【エセコラ(46)】
「第三次安部政権構造内閣に思う」
星ひかる著
参議院選挙が行われた。
つい先月のことだが、もう随分前のことのように感じてしまう。
現代社会においては時間は正に電光石火の如く過ぎて行く。
およそ二十年前には「ドッグイヤー」なんて言葉も誕生した。
一年が犬の年を取るのと同じスピードで過ぎて行く、という比喩的表現で、一年は昔の六年に相当する、ということだ。
十年一昔が、この換算で行くと一年半か二年足らずで過ぎる。
二十年前を振り替えれば、時代は「IT」一色。
インターネットが普及し、携帯電話が誕生し、一般にも出回るようになったころだ。
一年毎に新しいものが次々と誕生した、そんな時代、一年前の物はみな古くなり、自身そう感じもした。
物作り日本の真骨頂を発揮できた時代でもあった。
景気もバブル弾けて以降、初めて良くなりつつあった時代だ。
パソコンや携帯電話の小物から、その数年後には薄型テレビと称してプラズマテレビ、そして液晶テレビへと移った。
では、いまは……。
総ての商品は各家庭個人に行き渡り飽和状態にもある。
それらの物の生産企業は、海外の生産企業との価格競争にも負け、特に液晶テレビに関してはシャープを筆頭に企業そのものが崩壊した。
今回発足した第三次安部政権内閣であるが、またもやアベノミクスを推し進めることで一致しているという。
25兆円規模のお金をばら蒔くと聞く。
記者からの、
「中小企業へお金が回っていないという声がありますが……」
の質問には、
「最低賃金も上げますし、近いうちに回るようになる……」
というような内容の返しをしたのは今度の改革で新大臣になった世耕氏だ。
おいおい、ちょっと待ってくださいよ。
上から下へ資金が回ってない段階から、下の最低賃金だけ上げて、どうするの。
その人たちの殆どが中小企業で働いている人たちではないのか。
大手のスーパーやファーストフード店やコーヒーショップの店員や宅急便の人もそうか、政治家さんたちはあくまでも大手にしか目が向かないように出来ているとしか思えない。
勿論、彼らアルバイトで生計を立てている人の賃金を上げることは良いことだ。
政府が躍起になって最低賃金を上げると言い出しているのは、彼らの賃金を上げることで少しでも賃金格差問題に着手したというアリバイだけは作れるから。
時給が何十円だか百円上がったくらいで解決にもなにもならないけど、取り敢えず政府はやってますよ、としたいのだろう。
でもこの問題、大手でパートやアルバイトとして働く人の最低賃金が上がる、と喜んでいる場合ではない。
それは当然、中小企業のパートやアルバイトの賃金も上がるのだ。
禅問答的になるが、その中小企業にお金が回っていない、とは政府も認めてらっしゃる。
中小企業は、売上利益はまだ増えないけど、人件費だけは上がる、嵩む、ということだ。
当面は、それで我慢しろ、ということだ。
ただでさえ人手不足で少しでも時給を高くして人を集めようと苦労しているのが大方の中小企業である。
大体、最低賃金で雇っている会社なんて殆どない。
いまから予想するに(いいや断言してもいい)、三年、四年のうちに倒産に追い込まれる中小企業はかなりの数増えるだろう。
それは賃金コストの上昇からではない。
人手不足からくるものだ。
少子のこの現状をまずどうするかを考えて欲しい。
働かない若者は本当にそんなにたくさんいるのか?
そうは思えない。
この日本の殊に東京での就労人口が確実に減っているのだ。
外国からの移民は望まない声、ヘイトのような方たちもいるが、そろそろ本気で移民を受け入れて就労人口を増やしていかないと、ヘイト叫ぶあなたたちのいまの生活も維持出来なくなるだろう。
お金ばら蒔いて、円安、株高、物価高(デフレ脱却)にするのは無理なことだと、誰か安部首相に早いところ諫言しないと、この日本の将来は暗いままで光を見られなくなるよ……。
……確実に。
〈了〉
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