星谷 仁のブログ

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オオトビサシガメはバナナの香り!?

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オオトビサシガメ(↑いずれも成虫)は大型の捕食性カメムシ。オスとメスでは腹のヘリ部分のはりだし方がずいぶん違う。腹の幅が♂では前胸より狭いが、♀では前胸よりも広い。
見た目はちょっと地味なオオトビサシガメだが、「バナナのような匂いがする」と知って、にわかに興味がわいてきた。
「カメムシ」というと《悪臭》のイメージがついてまわるが、《フルーツのかおり》というのは、なかなか意外性がある。
以前、「青リンゴのような匂いがする」という噂のあったカメムシのニオイを確かめたことがあった(*)が、「バナナ臭」についても確かめてみたくなる。
実はタガメの♂が求愛で「バナナ臭」を放つらしいことは知っていたが、僕がタガメに出会うことはないだろうから、確認する機会もないだろうとあきらめていた。しかしオオトビサシガメなら虫見コースで馴染みの虫だから(特に越冬シーズンによく見かける)、これは、ぜひ「バナナ臭」を確かめてみようと思った。
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「オオトビサシガメのバナナ臭」情報を得てから最初に出会ったオオトビサシガメ↑。腹のフチが張り出したメスだった。
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サシガメの仲間はむやみにつかむと刺すことがあり、これがとても痛いらしい。ということで、このために用意していたピンセットでつまんでニオイを嗅いでみたところ──。
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この時は、期待していた「バナナ臭」も、カメムシ特有の悪臭も感じられなかった。メスはニオイを発しないのか、この個体が「たまたま」発しなかっただけなのか?
カメムシは同じ種類でもその時々で放つニオイの強さに差があるように感じる。成長時期(?)や臭腺が満タンかカラか──などの条件も関係しているのかもしれない。
期待はずれの不発にガッカリしたが……しばらく間が空いて、9月に入ってリベンジ(?)のチャンスが訪れた。
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これは見つけた状況↑。横着をして右手にカメラを持ったまま、(利き腕でない)左手にピンセットを持って捕獲しようとしたのだが、するりとかわされ、擬木の隙間に逃げ込まれてしまった。「しくじった」と♀が逃げ込んだ隙間をのぞき込んだとき、ふと香ったのは──、
「……ばnぬぁ〜な!」
一瞬ではあったが、バナナの匂いを感じた。
もう少しじっくり確認したかった……と取り逃がしたことを悔やんだが、ほどなく別の擬木でオオトビサシガメ♀を見つけることができた。そして今度は、ちゃんと右手にピンセットを持って捕獲してニオイを嗅いでみた。
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この個体↑では、先に逃げられた♀が放ったバナナ臭よりもきついニオイを感じた。印象がちょっと違う。
「このニオイは何と例えたらいいだろう?」と嗅ぎながら考えているうちにニオイは遠ざかっていく……。
香るのは、臭腺から放たれた液が気化するわずかな間だけなのか……ニオイはあまり持続しないようだ。
「ニオイ」を写真のよう記録することができれば良いのだが……画像のように残し、伝えることができないのがもどかしい……。
すぐに拡散してしまうニオイをもう少しじっくりと確認できないものか……と考えて、カメムシをビニール袋に入れて「ニオイをこもらせて」嗅いでみる方法を思いついた。少々アヤシイ姿になってしまうが、やむをえまい……。次に見つけたオオトビサシガメの♂で試してみた↓。
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このときは、シェイクしたビニール袋をひらいて最初に嗅いだ一瞬、かすかにバナナ臭が香った……気がした。しかしニオイは急速に薄まって、じっくり「確認」するには至らなかった。
そしてさらに別個体の♂↓。
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ビニール袋にこもったニオイは、バナナ臭系ではあるけれど……もっと濃厚で甘ったるい感じがした。「イチゴミルク」ならぬ「バナナミルク」というイメージ!?……しかし、これが適切な表現かどうかは自信が無い……。
そしてさらに別の♂を見つけて──↓。
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ここで、ようやくしっかりと「バナナ臭」(バナナのような匂い)を確認。
納得できるニオイを確かめることができてホッとした。
これで確認作業は終了してもよかったのだが、さらに1匹、オオトビサシガメ♂をみつけたので、ついでにこれも嗅いでみると──、
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ということで、この個体↑は無臭だった。こうした例も含め、個体によってニオイの強さ・印象には差を感じた。これは分泌されるニオイ物質の希釈の度合いにもよるのだろう。かすかに香るくらいのときが「バナナの匂い」に似ている気がする。
とりあえず《オオトビサシガメが放つニオイは、「バナナ臭」(バナナのような匂い)》ということが確認できたことには満足。
そのニオイを発する臭腺開口部についても確認しておきたかったのだが……これはよくわからなかった。
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ちなみに、《青リンゴ臭》を放つキバラヘリカメムシとその臭腺開口部↓
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比較用に、《悪臭》を放つキマダラカメムシと、その臭腺開口部↓
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やはり個体差があるのですね。
私は去年、「ナナホシキンカメムシ」が青リンゴ臭がすると言う話しを聞いて試した事がありました。
嫌な臭いではなかったですが、「青リンゴ」とは少し違うと思いました。
早速、オオトビサシガメを探してバナナ臭を確認したいと思います。

