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『あきれた公務員の貴族生活』若林亜紀
一言で言って、後書の「私は、公務員制度改革こそが最優先だと思います」に尽きるだろう。
行政の悪口のように聴こえる論調には、そんな事はないだろうと云う向きもあるし、実際本書のレビュアー評価は真っ二つになっている。著者は何も全ての公務員が、とは云っていないので一律に改革を進めるとしたらそうしたいい方の、或いはましな方の公務員が犠牲になる事は出て来るのではないか。シロアリだけ退治して働きアリだけ残す薬剤には改革で叫ばれる制度政策ではならないのではないか、その危うさがあるという事かもしれない。 ただ、中曽根行革、橋本行革、小泉行革、民主党の政権交代による改革、これらが真っ直ぐに向いていた改革すべきその本丸は何度やってもそこまで届かない官僚改革にあるというこの感覚は、その都度官僚の本体にまで間接的には届いているのではあろうもののやはり露骨に引き延ばされてきた事でまるで神(悪魔)の存在証明のように忘れているようで忘れていないのに明確にしようとしてもなかなか思い出せないようなものになってきている。本格的な財政再建は増税ではできない、それを公務員改革でやれるか、それとも奇跡の成長経済復活はあり得ないのか、という事は、改めて考えれば著者をして盗人に追い銭、「あきれた」「貴族」とまで表現させる悪口に似た平常心、正常心の方に分があるという気にさせないわけではない。 |
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