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インターステラ・テクノロジズ社のロケット「モモ」(いわゆる「ホリエモンのロケット」)の発射実験が、目標高度に到達する以前に終了せざるを得なかった件について。
プロダクト開発で失敗は当たり前なんですよ。いきなり完璧なものが出来るわけが無く、特にダイレクトに人命に関わる乗用車の開発など試作車が何十台も作られて、何万キロもテスト走行が繰り返される。
こちらの会社のロケットは「モモ」が8回目の打ち上げ実験で、誰がどう見ても失敗ですよねそれというのは今回が2回目。
そんなもんでしょう。実験失敗=開発失敗ではないですから。資金が続く限りは失敗から取れたデータで改善していけば良いだけなので、商用としての運用に入っていない段階では成功も失敗も等価と思います。
ただ、一部のIT意識高い系ビジネスメンのお兄さんたちが、実験を失敗と呼ぶこと自体を馬鹿にする・・・・言ってる意味わかりますかこれ・・・・実験失敗という表現をする人たちを「こいつら何もわかっちゃいない」的に嘲笑しているのは、なんだか気持ち悪く感じました。プロダクト開発は科学ですからね。成功も失敗も淡々とクールに受け止めるだけで良いと思うので、そこに君たちは一体何を仮託しているんだと。 |
日本の海
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日本の海洋文化に関する記事
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国立科学博物館の海部陽介さん、南山大の後藤明さんら人類学者たちが敢行した「3万年前の航海」。
与那国島から西表島までの航行実験が、無いはずの木製パドルを使ったりペットボトルを持ち込んだりで、「国立科学博物館」が科研費を取ってやるレベルの実験になっていないではないかという話を数日前に書いたところ、工学部卒の知人がそれを読んでメッセージをくれました。
内容は簡単です。
対地速度にしろ対水速度にしろ、1ノット(時速2km弱)しか出ない船が黒潮を越えて与那国島から西表島まで行くのは不可能です。
・・・ですよねえ。
海上保安庁によると、黒潮の幅はおよそ40海里だから74kmほど。
最も流れが早い流軸は幅24kmほど。
流速は海部さん自身が東洋経済のインタビューで語ったところでは時速7km強(毎秒2m)。他の資料ではその半分の数値が出てたりもしますが、結論は同じ。
どんな結論か。
与那国島と西表島の間は40kmで、それにほぼ直交する形で時速7kmの黒潮が北向きに流れている。
この黒潮を横切って水平に進む為には、船は南東方向に時速7kmを超える速度で進まなければならない。
高校の数学Bで習うベクトルの合成でございます。海部さんも後藤さんも東大卒なんでそんなの当然理解出来ているはず。
草船を作って静水面(リーフ内)で漕いで時速2kmしか出なかったら、紙と鉛筆さえ不要で結論が出ます。無理だと。なんだったらPC上で黒潮の動きを観測データからシミュレーションして、その上を最大時速2kmで航続時間30時間の船を動かしてみても良いです。神風が吹いても無理です(帆走しないもん)。クラウドファンディングで2000万円集める必要なんてありません。「女性が乗っていないと移住にならないから」と主張して幹部の内田さんの娘をアファーマティブ・アクションでクルーにする必要も無かった。
クラウドファンディング始める前に実験船が出来ていて出せる速度もわかっていたはずなので、そこで方向修正して帆走にするか、貝器で丸木舟か縫合船を作ってみるか、どっちかにしたら良かったんですよ。それでまた実験航行してみて、黒潮を超えられる速度が出ることがわかればPCでシミュレーション。最後は思い出作りに西表島まで行くのも良いでしょう。
あるいは、海部さんのこの言葉が事実なら
私は、人間そのものを探究したい、進化を軸にして人間のことを探りたい、そう思っていました。それは探偵のような作業でもあります。残った断片的な証拠を見つけ、1つ1つを適切に解釈し、それらをつなぎ合わせ全体像を復元していくのです。3万年前の航海という事実も、そうして個々の遺跡証拠を統合することで見えてきました。 草帆船か丸木舟で本当に現代のツールを一切使わずに西表島まで行くという目標を立て、その為にチームがどんな思考を積み重ねてツールとスキルを蓄積していくのか、そのプロセスを後藤さんの文化人類学の手法で記録し分析したら、それは素晴らしい研究になったと思うわけです。
しかし実際には、地域活性化とか国際交流とかクラウドファンディングの科学研究への導入といった、アレも出来るこれも出来るという話に広げてしまい、本筋であった「太古の渡航技術の検証」が出来なくなってしまった。数学Bの知識で不可能とわかる実験をやって、そこにお金使ってしまった。
このプロジェクトには、祖先の謎解き以外にも、いろいろな潜在力があると考えています。私たちは、地域にあった知られざる歴史的価値を掘り起こしてその活性化に貢献したいと思っています(そのために関連NPO法人と協力します)。近隣でありながら日本人がよく知っているとは言えない、台湾の人々と文化について理解し交流する機会をつくります。そして博物館の立場から言えば、これはその活動の幅を広げる新たなチャレンジです。これは博物館がその人的・組織的資源を生かして野外にその活動を広げるチャレンジであり、クラウドファンディングについて言えば国立の博物館としては国内初です。 お金集めちゃった以上、地元の若者たちに声かけちゃった以上、出るしかない状況に自らを追い込んでしまった。撮影チームも(後藤さんの旧友の)門田さんに発注しちゃったから、迫力のある絵を撮りに行くしかなかったのかもしれない。