2015/9/30(水) 午後 9:27 [ - ]

> キヨカズさん

「ナナホシキンカメムシ」も青リンゴ臭という情報があるのですか。僕は確かめる事ができませんが、けっこうフルーツ系のニオイがするカメムシはいるのかもしれませんね。

ニオイはやはり濃度によって、かなり感じ方が変わるみたいですね。
オオトビサシガメを試す時は、刺されないように注意してください。

2015/9/30(水) 午後 9:45 [ 星谷 仁 ]

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いつもながら探究心に頭が下がりますm(_ _)星谷さんのブログを見てからは、カメムシは「嫌な匂いを発する」という先入観を無くすよう努めてます。サシガメ気をつけます。

2015/10/1(木) 午前 0:24 skitto

> skittoさん

僕も以前は「カメムシ=悪臭」というイメージを持っていましたが、虫見を始めてデジカメで撮っているうちに、(撮りやすいように)指にとまらせたりしてカメムシ臭にはいくらか耐性ができてきたようです。
ただ、某番組で昆虫写真家の海野和男さんがサシガメに刺されて思い切り痛がるシーンが放送されたのを見たことがあり「サシガメには触るまい」と気をつけています。

2015/10/1(木) 午前 0:49 [ 星谷 仁 ]

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おはようございます。
カメムシにも色々な匂いがあるんですね!
オオトビサシガメはバナナ臭なんですね。
写真を撮るのは面白いので見つけると撮ってますが、
匂いまでは・・・これからは試してみたいと思います。
('∇^d) ナイス☆!!

2015/10/1(木) 午前 8:53 kaneo93

> kaneo93さん

カメムシというと「悪臭」というイメージがありますが、意外なニオイにビックリです。
意外なニオイということでは、スジグロシロチョウのオスなどはレモンパイの匂いがします。

2015/10/1(木) 午前 9:02 [ 星谷 仁 ]

バナナ臭とは意外ですね、それより臭いを確かめるのが凄い!
研究者魂を感じます。以前ヤマトシリアゲに刺されたことがあるので、サシガメは避けています。

2015/10/1(木) 午後 5:51 [ nika4 ]

> nika4さん

僕は昆虫好きで虫見を始めたというより、「身近にあるおもしろいもの」を探すのが好きで虫見を始めたようなところがあります。なので「意外性」には興味を引かれます。「悪臭」のイメージがあるカメムシなのに「フルーツ臭」と聞けば「意外性」を感じるし、やっぱり確かめてみたくなるじゃありませんか(笑)。
昆虫なのに冬に活動し蛾なのに♀は飛べないフユシャクとか……「意外性」を感じさせる昆虫に魅かれるものを感じます。

ヤマトシリアゲが刺すというのも「意外」でした。確かめてみたいような……みたくないような……(笑)。

2015/10/1(木) 午後 9:03 [ 星谷 仁 ]

私・・・
「青リンゴも好きですし、バナナも好きです!」
(どちらかと言いますと、青リンゴの方が好きです)

