対的なものではなく、しばしば見直されている。
人が考えた基準である「文法」についても、実態とそぐわない状況がでてくれば見直される事はあっても良いのではないだろうか?

とりあえず自分の日記でも、思う所をまとめてみたしだい。


※mixi日記【「ら抜き言葉」について】(2011.11.06)を一部加筆再録

閉じる コメント(5)

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星谷さん、ボクのブログを引用していただいてありがとうございます。
「文法」を「生物の分類」になぞらえるとことは新しい目の付けどころだと思います。たしかによく似ていると思います。「自然に存在している言葉を人工的に作った文法に合わせる」のではなく「自然に存在している生物を人間の基準で分類する」ように「文法を現に存在している言葉に合わせる」ほうが妥当性が高いと感じられます。 削除

2012/7/7(土) 午後 10:57 [ Ohrwurm ] 返信する

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Ohrwurmさんのブログはいつも楽しみにしています。
Ohrwurmさんの書評は、本を買うさいの参考にさせていただいたりもしています。
(実は今日も『生物多様性を考える』を買うつもりでちょっと大きな書店へ出かけたのですが、見つける事ができませんでした……)

誤用学者の件ですが……ヒトは自分が理解・管理しやすいように、自然に発生し存在するものを「判りやすい構図」に記号化したがる傾向があるように思います。
ヘンなプライドがある人ほど(?)自分の「記号」や「物差し」を大事にし、それで割り切れる答えを求めて現実を改変しようとする傾向が強いのではないか……などと感じないでもありません。

2012/7/7(土) 午後 11:25 [ 星谷 仁 ] 返信する

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ボクが読む本は偏っていますから、あまり参考にならないかも・・・
池田清彦さんの『生物多様性を考える』は「生物多様性」というコトバを冠した本としては秀逸だと思います。まだ新しい本なので、新本として入手できると思います。図書館にリクエストすれば間違いなく読むことができると思います。
浅川氏については、確かに「自分がこれまでやってきたことに関するプライド」に縛られていると思います。しかし、これほどにも縛られていると、哀れにも思えてきます。
ネットを検索したら、我々と似たような感想を持った人を発見しました。
ttp://ameblo.jp/45998877/entry-11106931764.html 削除

2012/7/8(日) 午前 10:11 [ Ohrwurm ] 返信する

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僕は読書量が少なく、完読率が低いのですが、Ohrwurmさんの書評を参考に購入した本に関しては完読率がかなり高いです。本の帯・カバーの解説は「売るための宣伝文句」で偏っていがちですが、利害の無いところで書かれた感想は参考になります。

図書館の本は後で確かめたくなった時にすぐチェックできなかったり、意外に消えたりするので、読んだ本は手元にキープしておきたい派だつたりします。
良い本なら印税貢献をしておきたい──という気持ちもありますし(笑)。

買うと決めた本についてはネットで購入した方がラクなのでしょうが、僕は本屋で本を物色するのが好きなので、準絶滅危惧種(?)的な本屋には生き残ってほしいと思い、できるだけ本屋で買うようにしています。
『生物多様性を考える』は興味があるので、入手しようと思っています。(つづく)

2012/7/8(日) 午前 10:48 [ 星谷 仁 ] 返信する

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(つづき)ところで、浅川氏の考え方について、やはり抵抗を感じる人がいる──ということがわかって、嬉しく思いました。

> 浅川哲也は言語に関して差別的というのか排他的というのか
> 狭量的な捉えかたをしているので、読んでいて非常に苦しかった。

> 浅川哲也は、日本語表現の形式は誰もが行儀よく
> 遵守しなければならないと考えているようだ。

とてもよくわかる、もっともな意見に思えました。

2012/7/8(日) 午前 10:48 [ 星谷 仁 ] 返信する

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