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原作は1985年 ドイツ あらすじ パリで最も臭い魚市場で産み落とされた男の子が時代の寵児となり人殺しに至るまでの経緯。 感想 映画館で予告編をみた時はてっきり自分の香水が人気があるのをいいことに 香水に有毒成分を混ぜて皮膚から吸収させて殺している愉快犯かと想像していました。 でももっともっと異次元な話でした。 グルヌイユは産み落とされた瞬間から母親に生ゴミとして無視され、 孤児院のオーナーには金づるの一人としてブロイラーのように飼われ 仲間にも特異な才能を敬遠され、 革なめし工場の親方には容赦なく重労働させられた挙げ句に人身売買され、 彼は人間愛を微塵も知らずに天才的に発達した嗅覚世界の中でのみ生きていた。 ある時美しい処女に出会い、その「香り」に初恋をした。 だが彼女を意図せず殺してしまい、驚き、惜しみながら消え行く香りを嗅ぎ続けた。 ここで大切なのは「グルヌイユは人間が死んだ事については無感情で、 香りが消え行くことだけを痛烈に惜しんだ」という点。 反社会的な人格は既に出来上がっていたのである。 ここで彼は香りを保存しようと人生をかけた決意をする!! 縁あって老練な調香師の元に弟子入りし抽出や調香の基本を学び その才能から時代の寵児となったが 肝心の「なま身の動物の香りを取り出す方法」を学べず 失意から生死を彷徨う。 香水の最先端の地グラースに行けば分かるかもと聞き復活。 さらに調香師にさんざん才能を利用された後でやっと赴く。 その旅路で自分に体臭がないことに気づき 自分は他人から存在を認識されないと思い込み苦悩する。 (嗅覚でしか人を認識できないのは彼だけなんだけど。。) 香水工場で修行を始めたが、彼はここでも無感情で手際良く働く仕事の出来る男だった。 彼を仕事上信用してくれている女主人とグルヌイユを妬む愛人男性の 目を盗んで熱心に自分の研究を始めた。 目的はトップ〜ミドル〜ベースノートまでの13人分の処女の香りを ブレンドすること。 とうとう「なま身の動物の香りを取り出す方法」を開発し 獲物の女性の香りを順調に香りを鬼集していく。 香りを抽出する直前に女性の頭部を強打し殺すのだが 彼はいつものごとく何の感情もなく手際良くやってのける。 それが街全体を覆うヒステリーのような戦慄や、 最後の1本の原料である処女を溺愛する父親の 心配から狂気になっていく様と対比される。 グルヌイユがやっと思いを遂げたその瞬間、捕まってしまった。 刑の執行の日、自分の香水が人々に絶対的な影響力をもつことが立証され、 また、人々の間で日常行われていた愛の営みを知り目から鱗が落ちた。 人生初めての涙であった。 自由になった彼は香水さえあれば何でもできた。 彼が選んだ道はオリジンであるパリの魚市場に帰り そこのホームレスたちの前で自分に香水全部を振りかけることであった。 彼は(彼の香水の香りが)生誕の地で故郷の人々に愛され昇華した。 初恋の香りへの想いが成就したのでこの世から完全にリセットしたかったのだろうか? 産まれたときから存在を愛されなかった自分には もう何も始まらないということに気がついたのであろうか? 社会問題との絡み
グルヌイユの人格形成過程から、 愛されない子供が反社会的な人格になっていく様子が見てとれます。 素直で有能だが愛も法律も知らないがために犯罪を犯してしまった グルヌイユのような、ある意味イノセントな人でも罰せられるのは当然ですが 子供を愛さない親をもっと積極的に見つけて重罪にすべきと思います。 この映画の中でもグルヌイユを愛さず利用するだけ利用した大人達は 皆戒めのように死刑になっています。 現在の社会でも問題になっている、赤ちゃんを生ゴミのように捨てる親、 自分個人の感情のままに虐待をする親。 よく経済的に貧しいからという言い訳もありますが、 ほんとうに映画「幸せのちから」のような愛と意志力を発揮してから言っているのでしょうか? 日本に経済的に貧しい人なんかいません。心が貧しいだけです。
すべての親が子供に愛情を注げば社会はもっと潤いをもち 犯罪は限りなくゼロに近付くでしょう。 |
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コメントありがとうございます。TBさせて下さい。確かに重い社会問題が背景にありますね。それがなければこの話は成り立たないでしょうね。
2007/4/7(土) 午前 3:08
TBありがとうございました。歳を重ねると映画観るたびに社会との絡みを考えてしまいます。似たようなことを見聞した経験が沢山積っていっているからでしょうね。浜田さんの感想はとても面白かったです。
2007/4/21(土) 午後 1:19 [ たましろうず ]