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『旧体制と大革命』トックビル著、小山勉訳
由良君美の『みみずく古本市』の冒頭に本書(本訳書という意味ではない)についての言及がある。
「・・・フランス革命前夜の混沌期に、いかに黒魔術や魔女の秘密結社が横行し、安定の底にいかにドロドロした人間存在の不安がひしめいていたかを、資料をあげて描きあげている」 ・・・うん?前夜? トックビルは本書で寧ろ、旧体制の要素が革命後にも沈潜したり温存されたり、或いは革命によって創出されたと考えられたものが実は旧体制からこそ芽吹いていた事をこそ微に入り細に入り調べ上げているのではないか。確かに書かれなかった後半に書かれたはずの大革命論に対し、本書はその未完の前半部として旧体制論を核としてはいるものの。 或いはこれはもっと深読みしなければ読み取れないのかもしれないし、訳文の問題は付きまとっている。社会科の教科書のように付された訳注も懇切ではあるものの、事典のようにその限りで深読み裏読みまでには至っていない。「資料をあげて描きあげている」と二度も「あげている」としている以上は、何かあるに違いないのだが。 光文社古典新訳文庫あたりが別の訳を出せば本書に対する読解も変わるかもしれない。 |
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