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ラパ・ヌイ(イースター島)、タヒチ、マルケサス諸島、域外ポリネシアPolynesian Outlier(ポリネシア三角海域の外にあるポリネシア文化)などの航海カヌー文化に関する記事
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昨日のUNESCOの会議ではライアテアにあるタプタプアテア・マラエも世界遺産登録が決定しました。

ざっくり言うと、ここは古代ポリネシア世界(今のニュージーランド、タヒチ、イースター島、ハワイ諸島)を結ぶ航海者たちの聖地だった場所で、20世紀のその重要性が考古学の研究を通して発見され、現代のポリネシアの航海者たちの間でも特別な場所として巡礼地になった・・・というようなところです。

航海者の聖地という意味では日本の宗像大社と非常に似ていますね。
タプタプアテア・マラエの世界遺産登録はポリネシアの航海文化復興運動関係者にとっては20年ごしの悲願だったそうです。

ロンドンに保管されていた、ジェームス・クックがポリネシアで入手したサツマイモの遺伝子を分析したところ、10世紀頃にペルーから直接ポリネシアに伝播した可能性が高いという結果が得られたそうです。

航海能力から考えて、蓋然性が高いのはポリネシア人が航海カヌーで南アメリカまで行っていたという仮説ですね。

パトリック・ヴィントン・カーチ(ポリネシア考古学の大物研究者)がこの話聞いて盛り上がっているらしいです。

http://www.npr.org/blogs/thesalt/2013/01/22/169980441/how-the-sweet-potato-crossed-the-pacific-before-columbus

ヴァカ・タウマコ・プロジェクトのミミ・ジョージ博士が出たばかりの論文"Polynesian Navigation and Te Lapa―"The Flashing" " (Time and Mind, Volume 5, Number 2, July 2012 , pp. 135-173(39))を送ってくれました。彼女はずっとポリネシアの「風の羅針盤(wind compass)」概念の研究をしているのですが、この論文ではそれとは別に故カヴェイア大酋長が使っていたte lapaという概念(海が光る現象の一種らしい)についての報告と分析を行っているようです。

夏休みが終わって幼稚園が始まったら読みます。

http://www.ingentaconnect.com/content/berg/tmdj/2012/00000005/00000002/art00002

 木村伊兵衛賞と並ぶ日本写真界の賞である土門拳賞の受賞者に石川直樹さんが決まったとのことです。もちろんあの写真集『CORONA』での受賞ですね。

 ハーブ・カネ画伯が亡くなられた翌日に『CORONA』に土門拳賞というこの展開、創世神話の英雄が世を去り、新しい世代がカネ画伯らの航跡を受け継いで拡散させていくという歴史を象徴するような出来事に感じます。

 

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 今日、石川直樹さんからメールがあって、新作『CORONA』についての裏話みたいなものを二つほど教えていただきました。

 やはりこの作品は色々な意味で石川さんのキャリアの中でもターニングポイントになりそうですね。玄人筋からの評価も非常に高いそうですし、木村伊兵衛賞、今度こそいったかなという気がします。それを壁と呼んで良いのかどうかは微妙ですが、取るのと取らないのとでは、そりゃ取れるに越したことないですから。

 作品の中でのホクレアの位置づけ、意味合いについても「実は・・・・」という話を教えてくださったんですが、やはり作品全体の中で、とても大きな意味を与えられていることがわかりました。

 私は石川さんへの返信の中で、それを西洋クラシックの構成に喩えたのですが、まずこの『CORONA』はワーグナーやマーラーなど後期ロマン派の大規模な交響曲のようなものだというのが私の考えです。交響詩と言う方が近いかもしれません。いずれにしても、第一主題はホクレア。そこからどんどんモチーフが変形され、付け加えられていって、壮大な作品世界を構築します。ポリネシアの島々で石川さんがプラウベル・マキナやそれ以前の愛機ペンタックス67、あるいはもっと前、旅を始めた頃の愛機だったEOS1Nで記録してきた数々の光景、島々の光のいわば破片の中から幻の大陸が姿を現すのです。そのとき、全ての始まりだった第一主題すなわちホクレアは、無数の光景の断片からなる巨大な渦の中に浮かぶ一艘のカヌーにしか見えなくなっています。

 ですが、実は違う。

 後ろの方に見える摩天楼から考えて、もしかしたらそうなんじゃないかと思っていたんですが、当たりでした。

 この写真集の表紙に使われている、海で泳ぐ子供たち。あれはホクレアの船上からハワイの海に飛び込んでいった子供たちなのです。ポリネシアという巨大な海洋世界が東南アジアの海から東に向かって漕ぎ出していったラピタ人とその子孫たちによって、人の住む場所へと変わっていった。その失われた歴史を科学的事実として人類史の中に刻印したFRPの双胴船の上から、母なるポリネシアの海へと飛び込んでいく現代の子供たち。絵的にはもっともっと強烈なカットが数あるなかで、敢えてこの写真をそっと表紙に選んだ石川さんの想い。

 日本の写真界の人で、この写真集の深さとか重さをきちんと読み解ける人がどれだけおられるものか、私にはわかりません。でも、多分居ないでしょう。1950年代に始まるリモート・オセアニアの航海文化の探求と復興の壮大な群像劇を踏まえて石川さんは作品を構成しているわけですが、これは単に「ホクレア」を知っている程度の知識とはレベルが全然違いますからね。だから、私が選ぶなら文句無しに2010年のベスト、それはもうライアン・マッギンレイの「Life Adjustment Center」とか「Everybody Knows This is Nowhere」と較べてもこっちが大事だと即答しますが、そこまでマニアックに読み解ける人がなにしろ業界にいらっしゃらないですから・・・・・。

 でも、これは木村伊兵衛賞取って欲しいなあ。いや、取る。今まで最終選考で落とされてきたのも、この作品で取るためだったんですよ。間違いない。

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