・・・バナナの香りを思い出しながら、記事を読ませて頂きました!
(悪くはない!むしろ芳しい香り!)
そんなバカな!?と想いつつも、微かな期待を胸に!
ビニール袋に入れてのシェイク作戦は、素晴らしいですね!
(とても参考に成りました!)
何より素晴らしかったのは、体を張って?何度も挑戦されたこと!頭が下がります・・・

こういった懸命な観察に、心打たれました!!!☆・・・

2015/10/2(金) 午前 2:10 [ 今日も、こっそり自然観察! ]

> 今日も、こっそり自然観察!さん

カメムシのフルーツ臭!?──「え〜っ!?」と思いますよね。
興味を感じたところは、やっぱり確かめておきたい──ということで。

ただ、画像のように他の人にも伝わる形で情報が記録できないのが、もどかしいところです。
とりあえず、自分的には確かめることができたので、よしとしました。

2015/10/2(金) 午前 3:31 [ 星谷 仁 ]

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カメムシの臭いの種類や強さに個体差があるとは知りませんでした。

2015/10/2(金) 午後 8:52 [ 佛生山孝恩寺 ]

> 佛生山孝恩寺さん

ニオイは同じ物質でも、その濃度によって感じ方がずいぶん違う──ということなのかもしれませんね。
カメムシではカメムシ臭を放つ種類でも、全く臭わないことがあるので、こうした個体にあたった人が、(ニオイを放つ種類なのに)ニオイを出さない種類と誤解してしまうことがあるのかも?

2015/10/2(金) 午後 10:28 [ 星谷 仁 ]

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嘘か本当か 昔 コロンの材料として稀釈し 使用された歴史があるという話を聞いた事があります。
虫ってけっこう臭いのに カメムシに嫌な臭いを代表させるのは ちょっと理不尽だな〜なんて思ってましたが 星谷さんがひっくり返してくれましたね。w
いつぞやの天動説 地動説の話がありましたが 生存率を上げるための臭さであれば フルーツ臭はいかがなもんかとも思いながらも 今や地動説さえ子供も誰も言わない全動説な世の中 バナナが嫌いって言うヒトもいるし バナナがセクシーって思う♀もいるんでしょうね。

2015/10/2(金) 午後 11:09 [ 辺蟲憐 ]

> 辺蟲憐さん

そういえば「パクチーの匂いは、カメムシの匂いと同じ成分」なんて話題があったような。
悪臭と好ましい香りは希釈のさじかげん──なんてコトもありそうですね。

カメムシ→悪臭というと、忌避効果を思い浮かべますが、たしかにフルーツ臭ではいかほどの効果があるのか疑問を感じます。捕まえて刺激すると発するのだから、なんらかの意味はあるのですかね。香りは良くても(捕食者にとって)味が悪かったり(サシガメの仲間では)刺されて痛い思いをしたりすれば、その香りは条件反射で忌避に帰属されるとか?

ニオイの感じ方・好き嫌いは人によって差がありそうですが……画像のようにニオイも記録できたらなあ……と今回あらためて感じています。

2015/10/2(金) 午後 11:33 [ 星谷 仁 ]

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お〜〜今度はバナナの香り!
いいですね〜〜〜!!

キバラヘリカメムシの青リンゴを体験したので、バナナも体験したいと思うのですが、オオトビサシガメの同定に自信がないので無理そうです。

それにしても星谷さんのカメムシの臭いの情報には驚かされてます。

今回も楽しませていただきました。

2015/10/3(土) 午前 11:26 ピンちゃんのママ

> ピンちゃんのママさん

おお! キバラヘリカメムシの青リンゴ臭を体験されましたか。
カメムシでフルーツ臭って、意外ですよね。
オオトビサシガメはけっこう大きめで、特に♀は腹のふちが張り出しているので判りやすそうな気がしますが……似た種類がいたとしたら、迷うかもしれませんね。
こちらでは擬木の隙間で越冬するようで、越冬時期には見かける頻度が高くなります。これまでスルーしていたのですが、バナナ臭情報を得て注目してみました。

2015/10/3(土) 午後 1:17 [ 星谷 仁 ]


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