これがクラウドファンディングのリスクですね。研究目的に近づく為に、ではなく、研究プロセスの一番派手な見せ場を作る為に、それをわかりやすい絵にして共有する為に、お金下さいと言ってしまえば、後戻りは出来なくなる。科学的におかしくても、無意味でも、行くしか無くなる。本末転倒。
あともう一つ、細かいことなんですが
また漕ぎ手を含む民間からの参加者には、多少なりとも生活保障を考えなければなりません。開いたプロジェクトを目指した結果として、このような予算になりました。(出典) たしかどちらかの草船には外国人クルーも乗ってましたよね。就労可能なビザで入国していなければ、外国人クルーに給与や業務委託費を支払うと不法就労になっちゃいますので、そこは気をつけていただければと思います。もちろん日本人クルーも現金の支払いがあった場合は所得税申告お忘れなく。
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2600万円をクラウドファンディングで集め、朝日新聞が特集サイトを開設した国立科学博物館の実験プロジェクト、いわゆる「3万年前の航海」。
中心となった海部陽介、後藤明、内田正洋の各氏は2007年のホクレア日本航海では私も同じプロジェクトに関わったというご縁のある方々ですが(私は公式ブログの翻訳を全部ボランティアで一人でやった)、今回はちょっといただけない。
最初のコンセプトは悪くなかったと思うんです。南西諸島から出てくる旧石器時代の居住跡から見て、3万年前に外洋航海をやっていたと考えられる。じゃあどんな手段を使っていたのかを、ヘイエルダールやホクレアがやったように実験航海で検証してみよう。
そのツールとして丸木舟をいきなり除外した後藤さんの考え方は「石斧が出ていないから」と言われれば、一つの選択肢ではある。幸い日本には葦舟で何度も航海実験を成功させた石川仁さんが居て、その技術供与も期待出来た。
問題はこっからです。帆走をやった証拠が無いからと言い出したのは海部さんか後藤さんか詳しくは知りませんが、水を吸えば重くなるし水流抵抗もでかい草船を漕いで行こうということになった。最初は竹のパドルで実験したそうですが、全然推進力が出なかった。
でも、帆走の草船ならヘイエルダールがとっくにラー2世で大西洋横断をやってます。46年前に。だからなんですかね。帆走はあくまでノー。
結局、石斧が無いから丸木舟は無しだったはずが、立派な木製のパドルを使っての航海になった。ここでもうコンセプト壊れてます。
更に縄文土器が出てくるより1万年以上前の草船航海で何で水を運んだかもわからないからと、ペットボトルで水を持って行くことにした。栄養補給でコンデンスミルクまで積んだ。救命胴衣や安全索は最新のものを使うのもアリと思いますが、帆走より遥かにクルーの肉体的な負荷がでかいパドリングでこの技術ドーピングはもはや実験になってない。
そして実際の航海でも、行程の大半を伴走船で引いてショートカット。ハワイでホクレアのスターナビゲーションを学んできた内田さんの娘さんも乗っていたそうですが、夜は危ないからって航行中止じゃあスターナビゲーションの出番もありません。
とりあえず草船パドリングでは無理(流されたら100%死ぬ)ということが2600万円かけてわかりました、ということでしょうか? いや、それは内田さんや石川さんに聞けば実験するまでもなく「無理だ」って言われたはず。
最初にでかい話をぶち上げて大金を集めちゃった以上、途中で「やっぱこれ、無理だわ」とわかっても、コンセプト壊れても、やるしか無かったのかな。STAP細胞のなんとかさんを思い出しました。
ともかく死人けが人が出なくて良かった。
船作りを手伝ったボランティアの方々と、クルーの方々の努力に心よりの敬意を表します。だが、関わった研究者は恥を知りなさい。
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昔御縁のあった筋のような名称のNPOが立ち上げ準備中という話がTLを通過していったので、ちゃらっとググってみました。
見てみると、あ〜、あの人があの人とまた何か始めるのか、という構図です。この人たちもう10年ちかく、何か立ち上げては竜頭蛇尾でフェードアウトさせるということを繰り返しているのですが大丈夫なのか。 大丈夫じゃないでしょう。きっと。 何故かと申しますとですね、お神輿に乗って担がれるのが好きな先輩方と、それを担ぐ下積みの若い衆たちという任意団体のありようは、いわゆる暴走族の高齢化と低迷を見ればわかるように、前時代の形式だからです。 「俺はこういうの始めることにしたから、お前らついて来い!」 で、付いて行ったって面倒くさい裏方仕事は全部若い衆に回されて、先輩方が舞台の中央でスポットライトを浴びて、何か成果物を生み出すでもなく周囲への存在アピールだけに終始するわけです。そりゃ兵隊は逃げ出すよ。 そこでこの記事。 >なんとNPO法人の65%は、代表者が60・70代だということ。中央値・平均値共に約63歳ですよ。これらから透けて見えるのは、大づかみで捉えると、シニアが中心となったボランティア団体的NPO法人と、一部の事業型NPO法人という二極。 まことにわかりやすいです。今、若者を集められるのは事業型NPOです。明確な成果を出し続ける&運営の仕事をする人には給料を払うNPO。老人を集められるのは相互親睦会的まったりNPO。先輩の神輿を担がされる暴走族的NPOは無理。 さて、講義準備しよっと。 |
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今日の1年ゼミはテッサ・モーリス・スズキの『愛国心を考える』が指定テキスト。学生たちには予めテキストの要約と、指定テーマでのエッセイ執筆を義務づけているのですが、今回はうってつけのネタがあったので、もちろん指定テーマはあれです。 |





